駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

鍵男達

2016年03月25日 | 診療

               

 ズボンに鍵を付けた患者さん(男)が結構居る。どちらかと言えば若い人に多く、診察しようとするとジャラジャラと音がする。横になって貰うとベットに広がり、ついでに小銭がこぼれ落ちることもある。携帯も小型拳銃よろしく、腰の小ケース入れている。

 すれ違う時など引っかかって危ないのではと思うのだが、息子ではないので別に注意はしない。ジーパンの人が多く、革ジャンのこともある。骨太で肩で風を切るタイプの兄さんというか若作りおじさんが殆どだ。 

 女性のようにハンドバックは持たないし、鍵も一つ二つでは済まない生活様式になってきている、おまけに携帯電話が必須なので、どうしてもジャラジャラと腰回りに付けることになるらしい。ポケットがあるではないかと言われても、ポケットを膨らませるのはファッションからも動きやすさからも捜しやすさからも、もう一つなのだろうと思う。

 鍵男達は一見怖そうだがくどくどと訴えることはなく、あっさりして患者さんとしては扱いやすい。

 女性の場合はみなさんハンドバックを持っておられ、流石にスカートの周りに鍵をジャラジャラの人は居ない。女性にハンドバックは必須のアイテムで、手ぶらの女性は何かあるので要注意だ。身だしなみが乱れハンドバックを待合に忘れるお婆さんは、先ず間違いなく認知が始まっている。

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問題のある男達

2016年03月24日 | 人生

         

 今年はお彼岸を過ぎて一気に暖かくなると言うわけにはいかないようで、今朝の風は冷たかった。

 男は女はと一般化して決めつけられては困るが、ひどいと首を傾けたくなる男を時々経験する。

 Sさんは七十代の女性で普段は高血圧症で通院されている。四五日前から腹痛があり、当院を受診しようとされたのだが、夫は「痛い」と言うと「うるさい」と怒るので土曜日まで我慢してしまった。泣いて頼んで漸く送って貰い、受診した時には腹膜炎を起こしていた。土曜日は総合病院は休みで、受けてくれるところを捜すのに一苦労したのだが、以前尿管結石で受診したことがあるS総合病院に何度も電話口で頭を下げて受けて貰った。憩室が穿孔しており、緊急手術になったと火曜日にFaxの返事が来た。

 この夫は風邪などで掛かるときは、ちょっとぞんざいな感じはするが特別問題のある感じはしなかったのだが、家庭では暴君?だったらしい。奥さんの方はああいう人だからと、諦めて?おられたようだ。

 DVが問題となっているが、どうも男には程度の差はあっても粗暴なところが潜んでいるようだ。かくゆう私も何とか理性と多少は身につけた教養で怒りを抑えることが時々ある。幸い爆発的ではあっても長続きするものではないので、暴発は防げている。勿論、DVまで行けば程度の問題ではなく、何か質的な欠陥があるのだろうと思う。

 同業者ながらいつも精神科に厳しいが、こうした問題の医学的解決は容易ではないようだ。この他にも、粗暴というか弱い者いじめというか、家庭家族の中で厄介な男を診療中に時々経験する。勿論、問題のあるのは男だけでないし、五万と居るわけではない。唯、強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がないと思うことは多い。

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黒船を利用するのは賢明か

2016年03月23日 | 政治経済

         

 昨日は風が強かったが今日は穏やかな春霞の日になりそうだ。診療はさほど忙しくないが、年度末で慣れない事務仕事が多く疲れる。

 ノーベル経済学賞は追加された部門で、他のノーベル賞とはやや経路も毛色も異なる。私は全くの素人ではあるが口幅ったく、ノーベル経済学受賞者が経済政策の達人とは限らないと申し上げたい。政策には政治家が色濃く絡んでおり、ノーベル賞経済学者も読み違える。有り体に言えばノーベル賞経済学者も安倍首相にとっては一つの駒に過ぎない。ここでノーベル経済学賞受賞者が日本の経済政策に口を挟むことになった背後には、政治的思惑があるのは明らかで、黒船とノーベル賞に弱い日本人の心(一つのポピュリズム)を読んでいるからだと思われる。

 安倍首相をポピュリズムを最大に利用する名優だと観測している。尤も、名優もいつも名演技が出来るとは限らないようで松井の地味で実直な性格と今はさほどでない長島人気を読み違え、抱き合わせの国民栄誉書はさほどのヒットとはならなかったようだ。

 今まで決められる政治を売り物に様々なカモフラージュを施しながら独断で安倍政治を押し進めてきたが、ここに来て決めたことを変更するために芝居を打ち始めている感じがする。果たして名演技が出来るだろうか。見巧者も増えてきたようだし、公明党も釘を打ち始めた。不思議なのは自民党議員で、何だかおかしいと思い始めている議員も多いはずだが、鶴の一声に唯々諾々と従っているかに見える。

 最終目的のためにポピュリズムをどう利用するか、首相は頭を悩ませておられるようだが、果たして今までのように支持を取り付けることができるだろうか?。

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マスコミに変化の兆し?

2016年03月22日 | 政治経済

         

 連休二日目は映画を見て、帰りに雛にもよくある庶民的な天ぷら屋でお手頃のコースを食べた。量が多く、妻が残った分を持ち帰りたいと言うと二つ返事で包んでくれ天つゆまで付けてくれた。こうでなくっちゃと思う。今日の弁当用に持参した。チーンで美味しく食べられる。

 私は平均的なネットニュースリーダーに過ぎないのだが、この頃産経に微かな変化を感じる。プディングの味は一口で分かると言われる。同じ事がマスコミの編集方針にも言えるとしたら、私の感触は当たっているだろう。友軍?の読売ジャイアンツへの一刺しは、違いを出すためか主導権を取ろうとするためか・・・よく分からないが、変化の兆しではあるようだ。

 今年に入ってから、産経に柔軟で穏やかな書き方の記事が増えた気がする。安倍政権と距離を置こうとし始めているのか、あるいは単により幅広い読者層を狙うことにしたのか、理由はよくわからない。勿論、私の錯覚かも知れない。

 人を見直すのは、良い方にという場合が多いのだが、谷垣さんの場合は違った。民進党の党名の決め方をポピュリズムだとこき下ろしていたのだが、よく考えて発言している感じがしない。どうも失礼ながら深みが足りない気がする。ポピュリズムを巧みに利用されているのは、当然で賢い作戦でしょうかと聞き返したい。まさか、産経も安陪さんに習って、同じ戦略に出てきたというのではないと思うが。

 私ごときにはきちんと分析できないが、官邸周辺に戦略か?根幹か?何か変化の兆しがあると感じる。

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背後に感ずる妻の力

2016年03月21日 | 人生

              

 ついこの間年が明けたばかりなのに、もう春分の日を迎えた。花は正直に春を告げている。

 今年のNHK杯は将棋は村山慈明七段、碁は張栩九段が優勝した。相手は将棋囲碁とも若手で、順当な勝利と言えるだろう(若手が弱いと言う意味ではない)。勿論、順当に見えてプロ同士で易しい勝利はなく、厳しい戦いを制したのだが、今年は二人の優勝の後ろに妻の力を垣間見た気がした。人間に苦しさを半減し喜びを倍増する存在は大きい。

 張栩九段の奥さんは小林名誉棋聖のお嬢さんで女流棋士のトップ争いをしていた実力者なのだが、この数年不振で心機一転を目指して台湾に戻った夫に付いてゆかれ、今は休場されている。張栩九段が今期のNHK囲碁で優勝した影に妻の力があると読んだ。

 なぜそんなことを感じたか、将棋の司会者と解説の佐藤九段の言葉がきっかけだったのだが、碁の張栩九段もそうだと閃いた。

 内助の功という表現は多少手垢が付いているし、功という表現は一寸違うとも感ずるが、夫に生きる妻の存在というものがあると思う。絶滅危惧力とまではゆかないが、今の世の中、失われつつあるのではと思う。もっと踏み込んで安吾が言ったように愛しい女の力と申し上げてもよいかも知れない。 

 あるいはうんと踏み込んで、市井の町医者は信頼する人の力と申し上げたい気もする。

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