モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

青とオレンジの魅力

2018-01-19 00:21:08 | 大人 水彩

秦野 左上 アクリル / 他 透明水彩

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、アトリエ・ミオスで最も水彩画がお上手とまことしやかにささやかれていらっしゃる、水曜夜間クラス秦野さんの作品です。ここに紹介しなければ講師作品と見紛う完成度です!左上はイギリス郊外のアパートメント、左下はクロアチアの朝市、どちらも小原先生の旅行の写真を見て描かれました。右の2枚はモチーフ棚にあるので、皆さんもご存知のアイテムではないでしょうか?

左上イギリス郊外のアパートメント こちらはアクリルで制作されているので、他の水彩作品とはまた違い、絵の具がもったりと乗せられた少し重ためな雰囲気ですね。それでも、地面のオレンジとアパートの屋根の青の組み合わせは秦野さんらしさが伺えます。干された真っ白な洗濯物からは住んでいる人の生活感が感じられ、今にも中から人が出てきそうです。建物や地面は暗めの色が使われていますが、クリーム色の空が作品の印象を柔らかくしてくれています。

左下のクロアチアの朝市 お店に落ちるパラソルの影からは、朝市らしいさわやかな空気感が伝わってきます。使われている色一つ一つがどれも魅力的です。光背後は細かく描写、というよりも色を重ねて表現されていますが、それでも沢山のお店が並び賑わっている様子が伺えるのが秦野さんの技術の高さが伺えます。オレンジをつまみ食いしたいる店主や、肘を脚に置いている女性など、人物のちょっとしさ仕草がまた良いですね。

右上のランプとホオズキ 鮮やかなオレンジのホオズキが見ていて心地よいですね。ホオズキの繊維やシワも見逃さず描写されていて、触れたらクシャッとしてしまいそうな脆い質感もよく伝わってきます。主に鉛筆デッサンのモチーフとして長い事ミオスで活躍している錆びかけのランプですが、水彩で描かれるとまた違った一面があるんだなあと奏野さんの作品を拝見して思いました。錆びた色となると、濁った色や暗く重たい色合いになってしまいそうですが、影になる部分に青を使う事で鮮やかに仕上げつつ、ホオズキのオレンジと補色の関係でお互いを引き立てあってます!素晴らしいですね。

 右下のマスク アトリエのモチーフ棚の中でも特に怪しい雰囲気を放っているヴェネチアンマスクですが、こちらの作品では秦野さんのお人柄が現れているのでしょうか、なんだか暖かく優しそうな印象になっています。秦野さんの作品はどれもオレンジと青の対比が上手く使われています。マスクの淵の装飾や、羽の根元飾りなど細かい部分もしっかりと追われています。羽の先やマスクの紐の描き過ぎずサラッと仕上げている辺りもお上手ですね。

 私は個人的に、クロアチアの朝市の作品が好きです。パラソルのピンクと手前の水色の組み合わせがとても可愛らしく、なにより一目見てここに行ってみたい!と思いました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする