駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

淫すれば貪する

2009年07月09日 | 小考
 どうも胡散臭いタイトルだ。
 シェフ会心のメインディッシュ、鴨のステーキオレンジソース。食べるのが惜しいほど美しい。さてその美しさは食べてしまうと失われるだろうか。
 コローの「真珠の女」、はっと心に迫ったその魅力は、誰彼となく話してしまうと色褪せるだろうか。
 誰にも秘密はある。それこそ大切な美しいから、恥ずかしくて人に言えないまで。黒柳徹子が面白いことを言っている。大切な美しい秘密は人に話してはいけない。話すと大切さ美しさが減ってしまうと。減るという表現、彼女は譲らないだろうが、私には薄れるとか褪せるの方が適当と思うが、まあそれはさておき成る程と肯うことが出来る言説だ。
 女王だと栄えるという不思議の国イギリス。なかんずくクイーンエリザベスⅠ世の時代にイギリスは抜きん出て行く。彼女にちなんでヴァージニア州が命名されたくらいなので、ヴァージンとして生きた。フィジカルなことに興味はないし、さほど意味はない。ヴァージンとして君臨したことに力の源を感ずる。歴史の専門家には異論があるかもしれないが、人間観察の専門家としては淫しないから君臨し得たと観察している。
 例えば茂木健一郎と言う人が居る。彼の存在を12年前から知っており、クオリアに目を開かれ、素晴らしい人材と興味を持ってきた。
 彼におそらく、一般雑誌と地上波の画面に現れることに相当の逡巡があったと思うが、一端破れてしまうともう淫して貪しているのではと余計な心配をしたくなるほど身を晒している。
 古くさい爺のようなことを言うと思われるかも知れないが、アカデミズムの人が大衆の目に身を晒すと、クオリア違ったクオリテイが落ちると思う。
 勿論、程度の問題があって数年に一冊啓蒙解説書を書き、年数回画面に登場というなら、クオリティは保たれるであろう。むしろ象牙の塔に篭もりきりで、一般人に分かる話ができないのは二流の学者なのかもしれない。
 どうも持って回った書き方だっかも知れないが、申し上げたいことがいくらかおわかり頂けただろうか。 
コメント
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