玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

スローライフな生活

2005年04月26日 | ねったぼのつぶやき
 先日新緑のトンネルが出来上がった玉川上水にそって散歩していたら、木立を通してて知人が庭先で作業をしているところを見かけたので寄り道をした。彼女とは少なからぬ縁があってとても親しみを感じている。彼女は3人のお子さんのお母さんで御長男は小学校から大学まで捨て猫の学校の生徒だった。次男さんと我が家の息子は同学年ではあったが小学校は、別々だった。しかし地域の同じサッカークラブに属し、子供同士良く遊びあった。その後我が家の息子がその次男さんの通っている私立中学、高校に入ってからは、同窓生で同じクラブとなった。後になって分かったことだが、彼女と私は同じ年で全くの同姓同名だったのだ。

 子供らが学童の頃はあちらのお宅の芝生に卓球台をしつらえて、日ごと卓球を楽しんでいた。その頃は未だ花や草木は庭を取り囲んでいる程度だった。お子さんらが成長するにつれ芝生は押しやられ、花の数と種類が増えていった。昨年お邪魔したときは庭全体に花が咲き咲き乱れ、しかも手入れが行き届いて見事であった。美しいのは何も塀の中だけではない。道路伝い、垣根伝い、車庫伝い、どこも手入れが行き届いているのである。こんな風だから「いないようだったけど見せてもらったわ」と言う人がいたり、雑誌に載ったりもしているようだ。ある花好きの奥様が病に伏され、その御主人に乞われて毎週末病院に花を届けた話など伺った。

今回その庭にまた変化が起きていた。昨日も庭先で前日出した、鯉のぼりのはためき具合をみていたところだったそうたが、中庭に入ってみたら、中央にまた芝生がしつらえてあった。長男、次男さんにお子さんが出来て「そうそう来ないもんよと言われているけど、少しは孫の遊ぶスペースもなくちゃね」といって、テーブルとイスもおかれていた。おじいちゃんがやってくれたと教えたくて、普段全く手出しをしない夫にやってもらったのと言う。かって次男さんがバイクに乗って我が家に来たことがある。そのときも住宅街だからと途中からバイクは手押しだったことを記憶している。恐らくそれもこれも彼女の細やかな気遣いがあればこそと思う。

 彼女は物静かな優しい人で、おっとり話し穏やかに笑う。人や,花や、動物など愛しんでいる様子が、話しているそばから伝わってくるそんな人だ。昨日も私にはコレとパジャマがあれば間に合うのと言って、シャベルを持った手で作業ズボンをつまんで見せた。玄関先には麦藁帽子が7~8ケ積み重ねてあったので帽子もたくさんあるのねといったら、被っていた、穴の開いた麦藁帽をつまんでとり、いつも此処を摘まむもんだから穴があいてしまうの。コレ198円だったのだけどと、ある人に話をしたら100円のもあるわヨと、100円ショップで買って持ってきてくれて貯まっちゃたのと言って笑っていた。

花の一つ一つにある小さな物語を聞かせてくれたり、人と同じように動物もいたわり、庭の隅を指差して此処には猫、あちらには犬と言った具合に彼らとも共に住んでいるのだ。ご長男が筑波大学大学院を卒業して帰ってきたとき、話があるのだけどと言われて(もしかして早速彼女?)と緊張して聞いてみたところ、ダンボールに猫が入っており、飼っていいかということだったらしい。大学院生が猫を飼う。幼児よりそんな環境になければ思いもよらないことである。

 仕事柄止むを得ないこととはいえ、急ぎ足の多忙な日々を過ごしてきた。今時間が出来てスローライフをと願っている。
その具体的な生活様式の一つを彼女の中に見る思いがしている。しかし長年の間に培われた性向、生活習慣、生活リズム、思考過程など色んな要素が絡み合っているので、そう簡単に見習えそうもないが、大事な友人の一人として交友を続けてゆきたいと思っている。






 

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