今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

参考値

2011年03月25日 | 東日本大震災関連
放射線量の観測網で値をチェックする際、その値の意味づけについては、
新聞などに出ているものを参考にすればいいのだが、いまいちピンとこないかもしれない。
なので私なりの参考値を紹介する。

ちなみに値の大きさをわりやすくするため、
私のブログでは1nSv/hr=1円と置き換えた円換算値を使用する。

今地球上で、人が浴びている平均値(自然放射線による)は年間1200μSv(120万円)。
これを測定値と同じ1時間当りになおすと、140nSv/hr(140円)となる。
つまり南関東の今の値は、実は世界平均レベルにすぎない。
なので、日常生活のどこも変える必要はない(東日本はもともと平均以下だった)。
放射性物質の付着の問題も、基準値以下ならまったく問題ない
(基準値は、医学的根拠に基づいている)。

つぎにずっと深刻になって、「屋内退避」、
つまりできるだけ屋内にいて、無用な外出は避けたほうがいいという基準。
真の屋内退避基準は5000μSv/hr(1時間当り500万円)とずっと高いのだが、
これは外出禁止レベルなので、現実(福島県の今)にはもっと低い段階で発動された。
そこでの基準はご存知のように”原発からの距離”によっていた。

私が推奨する屋内退避の基準値は、10μSv/hr(10000円)。
その根拠は、この値までなら年間合計してあびても安全という値を、
1時間当りに直した値11.4μSv/hrを参考値としている。
たとえばこの基準によると、今の屋内退避域は半径30キロであるが、
北西側関しては40キロ圏の人も屋内退避していた方がいいことになる。

それから、実際の退避か避難かという基準には、測定された高い放射線量が一時的なものか、
今後も持続するのか、あるいはさらにどんどん高くなるのかの判断(予想)が必要となる。
それには、現在の測定値だけでなく、発生源である原発の事故状況が重要なのだ。

実際、今日になって現在の屋内退避域の住民に自主避難を推奨しだしたのは、
今の状況が今後も改善されないという認識にたったためだろう。

ただ、私のブログをずっと読んできている人なら、
(暫定基準値など)安全基準を超えた途端に危険域になるものではないことはご存知だと思うが。

まだ根本的には釈然としないかもしれないが(その理由は分かっている)、
とりあえず今はこれにて。

作業員の被曝:追記

2011年03月25日 | 東日本大震災関連
作業員が被曝した。
放射性物質が満ちた水がある中、くるぶしまでの靴で作業したため、という。
長靴をはかないで作業させるなんて、非常識!と、識者たちはあきれ、怒っている。
事故の処理、すなわち、われわれの運命は彼ら作業員にかかっている。
そのためには、彼らが安全に作業できるよう、細心の配慮をする事が前提だろう。

ナノ・シーベルトレベルの増減に一喜一憂している私などの外野と違い、
ミリ・シーベルト下で作業している彼は、その値の意味を知れば知るほど恐ろしいはずである。
その恐怖心をできるだけ取り除かねば、作業はできない。

ちなみに、ナノとミリの差をわかりやすくお金に換算すると、
ナノを基準にして、1円から999円までの値とすると、マイクロが1000円から99万円。1ミリが100万円だから、100ミリが1つの問題となる彼らの作業環境は、1億円レベルなのである。
逆に言えば、放射線被曝が真に問題となるのは、数千万円から数億円レベルの”資産”の世界。
計測好きな私が東京で騒いでいるのは、50円から200円のスナック菓子の世界(現在132円)。

※追記
夜のニュースで、被曝量は局所的に、2-3Svになったという(ミリが外れている!)。
すなわち、20-30億円という、わかりやすくしたはずの円換算がかえって(私には)わからなくほどの値。
それが、皮膚が火傷状態に直接やられてしまう値(重症ではないようだが)。