最近何か人物紹介(直接、僕が知っているというわけではありませんので、アシカラズ)コーナーのようになってしまっていますが、もうおひとり紹介させて頂きたく思います。その人物は森下郁子さんで、森下さんは1984年より社団法人淡水生物研究所・所長をされており、以前から日本の河川はもとより、世界の河川をフィールドに活動されており、1980年には日本の河川の生物学的水質階級地図を完成されている。そんな彼女は「川の多様性を考えるとき、日本の川の多くの場所でアユがとれるようになったことは、見過ごすことのできない問題なのです。」という。理由は、「アユの生息地域が変わり、サケ科の魚の住む生息域が少なくなってきている。」からだそうで、「アユはもともと南方系の魚で、照葉樹林の茂る、明るくて水温の比較的高い川を好む性質がある。」そんなアユは「基本的にヤマメ、イワナ、アマゴなどサケ科の魚が生息する水温が冷たくて暗い渓流にはもともとすんでいなかった。」のですが、「川の源流に近い、イワナなどの生息地だった山地渓流が、道路の拡張工事や護岸の改修工事で広く明るくなり、アユの生息地域に摩り替わってしまった。」のだそうです。
私たちは、アユが生息するということは、その川に魚が生息しているということで、つい自然保護をしているような気持ちになってしまいがちですが、決してそうではなく、「アユの川、サケの川、ホタルの川というように特殊な生物にのみスポットをあてた自然保護は分かりやすく、一般受けはするけれど、特定の種の移入や養殖等は、しばしば河川環境を著しく変化させてしまい、川の生物の多様性を危機的な状況に追い込んでしまうという側面も持ち合わせていることに気付く必要がある」と彼女は説かれています。
そういう危機感って、やはりもっと自然を俯瞰してみていないと気付かないことで、決して人類のエゴではなく、現在と過去と未来をあわせてどうあるべきか、私たちも、常にそういう視点を持ち合わせて、考え行動していく必要がありそうに思う。
私たちは、アユが生息するということは、その川に魚が生息しているということで、つい自然保護をしているような気持ちになってしまいがちですが、決してそうではなく、「アユの川、サケの川、ホタルの川というように特殊な生物にのみスポットをあてた自然保護は分かりやすく、一般受けはするけれど、特定の種の移入や養殖等は、しばしば河川環境を著しく変化させてしまい、川の生物の多様性を危機的な状況に追い込んでしまうという側面も持ち合わせていることに気付く必要がある」と彼女は説かれています。
そういう危機感って、やはりもっと自然を俯瞰してみていないと気付かないことで、決して人類のエゴではなく、現在と過去と未来をあわせてどうあるべきか、私たちも、常にそういう視点を持ち合わせて、考え行動していく必要がありそうに思う。