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モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

緑の邂逅

2013-11-22 11:47:00 | 大人 日本画
Takeda_01武田 日本画


庄司です。日曜クラスに入らせて頂いてそろそろ1ヶ月になります。その中で感じたこと…。日曜クラスは動物を描かれる方が多い気がします!

さてさて本日はそんな日曜大人クラスより、武田さんの日本画をご紹介します。ご覧の通り武田さんも動物組!木々の上に立つ豹を描かれました。

色使いやタッチからでしょうか、日本画ですがどことなく東南アジア的な印象も受けます。亜熱帯のような、湿気も伝わってきます。木々の中からがさっと現れた豹、一瞬の邂逅の驚きと興奮。この目線の先には何があるのか、何を思っているのか、想像が膨らみますね。
またこの構図が格好良い!見上げているような視点から、豹に対する敬愛と憧れのようなものを感じます。

今回写真を見ながら描かれていらしたそうなのですが、豹の周り以外の画面下部の木々は全て想像。木の枝葉というものはランダムでありながら規則にそって生えているものですが、それを想像で描くというのはなかなか難しいものなんですよね。武田さんも、もう想像で描くのはこりましたーなんておっしゃっていましたが、いえいえ、素晴らしいです!枝は縦横無尽に走っていますが、視線はごちゃごちゃとせずスッと豹に惹き付けられます。これもやはり画面内での強弱をしっかりと意識して描かれたからこそでしょう。幹や枝をどのようにぼかして描くか、奥行きを表すために、節まで描き込むところとさらりと色をのせるだけの部分との違い、等々参考になる箇所が沢山ありますのでぜひじっくりと見てみて下さいね。
豹の身体の立体感も毛皮の様子もよく表現されています。ネコ科の動物の身軽さで木の上を飛び歩く様が浮かんできます。今にも動き出しそうですね。

完成作を見ていると、じっくりと時間をかけて作品と向き合っていらっしゃるのであろう武田さんの姿勢が伝わってきます。次のモチーフには何を選ばれるのだろう…と今から期待が膨らんでしまいます!


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墨絵の世界

2013-11-08 19:24:52 | 大人 日本画
Matuoka_07『門叩き』 松岡 水墨画

庄司です。先週、東京都美術館で開催されていた水墨画の公募展、『現水展』へ行ってきました。
水曜午前大人クラスの松岡さんの作品が新人賞を獲得したのです。

松岡さんはアトリエミオスでは日本画を描かれていますが、水墨画の教室にも通われています。
水墨画というとクラシカルな山水画をイメージされる方が多いのではないでしょうか?かくいう私もそうでした。しかし今回の公募展ではそんなイメージを吹き飛ばす、大胆な作品の嵐!(ギャラリーに過去の受賞作が掲載されています)技術ももちろんですが何よりもセンスを問われ、それがあからさまに反映されてしまうという挑戦しがいのある(そして恐ろしい)画材ではないでしょうか。描くたびに感覚が磨かれていきそうです。

松岡さんの作品はそんな会場内でも目をひいていました。この作品では中国北京の胡同(フートン、裏路地)の風景から、門叩きをピックアップして描かれたのですが、この構図が素晴らしいです!五十号一面にどんと配置するというのはかなり度胸のいることですが、それを上手く配置し描き上げる実力が伝わってきます。迫力の画面に静かな凄みがあらわれていました。古びた壁に門叩きの質感や立体感、和紙を揉んだり水で流したりと技法を駆使し、楽しんでいる情熱がまたたまらないです。
半日×3日ほどで描きあげたそうですが、本番に入る前に練習を何枚もして、それでも十枚は描きましたとおっしゃっていました。息を止めて描きあげるような水墨画、一枚をじっくり描く日本画、どちらもとても魅力的ですよね。松岡さんのますますのご活躍が楽しみです!

東京都美術館ではターナー展も開催中ですが、こちらも必見!水彩油彩それぞれのタッチや技法、何よりも光の鮮やかさはついつい唸ってしまうほどです。この秋もレッツ美術館!

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南天燭

2013-09-13 23:51:16 | 大人 日本画
Isigami_07石神 日本画

本日は水曜午前大人クラスより、石神さんの日本画をご紹介!今作もじっくりと時間をかけた大作です。

南天をモチーフに優しげな情景の中、通り抜ける穏やかな風を感じさせる作品に仕上がりました。日本画はもう何枚も描いていらっしゃいますが、空間の美しさも1枚ごと更にパワーアップして厚みと説得力が出ていますね!見る人、その時の気持ちによって、色々な感情が呼び起こされるのではないでしょうか。
 
途中経過もまた美しかったのでご紹介します。
Isigami_06手前側の南天に胡粉で盛り上げた下地の段階、すでにモダンで何だかとても好き…そこから薄くヴェールを重ねるように岩絵具をのせていき、日本画の美しく幽玄な雰囲気が前面に出ていますね。そして最後に中央の部分の調子をパステルで整えて、落款を入れて、今週完成と相成ったわけです!
石神さんは毎回その日の画面の様子を写真に撮って記録していらっしゃいます。家で見直して構想を膨らませたり…。描き進めるうちにやりたいことが沢山出てきて混乱してしまった時にも、初心を思い出すのに役に立ちますよ!完成した後にこうして思い返すのもまた楽しいものです。

ぐっと目を惹き付ける赤い実と枝の固い質感から、ふわりと和らぐ背景へ。描き込む部分とあえて沈むように描いた部分、その緩急が見事です!ほのかに透けるような奥の葉との対比でより美しく、フォーカスのかかった一瞬、二度とは見られない刹那の情景のようにも感じます。こういった作品を見るというのは、心の中の大事な景色を密かにみせてもらえたようで、嬉しくまた少しドキリとするものですね。庄司でした。

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夜に浮かぶ道

2013-09-06 20:45:19 | 大人 日本画
Matuoka_06松岡 日本画

大人クラスも夏休みが長かったですね!九月になり顔を合わせて久しぶりと感じ、作品を見てまた久しぶりと感じ…。イベント月間もワクワクしますが、通常運行もやっぱり楽しいものです!庄司です。

さてさて本日は水曜午前大人クラスより、松岡さんの日本画をご紹介します。
水墨画のイメージを強く出して描かれた、朧月夜に照らされた裏路地。ひんやりとした夜露を感じさせるしっとりとした空気の作品です。構想を練り上げるための鉛筆画、通っていらっしゃる水墨画教室でも同じ構図で描かれ、締めは日本画です!ここに至るまでは紆余曲折がありました。

実はこの作品、はじめは昼間の暖かい日のさす景色でした。が、描いていくうちになんと夜に!朧月もあらわれて、一日でガラリと変わった画面に同じクラスの皆さんもびっくりされていました。
しかしこうしてみると、この暗闇も初めから計算されていたかのように見えますね。どんどん変わっていく画面に自ら飛び込んでいく松岡さんだからできたことでしょう。ここでは失敗したけれど、違う場所の表現には向いているかもしれない、この技法はこっちにも使えるな…と、うまくいく時もいかない時も常に楽しみ工夫し、挑戦し続ける頼もしさ。拝見していると、私もますますやる気が出てきます!

描きすぎないこと、色ものせすぎないこと、を気を付けつつ描いた今作。濡れたように光り浮かぶ路地は最後に白い岩絵具をさらりとのせただけで、ほとんど触っていません。しかし美しく輝いています。白を残すこの描き方は水墨画での経験が活きて、作品にますます磨きがかかったのですね。そして、滲むようにひびの入った壁の描写は一番力を入れたところです。甲斐あって、ぱっと目を引き、見るものを絵画の世界に引き込んでくれます。
落款ではなく塀に入れたサインという洒落っ気もあり、かっちりとしすぎず松岡さんのお人柄が現れています。こんな道を静かに散歩してみたいものですね。

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幻像と実像

2013-08-02 23:27:08 | 大人 日本画
Saho_02佐藤 日本画

夏休み真っ最中、ワークショップも賑わっています。しかし、大人も負けちゃあいません!
本日は活気溢れる水曜午前大人クラスより、佐藤さんの日本画をご紹介します。富士山が世界遺産に登録されたところですし、なかなかタイムリーな完成でした!

今回の作品では湖に映る逆さ富士こそ見せ所なのですが、実体との描きわけをし朧の存在ながら力強く雄大さを主張しています。赤く染まる景色に、湖上から立ち上る霧、また空も雲が薄くかかり、とけ合うような柔らかさが伝わります。以前ご紹介した夕焼けの油絵と比べてみると、画材の違いはあれど『伝えたいもの』は確固として根底にあるのだということが伝わってきますね。だからこそ富士がこのように美しく現れたのでしょう。
Saho_03この頂上付近の部分もご覧下さい。佐藤さんは本当にサッサッとはらうように筆を滑らせていくのですが、そのあとにあらわれるタッチにはいつも驚かされてしまいます。今回も富士にかかる雪に素晴らしくマッチしています。

そしてこの赤やピンクに紫、青、灰…の美しいハーモニー!色彩と大胆なタッチは佐藤さんの武器です!日本画は繊細で難しく、向いていないかも…とおっしゃっていた佐藤さんですが、そんなことありません!油絵の時の大胆で伸びやかなストロークはそのままに、日本画特有の繊細な色合いが加わり、まさに佐藤さんしか描けない絵なのです。油絵科の私は、日本画こそ大胆さが必要な画材であると感じます。ご自身の持つ強みをさらに研いでいって頂きたいと期待しております!

と思っていたら、佐藤さん、この出来ではまだ満足できないから今度リベンジする!との宣言。すごい!この求道心、妥協しない姿勢、感動します!私も何だか燃えてきちゃいました!と、影響されやすい…庄司でした。

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静かなる闘志

2013-07-07 04:19:00 | 大人 日本画
R2163492

木村 日本画

せっかくの七夕だというのに、物凄い暑さに朝からやられっぱなしの酒井です。心なしかベタも元気がない様子?? 

さて、今日は日曜クラス木村さんの日本画をご紹介いたします!東大寺の金剛力士像を描いた、迫力満点の1枚です。太く逞しい肢体、盛り上がる胸と腹筋までしっかりと描かれ、今にも動き出しそうなほどの躍動感。視線の向け方や腰のひねりまで計算し尽くされています。

口を大きく開けた猛々しい阿形像とは違い、口元をグッと引き結んで静かに睨み据える表情は、凛とした気迫に満ち溢れています。阿形像と吽形像2体で対になって社寺のガードマンををしているこの像は、邪な心を打ち砕く為に視線で参詣者の心を脅し、浄化する役目を負っているそうです。確かに、後ろめたい気持ちを心に秘めたままこの像の前を通り抜けるのは勇気がいりそうですね・・・・。

絵の下方、轟々と燃え上がる火のような赤色の表現は、この絵の雰囲気づくりにおいてとても重要な役割を担っているのですが、実はこの表現が生み出されたのは全くの偶然でした。寒い冬の朝、絵を軽く乾かそうと赤外線ストーブにパネルを近づけていたところ、ストーブのオレンジ色の灯りが絵に映りこむのを発見!「火が燃えてるみたいでかっこいい!」ということで、急遽赤色を重ねたのでした。金剛力士の静かなる闘志を表すようなこの火の描写は、冬でなければ生まれなかったものなのです。前回の作品が7月16日のブログで紹介されていますので、約1年に渡る大作だったわけですが、やはり絵は描いた季節、時間、気分などの要素によってその時にしか描けない1枚になるのですね!

先週から新しく、来年の干支「馬」の絵に挑戦されている木村さん。今回苦労されていた筋肉の表現やどっしりとした存在感の表現が生かせるモチーフだと思います。頑張りましょう!        

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観世音

2013-03-01 23:43:07 | 大人 日本画
Matuoka_05

家で貰ったオレンジを食べて柑橘類の美味しさを再発見。最近は、スーパーに行くと伊予柑やデコポンコーナーに直行してしまいます。以前より皮が剥きやすくなっている様な…気のせいでしょうか。庄司です。

さてさて今回は水曜午前大人クラスより、松岡さんの日本画をご紹介します。5ヶ月間じっくりと時間をかけ観音様を描きました。

本来は白い観音様なのですが銅に緑青が吹いているような色味にアレンジ。銅の質感も覗くように、緑青に暖かみを与えるオレンジや黄系の岩絵具を重ねたことにより、悠久の時間と流れを感じさせるなんとも味わい深い絵肌が出来上がりました。
そして一目見て惹き付けられるのがこの穏やかで慈悲深い微笑です。唇にはこだわり、かなりの時間をかけました。TV画面で映った女優の美しい唇を写真に撮ってそれに近づくよう…立体感は必要ですが肉感的になりすぎないよう気を配っています。

松岡さんが撮ってらした経過写真一覧もご紹介します(裏にはしっかりその日の作業の覚書き付き!)
Matuoka05_2今回、下地の色はかなり激しいピンクの水干絵具を使用しました。重ねる色を引き立たせ、透けて見える部分が凄みを与えていますね。背景に粒子のとても細かい水干絵具を使用しているので、粒子の粗い岩絵具を使用している観音様と比べてマチエールは平坦になります。ですから軽く見えないよう、暗い色も重ねて深みを出していく事が重要になってきます。筆の動きも荒々しさを加え、幽玄でありつつ迫力のある画面を演出しています。骨書き(下書き)の段階でしっかりとどのような印象の作品に仕上げるかが決まっているので、描く過程で思い切った筆使いをしたりなどの遊び心や工夫もどんどん浮かんでくるのでしょう。そしてそれに振り回されすぎず、狙ったところに辿り着くのは流石ですね。観音様の静かな優しさの伝わってくる作品に仕上がりました。

実は松岡さん、観音様を水墨画でも描かれています。日本画と水墨画の描き比べというのも面白いものですね。次回作では更に鉛筆画・日本画・水墨画と3作同じ構図で描く予定です。白と黒の世界で表現する時にも、松岡さんのこの色彩感覚は活き活きと活躍してくれるでしょう。楽しみですね!

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ゆらめく

2013-01-27 05:19:00 | 大人 日本画
Dsc_0104_2


 岡田 日本画

お財布を落としてちょっぴり傷心の酒井です。私はものを無くすと、悲しさを紛らわすために「大事にしてたから妖怪になったのかな~」なんて考えるようにしてます。

さて、今日は日曜クラス岡田さんが挑戦されていた初めての日本画をご紹介致します。記念すべき初公開ですよ!建物が水に沈んでいるのか、金魚が空中に浮いているのか、どちらにしても常と変わらない、というようにすまし顔でヒレをゆらゆらと波打たせている金魚たち。深い色の背景に金魚の鮮やかさが艶やかに際立って、不思議な世界観に思わず引き込まれてしまいます。入会されてから油絵、パステル、日本画とどんどん新しい画材に挑戦されていた岡田さん。初めて使う画材の中でも日本画は特に、塗れ色と乾き色の違いや、粒子の粗さによる使用感の差などに苦戦されていました。しかしそれも最初のうちだけで、何度も重ねて試行錯誤を繰り返すうち、持ち前のセンスでここまで絵の具を使いこなすことに成功しています!金魚の鱗も一枚一枚丁寧に描かれていて、細かい描写もバッチリです。初めての日本画でここまで画材ものにできるとは・・・!メキメキ実力を上げている岡田さんの今後が楽しみです。

金魚は中国語で「金余(お金が余る)」と同じ発音であることから、「幸運と富を招く魚」と言われます。さらに、家の北側に魚や金魚の絵を飾ると気分を落ち着かせ、集中力を高めるとも言われているそうですよ。1月ももう終わってしまいますが、年明け初の作品としては非常に演技がいいのではないでしょうか。是非お家に飾っていただきたいです!






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丸かじりたい!?

2013-01-18 21:52:43 | 大人 日本画
Isigami_03_2

石神 日本画

庄司です。この寒さの中、キッチンのリフォームで一晩コンロが使えない事態に。電子レンジでお湯を沸かして凌ぎ、思いがけず火の有り難さを実感してしまいました。

さて、本日は水曜午前大人クラスより石神さんの作品をご紹介します。精力的に日本画を描かれている石神さん、どんどん新しいことにチャレンジなさっていますよ。
今回は、『もみ紙』!
これはその名の通りの技法で、紙をもんでそのシワの質感を利用するというものです。まず和紙をくしゃくしゃっともんで皺をつけ、そして絵具を塗っていきます。シワに色がたまったり掠れや滲み…なによりもデコボコによる陰影が素晴らしい!この他にも色々なやり方があり、それぞれ筆で描くだけでは出ない面白いマチエールが得られますよ♪
 
こんなかんじです!
Isigami_04
こちらをパネル貼りして描いていきます。どうでしょう、この紙の上にどう筆を運ぶか想像するだけでワクワクしてきますよね。

ぺったりした魚なので、立体感を出すためには明るいところは思い切ってギラッとさせることも必要です。目玉には金をのせてあるのですが、周りと上手く調和して美しいですよ。お腹のハイライトにはパールを使っています。青みが触った時のひやっとした感触を想像させますね。ヒレも胡粉を盛り上げてリアルな表現!(美味しそうですよね!)そしてなにより幻想的にも感じるバックが見所!もみ紙の効果を活かすため吟味しながら色をのせていきました。大成功ですねっ!

今回の作品、石神さんとしては制作期間がいつもより短いんです。実は御友人の居酒屋さんに飾られるのだそうで…だからこそのこのモチーフ!水曜午前クラスでも「美味しそう!唐揚げにしたい!でも煮付けもいいかも?」「シンプルに焼くだけでも良いですよね~!」と食べ方でも大盛り上がり(だってあまりにも美味しそうなんですもの…)
ただ照明が暗いので、もみ紙のマチエールをしっかり見せられないのがちょっと残念…とのことでした。光が陰影を作り出してくれるので、飾る環境も重要になってくるのですよね。ダイナミックな表現も複雑な表現も楽しめるもみ紙、ぜひまた挑戦して頂きたいです♪しかしこの絵が飾ってあったら、絶対食欲増進で売上アップしちゃいますよっ!水曜午前クラス折り紙付きです!


御友人の居酒屋さんの情報を頂いたので追記します。お魚がとっても美味しいそうですよ!

≪魚の納屋≫ face book
松陰神社前(世田谷線)から徒歩2分
TEL 03-3428-0785 17:30~24:00 月休

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十一面観音菩薩

2012-10-27 23:08:00 | 大人 日本画
Kurodakannon黒田 『十一面観音菩薩』 岩絵具・顔彩(日本画)

皆様、ご無沙汰しておりました土曜日担当の岩田です。展覧会では皆さんに本当にお世話になり、大変感謝しております。すっかり暑さも和らいで気付けば10月ももうすぐ終わりです。早いもので今年もあと2ヶ月ちょっとですがこれからも作品作りに勤しんで行きましょう。

今回ご紹介するのは、黒田さんの作品です。以前、田中先生がクマノミの日本画をこのブログでご紹介しましたがこちらの絵は、その作品に続く十一面観音菩薩像を題材にした日本画です。

こちらの十一面観音菩薩は、黒田さんが良く散歩に行くお寺にいらっしゃる観音様です。この観音様を絵にするにあたってどんなふうに画面に入れようか、かなり思案を重ねました。
この像の持つなんとも優しい雰囲気を画面に出すには、お腹から上だけを入れようかどうしようかとこの構図にするまでには、少しの紆余曲折がありました。
黒田さんはこの観音様を見て何か感じるものがあったそうで、それだけにこだわりを持って進めて行きたいのだなという意気込みを感じました。

写真で見ても、とても優しい顔でうっすらと微笑んでいるようにも見えるその姿を絵にして再現するのは、かなり大変だと思ったのですが背景にこの像から出ているオーラのようなものを描くことでその神々しさを出そうという工夫もされました。紫や青といった絵具同士が重なり合って偶然にできる表情がその効果に一役かっています。

今回のこの絵は、とても難しい題材でしたがクマノミの絵に比べるとかなり短時間で完成までこぎ着けました。展覧会に出す事を目標にされていましたのでやや時間的に厳しい面もあったかも知れません。
しかしそんな中で黙々と描かれているお姿を拝見して、とても集中力がお有りになる方だなあと感心してしまいました。

ご本人は、ギリギリまで頑張ってこの絵を描かれていたので展覧会で皆さんに見て頂くことが出来て本当に良かったです。

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ファンタジア

2012-09-21 22:50:23 | 大人 日本画
Isigami_02石神 日本画

展覧会の作品リスト制作中の庄司です~。大人から幼児まで題名がずらりと並んで圧巻ですよ!フィーリングで行くぞという方、ひと捻り加える方、直球が一番という方、様々で興味深いです。あの作品がこの題名じゃないかな?なんて想像しつつ作業しているととっても楽しいです♪
でも題名つける時って、悩むな~と言う方も多いはず(私も…)。そんな時は紙の辞書をおすすめ♪フィーリングで開いたとこからピンと来るのを取ってもよし、触発される言葉をどんどん引いていって見つけ出すのもよし…電子辞書も便利ですが、やはり紙も手放せないです!そのまま目的を忘れて読みふけってしまうこともあるのが難点!?でしょうか。

さてさて、本日は水曜午前大人クラスより石神さんの作品をご紹介します。

今回のモチーフは、まるでCG?と言いたくなってしまうほど鮮やかで幻想的な朝焼けの風景です。次はこれを描きます!と見せて頂いたとき、このモチーフ選び面白い!さすが石神さん!と感じました。日本画で表現するときっと興味深く素敵な作品になるだろうなぁと楽しみにしていましたが、バッチリ!岩絵具のざらっとした質感ともマッチして、迫力満点の仕上がりなんですよ!

毎度言っているかも?ですが、石神さんは拘り派!そしていつもご自宅に持って帰ってすすめてきます!と意欲抜群で素敵ですっ。手前の草むらはご自宅で、「やっぱり描きすぎちゃったかな…」とおっしゃっていましたが、背景との対比が効いていてとってもいい感じです。フェレットちゃんたちを描いた時の経験が生きてますね。こちらもついつい触りたくなってしまうのは私だけではないはず?
逆光になる山や木々の形も魅せどころ。このままじゃシンデレラ城になっちゃうよ~とおっしゃっていたところも、じっくり手を入れてそびえ立つ巨木になってます!水面に移りこむ風景は少し濃く描きすぎていたので、馴染むよう色を重ねて落ち着かせました。陽の色は黄色をさらに重ねて手前と奥の変化を更に強調して、完成!光を受けた雲もまた美しい~。たくさんの色を重ねて現れる日本画ならではの色合いですね。元の写真ともまた少し違うご自身で作り上げた色合いで、幻想的な景色を引き立てていると感じます。

夜が終わって朝がはじまる時の昂揚感を感じさせられるこの画面。落款が入るとまたいっそう引き締まって格好いいです!じっくりと描かれていく石神さんの持ち味がいかんなく発揮されていますね。もちろん展覧会の出品作ですので、ぜひぜひじっくりご覧になって下さいませ♪
次作のモチーフも面白そうな予感…更に深まる石神さんワールドをお楽しみに!

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豊穣

2012-09-14 20:17:10 | 大人 日本画
Matuoka_02松岡 日本画

皆さん果物、よく食べますか?私は梨が大好きで大好きで、この時期大変嬉しいです!梨が美味しい!ブドウも美味しい!デラウェアも美味しい!栗も出てくるし!なんとも目移りしちゃいますよね。美味しい誘惑が増えますから、気を引き締めないといけません!

そんな実りの季節、秋にぴったりの作品をご紹介です!
水曜午前大人クラスから、もう日本画はお手の物!?の松岡さんの作品です。
今回はぶどうをモチーフに少し渋めに描こうかな…とおっしゃっていました。ブドウの立体感も見事ですが、この大きな葉!少し枯れた表情を見せるこの葉っぱは中々難しそうだけど挑戦しがいがあって、下書きの段階から完成を予想してワクワクしていました。そしていつもながら、期待を上回って下さる松岡さん!

松岡さんの魅力は何より探究心です!描きながら、ここはこうした方がもっと面白いんじゃないか?上手くいくのではないか?ということを常に考えながら描かれているのですね。そして、それを楽しみながらやっているのが更なる強み!工夫をするのって、実際なかなか楽しいですよね。松岡さんは、気構えすぎずリラックスして描かれるからこそアイディアもどんどん生まれてくるのだと思います。私も毎回楽しみにしています!

今回の絵での、そんな工夫のひとつ…
Matuoka_03これは葉の葉脈を筆で絵具をつつきながら、盛り上げていっているところです。更にその上から色をのせ、最後に少し盛りすぎたところを削って完成です!葉脈に絵具で描く線だけではないおもしろい表情が表れました。

しかしこの出来上がり、渋さの中にも柔らかさ、情熱が感じられて渋いだけでは終わらない!という松岡さんの拘りが伝わってきますよね。背景もピンクや薄紫といった明るい色を重ね、幻想的な深みが出ています。画面上部の荘厳ささえ感じられる金の色もバッチリ効いてますね!
こちらも展覧会の出品作、是非会場でご覧くださいね。作品が完成するといつもそうですが、皆さん実際に見て見て!と触れ回りたくなっちゃいます!それが叶う展覧会、もうすぐですね。追い込みラストスパートの方も、準備バッチリ悠々の方も、ますますお楽しみに♪庄司でした。

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上司にしたい人

2012-07-16 23:48:59 | 大人 日本画
Kimuratora木村

岩絵具、墨、胡粉、顔彩、銀箔、和紙

昨年の年賀状用に描かれたの絵と対になる虎が完成しました!
11月30日の日付のブログに龍の絵がアップされているということは、この虎は、な、な、なんと!7ヶ月にも亘る制作だったのですね!
先月「ちょっと飽きてきたので、そろそろ完成にします。」とおっっしゃったので、いったいいつから制作されていたっけ?と調べて驚きました。プロでもそんなに長く制作することは稀だと思いますので、いかに木村さんが粘り強い精神の持ち主かがこれでわかりますね。
しかもアドバイスさせて頂いた講師が日本画出身の千野、赤尾、油出身の小原、工芸在籍の酒井と、多すぎたからさぁ大変。長い時間掛けて丁寧に制作されている方には指導にもつい熱が入るというもので、それぞれがベストだと思うやり方を押し付け(?)真逆のアドバイスもあったことと思います。20代前半の若い講師達の顔も立てて下さる優しい木村さん(職場では『上司だったら嬉しい男性ベスト5』に絶対なっているはず!)きっと悩まれたことでしょう。よくここまで描いて下さいましたと感謝の気持ちでいっぱいです!

右側の制作始めは胡粉(白)と墨を多用し、まずは墨絵のように描き出しました。ここである程度の肉付け(虎だけでなく、全体のメリハリ)をしておくことによって、最終的には闇に溶け込ませる部分にも存在感が生まれます。初期段階でこの作業をしない(勝ちを急ぐ)と、表面的で薄っぺらな作品になってしまうので、無駄と思われる作業に価値があるのです。
また気付く人は少ないかと思いますが、実は目の部分に銀箔が貼ってあります。箔を貼ってから描き込むことにより、角度によりキラリと目が光り、妖艶な魅力が加わりました。

隠し味はわかる人だけ「おぉ!?」と思ってくれればいいんです。「なんだかわからないけど美味しい!」が、飽きの来ないテイスト。大人の作品になりました。   オバラ
(詳しい作品解説や技法については「木村さんの虎は私コメント書きたいです!」と言う、現在小学校教諭千野先生にバトンタッチ☆)

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主張の方法

2012-07-02 02:27:00 | 大人 日本画
20120702_2小田桐 「はにかみ」 日本画

どうも幸介です!本日ご紹介するのは小学校の時からアトリエに通い、そして今なおチケット制として通い続けるだけでは飽き足らず、仕事で有給を取ってまで小学生クラスのお手伝いなどにも来てくれる優等生(!?)の小田桐さんの作品をご紹介したいと思います!まずは本人のコメントからどうぞ!↓

『小学生に触発されて描いた初めての日本画でしたが、楽しかったです。水彩画と違い、色を混ぜられないので、下に塗った色と上に塗る色との見え具合なんかが難しかったです。
気に入っているのは、メインのシクラメンよりもちょっとミステリアスな背景です(笑)銀箔を散らすことで、神秘的なイメージになればいいなぁ、と思います。』

小学生クラスの手伝いに来た時は「日本画の作業って面倒で絶対に自分がやるのは嫌!!」と言っていた彼女ですが、僕や小原先生のゴリ押しに折られ「うーん、金箔貼ったりとかの作業をしなくていいならやってもいいかも?」と、なんとか挑戦した今作。タイトルの「はにかみ」はシクラメンの花言葉のひとつだそうですが、押しの強い性格ではないわりにしっかり自分の主張は通す彼女の性格と、なにか通じるものがあるような気がします。背景の暗く落ち着いた紫に散るほのかな銀箔や、彩度は高く無いけどしっかりと主張する花の描写など、静かにいたい中にも感情の漏れてしまうような、はにかみという言葉にそぐう作品となりました!

そして彼女の次の作品ですが、本人は今度は「油絵は面倒だからやりません!」と言ってはいますが、それでも会うたびに「次は油絵どう?」と、洗脳するかのように油絵を勧める僕や小原先生…もはや刷り込みですが、数年ぶりの彼女の油絵にも期待したいと思います!

田中幸介

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波間に揺蕩う

2012-05-28 11:23:00 | 大人 日本画
20120528
黒田 イソギンチャクから顔を出しているクマノミ 日本画

どうも幸介です!本日は大人クラスより黒田さんの制作された日本画をご紹介したいと思います!まずはご本人のコメントからどうぞ!↓

「映画『ニモ』に出てくるような可愛いクマノミの絵を描きたいと思い、ネットで集めた写真を参考に昨年一月に描き始めました。ところがお魚の周りに写っていたイソギンチャクの難しいこと難しいこと……そのひとつひとつを描くのに、日本画が初めての私は思いっきり苦労しました。(おかげ様でだいぶ勉強にはなったとは思うけど…)そして紆余曲折、七転八倒ながらも、今年四月に一年と四ヶ月かけて完成したのでした。ここまで辛抱強く頑張れたのは、ひとえに千野先生、小原先生ほか、アドバイスくださった皆さんのおかげです!!…ほんとうにどうもありがとうございました!」

かなりの時間をかけて綿密に制作された今作。もともと写実的な描写を得意とする黒田さんですので描き始めの線画こそスラスラとこなしたものの、初めて使う日本画の画材には手こずった様子ですね。そもそも題材の「クマノミとイソギンチャク」ですが、海底に届く光をうけてうっすらと発光するようなイソギンチャクの色彩や、その間をイソギンチャクと共にたゆとうクマノミの鮮やかさなど、写真ならではな描写を絵に昇華するのはなかなか難しかったんではないかと思います。

そして、最初の描き始めなどちょこっと僕も見させていただいてましたが、数ヶ月ぶりに完成を見せていただいてびっくり!!クマノミの鮮やかなオレンジ色も美しいのですが、その周囲のイソギンチャクの細かに散らばる明るい色や透けるようなターコイズブルー、一蓮托生のクマノミとイソギンチャクですが、絵の中でもその関係が描写という面でも成り立っていますね。美しいです。パキッと主役と背景の分かれるようでいて全画面がマットにつながった構図も、デザイン的で好きです!!

というわけで長い製作期間を経て完成した今作。日本画や油絵は積み重ねた時間がダイレクトに絵に生きてくるのでいいですね!そしてちなみに、僕はピクサー映画の中ではニモが1番良く出来ている作品だと思っています。開始から10分間での世界観の説明と主役への感情移入のさせかたが秀逸です。無駄の無い構成はさすがとしか思えませんね……話がそれてしまいましたが、黒田さんにはこの調子で是非つぎは油絵の大作なんかも作製していただきたいなーなんて思います!

田中幸介


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