噂に聞いていた生食パンを患者さんがお歳暮と一緒に差し入れてくれた。なんでも出先でわざわざ並んで買ってきてくれたそうだ。早速、何とか八等分(もちもちして切るのが難しかったそうだ)して、職員と分けた。ちょいと、ちぎって食べてみたら、確かに不思議な美味しさがあった。元来、お餅が好きなのでこうしたもちもち感には惹かれる。忽ち、半斤位食べれてしまいそうだ。
美味しいと噂になれば、多少高くても飛ぶように売れるようで、全国展開を始めているらしい。確かに美味しいが、トーストも捨て難く、近くで手軽に買えれば、また食べてみたい味というのが私の結論だ。
今は物珍しさも加わっているが、これからどの程度レピータが出て来るか、どれくらい後を追う類似商品が出て来るかで、長期人気定番になれるかが決まる。一般に店が大きくなると品質は落ちるとしたもんだ。果たして生食パンの十年後はどんなものか。
それにしても個人営業のパン屋さんが増えた。それぞれ色々な工夫を凝らし、独自の美味しさを追求している。グルメ雑誌や生活雑誌の旨い物特集でも取り上げられ、ネットでもヒットする店は数限りない。店主の個性意匠が商品に反映され、それぞれファンが居るらしい。色々凝る人がパン屋になるのかパン屋になると色々凝るようになるのか不思議だが、おそらくパン作りには酵母が絡むので微妙で実験的要素があり奥が深いからだろう。
医院も少し似たところがあり、ガイドラインに沿った診療といっても薬や説明には各医院で院長や職員の個性が出て、患者さんの好みが分かれ選ばれているようだ。尤も一番の選択理由は近くて便利だからと聞いている。定番になるにはあんまり個性的でもということだろう。