百姓通信

自然と素直に向き合い、全身で風を感じて私は百姓しています。
①土づくり②循環型③無農薬・無化学肥料④永続性を大切に!

無施肥栽培

2007-04-03 22:10:18 | 農業
自然農法というか、無施肥無農薬栽培とは、化学肥料・農薬はもとより、有機質も人為的には施さず、自然界の天然供給物と灌水のみによる栽培のことを指し、厳密に、かつ継続的に行う栽培法のことを、無施肥栽培といいます。
土の中には、人間が生命を保つに足る食物を生産すべき能力が最初から与えられており、我々が土を尊び、土を愛することによって、それら土の性能は十分に発揮されるという考え方に基づいていて(多少、宗教的になるが)、極論でいうと、土をはじめ取り巻く環境に最大限の自然の力を発揮していただき、人為的なことは出来るだけ施さないという考え方です。
調べてみると近くの私の住んでいる近くの栗東にも試験水田があり、そこは(昨年で終了してしまったようですが)、無施肥無農薬栽培の記念碑的な存在であり、そこでは1951年以来、無施肥無農薬栽培を55年間継続しており、そこには歴史的な意義だけでなく、生きた水田として、この水田からこれまでに数々の貴重な記録が産み出されたようです。水田を訪問した人の数はのべ数千人といわれ、水田作業にボランティアで参加した方もたくさんおられるようです。また、この水田を見学して無施肥無農薬栽培を始める決意を固められた方も多数おられたとお伺いします。
大量の農薬や化学肥料だけが環境汚染を促進しているだけではなく、有機質であっても人為的な窒素等の施肥等は、現場の圃場の環境のバランスを崩すという考え方に基づいており、それはなかなか一朝一夕には無理ですが、一つひとつ科学で解き明かしながら、でもある意味で心に念じ感謝することで、自然との共生の中に始めて見えてくる姿なのかもしれません。