駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

新型インフルエンザ、その後

2009年12月09日 | 医療
 新型インフルエンザは11月に入り流行し始めた。当初ピークを迎えればすぐ収束すると思ったのは私の間違いで、季節性と異なり二週間ほどでピークが終わるというわけではなく、収束の傾向を見せず12月に入った。漸く先週末から下火になり始める傾向を見せている。相変わらず罹患するのは圧倒的に若年者が多く、小児科は忙しくて大変のようだ。11月17日、23日、24日当番だった小児科の先生は200人以上の患者が押し寄せ、交通整理まで出る忙しさだったようだ。
 新型インフルエンザワクチンの第二弾が本日届く予定だ。週末に希望者を集めてあるので、余らせないで全部使い切ることが出来ると思う。先日も書いたのだが、このいつ届くか何人分来るかわからないというギャンブル方式は極めて不評で、何人もの医師が保健所に怒鳴り込んだようである。保健所がひた隠しにしても、配分数には多い先生は200人分少ない先生は26人分ととんでもない差がある。患者数が十倍違うことはなく、何人分ご入り用ですかという問い合わせに少な目に書いた先生と大目に書いた先生の差がでたらしい。この何人必要ですかの基準が曖昧で、どうせ希望数は配分されないのだからと例年の数を書いた先生ときちんと基礎疾患を数えて例年の2,3割と控えめに書いた先生の差が出たらしい。
 ワクチン配分時期本数を始め、新型インフルエンザへの対応にドジがあったのは間違いなく、終息してからきちんと総括して欲しい。地方分権が騒がしいが、上手に対応できた自治体と不首尾だった自治体があるはずでそれを比較検討することも必要だ。それも地方分権の仕事だと思う。
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鳩山首相、美辞麗句ではなく

2009年12月09日 | 人物、男
 美辞麗句という形容には、美しく華やかな言葉を礼賛するようで背後に言葉だけで中身は乏しいという棘が隠されている。鳩山首相の選挙戦中の言葉は美辞麗句とは少し違うが、明るい改革と展開を熱っぽく語り、言葉先行という意味で美辞麗句に同種の言葉遣いだった。具体性に欠けたけれども、変革に夢を抱かせて多くの支持が集まったと思う。圧勝には相手が弱かった面と小沢力もあるが。
 最初の一ヶ月は斬新な方針がいくつか打ち出されなかなか好調であった。しかしいよいよ真価を問われる100日目を目の前にして、鳩山政権に陰りが見られる。もっと正確に言えば鳩山首相に不安不信が出て来た。
 私は鳩山さんは改革を語りながら具体的な施策や将来への展望を持っていなかったのではないかと疑い始めている。物事を為し遂げる時、楽観的であることの重要さ有効性が指摘されているが、ただ楽観的なだけでは与太郎と紙一重なのだ。
 鳩山さんは小沢を引き留めたことでなかなかしたたかで強さを秘めていると見ていたのだが、現在までの成り行きを見ると下世話に言えば舐められている、親分力が不足している。思うに鳩山さんの強さはリアクションにあるらしい。それは確かに重要な力量ではあるがリーダーの力は第一にアクションにある、否でなければならない。
 人間は変わらないとしたり顔に言う人が居るが私は変わりにくいが変わり得ると思う。君子豹変否坊ちゃん豹変し、前に出て展望方針を示し指示する時が来ている。私はそれが出来る人だと買っていたのだが。 
 お得意のORでおそらく一番難しいのは人間を読んで数値化することだろう。だいたい人間は思うようには動かないから。しかし、リーダーはそうした言い訳ができません。
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