今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

放射線量を測りに福島方面に向かう予定

2011年03月15日 | 東日本大震災関連
携帯できるガイガーカウンターを持っている私がすべきことは、
定点観測よりも、現場に接近し、あちこちで放射線量を測定しまくり、公表することだ。

明日帰京したら、その翌日にでも復旧した東北新幹線で、現在の終点の那須塩原まで行くつもり
(本当は常磐線ルートがいいのだが、千葉の松戸までしか開通していない)。
その間の大宮、小山、宇都宮などでも計測する。

できたら更に福島(棚倉方向)に入りたい。
福島県内の人こそ、もっとも数値を知りたいはず。

電車がストップしているので、那須塩原でレンタカーを借りようと思ったが
ネットで調べたら、車の貸し出しそのものをストップしているようだ。
高速バスも福島方面は全部ダメ。
入り込むすべがない。

那須塩原が限度か…。

東京で20倍、埼玉で40倍って

2011年03月15日 | 東日本大震災関連
今日埼玉では平常時の40倍という、1222nSv/hrを記録したという。
”40倍”と聞くとゾッとするが、1.2μSv/hr。
東京では20倍で、0.81μSv/hrだという。

マスコミ的にはセンセーショナルだが、
これらの数値を見て、私のブログの読者なら動揺する人はいないだろう。
千倍レベルの変動でないとね。
もちろん、「異常」を示していることにはかわりないけど。

放射線被害は風向も重要(関東中心)

2011年03月15日 | 東日本大震災関連
今日の午前中は、いよいよチェルノブイリの再来かと、顔面蒼白になったが、
午後になって急速に値が下ってほっとした(ナチュラル研究所さんのガイガーカウンターのページに感謝)。
今後しばらく、値の上下に翻弄されて一喜一憂することになるだろう。

今日はどうしても出なければならない卒業式を終えた。
明日以降の会議と卒業パーティは欠席を表明して、帰京して私も計測を再開したい。
(実家のリクエストで食パンと納豆を名古屋で買って持ち帰る)。

さて、今日痛感したのは、風向の影響。
関東では、北寄りの風となっており、福島原発の空気がそのまま南下して茨城の海沿い(常磐線沿線)に流入し、
それが土浦(霞ヶ浦の付け根)付近で南西に方向を変えて、東京と埼玉に入り、
東京からは横浜方面と多摩・秩父方面に風が分流した。

このような風の流線はアメダスの地方別の風向地図を見ればいい(アメダス風:関東)。
つまり、風向に注意すること。

明日以降は、西よりの風になるようだ。空気が太平洋上に拡散されるこの風向が一番いい。

ミリシーベルトまできた

2011年03月15日 | お仕事
15日11時の官房長官会見で
とうとう報告される放射線量の単位がマイクロ・シーベルトから、ミリ・シーベルトにレベルアップした。
それだけ事態は深刻になっている。

敷地のモニタリングポストで計測された「400mSv」といったら、緊急時被曝限度(500mSv)が目と鼻の先。
正直、震えが来た。

名古屋に来ているが、いてもたってもいられない。
予定を切り上げてできるだけ早く帰京して、
ガイガーカウンターのスイッチを入れ、ネットに配信したい。

東京の放射線量の実況として、日野にある「ナチュラル研究所」のサイトを参考にしてほしい
(値はシーベルトではないが3倍以上に上昇していることはわかる)
http://park18.wakwak.com/~weather/geiger_index.html
この上昇は、関東が北よりの風のため、福島が風上になっているためでもある。

シーベルトの意味は下の記事で。

マイクロ・ミリシーベルトってどんな意味か(改題整理版)

2011年03月15日 | 東日本大震災関連

放射線量マイクロシーベルト(μSv)っていったいどういう意味なのか。
報道された値はどの程度危険なのか、どの値以下なら安全なのか。
できるだけ分かりやすく紹介する。

(私を含む)ラドン温泉愛好者憧れの、オーストリアのラドン岩盤療養地ハイルシュトレーンの線量は176μSv/hr(Bqベクレル値からの換算,hrはhour(時間))。
そこでは、医師の指導のもと、厳密な時間制限で利用されている。

実際に人体に許容される限界線量は500,000μSv(=500mSv)で、これを「緊急時被曝限度」という。
つまりこの値を超えると放射線障害が発生する段階に突入する。
それをもとに、心配しなくてよい上限は、100,000μSv(=100mSv)とされている
(吸収線量単位Gyグレイ値から換算)。
ちなみに40過ぎの会社員が毎年受ける胃検診での放射線量は600μSv/hr。

ということはたとえば「500μSv/hr」は、明確な健康被害が起きるとは言えないが、
普通の人が生活空間で浴びていい数値ではない。
つまり、まだまだ異常に高いということ。
私の手元のガイガーカウンターがこの値を示したら、
顔面蒼白になり、その場から走り去る(ただし、真の「屋内退避」基準はこの10倍の5,000μSv/hr。これこそチェルノブイリ)。

また基準値として使われる「5μSv」は、異常に高い値だが、健康被害とは無縁(ラドン温泉で有名な鳥取県の三朝温泉より低い)。

●単位時間の扱いに注意!
※この項は記述に誤りがあったので下記のように書き換えます。またコメントの回答で正しくなかったものは誤解を避けるために削除しました。ご指摘いたいだいた方には感謝いたします。
μSv/hrは1時間当りの量で、標準ではこの単位時間が使用される。ただ、次項のように積算値を問題にしたい場合は、単位時間が一日(dya)や一年(yr)になる。たとえば世界中で人があびる平均値は年単位で1,200μSv/yrである。だから、放射能漏れで計測された放射線量が1,200μSv/hrだった場合、一年間であびる放射線量を1時間であびたことになる。

●積算値を問題にしよう
生活空間での放射線量については強さ(シーベルト値)だけでなく、積算値(累積時間)が問題。
すなわち(線量/hr)×(時間)を計算すべき。
たとえば5μSv/hrを1日であびる量は、5×24=120μSv/dayとなる。
日単位での「低線量」(悪影響は発生しないといわれる)の上限は548μSv/day、
ここから半分の値にした「安全値」の上限は274μSv/day。
なので、安全圏内ということになる。
でも毎日の生活空間では、今度は日レベルで積算しなければならない。
実は、先の「安全値」は年間の安全値(100,000μSv/yr)を日割りした値なので、この値が1年間続いても安全圏内。

逆に1時的に高い値を示しても、すぐに低下するなら、積算的にはそれほど問題ではない(X線検診のように)。
今回の事態の場合、観測される放射線量の変動幅が大きいので、過敏にならないように。

●健康に影響のない値の上限
ついでに、「低線量」上限の単位時間の値は、22.8μSv/hr。
「安全値」上限の単位時間の値は、11.4μSv/hr。
おおざっぱに、10μSv/hr、とりわけ20μSv/hrのラインが重要と思っておこう。

●シーベルトの単位レベルの違い:まとめ
放射線量の問題は、シーベルトの細かな数値ではなく、値の単位レベルで問題の質が異なってくる。
だから値が4桁(千の位)になったら、次の上の単位レベルで論じた方がいい。

生活空間での日常の観測値はn(ナノ)Sv/hrレベル(0.0xxμSv)。
日常値からの逸脱はμSv/hrレベル。
μSvからm(ミリ)Sv(=x,xxxμSv)になったら、単位時間の意味は小さくなり、とにかく要避難(そこから逃げる)レベル。
だから 500μSv=0.5mSvが、マイクロからミリレベルへの中間段階として重要な通過点となる。
そして、mSvからSvになったら、
しかも1Svから、実際に生体の障害が発生するレベル(すなわち、このレベルになってはいけない)。
だから最悪でもmSvレベル(500mSv以下)で抑えておかねばならない(←今の日本はココ!)。

ここで注意してほしいのは、異常値や要避難レベルと、健康被害レベルとでは、シーベルトの単位レベルが異なるわけで、
異常事態であるのは確かだが、実際に傷害が発生するわけではないことは理解してほしい
(すなわち放射線の評価基準は、まちがっても健康に害を及ぼさないように、ものすごく厳しい数値に抑えられているということ)。