突然の古い写真ですみません。
2002年に自分で撮影したものなんですけど…
場所は中野にある「クラシック」というお店です。
ここは昭和5年(1930年)創業のクラシック喫茶です。
高校生だった1975年頃から通っておりました。
五木寛之のエッセイなどにも「K」という名で登場する結構有名な(?)お店です。
画家であった初代のオーナーさんがお店を開いた時から
改装などせずに長い歴史と共に老朽化して行った由緒正しい(?)場所。
昭和で時計の針が止まってしまったような場所でした。
初代のオーナーが亡くなった後は娘さんが継いだそうですが、
娘さんも急逝し、引き継ぐ人も無いまま国が管理していたそうです。
この写真はちょうどその直前だと思います。
だって確か娘さんと思われる方がいらしたから…。
結局は2005年1月に閉店。また昭和の想い出がひとつ無くなりました。
久しぶりに中野に用事が出来、時間に余裕があったので
ブロードウェイを散策。
ここもレトロを通り越して廃墟の様相を呈しておりますね。
そしてオタクの巣窟のようになっていて、万年コミケのようです。
その足で駅に続くサンモール途中にある細い路地を覗きました。
そう、クラシックのあった場所です。
そこにはすでにあの古びた幽霊屋敷のような建物はなく、
綺麗なビルになっていて、調剤薬局が営業していました。
店の灯りで薄暗かった路地が妙に明るくて違和感を覚えました。
メニューは珈琲、紅茶、オレンジジュースのみ。
1975年当時は150円均一でしたが、最後は400円でしたね。
有名な話ですけど、珈琲のミルクはマヨネーズのフタに入っていました。
でも、閉店の頃はちゃんとピッチャーで出て来ましたけど。
もちろん砂糖は角砂糖。 哀愁です。
食べ物の持ち込みは自由だったのでみなさん好きなものを持ち込んでいました。
しかし、竹針でかける古いアナログレコードは
ものすごいスクラッチ音。 パチパチ、プチプチ凄かった~
でも、何故か気にならない。 古い映画のスクリーンの雨の如くそれも味でしたね。
真っ暗な店内はすべて手造りではなかろうか?
と思うほど建てつけが悪く、床は斜めだしテーブルや椅子もバラバラ。
慣れていないと転びそうになります。
そして一番居心地のよさそうな席を探して
古いレコードを聴きながら、暗がりで文庫本を読んだりするのが落ち着きました。
だから、大抵は一人で行っていましたね。
久々にその場所を訪れ、違う風景に出逢った瞬間
当時のいろんな事を思い出してしまいました。
単なる昔話になってしまったね。(これじゃ日記とは言えないな)