駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

隙間のつむじ風

2014年12月04日 | 世の中

                

 昨日、介護保険審査の帰りに、又本屋に寄ってしまった。我慢して二冊しか買わなかったのだが平積みを一覧、棚を一瞥してきた。

 なんだこれはというのは自称?名医の医者の悪口本の多さだ。悪名高い?近藤誠氏はともかく、どうして我も我もと不確かなことを不十分な脳味噌であれこれ書くのだろう。科学を知らないとしか思えない。自分の考えをもっともらしく語るのは科学ではない。残念ながら誰にでも分かるように医学を説明するのは至難の業で、少なくともA4で五百ページは必要だろう、しかも白黒とは説明できない。

 勿論、全部間違っているわけではないようだが、たかだか数パーセントの信憑性で全体をなぎ倒さないで欲しい。潜在的な医師に対する反発を掬い取ろうとする企画に乗ったのだろうが、面白そうとか成る程と手にした人は、そうなんだよなあと思っても、宗旨を変えることは殆どないと思う。恐らくそこまで見越して、自説を面白く展開しているのだろう。本当に難病の患者さんが押しかけたら手に余るのは目に見えているからだ。

 潜在的な不満や不安を上手に掬い取ろうとする企画は世に溢れている。本当の救いになるのならこれほど結構なことはないのだが。

コメント
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