駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

一方を聞いて沙汰をするな

2015年04月03日 | 町医者診言

                 

 今朝は春雨なのだが、なにやら昼過ぎから花に嵐の風が吹くとの予報だ、明日は道に散った花びらを踏みしめて出勤することになるらしい。

 一方を聞いて沙汰をするな、これはNHK大河ドラマで篤姫が語った言葉だ。成る程と聞いて、以来心に留めてきた。似たようなことは父や母からも聞いていた気がする。

 それでも、診察室で我が儘旦那の話やきつい嫁の話を聞いていると、どうしてもそれは大変ですねと相槌を打つことになる。まあそれは患者さんがその言葉を待っているわけだし、それでいいのだろううと思う。但し、本当に旦那や嫁さんがそうかどうかは篤姫の言うとおり保留して置いた方がいい。実際は、聞いた印象とは異なることの方が多い。

 遂に噂の旦那や嫁の登場と言うことがある。端で見ているとそんなにあれこれ注意されたら「うるさい」と怒鳴りたくなるのもわかる。私は滅多に怒鳴ることはないが、「手を洗え」、「スリッパを履け」、「暖房を入れろ」・・・と注意されまくっているのでよく分かる。旦那には身につまされて同情。

 嫁さんからはちゃんと話を聞かないで返事をする。怖くて注意出来ない。何かなくなると私のせいにする・・と診察室の患者さん(姑)とは思えない話を聞かされる。嫁さんには可愛そうでちょいと贔屓。

 まあ、どっちもどっちで五分五分とまでは言えないかもしれないが、電車路の押し出しで一方的の勝負ということはない。篤姫の言葉はあらゆる事態関係に於いて真実と思う。ちょっと想像力を働かせ、相手の身になれば盗人の三分や一寸の虫の五分よりも大きい、少なくとも一割以上の言い分があると分かるだろう。

コメント
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