駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

口ごもる時

2013年02月16日 | 診療

          

 今朝は吐く息が白かった。それでも、中腹まで雲が掛かる周りの山はどこか春めいて見えた。

 患者さんはいろいろな言い訳?を考えつく。Kさんは六十代の糖尿病の女性だ。この数ヶ月、血糖値が上がり勾配なので、「食べ過ぎていませんか、運動していますか」。とチェックを入れる。

 「食事は注意してますよ。毎日、一時間歩いてます」。と心外そうな答え、「原因はわかっているんです。ストレスなんです」。

 「何か心配事があるんですか」。

 「いや、旦那と居るのがストレスなんですよ」。

 「えー、そうですか」。

 「先生は、男だから分からないんですよ」。

 「そうかなあ、夫婦なんて、お互い様でしょう」。

 「先生はそうなんですか」。と看護婦までこちらを向いて、二人で尋問が始まる。

 「そーりゃ、あーりゃ」。と、慌てて口をつぐむ。

コメント (4)
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