駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

忖度するなという人も

2009年12月25日 | 世の中
 天皇陛下のお気持ちを忖度するとはけしからん。この発言にはお前ごときがとかお前の都合でとかという条件が隠されている。忖度するなと脅す人も勿論忖度しているわけで、ただそれを言わないだけだ。歴史に学ぶまでもなく、こうして権威は利用されてきた。
 そうかと云ってこうした問題は軽々しくは扱えない。十分な知識経験責務を負う人達によって慎重に議論する必要があり、結論は国民の手に委ねられるものだろう。ただ、安っぽい刀で不埒な奴と斬りつければ、刃こぼれすると指摘しておきたい。
 陛下を離れれば、忖度は巷に溢れ、陛下のお気持ちを忖度したと糾弾される人こそ、滅茶苦茶に曲げて忖度されており、同情を禁じ得ない。私は政治の見巧者でも何でもなくただの町医者だが、烏合の政治記者や評論家に貶められている与党の大根役者達に、大向こうから「まずまず、これから」。と一声掛けたい。そんなことは誰でもちょっと冷静(欲得から離れ俯瞰すれば)に考えれば分かることで、声をかけるほどでもないが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イントロンとエクソンは教える

2009年12月25日 | 自然
 遺伝子のDNA鎖には蛋白質を合成するのに必要な部分(エクソン)と充填材の様に介在するイントロンと呼ばれる部分がある。実際に蛋白を合成するためにRNAに遺伝情報が転写されるとイントロンの部分は捨てられて必要なエクソンの部分だけが連結され蛋白合成に使われる。なぜ用もないイントロンが介在しているのか長らく謎で、進化の過程で残った滓のようなものと見なされてきた。ところが最近この役立たずが、遺伝子活用に重要な任務を負っていることがわかってきた。
 さもありなんと遺伝子研究門外漢の私は頷いている。我田引水で飛躍した連想なのだが、仕事の間には休憩が必要な理由が遺伝子レベルでも証明されたという思いがする。年を取ると休むことの大切さ、若い時と違って遊ぶというのとはちょっと違う、なんだかぼーっとしていることの意義を身に浸みて感じているからだ。
 診察というのは慣れてはいてもあれこれ神経を張り巡らせながら、様々な人に説明説得を試みる仕事で、終診時には心身共に疲れる。それでも週3,4回は勉強会などに出て九時半頃帰宅する。そうするとこの数年は書斎で何もせずぼーっと一時間ばかり過ごしてしまうようになった。若い時と違って、テレビを見たり本を読んだりできない。どうも駄目になったなあと思っていたのだが、これこそ生活のイントロンで、これがあるから働けるのだと一人納得している。生命という物は周到に出来ているものだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする