「小平市どんぐりの会」のおもな活動場所は野外の小平市中央公園の雑木林である。地元の住民や子供たちが参加するさまざまな楽しい企画を展開している。私はこれまでこの会の催しを一度ものぞいたことはないが、自然観察指導員を招いてのセミのぬけがらや小鳥の調査会などを開く。年に一度の雑木林での「月夜の幻燈会」はこれまで七回も行われている。玉川上水とそれに連なる中央公園の雑木林に生息する昆虫、小鳥、蝶などのイラストマップを毎年発行していて、これは私も愛用している。このマップは「子どもゆめ基金(国立青少年教育振興機構)」やら「西武環境保全活動」などの助成金により作成されて無料で配布されている。公的資金をうまく活用しているなと感心する。
50年前に策定された都の道路計画によって、まもなく中央公園の雑木林が完全に消滅し、36mの幅の道路で玉川上水が寸断される。私のスロージョギングのコースは中央公園内にありその雑木林のすぐ横である。南北に走る道路の工事は小平市部分を残して北と南の隣りの市の部分は完成しつつある。地下方式などによりなんとか玉川上水と雑木林を現状のまま保存することはできないか。そこで08年4月に発足したのが「都道小平338号線を考える会」である。地方自治法によれば、例えばこのたびの道路計画の是非を問う住民投票を実施するための条例の制定を有権者の50分の1の署名をもって請求することが可能である。
考える会ではこのことに着目し11年4月の市議選直前に立候補予定者に公開アンケートを実施した。このゆさぶりをかけるタイミングもこころにくい。住民投票の実施を求められたら市議として賛同しますかと問うたのである。選挙は民主党が後退しその分をみんなの党が議席を獲得する結果になった。新しい28議席は公明党6共産党4自民党3民主党3生活者ネット3みんなの党2社民党1無所属6となっている。ところで事前のアンケート結果では住民投票に明確に賛同した党派は共産党と生活者ネットと社民党だった。考える会ではいよいよ昨年の12月から署名活動を行い、この1月15日に小平市の選挙管理委員会に7593筆の署名を提出した。この7593は50分の1の2.5倍にあたる数である。
会の名称も「小平都市計画道路に住民の意志を反映させる会」と進化した。「小平市で住民投票!」がスローガンになった。今後の流れとしては3月に予定される市議会に市長が賛成か反対かどちらの付帯意見を付けるかで審議が大きく左右される可能性がある。これまで市長は計画推進の立場を表明しているが住民投票自体は市長の姿勢と矛盾しないというのが反映させる会の立場だ。そして現在は市長・市議会議員へ市民の声をはがきやメールで届けようとの運動が開始されている。もちろんどんぐりの会もその活動の中心にいる。この2月22日には昨年の12月に続き「どんぐりと民主主義PART2」を中沢新一と宮台真司と国分功一郎を招いて小平市福祉会館市民ホールで開く。主催は反映させる会とどんぐりの会である。どちらも代表者が女性であることは言うまでもない。(福寿草とロウバイ)