駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

フレンチリカバリー

2013年02月04日 | 旨い物

         

 フランス経済の話ではなく地方都市でのレストランの話。四半世紀前、イタリアンがイタ飯などと言われて話題なり、実際にイタリアンレストランが増え、その反動かフレンチレストランが減った。おそらく本場式の茹で上げのスパゲッティが日本人の味覚に馴染み、何と言っても値段がフレンチよりも安く手頃なのがイタリアン躍進の大きな要因だったと思う。まあ、正直二十五年前のフレンチレストランは値が張りすぎた。幾らマダムがにっこりしてくれても、懐にずしりと響いては、そうそうは行けない。

 そんなわけでイタリアンとフレンチが逆転し、コースを供するフレンチレストランの数は片手以下に激減していたのだが、この一二年徐々にお値段を下げて復活の気配がある。

 嘗て繁華街で抜群の味を提供していたフレンチがいつの間にか郊外に移転し家庭風のフレンチ洋食屋に変身していた。ところが、どうした風の吹き回しか一昨年街中に戻ってきてフレンチレストランを再開した。お値段は以前の七掛けぐらいで、以前とほぼ遜色ない料理を出してくれる。家族経営で、多少華やかさには欠けるけれども味が一番だし、かえって気軽でいい。

 昨日もそこで三千円のフルコースランチを頂いたのだが、ポアソンサラダやカボチャのスープなど、もどきと違って本物の味で満足した。写真はそのデザート。

 なぜフレンチ復活の兆しがあるのか、よくわからないがイタリアンに飽きたのだろうか、あるいは何か世の中の動きと連動しているのだろうか。慧眼の評論家の意見を聞きたいものである。

 

コメント
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