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サウジ処刑47名のうちもう一人の大物・サウジアラビアが“魔法の力”を失うとき

2016年01月10日 | 国際・政治

サウジアラビア政府が処刑した47名、このなかでシーア派の二ムル師の事しか日本(西側世界も?)のメディアにはでてきていませんが、もう一人大物がいたようです。

それは、「アルカイダを支持する宗教者として2004年に逮捕され、死刑判決を受けていたファーリス・ザハラーニ師」。 

詳しくは、以下の川上泰徳氏の記事をどうぞ。

ニューズウィーク(2016年1月8日)
シーア派指導者処刑はサウジの「国内対策」だった【サウジ・イラン断交(前編)】
By 川上泰徳氏
http://www.newsweekjapan.jp/kawakami/2016/01/post-6.php 

同(2016年1月9日)
本当の危機は断交ではなく、ISを利する民衆感情の悪化【サウジ・イラン断交(後編)】
http://www.newsweekjapan.jp/kawakami/2016/01/is.php
 

ところで、これらを読んで改めて気が付いたもう一つのことは、(川上氏の言うように、サウジの処刑が「国内対策」が第一理由だったかどうかはわかりませんが、)サウジ王家・政府が、自分達の安泰が脅かされるということを非常におそれているだろうということ。 

昨年1月にイスラエルのウェブニュースサイト、Yニュースが、 

「石油価格が今後とも低下し続けることを意味し、その結果ロシアは破産し、サウディはじめ湾岸諸国は窮状に迫られ、イランのような産油独裁国家の将来は暗い。
アラブ石油の時代は終わり、それとともに湾岸独裁国家の力も終わる;これらの国は欧州の指導や企業を買収し、政治的な権力を振り回してきた。
若干時間はかかるが、欧米の指導者は湾岸諸国の力がもはやないことに気がつくであろう。彼らは金がないだけではなく、そのために内部の社会的、倫理的、テロのショックに直面するであろう」 

中東の窓(2015年1月5日)
アラブ石油時代の終焉(イスラエル紙の分析)
http://blog.livedoor.jp/abu_mustafa/archives/4805363.htmlより) 

と書いていましたが、確かにその結果が、「欧米のサウジ特別扱い」がなくなっていくということでしょう。 

昨年1月にはこんな記事がありましたが、 

毎日新聞(2015年1月27日)
サウジへ武器禁輸 人権抑圧や中東情勢考慮http://mainichi.jp/articles/20150127/ddm/007/030/111000c 

【ベルリン篠田航一】ドイツは、サウジアラビアに対する戦車などの武器輸出を今後、中止する方針を決めた。独紙ビルト日曜版が伝えた。ドイツは2000年制定の武器輸出原則で、人権弾圧国家や紛争地への輸出を禁じており、サウジの人権抑圧策や中東情勢など「あまりに不安定」な状況を考慮したという。 

 同紙などによると、メルケル首相や関係閣僚による会議が21日に開かれ、禁輸を決めた。サウジでは、宗教について自由な議論を進めるウェブサイトを開設した人権活動家バダウィ氏が「イスラム教を侮辱した」として昨年有罪となり、現在はむち打ち刑を受けている。国連もこの刑執行を非難しており、ドイツの世論調査では、8割がサウジへの武器輸出に反対している。 

 メルケル政権は、11年に最新型戦車「レオパルト2」のサウジ売却が発覚した際も「サウジは中東安定化に必要な国」と輸出を正当化してきた。ドイツでは13年、総額3億6000万ユーロ(約470億円)に上るサウジへの武器輸出が認可されたという。 

ドイツのメルケルの判断は、道義上や世論も関係していたことと思いますが、サウジが栄華を誇ったままであれば、ドイツはそれらを無視していたのではないかとも想像してしまいます。
(ドイツの戦車の輸出自体は2011年の311が契機となったもので、それ以前はしていなかったにしても。) 

サウジアラビアやUAEがあちこち爆弾を落とすようになったり、今回の処刑、弱体したからこその、空威張りなのかもしれません。 

関連: 

二ムル師の処刑、二ムル師の10代だった甥を投獄し処刑、西側から非難されることがないサウジアラビア
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/61dea7d405a0c5a6dea40ef35c3e98ce

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