玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*外濠再生

2019年10月07日 | 捨て猫の独り言

 かつては外濠は水路で江戸城を取り囲み、また内濠や東京湾(江戸湾)ともつながっていた。1970年代の飯田濠埋め立てまで、濠を埋めることが度々行われてきたが、現在では都市景観の一つとして保存していこうとする考えが一般的という。法政大学総長の田中優子のコラム「江戸から見ると」で外濠を江戸時代のように玉川上水とつなぎ、浄化循環させようという主張について知った。

 2004年に開設されたのが「法政大学エコ地域デザイン研究センター」、13年には法政大、東京理科大、中央大、東京都市大の「四大学勉強会」や「外濠市民塾」ができ、16年には外濠周辺の大学、学校、企業の集まりである「外濠再生懇談会」ができた。この春に開かれたシンポジュウムでは外濠開削から400年にあたる2036年を目途に、その時にはこのような外濠にしたいという「外濠Vision2036」の構想も発表された。

 日本橋川とは、水道橋駅の西、神田川の小石川橋のたもとから南下し、大手町の北縁から呉服橋北、日本橋を経由し、永代橋付近で隅田川に注ぐ水路である。首都高速池袋線に蓋をされた形になっている。外濠はかつて玉川上水とも神田川とも日本橋川ともつながり、弁慶堀も赤坂溜池も外濠の一部だった。そして、この秋に中央大学長、東京理科大学長、法政大総長の3人連名で小池百合子東京都知事に政策提言を渡したという。

 提言の題名は「外濠・日本橋川の水質浄化と玉川上水・分水網の保全再生について」である。そしてその内容は●多摩川河川水を導水し、それを水質浄化と防災水利、自然・歴史文化の保全の役割を果たす「グリーンインフラ」として位置付けること。●水質改善と維持管理について、大学、研究機関、市民団体の知見を集約し、協働体制確立のために委員会を設置することなどである。考えているだけでなく提言したとは素晴らしい。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« *浜矩子と田中優子 | トップ | *大根 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

捨て猫の独り言」カテゴリの最新記事