今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

エアコンの”除湿”は使える

2011年06月30日 | 生活
エアコンの除湿は、必ずしも節電にならない場合があると、
最近、マスコミで言われている。
では自宅のエアコンではどうか。

ワットチェッカーを買ったので、さっそく消費電力を検証してみる。
名古屋宅のエアコンは、三菱「霧ケ峰」MSZ-SV22R
仕様書によると冷房の消費電力は420Wとある。
また本機の「除湿」は、温度をやや下げて除湿するという。
すなわち多少の冷房効果もあるのだ。
(皆さんも、自宅のエアコンの取説で確認しよう)

ワットチェッカーをコンセントに差し込み、ワットチェッカーの上にエアコンのプラグを差し込む。
まずは、冷房を入れる。
すると値はどんどん上がり、600Wを越えた。
仕様書の消費電力より多いぞ。
冷房を続けていると460~620Wの間を行き来する。
電子レンジなみの消費電力だ

わがエアコンには「省エネモード」というのがあり、これは設定温度より2℃高くなり、風がスイングするもの。
これだと460ー510W。
すなわち”省エネ”効果は約100W分だとわかった。


次に、除湿。
3℃だけ下げるという除湿の「強」では、370W
2℃だけ下げるという「標準」では340W

ちなみに、エアコンの「送風」だけだと、「強」で20W、「中」で16W、「弱」(ほとんど風を感じない)で14-15W

以上から結論。
節電的に使うなら、消費電力が半分近く減る「除湿」がいい(実は、昨年まで除湿中心に使っていた)。
3℃下げるだけでも体感的には違う。
ただ、除湿は、冷房とちがって目標温度の設定ができず、
今の温度から最大3℃下げるという相対性がネック。

仕事から帰ると今では室内温度が35℃以上になっている。
除湿だど、32℃以下に下らない。

そこで、先日否定された”サーキュレーター”の登場となる。
まずは、冷房で部屋をガンガン下げる。
そして同時にサーキュレーターをonにする。
ちなみにわが小型サーキュレーターの消費電力は、
「強」で30W、「中」で25W。
すなわち帰宅後の数分間だけは650Wもの大盤振る舞い。

ここでのポイントは、サーキュレーターの向きを、天井ではなく、エアコンの温度センサーに向けること。
(室内温度の均質化は無意味だからね)。
ほどなく、エアコンのセンサー付近の温度が29℃に下る。
(計測オタクの私は、エアコンの温度センサー付近にも温度計を設置してある)。

ここですかさず、エアコンのスイッチを「冷房」から「除湿」に切り返る。
だが、エアコン自体は、すぐに切り替わってくれない。
3分ほど、エアコンは温度設定のため送風状態になる。
この間、室内温度が徐々に上がるのが口惜しい。

そして、待望の「除湿」が始まり、開始時の29℃から3℃低い26℃になるまで、冷房の半分近い消費電力で部屋が冷やされる。
ただし冷房よりパワーが弱いので、気温の低下はごくゆっくり。

ということは、冷房から除湿に切り替える時点で、”暑くない”温度にまで下げるのがミソ。
これ以降はずっっと「除湿」のままでいい(私の場合、翌朝まで)。

このような使い方がベストだと思う。

熱中症の危険値

2011年06月29日 | 防災・安全
今日の日中、名古屋の星が丘と日進の竹の山にある本学キャンパス内で、
ともに熱指数(体感気温の指標の1つ)が42.8℃に達した。
熱指数は41℃を越えると熱中症を発症する危機を意味する。

観測値は常時15分おきに、ネット配信している(東京荒川区からも)。
詳しくはわがサイトの「気象の世界」から。

冷房にサーキュレーターの併用は逆効果

2011年06月28日 | 生活

冷房には扇風機やサーキュレーターの併用がいいとさかんに言われている。
これは間違いだ。
上暖・下冷の安定した成層状態を撹拌して室内の温度を均一化することは、
暖房にのみ効果があり、冷房では逆効果である。

今、空間の容積を2倍にした場合、その空間内を一定温度に変化させるのに要するエネルギー量はどれくらい変化するか?
「2倍増える」と答えた人なら、
室内の居住空間の下半分だけを冷やした場合と人の頭上の天井側の上半分も余計に冷やした場合の消費エネルギー量の違いがわかるはず。
実は2倍ではすまないかもしれない。
なぜなら下の冷気をサーキュレーターで力づくで上にもっていくのに余分のエネルギーが加わるから。

サーキュレーターを勧める論拠というのは、
下の冷えた空気をエアコンのある上にもってくる事で、エアコンが感知する温度が下るからだという。
これって、エアコンのリモコンで温度設定ができることを知らない論理だ。
最初から上半分の温度に対応した高めの温度設定をすれば、エアコンは最小限の稼働で最適な冷気を出してくれる。

実際のデータを示そう。

帰宅したら、室内が35℃になっていた。
私は頭の上にあるエアコンの冷房の温度設定を30℃にする。
冷房だから、何もエアコンから30℃の暖気が出てくるわけではない。
我が部屋のエアコン(三菱の「霧ケ峰」)から出てくる風の温度は18℃。
そして数分後、エアコンと同じ高さの気温は正しく30℃をキープし、
私が坐っている所では27℃(夏の至適温度)に下った。

エアコンにとっては命令通り、5℃下げる仕事をしたつもりだろうが、
部屋の下半分では更に3℃も余分に下ってしまった。
これは冷気が下半分に溜ったためだ(室内のクールスポット化!)。
ここでサーキュレーターで撹拌したら、せっかくのクールスポットが台無しになる。

冷房時(サーキュレーター無し)の温度分布をサーモグラフィで示した記事

涼しい場所に坐っている私には、天井近くが30℃であることは、
その高さに設置してある温度計によってしか知るよしがない。
なぜなら生活空間ではないからだ。

もしまだ暑ければ、設定温度をさらに1℃下げるだけ。

とにかく、自分のいない空間(部屋)に冷房とサーキュレーターをつけっ放しにする人は、普通はいないと思う。
それをあえて勧めるってどういうつもりなんだろう。

ちなみに、頭上のエアコンでの暖房の時は、私もこのときとばかりサーキュレーターをつけっ放しにする。
→その後、「暖房でもサーキュレーター無しにできた」。

※サーキュレーターの可否は室内環境によって異なり、私も別の部屋では併用している。☞「冷房にサーキュレーターを併用しているの記事へ

☞この話のまとめになる記事「エアコンで効率的な冷房」へ


除染効果が確認された

2011年06月26日 | 東日本大震災関連
このブログで以前(たとえば5月4日の記事)から指摘したように、アスファルトやコンクリなどの硬い路面での除染は、
ブラシや高水圧による力技での除去が効果があることが、福島県での実証実験で確認された(やっと今になって…)。

なので、福島のみならず、路面の線量が高い栃木の那須地方(特に黒磯)でも、実践されるといい(すべきでしょ)。
ただし住宅周囲の除染の場合は、道路よりも屋根まわりから先に始めた方がいい。
もちろん、水滴を吸入しないよう、マスクは必須(できたらゴーグルも)。
学校のプールが住民の間で問題になったのもこの掃除の問題であり、注入した水の事ではない。
(テレビなどでは、放射能について、いまだ勘違いした発言をする人が登場するので要注意)

土壌の除染はゼオライトを散布するのが一番だろう。
ただ、ゼオライトの配布と回収は、自治体が担当すべきだ(特に回収先)。

わが名古屋宅にも、飯舘村から取ってきた土にヒマワリの種を植えた。
今、芽が5cmほど伸びている。
ヒマワリのセシウム吸収効果を調べた後、ゼオライトを撒いてさらなる吸収効果を確認したい。

30℃の室内で快適にすごす

2011年06月26日 | 歳時
晴れて30℃を越えた日曜。
名古屋の棲み家で蒲団を干し、シーツを洗濯して干し、
外出予定がないので、室内で、提出期限間近の書類を作ることにする
(いい天気なのだが、この書類がプレッシャーとなって、遊びに行く気が起こらない)。

快眠こそ心身の健康の基礎と思っている私は、夜はエアコンを29℃設定にしてつけっ放しで寝る(タオルケット一枚をかける)。
すると寝床付近は27℃台に保たれ、いたって快適。
(計測オタクの私は、室内6ヶ所に温度計を設置している)

本来なら、書類作成の仕事中こそエアコンで快適にしたいのだが、
夜通しつけた分、昼の在宅中は、省エネを心がけたい。
寝ている時と違って、温度調節にいろんな試みができるし。

まず窓もドアもすべて開け放って、室内に風の通り道を作る(幸い台風の影響で風がよく通る)。
そして、洗濯したての濡れているTシャツを着る。
これで胴体を冷やす。
つぎに、やや小さめのバスタオルを水で濡らして、頭にベール状にかぶる(タオルの両端が両肩に掛かる)。
こうすると、タオルからの気化熱が冷気となって頭から下に向かって降りてくる。
さらに扇風機を弱にして、体に当てる。

ついでに作業のBGMとして、パソコンのiTunesからMacTV経由で、デジタルテレビでバリ島の音楽を鳴らし、
同時に自分が撮った風景写真を37インチの大画面で環境映像にする。

室温は31-32℃だが、まったく暑さを感じる事なく、快適に作業でき、16時前に書類を作り終えた。
(湿度が40%と低めだったことも幸い)

バリ島やハワイなど熱帯地方の音楽を鳴らしていると、
熱帯にいる気分になり、暑さが苦でなくなる効果もあるようだ。

暑さでは関東に負けたが

2011年06月24日 | お天気
埼玉県の熊谷が39.8℃を記録した。
さすが熊谷。
6月の最高気温更新おめでとう、と祝辞を送ろう。
その熊谷と”暑さ日本一”を競う岐阜県多治見は、34.5℃と、
35℃にも達しない”並”の暑さだった。

だが、名古屋圏は関東と違って湿度が高い。
東京の湿度は正午頃は40%だったが、名古屋は60%。
こうなると、体感気温は名古屋の方が高く、39℃を越えた(東京は37℃)。
気温で負けても、蒸し暑さでは負けない。

麻婆茄子

2011年06月23日 | お仕事
今日は、半年に一度の麻婆茄子の日。
だが、最近なぜかスーパーには出来合いの麻婆茄子が売っていないので、
帰宅後、自分で茄子とピーマンを数個ずつ切って、調理用の麻婆茄子の元を入れて作る。
2-3人前のたっぷりの量なので、つまみにもなり、いつもの第三のビールではなく、
今日は奮発したエビスビールで、”賞与明細書”を眺めながら祝杯。
幸い、勤務先は、定員割れもせず、経営的に安泰なようだ。

といっても、
実家の地デジ用テレビ以外に買物予定もないので、
義援金の継ぎたしに加えようと思っていたのだが、
前の義援金もまだ使われていないほどの現状にあきれ果て、
むしろ、もっと後の忘れた頃に供出した方が有意義かと思うようになった。
とりあえず、
夏の終わりに予定している弟一家を招待しての旅行資金にする。

那須岳の放射線量

2011年06月20日 | 東日本大震災関連
那須の温泉に一泊してきた。
前回の那須(日帰り)は、標高100mごとの計測に徹したので、
前回やり残した、温泉旅行と那須岳(茶臼岳)登頂(計測のため)を果たしてきた。

泊まった宿は、「休暇村那須」で標高1230m。
天気が心配だったが、翌朝は晴で、眼下には雲海が那須野を覆っている。
梅雨の合間の絶好の登山日和だった(山の上は強い日射で、γ放射線より紫外線の”被曝”の方が気になった)。

さて、今回の計測のテーマは、「放射性物質は那須岳を越えたか」。
群馬の山の上もそれなりの値を示したことから、放射性物質は空高くまい上がり
関東の関門として立ちはだかっている活火山・那須岳(1915m)を越えたのかもしれない。

そこで、今回の計測は、放射線の人体への影響度ではなく、
物理的な量を比較したいので、計器が直接測っている CPMの単位にする。
ただし、 CPMは最低でも10分間測って10で割った平均値を出すべきなのだが、
計測地点ごとに10分間計器を1mの高さにかかげ続けるのがつらいので、最小計測単位の1分間の結果である。
またわが計器の CPM値に、他機種のμSv/hへの変換係数0.00833を当てはめると高すぎる値になるので、
μSv/h値はその単位で再計測した(わが計器もμSv/hへの変換はセシウム137を前提としているのだが)。
計測時の地面高は1mである。

●休暇村バス停1230m:97
●休暇村奥の「小丸山展望園地(写真)1250m:127(0.25μSv/h)…人があまり行かない=値は高め
●ロープウエイ下駅の外1390m:123(0.5μSv/h)
●ロープウエイ上駅の外1685m:149(0.35μSv/h)…樹林限界より上
●茶臼岳山頂1915m:104(0.25μSv/h)…岩屑地(火口からの噴出物には放射線はほとんど検出されず)
放射性物質が地面に堆積しているか確認するため、山頂で1cm高で測ると151(0.5μSv/h)に上がった=多少堆積している
ちなみに小丸山園地の1cm高は496(2μSv/h)もあった=ずいぶん堆積している
※地上1cmでの測定はγ線のほかにβ線も測定されるため、堆積が多いほど大幅に値が増えるが、β線は履物で防御される。

ついでにさらに下の地点の1m高の値は
●鹿の湯の外(前回と同じ場所834m):166(0.45μSv/h)…入浴した。やはり那須に来たらここに入らないと。休暇村は温泉でも単純泉の塩素循環だし。
●黒磯駅前(郵便ポストの後ろ):387(1.2μSv/h)…相変らず高い。

以上から、山頂にもある程度放射性物質が達していることがわかった。
ロープウエイ上駅が高かったのは、せり出した台状のためかもしれない。
ただ、標高が低い方が値が高いという前回の傾向は、山頂から麓までを通して全体的に維持されているので、
放射性物質は山から麓に降りたのではなく(そうであるなら山の上の値はもっと高いはず)、
日中の谷風で下から山へ吹き上げられた可能性が高い。
また、一定の高度に高濃度帯があった形跡は見出せなかった。

以上から、那須に関する限り、山は放射性物質の周囲への飛散元ではないといえる。

線量マップの次は

2011年06月18日 | 東日本大震災関連
自治体レベルでの線量マップ作成がやっと始動。
ではマップができたら次にどうする。
当然、特定基準以上の地点の除染。
ところが、汚染土壌の処理は、国は基準を設けるだけで、処理自体は自治体に丸投げしてきた。
高濃度の汚染に曝され、人も予算も払底した福島県の各自治体・住民は、唖然としただろう。

でも唖然としている暇はない。
できるだけ早く除染に着手すべきだ
(不要な物をそのままにしておく法はないということで、あらゆる場所で危険が切迫しているという事ではない)。
集積後の廃棄物処理は、国策で原発を推進してきた国に責任を取ってもらおう!

また、自分の居住地近くの線量が公表されたことで、放射性物質の線量に対する関心が再び高まることだろう。
今一度、きちんと勉強したい人には、下記のサイトをお薦めする。
放射線治療への不安にお応えします」(厚生労働科学研究班)
本来はこのタイトルの内容だが、原発事故以来、その問題も扱っている(ただし専門用語のままなので解りやすくはないと思う)。
広い意味で国の機関だから信用できないと感じる人がいるかもしれないが、
原発推進機関(経産省)とは無関係の医療機関(厚労省)であり(放射線医療の推進側ではあるが)、
放射線と健康に関する情報は、まずは放射線医学の専門機関から得るべきである。
ただ、「放射能は無条件に怖い」以外のメッセージを受けつけない人には無理。

3ヶ月経ってこの状況

2011年06月15日 | 東日本大震災関連
震災から3ヶ月経って、津波被害の地はまだガレキの山、「とりあえず使って欲しい」と送られた義援金は溜まったまま。
何もできない総理が、何かやるまでやめないつもりで意地張っているためか、迅速で的確な対応ができない。

そんな中、自治体レベルで放射線の線量マップ作りがやっと”始まった”。

放射能汚染が拡がったら、まずは汚染マップを作る。
これが、住民の健康を守る側が第一にすべきことなのに。
3ヶ月後とは…。
何億かかったらわからない”SPEEDI”はまったく役に立たなかったし。

その間、多くの人が高い金を払って、線量計を購入せざるをえなかった。
そのおかげもあって、民の力で先に線量マップが作られている。
そして、自治体の一箇所だけの発表より、値が高い所が続出していた。
私のブログでは、地面からの高さや路面の違い、標高の違いなど、より詳細なレベルが問題になっている。

この震災を通して、われわれは国や自治体には頼れないことを痛感した。
でもこれは悲観することではないのかもしれない。
国民が自分たちで問題解決できる力をもってはじめて、真の民主主義が実現するのだろうから。




三ケ根で”死”に接す

2011年06月13日 | 
三河湾に面した幡豆(はず:現在は西尾市)から幸田町に廻る旅をするため、
その中心に位置する標高300mほどの三ケ根山の上の宿をとった。
目的は、幡豆を支配していた小笠原の分家の史跡・資料の探索と、1945年の”三河地震”で出現した断層の見学。
幡豆小笠原氏ついては、わがサイト「山根一郎の世界」内の「小笠原氏史跡の旅」で詳しく記事にするので、
ここでは三ケ根周辺の旅を記す。

宿をチェックアウトし、愛車miniで山上のスカイラインを駆けって同じ山上にある三ケ根観音に行った。
この観音堂は由緒あるというので、それなりに観光化された観音堂を想像していた。
車から降りて、まず通り道にある比島観音(三ケ根観音に隣接し、面積はそれを上回る)に足を運ぶ。
そこには、フィリピンでの50万もの膨大な戦死者の慰霊碑が日本軍の部隊ごとに所狭しとばかり並んでいる。
中には、軍馬・軍犬・軍鳩の慰霊碑もある。
薬害スモンの死者の慰霊碑もある。
その”死”の数に圧倒される。
震災の2万の死に圧倒されていたのに、50万以上もの死にあらためてがく然とする。
(右写真は、観音の脇にあるフィリピン製と思われる像)

スカイラインの脇道の奥にひっそりとしかし堂々と立てられている東条英機ら東京裁判で処刑された”殉国七士廟”にも行く。
戦後史観で育った私にとっては違和感はぬぐい去れないが、ここにもさまざまな部隊の隊員名の記された慰霊碑がある(”お町”という民間女性の慰霊碑も)。
これらの”死”の重みに圧倒されながらスカイラインから眼下に目を移すと、
渥美半島と知多半島に囲まれて、波のないおだやかな三河湾が視界いっぱいにひろがる。
まるで人間のエネルギーの総力を尽くした”戦争”と、それをも呑込もうとする”自然”とが相克しているかのように、私の心を引き裂く。

三ケ根山から幡豆に降りて、小笠原氏の史跡を見たあと、
ついでに”ガン封じの寺”として有名らしい無量寺(蒲郡市)に立ち寄った。
参道やガン封じ堂の周囲には、無数の絵馬が掛かっている(右写真)。
絵馬には人体の図が描かれており、それぞれ患っているガンの部位(肺や乳、胃、腸、子宮など)に印がつけられている。
そして図の横には、今ガンと闘っている人たち、再発におびえる人たちの切実な生への思いが書かれている。
もちろんここに願かけた人たちは医学的な治療を受けているはず。
だが、不治の病は最後には祈るしかない。
その場がここなのだ。
三ケ根の比島観音で接した膨大な無言の死に対して、
こちらは、死に直面している人たちのそれぞれの叫び。

この寺の境内には、巨大な楠の木があり、中が空洞になっていていもなお生きて豊かに葉を茂らせている。
また近くにも、幹の根本が空洞になってもなお健康に生きている木がある。
それらを見ると、この地には、なにか生命力を強くする”パワー”があるようにも思える。
だが、本堂近くにある巨木は、すでに枯れ果て、切り倒されるのを待つだけの姿であった。
なるほど、たとえ生命維持のパワーが強くても、死を免れることはできないのだ。
そこまでのメッセージを含めることが、宗教の真の役割だろう。

三ケ根山の東の麓に向かった。
1945年(すなわち終戦の年)1月13日の未明、この地域を襲った”三河地震”の痕跡を見に行く。
三河地震は、この地だけに被害を出した局地的な活断層による地震だが、直下は震度7に達し、死者(行方不明者を含む)二千名以上を出した。
ところが、戦争末期の時勢のため、極端な報道管制が敷かれ、名古屋にもその情報が達しなかった
(今でも、愛知県人の中に知らない人が多い)。
なので、外からの救援活動なども頼めなかった。

震源地は三河湾内だが、津波被害はたいしたことなかったようで、
死者の多くは建物の倒壊による圧死である。
あれほど静かな三河湾の地面が、突如牙をむき、この地の二千名以上の命を奪ったのだ。

この時の地震断層が、三ケ根山の東麓の宗徳寺裏と、北麓の幸田町の深溝(ふこうぞ。いわくあり気な地名)に残っていて、それらを見学した。
地震の痕跡は残っているが、公的に死者を慰霊する物は見当たらない。
その意味でも忘れられた震災だ。

気楽な旅の予定だったが、三ケ根山周辺でいろいろな”死”に接してしまった。

放射性物質観測網(SLOWLY):各地の線量マップを次々リンク

2011年06月11日 | 東日本大震災関連
震災から三ヶ月。自治体がようやく学校など網羅的に測りはじめた。
そして民の力で地域の線量マップが続々作成されている。
この線量マップこそ、国がやろうとしなかった、一番重要な実態データ。
これらの線量マップのおかげで、このページもますます充実。
読者のみなさんには、マップのリンク情報をお願いします。
※このページは通常のブログ記事とは異なり、情勢に応じて更新していくので、過去にいただいたコメントは適宜整理させていただきます

福島第一原発:すべてはここから
ライブカメラ(東京電力):値が高い事務本館南側から(手前から1号機~4号機の順)。日の出-日没の間、1時間ごと更新。
敷地内モニタリングポスト(東京電力):pdf。 敷地内モニタリングポストの値。やたら値が高いのは原子炉に一番近い「事務本館南側」(緩い日周期が見てとれる)。10分間隔の値。9時、15時、21時、23時50分の4回更新。やっっと正式な敷地図も加わった。
放射線モニタリング情報(文部科学省):汚染マップなど。
現地の天気予報:今日明日の3時間ごとの天気と風向きの予想(気圧配置による予想なので、地形による海風は考慮されていない)。
SPEEDI:緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムの予測計算結果(ヨウ素と希ガス)pdf
飛散シミュレーション(気象庁):英語(日本国民にはできるだけ見てほしくない?)。もちろんシミュレーションだから”実測値ではない”ことは忘れないように(予想天気図のようなもの)。

福島県
原発周辺狭域(福島県原子力センター):原発の周囲の観測網。3月12日を最後に全域配信停止中
原発周辺広域(文部科学省):1地点に1日2-3回の測定。更新は1回/日。
各地(福島、郡山、いわきなど):「県内各地方 環境放射能測定値(第nnn報)についてNEW!を選択。pdfでリンク。更新間隔は1時間。これ以外にもさまざまなモニタリングデータが満載。水道水(福島市)の値リンクあり(各pdf)。携帯版有り(直リンクなので迅速に閲覧できる)。
水道水:福島市は↑のサイトの中、郡山市(豊田浄水場)
住民線量評価システム(放射線医学総合研究所):3/11以降の行動を入力すると被曝積算量が算出されるシステム(周辺住民用)。5/20公開予定だったが延期中。
東北南部の風向(アメダス実況):1時間ごとの実況。ただし原発に最も近い「富岡」は測定不能。

茨城県:関東で唯一原発のある県なので、情報量が多い。
県北(北茨城・高萩・大子・鹿島):やっと鹿島が追加された。測定間隔は10分と高頻度だが、ページの更新は毎時30分頃。。
県央(日立・ひたちなか・鉾田など):本来は東海村の原発用なのですごく細かい観測網。10分間隔。更新も迅速。風速・風向もある。携帯版有り。「ひたちなか市那珂」「久慈」と「鉾田市樅山」が周辺より高い値を維持している。水戸の経時グラフ(文科省)
県南(つくば):3階と地上の2ヶ所。1時間間隔。平常値(0.06)を差し引いた増分値。放射性物質(核種)の詳細な分析も。夜間の更新を休止するのが難。携帯版有り。
水道水(水戸・東海村・太田):pdf 日1回。水戸と太田は浄水場、東海村は一般家庭
関東の風向(アメダス実況):北寄りの風なら関東は高くなる

栃木県
各地(那須、宇都宮、小山など):ここは設置場所の地面からの高さが不揃いなのが問題だったが、設置場所の高さを公表し、さらに各地の地上50cmの値も加えた。また同じページに、風向・風速を伴った過去の値一覧、水道水蛇口と降下物での放射性物質の測定もある。宇都宮経時グラフ
那須町+県北地域放射線量マップ:小中学校を中心に個人計測も加えた線量マップ(個人作成)。
県北・県央の学校線量マップ(県):地上50-100cm、更新は月一回? マップ化したのは個人(色の分類基準が効果的)。

群馬県
前橋・桐生:1時間ごと。前橋の積算値もあり。水道水蛇口・降下物の値はページの下方。経時グラフ
高崎市:現在値のみ。過去の値はpdf(原研地のみのグラフ)
群馬広域線量マップ(個人で計測):100cm、50cm・地表の値(γ線のみ)。距離的・地形的に群馬は安心だと思っていたら、そうではなかった。前橋・高崎の値だけ見て安心してはならない。

埼玉県
さいたま市:1時間間隔。水道水・降下物の値(1日間隔)はページの下方。経時グラフ
水道水:県営浄水場(さいたま・越谷・行田・三郷)川口鳩ケ谷秩父の各市の検査値も県のページにリンクするらしい。

東京都
新宿区(東京都健康安全研究センター):1時間ごとの集計値(ページ更新は毎時15分後)。経時グラフ。いろいろな情報が得られる上位階層のページ
本郷・駒場・柏(千葉)(東京大学):一部は昼のみ。都内でも本郷>駒場という地域差がわかり、1県に数ヶ所あった方がいいことがわかる。
大気中の核反応生成物の測定結果(都産業労働局):pdf.つくばと同じ放射性物質の分析。
水道水(新宿の蛇口)
浄水場(金町・朝霞・小作)(水道局):「水道水の放射能測定結果について」。
日野市(ナチュラル研究所):シーベルトではなく CPMという物理量による。増減傾向が経時グラフで見やすい。グラフの見方の FAQあり。
文京区(個人サイト):上と同じ機器による。

千葉県
市原市(県環境研究センター):1時間間隔。水道水蛇口・降下物の値はページの下方。経時グラフ
柏市(東大キャンパス):昼の3時間間隔。都内のと同じサイト
水道水(各地の浄水場):千葉市周辺北千葉広域(北西部)九十九里地域(東金・茂原など)南房総(安房・夷隅)鋸南町

神奈川県
川崎・横須賀の10分間隔実況:こういうサイトが必要GJ!
川崎・横須賀・茅ケ崎:1時間間隔。茅ケ崎の経時グラフ
水道水:県衛生研究所1日一回更新。県営水道の値はここからリンクpdf。

宮城県
各地(仙台、岩沼、白石など):「環境モニタリング情報」のpdfファイル。更新は日に一回。携帯版有り。宮城は今、原発どころではない。
仙台市内の線量マップ:市内の学校での値(幼保小は地上50cm、中は100cm)+栗原市(個人作成)。観測地点は今後も充実される予定。
栗原市:5/20より開始。市内5ヶ所。一日3回の値を毎日14時に更新
女川原子力発電所:発電所(福島第一原発の北東116km)は停止中だが、モニタリングは継続中。6ヶ所の数値とトレンドグラフ。10分間隔。更新も早い。一部値が高いのは、福島原発の影響らしい。
東北南部・新潟の風向(アメダス実況):1時間ごとの実況。ただし原発付近は地震被害で測定不能

山形県
山形・米沢:現在までの最小・最大値はページ内。1時間ごとの値はpdf(当然ながら山形<米沢)。降下物の値はページ内。水道水蛇口の値

新潟県
各地(新潟、長岡、上越など):1時間間隔。
柏崎市内の数ヶ所:福島第一原発の真西212km。

iPodtouchでプレゼン授業

2011年06月10日 | パソコン・メディア

昨年から、プレゼン画面を使っての授業はiPadでやっていた(それ以前はノートパソコン)。
ところが、それ用のソフトKeynoteが先月末のバージョンアップで、iPhone・iPodtouchに対応した。
私はtouchユーザーなので、早速 touchからパソコンで作った授業用ファイルを読み込み、
iPad用のVGAアダプタをつけて、 touchの小さな画面を、大きなスクリーンに写した。
レーザーポインタ代わりの赤いビームもそのまま使える。
これは便利だ。
ただ、パソコン(Mac)の同じKeynoteと機能の互換性が一部ないのが欠点だが。

スブレッドシートのNumbersも同じく対応したので、
出欠チェックもtouchでできる。
iPadを買ってから、ノートパソコンを持ち歩く必要がなくなったが、
今回の対応でiPadを持ち歩く必要がなくなる。




いまだ線量を基準にしない…

2011年06月09日 | 東日本大震災関連
政府は、原発からの”距離”を基準に避難区域などを決めたままで、
実際の線量はまったく無視したままでいる。
そのため、線量が充分低いのに、区域内にあるため、まともな活動ができない企業があり、
一方で、線量が高いのに、区域外にあるため、避難に関する補償が出ない家庭がある。
自らの政策と矛盾するため、もともと線量など公表したくないのだろうが、
線量を無視しつづけることは無策以外の何ものでもないことは明白だ。
われわれが各地の線量を問題にしても、国は何もしてくれないことはわかった。
国民に損害を与え続けて平然としているのが当の政府だとは、なんと悲しい事か。


いまだ続く facebookで有料サイトへの誘導詐欺

2011年06月06日 | 時事
5月7日の記事にして実体験「 facebookで有料サイトへの誘導詐欺に遭う」に、同じ体験をしたというコメントが100件を越え、いまだ増え続けている。
いずれも同じパターンの文章での誘い。
コメントに詐欺者からのメアド(たとえばkiki-22@ezweb.ne.jp)が紹介されているので確認してほしい。

すなわちこの1ヶ月間、ずっとフェイスブックユーザーに同じメールが送り続けられている。
請求が小額ということで、訴訟を起こす手間より、払ってしまう人もいるというのが、先方のねらい。

だが、相談にのろうとする善意を踏みにじった点が許せない。