駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

アメリカの地名

2019年08月21日 | 世界

       


 アメリカは独立してから高々二百四十年の若い国だ。原住民のインディアンにとってはとんでもないということにはなるのだろうが、世界の歴史ではそう言わざるを得ない。

 経済的にも軍事的にも世界最強であるのだが、若い国のせいか成熟には程遠く、今は思いがけず瓢箪からトランプという人が出てきて世界をかき回している。これからどうなるか予断を許さない危うい状況が生み出されてしまっているのだが、それはさておきワインズバーグ・オハイオなのだ。それ何処といかにもありそうな町の名前だが、架空の町なのだ。オハイオはおはように似ているし日本企業が進出していたので日本人には比較的なじみのある州名だろう。しかしこれは英語由来の名称ではない。

 アメリカの地名には北海道のアイヌ由来と同じようにインディアン由来の地名が多く、何とも言えぬ響きがあり様々な感興を呼び起こす。インディアンの贈り物でもあるしそれを踏襲した人達のフロンティア精神に触れる思いがする。勿論、移民が故郷を偲んで付けたニューヨークのような地名も多いのだが、そうした地名が混然と散らばっているのはアメリカの歴史を象徴していると思う。当たり前かもしれないが、アメリカには日本人がよく知る大都市を五六十キロ離れれば、なにそれというような地名が溢れ出てくる。オカボシ、ナンタケット、ポンドーサ、イリーカ・・・などなど英語とは違う響きが米語に彩を与えている。

 アメリカの州や街、否日本の県や市町村、中国の省や街の由来や歴史にも興味が尽きず、地図を眺めて分け入れば人生が三つあっても足りない感じがする。敬愛する猿谷要先生の旅行記を楽しむ所以だ。

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雄星MLB初完封

2019年08月20日 | スポーツ

                   

 

 マリナーズの菊池雄星投手がブルージェイズ戦で初完封勝利を挙げた。よくやった。この快挙には本人の努力もさることながら監督コーチキャッチャーのアドバイス支援が大きい。それは好漢黒木知宏が指摘している通りだ。投球フォームをシンプルにしたのが良かった。アクセスが長いと邪念が入ってしまう。考える、しばしば考え込む、菊池には最適のアドバイスだったと思う。

 雄星はまだ若いのだが決して順調に伸びてきたわけではない。純朴で生意気な感じがするせいか苛められもしたし逆に支えてくれた人も居たようだ。MLBの今までも順調とは言えない。大きく負け越しているのだからマイナーに落ちる可能性があった。何より良い監督に巡り合えたのが大きい。二流だった星野を一流投手にしたのは水原監督だった。何とか今シーズンを五分五分で終わりたい。

 五年前は菊池雄星なんて居るなあと言う程度だったのだが、ファンの深津留美さんが夫に選んだので見直して注目するようになり、そうなればよいと思った通りにMLBに移籍できたので応援するようになった。思えばBSのワールドスポーツMLBを見始めて7、8年になる。失礼かもしれんが深津留美以降彼女を超える女性キャスターが出て来ない。今の山本萩子さんは中々良いのでこれから伸びそうな予感はある。特筆すべきは野球の解説陣で、田口小宮山石井と言う味のある解説者に負けない解説者を見つけてきたことだ。今は黒木知宏に注目し、高く評価している。ブラウン管の向こうの世界が身近に感じられる放送の一つで、楽しみに起きていれば見ている。

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二度寝で出遅れる

2019年08月19日 | 世界

           

 


 うっかり二度寝して電車を二つ逃してしまった。十一時頃録画したおいた「戦争の花嫁」を見始めたら途中でやめられず、寝たのが一時過ぎだったせいと思う。さすがに五分ではまとまったことは書けない。戦争の花嫁はNHKの番組で、きわめて優れたドキュメンタリーだ。深く感ずることもあったので、いつかまた書いてみたい。男と女が出会い夫婦となって別天地で生きること、事実は小説よりも凄い。

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おしゃべり男と無口な女性

2019年08月18日 | 小験

               


 おしゃべりは女の特徴と言われることが多く、確かにそうした傾向は認められるのだが、世の中にはお喋り男も少なくない。四、五人に一人居る感じがする。無口な女性も居て、これは五、六人に一人くらいだろうか。

 お喋り男は軽く見られたり煙たがられたりすることがあるが、私は自分が口数が少ない方のせいか、お喋り男が嫌いではない。喋ってくれるので合いの手を入れながら聞いていれば良いので、同席したときは楽で助かる。それにお喋りに悪い人は少ないような印象を持っている。そのために軽く見られる傾向があるのかも知れない。

 おしゃべりな男性は例外はあるだろうが、文章を書くのは苦手のようで、会議のまとめを書いてくれないと言われ愕いたことがある。あんなに沢山発言したのに何で私にお鉢を回すのと思ったが、文章を書くのは面倒でないので書いてあげた。

 おしゃべり好きは患者さんにも言えることで、口の軽い人と重い人と色んな方が居られる。よく話される人は誘い水で、あれこれ話されるので、この頃って二三日、一週間、一ヶ月などと、網を絞る合いの手を入れていけば、自然に経過が分かってくるので楽だ。口の重い人は、こちらから具体的に細かく聞き出さねばならないので、手間が掛かる。ただ口の重い人の方が尾ひれがないので、正確な情報が得られやすい。

 患者さんがどちらかと言えば口の重い?私をどう思っているかというと、話しやすいと言われる方が多いので不思議だ。特に大人しい感じの女性に「先生は話しやすい」と言われる。中には総合病院を受診した帰りに私の所に寄って、こう言われた何にも説明してくれない(説明しているはずだが専門用語が混じり頭に入らないのだろう)、などとお喋りして行かれる患者さんまでいる。「ああ、そう」と聞いているだけなのだが、何だか話すと落ち着くらしく、待合室のサーバーの水を飲んで幾許かの再診料を払って帰って行かれる。何だかなあ。

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シエラザードが教えてくれること

2019年08月17日 | 世界

        

 

 今日はようやく台風一過の晴天を仰ぎ見ることができた。またしばらく暑い日が続くのだろうか。10号の被害はさほどでなかったようで、雨が助かったと言われる農家の人も多かった。

 アラビアンナイト、千夜一夜、の成立のいきさつをご存じだろうか。女性不信に陥ったペルシャの王の夜伽を志願した女性シエラザードは夜ごと物語を語り、続きはまた明日の夜と王の心を捉え、ついに千夜を生き王の子を宿し正妻となった。そうして紡がれたお話が千夜一夜と伝えられる。この話の鍵は何処にあると思われるだろうか。シエラザードの知恵を称賛されるだろうか、賢い妻が一番と思われるだろうか。

 私はシエラザードが教える一番肝心なことは人間は物語に捕らわれるということだと思う。思うというのは不正確でそう考えるようになった。人間は物語に動かされて組織され幾多の危機を乗り越えて一万年の歴史を生き延びてきたのだ。これが私がサピエンス全史を読んでハラリから学び取った人類理解の鍵だ。そう考えると猛威を振うフェイクニュースの謎が解けてくる。楽しむ手品の種は知らなくてもよいが、人間社会の先行きを左右するフェイクニュースの仕掛けには気付いた方がより良い選択が出来るだろう。

コメント (2)
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