駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

言霊しの国

2013年02月28日 | 町医者診言

           

 日本には言霊といって言葉に何か霊的な力が宿ると考える風潮があった。一種の自己暗示というか催民術のようなものかもしれない。などと書くと何をけしからんと批判される人達が居られるだろうが、二十一世紀ではそう解釈することに理解を示す方も多かろう。

 聖域なきTPP交渉と言われれば、聖域ってどこ何を指すのと聞き返さなければならないのだが、マスコミは唯々諾々と聖域で肯いているようだ。例えば農作物と医療保険制度が聖域でこれを死守し、認められなければ席を蹴って帰るというのでなければ、聖域は単に反対派を黙らせるための言霊しに過ぎまい。

 核汚染廃棄物の最終処分場という名前も、なんだか核が無害化されるように響くが要するに最終集積保管場所に過ぎない。都合の悪いことを言葉で迷彩色の玉虫色に染めてしまうのは、確かにその場限りは賢い?有効な手段かもしれないが、実は根本的には何も解決していない。

 その片棒を担いでいるのがマスコミなのに国民は気付き始めていると駅前の診察室から観測している。ただ、まだうねりとまではなっていないようだ

コメント
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