和歌山のお猿さん

ニホンザルは東北から九州にかけて広い地域に生息するが、紀伊半島西部のサルだけ柑橘類に似た苦味を感じないという。
京大霊長類研究所の調査でわかったことだが、通常は苦味感覚を持つことで毒素を持つ植物等を食さないようになっているが、和歌山に生息するお猿さん達は、苦味を感じないように遺伝子を操作（操作というより遺伝子が変異）し、苦味を感じないことで山野に豊富に育つ柑橘類を食べて個体を増やしてきたらしい。
生物とはなんとも不思議なもので、神から与えられた防御策ですら、生きるためには長い年月をかけて変異させる。これは単に馴染むということではなく、生命をかけて寄り添うというか、生きる知恵を命がけで学ぶということではないか。