文化と時間

農業をしていると、人間ではどうしようも出来ないことがあることに気がつく。そんなことあたり前だよっと簡単にいえる人って大変常識があり、バラス感覚のおありの方だと思う。播種すべきタイミングや定植する時期、成長する速度や花が咲いて実が出来るまでの期間等、天候や様々な与件が複雑に絡むが人間でコントロール可能なことと不可能なことが明確ではあるが、僕たちは出来るだけ自然の力を頂きながら、出来るだけ自分達のイメージに近い栽培を目指している。
昔は季節の移り変わりとともに農業や漁業等の一次産業があり、そこにはれぞれの季節ごとに行事や祈りが存在した。またそこに文化や伝統の息吹きがあり、長い年月をかけて各地に根付いていったのであろう。しかし現代社会は自然と乖離した中で、季節感のない時間の中を生活し、農業さえも化学肥料や農薬に頼らざるをえなくなり、徐々に伝統や文化から切り離されてきた・・・。
おそらく文化は時間では買えないもので、文化は時間の積み重ねで成り立つものなのでしょう。そんな大切な文化を私達はいとも簡単に壊し、誰もが同じ文化を享受しようとし、マスメディアは安易なグローバル化を推進する中で、各地方の差異やアイデンティテイの喪失を余儀なくしてしまった。
なかなか元に戻ることは難しいと思うが、今一度ひとつひとつの時間の在り方、ひとつひとつの連続性・季節感のある時間を時折体感してみることから始めてみてはどうかなぁ!!体感するには農業は結構手軽で楽しいとは思うけれど。