駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

ヒステリシスを識る

2009年07月06日 | 小考
 ヒステリシスという言葉をご存じだろうか?そういえば高校の物理で習ったかなと思い出される方もおられるだろう。ヒステリシスは、ある物理的な系の状態が現在加えられている力だけでなく過去に加えられた力にも依存して変化する現象をいい、履歴現象とも呼ばれる。
 複雑非線形の人間に比較的単純線形の物理現象を当てはめるのは無理筋と思われるかもしれない。しかし、意外にそうでもないのだ。それにこの命名にはむしろ逆に人間の性質からの連想が働いていると思う。
 さてそこで、人に歴史ありと言われるように、マスコミへの露出による知名度だけで、あたかも優れたステイツマンのように振る舞う人達をヒステリシスの観点から洗い直す必要があると喚起を促したい。というのは、マスコミは最近芸能人に遠く及ばぬ迎合陣に劣化しているからだ。
 政治のような複雑な物事を一言で言うことはできない。地方分権を説くなら、二時間くらい内容のある講義をしてもらう必要がある。キャッチフレーズで痛い目に会ったのを思い起こさなくては。
 単に飽きて廃れるのでは、失敗が繰り返される心配がある。評価吟味して選別しなくてはと思う。この人は何をしてきた人だろう、我々は何をしてきただろうと立ち止まって考える。ヒステリシスは物理概念であるが広く人間社会に適応できることに気付いたので書いてみた。(ref歴史的理解
 なんだか昔、内科の教授に口酸っぱく、ちゃんと病歴を取れと注意されたのを思い出す。A先生は偉かったなあ。不肖の弟子ほど恩師が懐かしいものなのだろうか。
 
コメント
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