今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

測器の設置環境の違いによる誤差

2011年03月23日 | 東日本大震災関連
放射線量の測定値の公開が一斉に始まって、とても重宝しているが(私も自分のリンク集をフルに利用している)、
水戸と宇都宮など測定地点間を比較する場合、それぞれの設置環境に差があると、その誤差も測定値の差に含まれてしまう。
読者の指摘にあったのだが、宇都宮は高さ20mの所で測定しているという。
本来、われわれの生活空間での値が知りたいわけだから、できるだけ標準となる高さ1mにすべきである。

実際、福島県は、この不統一に気づき、ビルの階上での計測をやめて、駐車場など地上での計測に統一しつつある。

ただ現実的には、その高さに常置することが困難な場合もあるので、その場合は高さを明記すべきだ
(気象観測の風速計も、観測地点によって地上からの高さが異なるので、設置している高さを明記している)。

高さが異なると、どういう誤差が生じるのか。
地表から遠いと、地上に堆積した放射性物質から遠ざかるため、値が低くなる。
地表のずっと上にあると、本来なら雨で地上の値が高まる現象もひろいにくくなるかもしれない。
ただ、数百メートルレベルで高さ(標高)が違うと、高い地点は宇宙放射線を多くひろうので値が高くなるはず。
ただし17日の宇都宮以北の増加は、標高の増加によるものではなく、原発への接近効果である。

あと、特に雨天だと、室内と屋外とでは差がふえる(当然、室内<屋外)。
測器に防水性がない理由で、屋内に設置しておくと、雨天の増加を正しくひろえない。
逆に、室内での石の壁面や鉱物の置物類が接近していると、それらの自然放射線をひろって値が定常的に増えてしまう。
そういう場合も考慮して、壁面や置物などから離して設置する。

環境要因以外では、測器の機種レベルの差(器差)もあろう
(私のガイガーが東京都公式の値よりいつも高めに出るのもこの違いだと思う)。

というわけで、地点間の差には、第三者が感知できない誤差がふくまれうるので、
設置者側で、測器の設置環境を明記してほしい(値を読む側はそれを考慮する)。

いずれにせよ、われわれは、主に同一地点の増減に注目した方が間違いが少ない。
どうしても地点間をくらべたい場合は、1回きりではなく、もっと長めに見比べて、
それぞれの地点の増減のパターン(那須では減っているのに、今市では増えているなど)に差があるかを見るなら問題は少なかろう。
あるいは、比較した結果、一方の地点の値が一貫してどうも腑に落ちない場合(特に近接しているのに値の差が大きい)、設置環境が大きく異なっている可能性がある。

一難去ってまた一難

2011年03月23日 | 東日本大震災関連
福島第一原発の全機に配電ができたというので、先ほど安心した記事をアップしたが、
1号機と2号機の内部に問題があることがわかり、
それを受けてその記事を取り下げた。
一難去ってまた一難だが、全体的にはゆっくりでも収束に向いているのは確かだろう。

土壌や水の汚染など、事故の”合併症”の問題にも言及したいが、
原子炉の本症が未解決なので、空気中の放射線量のチェックから離れることができない。

その放射線量は、福島・宮城・関東いずれも、
ゆっくりとした減少傾向(多少の増減をくりかえす)にあるようだが、
茨城-東京ラインだけは、高止まりにおける漸減という状態。
全体的には、原発から北側一帯は、内陸側の方が海沿いより高めで(福島市>相馬、白石>岩沼)、
南側一帯は内陸よりも海沿いの方が高め(白河<いわき、栃木<茨城)の傾向である。

まだ強い余震も心配。
余震が復旧工事の妨げにならないことを祈る。