邦画のベストスリーは順不同で
三木聡『亀は意外と速く泳ぐ』
脱力感が何とも言えない。
内田けんじ『運命じゃない人』
あの後どうなるのか、二人のセリフを考えた。
山下敦弘『リンダリンダリンダ』
ぺ・ドゥナが26歳とはね。
3本ともゆるいテンポの映画で、そこがこころよかった。
上野樹里(『サマータイムマシンブルース』もオススメ)と、高橋伴明『火火』の田中裕子が女優賞。
これも順不同で洋画
ニコラス・ローグ『美しき冒険旅行』
と学会会長の山本弘はけなしているけど。
エリック・ブレス、J・マッキー・グルーバー『バタフライ・エフェクト』
タイム・パラドックスはあっても許せるおもしろさ。
『愛の神』
ウォン・カーウァイのパートだけいい。あとの二人はダメ。
特別賞はキム・ギドク『受取人不明』。
黒人混血児、片目が見えない女高生、小心者の三人の若者が物語の中心で、この三人に次々と不幸がおとずれ、そのつるべ打ちの不幸に唖然としながらも、つい笑ってしまうという映画である。
そうか、キム・ギドクは登場人物を不幸にするのが好きなのかと納得した。
『悪い男』は女子大生を娼婦にさせるし、『サマリア』にしたって女子高生よりも、娘が援助交際をしていることを知った父親を描こうとしたのかもしれない。
これらはまあ真面目に不幸なのだが、誤って民間人を殺した軍人と、殺された男の恋人の狂気を描く『コースト・ガード』も、不謹慎にも苦笑いしてしまった。
人の不幸を笑わせるキム・ギドクの腕は並大抵ではない。