晴れ時々スターウォッチング

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二日月と12P/ポン・ブルックス彗星の接近 観望記録(4/10)

2024年04月12日 | 彗星
4月10日は2024年見たい天体現象「月と惑星の接近(1月~4月編)」で紹介した「二日月と木星、天王星、12P/ポン・ブルックス彗星の接近」の日です。

 ここ数日天気が良くなかったのですがタイミング良く移動性高気圧がやって来て快晴となり、日中は満開の桜見日和となりました。(船岡城址公園から見た一目千本桜→ photo1photo2photo3

 夕方も雲ひとつない快晴となって二日月と木星がマジックアワーの紺空を背景にキレイに見えました。今宵の月は二日月と言っても月齢が1.7で、輝面比は0.04もあります。日没の10分後には肉眼ではっきり見えました。

二日月(月齢1.7)と木星の接近

2024/4/10 18h52m54s D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED AR  f70mm F4.5 ISO1250 1/6sec

 12Pポン・ブルックス彗星はやや暗くなったのか眼視ではまったく見えません。もっとも薄明が終わって夜空になる時刻が19時41分なので薄明中の空での観望です。12P/ポン・ブルックス彗星の明るさは4.3等なので肉眼彗星といってもこの時間に見ることは叶わない願いですね。

 カメラが12P/ポン・ブルックス彗星を捉えたのは日没から1時間を過ぎた頃… 画像ではかすかに尾が上に伸びているのが分かります。

木星と12P/ポン・ブルックス彗星、二日月の接近

2024/4/10 19h23m15s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO4000 f5 4sec


 そうそう、天王星のコトを忘れていました。そもそ今宵は「二日月と木星、天王星、12P/ポン・ブルックス彗星の接近」の日でした。天王星を入れて撮り直した写真がこちらです。

「二日月と木星、天王星、12P/ポン・ブルックス彗星の接近」

2024/4/10 19h24m28s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO8000 f5 1.6sec

 こちらは2秒露出の画像を7枚コンポジットした「二日月と12P/ポン・ブルックス彗星の接近フォト」です。コンポジットは「加算平均(σクリッピング」にしたので人工衛星の光跡が消えていい具合になりました。彗星と地球照のツーショットはなかなかレアな現象ですね。

「二日月と12P/ポン・ブルックス彗星の接近」

2024/4/10 19h29m03s~19h29m52s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f440mm ISO8000 f6 2sec × 7


 19時30分を過ぎると画角に山並みが入るようになりました。天文薄明が終わるのは19時41分です。その時刻までまだ10分もありますが月高度は4°で 12P/ポン・ブルックス彗星の高度は5°しかありません。月が赤みを帯びて眠そうな顔をしてきたのでそろそろ撮影会も終了です。

2024/4/10 19h35m03s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO6400 f5.6 3sec

 日没後の西空はとにかく人工天体がひっきりなしに横切るので最後に広角にしてどのくらい人工衛星が写っているのかカウントしてみました。

 結果はスターリンク衛星が14基、ワンウエブ衛星が1基でした。(OneWeb衛星:一般ユーザーではなく企業や政府、既存の通信会社向けに通信衛星サービスを行っているOneWeb社の衛星)

 まだ天文薄明中なのでこの数ですがステラナビでシミュレーションするとこの3倍以上の数の人工衛星がうごめいて、じっと見ていると車(衛星?)酔いになりそうです。笑

2024/4/10 19h43m28s D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f55mm F2.8 ISO6400 1.6sec

 彗星がだいぶ太陽に近づいてきたので12P/ポン・ブルックスの観望は今回が最後になりそうです。次の回帰は71年後の2095年の9月頃です。遠い未来ですが宇宙の時間を考えるとあっという間です。

 次の回帰時に12P/ポン・ブルックス彗星が見る地球はどのような世界になっているのでしょう。火星に人類が進出しているか気になるところです。

〈12P/ポン・ブルックス彗星データ〉


 軌道図を見ると12P/ポン・ブルックス彗星が太陽のムコウガワの遠いところにいるのが分かりますね。