イタリアのラクイラ地震裁判の件、経緯が詳しく書いてあります。表題だけ見るとわかりませんが、公平に書かれているので、その前後関係、検察側の主張がわかります。
IB Times
イタリア地震「過失致死」判決、地震予知への影響に懸念高まる
http://jp.ibtimes.com/articles/36491/20121025/968255.htm
抜粋:
ラクイラを襲った大地震の前に、約1年半にわたり、小規模な群発地震が続いていた。
群発地震の回数は2009年1月に69回、2月に78回、3月には100回と次第に増加し、本震の約1週間前の3月29日にはマグニチュード3.9の地震があった。3月29日のマグニチュード3.9の地震の後、24時間以内に大地震が来ると予測し、今回の裁判の被告が所属する国立地球物理学火山学研究所(INGV)に伝えた市井の研究者がいた。ジャンポーロ・ギリアニ(Giampaolo Giuliani)氏だ。
ギリアニ氏は巨大地震の発生前に、岩盤のひずみからラドンガスが漏れ出て、地中のラドンガス濃度が上がると6~24時間後に地震が発生するという事実を突き止め、ラドンガス濃度計測器を地中数か所に埋めて地震発生の場所と時間を独自に予想し、マスコミにも発表していた。
ギリアニ氏の巨大地震予知をテレビで知った多くの人々が、3月29日の夜、野外にテントを張り一夜を過ごした。しかし3月30日午後に発生した地震はマグニチュード4.1で「巨大地震」とは言えず、INGVは彼を住民に不要な恐怖を与える偽地震預言者と決めつけ、以後彼が地震予想をマスコミに発表することを禁じた。
そうこうしているうちに4月4日、マグニチュード5.9の大きな地震が発生した。
今回の裁判の被告の1人であるボッシィ(Enzo Boschi)博士(ボローニャ大学教授)らは、3月30日の専門家会合で「これ以上の地震を心配する必要はない。地震は収束に向かっている」と発表した。
INGVは緊急の会合を招集し、怯えている人々を落ち着かせるため、この地震でほとんどのエネルギーが放出され、これ以上大きな地震が発生する危険がなくなったと、安全宣言を出した。
しかし4月5日、ギリアニ氏のラドンガス濃度測定器が再度急上昇した。その夜(6日午前3時32分)、マグニチュード6.3の本震が発生した。
全体を見ると、正確な地震予知ではないかもしれないが、ギリアニ氏が予知できた大地震の危険性を市民に知らせる機会を奪い、逆に安全宣言を出して多数の住民の大惨事を招いた被告のボッシィ博士ら著名科学者の行為は、間違った情報を流布した過失により多数の死傷者を発生させた「過失致死罪」にあたるとして、検察側は7人全員に禁錮4年を求刑していた。
検察側は、専門家会合の見解について「不完全で、不正確で矛盾したものだった」と主張していた。
検察側の言い分が真実だとすると、これは「(なんら圧力があってそうしたのかもしれませんが、)国立の研究所のINGVが権威を振りかざし、市井の研究者を排除したケース」であり、実際に市井の研究者が言った言葉で野外テントを張っていた人たちが大勢いて彼らが家に戻って亡くなったのだとすれば、『どこぞの御用学者』と一緒なので、主張を一点して私もこの裁判自体の正当性を問う気もなくなります。
(ただし、判決が6年の禁錮刑というのはおかしいと思うし、だいたい求刑4年で判決が6年って、なぜそうなるんでしょう?)
が、マグニチュード6.3で崩壊する建物がたくさんあること、これが死傷者をたくさんだした原因になるので、市なり国なりの建物の管理、建築基準が第一に訴えられるべきであると思いますが・・・なぜそうならないのか・・・。
参考:
ラクイラ地震裁判の判決ーイタリアは文明国か?
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20121023
ラクイラ地震裁判の判決を支持する人の言い分ー司法と理性