駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

私は泣いています

2015年04月02日 | 医療

               

 今朝はどんよりと曇っていた。曇り空を背景にした桜にはまたそれなりの風情がある。肌寒いせいか、嬉しいことに未だ散り始めてはいない。        

 昔、四十年以上前になる、リリーは私は泣いていますベットの上でと歌った。それを耳しながら研修医として働いたのだが、今は自分が書類に囲まれて泣かされる羽目になった。

 独立して個人医院を開設して一番困るのは書類の多さだ。患者さんを診るのは得意だし、忙しくてもさほど苦にならないのだが、書類、なかんずく役所の調査届け出書類は頭痛の種だ。今朝郵便箱を開けるたら厚生局から封書が届いていた。また、届け出かと思ったら一ヶ月ほど前に出した書類が不備で戻ってきたのだった。しかも4月15日必着と書いてある。朝から頭が痛くなった。

 毎日ファクスが十通前後そして郵便物が十通くらい来る。ファックスの半分に郵送物の一二通に返事を書かねばならない。そのほかに医師の意見書が月十五通訪問看護指示書も月十通くらい書かねばならない。邪魔が入らず集中すればものの十分ほどで書けるものが多いのだが、臨床医というのは物凄く中断が多い。中断させられると集中を取り戻すのに時間がかかり、だんだん集中できなくなる。

 役所の文章は非常に分かりにくく、ハリソンやセシルの十倍も難しい。診療するために医者になった。書類は三行、記入は三カ所で済むようにして欲しい。

コメント (2)
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