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有識者会議欠席の安藤忠雄氏・「日本の評判」を盾に新国立競技場建設案を変えない政府

2015年07月08日 | 国際・政治

朝日新聞(2015年7月7日)
安藤忠雄氏、新国立競技場の有識者会議欠席へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150707-00000021-asahi-spo

新国立競技場建設の事業主体である日本スポーツ振興センター(JSC)が外部の有識者に建設計画を説明する7日の会議を、有識者の一員でデザインの審査委員長も務めた建築家の安藤忠雄氏が欠席する意向を固めたことが分かった。

 7日の会議では、総工費の内訳や2520億円に膨らんだ経緯についてJSCが詳細な説明をする予定。現行計画は安藤氏が審査委員長を務めた審査委員会が最優秀に選んだ英国の建築家ザハ・ハディド氏のデザインが基になっている。安藤氏の事務所は6日、取材に対し、「予定を把握していない」と答えた。 

巨額を掛けたオリンピックの国際競技場の計画が続行するのに怒り心頭。
そして、デザインの採用を決めた安藤忠雄氏の欠席・・・この無責任さは、驚くばかりです。 

しかし、考えてみれば、巨匠、世界的と呼ばれる人というのは、超人的身勝手さがあることが第一条件なのかもしれません。 

建築家ではありませんが、2010年、フランスのヴェルサイユ宮殿では日本人現代美術アーティスト村上隆が作品の展示会を開きました。

ベルサイユ宮殿で村上隆氏の作品展
https://www.youtube.com/watch?v=mNBJdDYcFPg 

この展示の動画を観てもらえば、どんな感じだかわかると思いますが、これには、パリで反対デモが起き、ルイ14世の子孫も、「祖先への冒とく」「中止することが宮殿を守ることにつながる」と中止を求める仮処分申請を裁判所にすることを表明したりしました。 

しかし、結局展示会は続行。 

自分達が最高のデザイナー・芸術家であると思っていている人は、自分の作品が最高と思っているので、それが人に「精神的暴力」を与えようと、お構いなしです。
 (正直に言うと、展覧会の映像からは怒りの前に苦笑がもらしてしまいます。でも、宮殿での村上氏の展覧会は、宮殿を愛する人には「精神的暴力」になりえると私は思います。)

建築物の場合は、村上作品の展示会と違って多額の税金(建築費、維持費)を使うこともありますし、町のハーモニーを変えてしまうという大罪もあります。 

オマケに、デザインと言いながら、単に奇をてらっただけとしか思えない、優美性のかけらも感じられない上、使い勝手の悪いものも平気で作ります。

(たとえば、東京カテドラル、マリア大聖堂、(これは税金で作られたものではないので悪くいうのは申しわけないと思いつつ書かせていただくと、)コンクリート打ちっぱなしのこの丹下健三のコルビュジェのパクリのような作品、冬のコンサートにいったとき、冷蔵庫のようでした。今は少しは改善されているのでしょうか?) 

それでも公共の建築物の恩恵に預かる人の側にいる限りは、建築家には仕事が舞い込み、大金をかけて、自分の作品を作ることが可能でしょう。 

安藤忠雄氏の欠席は、巨額競技場建設反対をする人に対しても、建設賛成側共に敵にしても、自分にそんであることが分かったので逃げ出した、ということでしょうか。

それにしても、菅官房長官は、このばかげた国立競技場建設案を変えない理由を「日本が世界での日本の評判に傷をつけるから」と言っているようですが、「設計段階の総工費1625億円が2520億円、50年間の維持管理費が656億円から1,046億円に膨れ上がったので、変更」と言っても、後ろ指をさされるとは思いません。

そもそも、最初に予算を少なく見積もって選ばれたザハ・ハディド氏は、高齢者だけの世帯に押しかけ、安い費用を提示してリフォームを持ち掛け、結果、見積書の倍くらいの値段をせしめる悪徳工務店と似たようなものではないでしょうか。自国の政府で同じことはできなさそうだけど、日本政府は、手玉に取りやすい高齢者夫婦なみに文句も言わない。変更する気なら巨額の違約金を取る算段でいるでしょう。(逆に見積り金額を少なく言ってコンペで優勝した方が訴えられてもおかしくないと思いますが・・。)

しかし、政府がなんだかんだ言っても、結局は利権で変更しないだけでしょう。税金使い放題した上、増税で国民から搾り取りながら、よく言います。

ギリシャがこれほどおかしくなったのはアテネオリンピックがきっかけと言われています。日本も明日は我が身となりませんように。

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