三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

山崎浩子『愛が偽りに終わるとき』と『自立への苦闘』5

2011年04月23日 | 問題のある考え

いわゆる〝拉致・監禁〟による強制脱会の問題について、私なりに問題点をまとめてみました。
といっても、夕べ晩酌をしながら浮かんだ思いつきにすぎませんが。

1,強制脱会は有効な手段なのか
マンションの一室などに数ヵ月、時には数年も隔離して説得することによって、どの程度の割合で統一協会の信者が脱会したのだろうか。
そして、脱会した人は現在、統一協会や強制脱会についてどう思っているのだろうか。
そこらを知りたいわけですが、米本和広『我らの不快な隣人』にはマイナス面しか取り上げられていません。
『我らの不快な隣人』に山崎浩子『愛が偽りに終わるとき』を引用するなら、山崎浩子氏に取材するなりして、山崎浩子氏の主張を紹介すべきだと思うのですが。
『自立への苦闘 統一協会を脱会して』には、脱会した信者が、今も統一協会のマインド・コントロールに苦しんでいることを述べています。
実際のところはどうなんでしょうね。

2,統一協会が反統一協会叩きに利用している
私は強制的に脱会させることには無理があると思います。
しかし、牧師や弁護士が金ほしさに〝拉致・監禁〟を家族にさせている、「拉致監禁強制改宗は犯罪だ!」「人権侵害を許すな!」と統一協会側は訴えて反統一協会側を非難するけれども、じゃあ統一協会はどうなんだ、そんなことを言う資格があるのかとも感じます。
どうしてかというと、米本和広氏はこう言っています。
「宗教で一番問題なのは救いを求める人を裏切ることです。その人たちが求めていることには応えず、サリンを製造させたり、高額な献金をさせるための尖兵にしたり、正体を隠して伝道勧誘させるとか、そういうことをやらせるのは問題です。上からの命令でやらされて、宗教団体の一つの駒として使われるとなったら、宗教の裏切りですよね」
では、具体的にはどういう点が問題なのか、米本和広氏は四点をあげています。

①正体を隠しての勧誘
「原理研究会という名前で大学で勧誘していたんだけど、今は原理研究会という名前も使わずに、正体を隠して勧誘してます。アンケート調査をしたり、悩みがないかと聞いて、ビデオセンターに連れていくといったことをしてるんですね」

②高額な献金を続けさせること
「奥さんがご主人に隠れて統一教会に入ってたわけです。そして、ご主人のお金を献金してたんですよ。献金総額を調べてもらったら、合計1300万円。子どもの保険を解約してるし、もう滅茶苦茶です。ご主人と僕が統一教会に乗り込んでいって「金を返せ」とやったら、一千万円返してくれることになりました」

③子どもへの強要
「自分の生き方に子どもを巻き込む自由は親にはない、と私は考える。そもそも子どもは、全人幸福社会を実現しようとか、文鮮明が選んだ人と結婚し、わが一族の血統転換を図ろうとか、永遠の命を手に入れようとか、そうしたことを希望して生まれてきたわけではないのだ。そんな権利はないはずなのに、カルトの親たちは自分の生き方に子どもを巻き込んでしまったわけである。その結果、子どもの心を深く傷つけてしまった」
(『カルトの子』)

④恐怖心を煽る
「統一教会やエホバの証人では、反対する家族はサタンの手先だということになっているから、言うことを聞かないんですね」

米本和広氏に従うならば、統一協会はこのすべて当てはまるわけで、統一協会は救いを求めている人を裏切っていることになります。
そして、米本和広氏はこうも話しています。
「統一教会で合同結婚式をしようとした山崎浩子さんの『愛が偽りに終わるとき』という本を読むと面白いんですよ。統一教会を熱心にやってる時でも、おかしいなと感じたと四ヵ所ぐらいに書いています。のぼせて熱心にやっている時期が収まると、おかしいなと気づくようになるんです。必ず疑問点が出てくるんです。統一教会の人でも、かなりの信者がおかしいなと思ってるんです」
米本和広氏も統一協会は問題が大ありだと考えているわけです。
というわけで、家族が何とかしてやめさせようとするのは当然だと思います。
ただ問題は、どうしたらやめさせることができるかということですが。

コメント (2)
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