滞った売掛金の回収をするまでの流れを備忘録的に記録。
2018年~19年にかけての作業代金の未払い分が売掛状態で焦げ付いていました。あまりにも酷かったので昨年末に債務者に念書を書いてもらい約束の期日(今年の2月末日)まで待ったのですが、10分の1にも満たない額を入金してきただけで、その後は音信不通になり、電話もメールも無視状態に。
仕方なく請求書を再発行し内容証明付きで送付するも、それすら受け取らず再配達の繰り返し。
折しもコロナ禍で緊急事態宣言が発令され、県をまたぐ移動も自粛という時期でしたが、やむを得ず同じ内容の書類を債務者の自宅まで持参しましたが不在。仕方なくポストに投函。
それでも音沙汰なしが続いたので腹をくくりました。
6月、簡易裁判所の助けを借りるべく支払督促オンラインを使い支払督促申立てを行いました。
支払督促が発付され、債務者へ発送。これもなかなか受け取らず難儀したもののようやく受理の知らせが。
裁判所も絡んだので流石に支払うだろうと思ったのは甘かった。
異議の申立ても無く、仮執行宣言申立の期日になってしまったので、当然駒を進めました。
7月の末、債務者に仮執行宣言付き支払督促正本が届く事に。
これにも異議申立てが無かったので訴訟手続きへと進みました。
8月、仮執行宣言申立を行いました。これが決まれば強制執行が出来ます。いわゆる財産差し押さえ。
実はここまでの手続きは弁護士などの代理人を立てずに自力で行いました。流石に財産差押となると、未知の領域なので不安も沢山ありました。そこで、区の無料法律相談の予約をし、担当の弁護士さんに顛末を伝え今後の相談をしたところ、ヒントも頂け、ここまでやれたのなら自分で出来ますよと背中を押して貰えました。
ただ、書類の作成など不慣れだろうから、何度か裁判所に通う事になるかも…とのことでしたが。
そして、9月、ネットから落とした申請書類に分からないなりにも頑張って必要事項を記載し、債務者の地元の管轄地方裁判所に出向きました。高速道路を使い片道2時間。ほぼ小旅行です。
今まで裁判所とは無縁だったので手順が分からず、とりあえず債権執行係の窓口へ。
しかし、お役所とは思えぬフレンドリーで親切な対応に驚いた。
間違った表記など、その場で訂正した書類を作ってくれたうえに、必要な印紙や切手などの種別を書き出してくれて近くの郵便局への地図までくれました。なんだかんだで1万円近くの出費…
この費用の一部も差し押さえに加える事が可能なことに驚いた。
無料相談の弁護士さんに言われたけれど、不備はありつつも何度も通う事無く一度で申請が受理されました。
ホッとした我が家はその足で裁判所近くの温泉に向かい疲れを癒やしました。
しかし、まだ終わりではない。
今回は債務者本人以外に第三債務者を設定しました。
本人の口座が置かれた銀行と勤め先の会社です。
ある意味、ココが賭けでもありました。
銀行は差し押さえ命令が届いた時点で口座を凍結させますが、その時点での残高しか押さえられません。それが債務の満額に満たない場合は泣き寝入り、もしくは再申請。
なので、銀行の按分は低めに設定し、勤め先には債務完済に満つるまで毎月給料の一部を押さえるように割り振りました。
音沙汰なしだった債務者ですが、自分の職場に差し押さえの通達が来た事を知り大慌て。流石に連絡をしてきました。
社会的な立場が無くなるうえに、会社としても給料を差し押さえられた社員を置くのはいい気持ちではないはず。
こうなりますよ~と再三メールや留守電で伝えたのに放置するからイカンのだ。
多分、債務の額が中途半端だったので、これを取り立てる為にまさか弁護士を雇い強制執行まではしないだろうと高を括っていたのだと思います。個人経営の会社だからって舐められたもんだ。
弁護士など立てずに、自力で強制執行までこぎつけたとは思うまい。
結局は連絡して来た後、すぐに全額入金してきて一件落着。
強制執行(財産差押)直前で事件は解決しました。
事後処理として、口座の確認、裁判所への事件の取下書の提出。そして助言を頂いた法律相談の弁護士さんにお礼状を…
この取り立ての最中、元号が平成から令和に代り、コロナ禍が起きて世の中の状況が一変。その煽りで東京五輪も延期。更には総理大臣の交代までも… まさに歴史に残りそうな2020年。我が家の歴史にも強制執行という文字が刻まれました。
債務者宅、地方裁判所への往復で高速料金やガソリン代が掛かったり、申請の手続き費用も掛かりましたが、弁護士費用はゼロ!
そして満額の回収が出来てようやく開放された気分です。
同じことが起きて欲しくはないのですが、とりあえず今回の流れを覚えているうちに記録。
後日談 追記…
第三債務者に指定した銀行から通知が来たのですが、口座凍結時の残額に驚きました。
低めに按分したにも関わらず、その10分の1以下の金額でした。
もし強制執行が行われていたら、全額回収が出来なかったといういう事ですね。回収出来て良かった。
本人訴訟、めでたく終了。