関東のみの話題で申し訳ないが、
最悪の事態として、15日午前中のように関東に放射性物質が流れ込んだ時の1000倍、すなわち、毎時0.5μSvではなく500μSvクラスの放射性物質が流れてくる場合を考えてみよう。
この値は屋内退避基準にも達しないレベルなのだが、たとえば悪い事態が長期化しそうなのでいっそのこと脱出するとしよう。
くれぐれも、決して事態を悲観してのことではない。むしろ少し余裕ができたがゆえの思考実験のつもり。
どこに逃げるかの判断材料は、その地への空気到達量を規定する、距離と風向と地形である。ついでに風速も考慮する。
それと敵(拡散する放射線物質)がどの方向に拡がるのかを知ることも大事。これをメインに考えてみたい。
まず距離。
距離が2倍になると濃度が1/4に薄くなるから、距離をかせぐのが一番効率がよい。
安全レベルになる地点まで行けばいい。
でも計器がなければ自分で判断できないだろうから、なんら指示の出ていない地域に入ればひと安心。
自力で判断したい人は、ネットで地域のデータを参考に。
次に風向。
私がフランスのシミュレーション動画を評価するのは、拡散パターンの実際がよく分かるから。
理論モデルにあるように、風下に向かって扇型に拡散するのではなく、実際は蛇のうねりのように予測が難しい曲線運動をしている。
これは風向のきまぐれな変化のためだ。
ただ、基本は東の太平洋上に流れている。定常的な偏西風の影響による。
ということは、福島原発から空気中に放散された放射線物質は、基本(大部分)は太平洋に出て行くと考えてよい(これはうれしい)。
西風にのりやすいのは、周囲より温度が高い空気として(線香の煙のように)上昇するので、上空の西風域まで届くから。
ただ、ときたま内陸に拡がる。これは地上の風による。
逆に言えば、人の住む内陸側には長時間は居続けない傾向にある。
それと地形のせいもあるが、北と南には拡がりやすい。
冬は北風だから南(関東)に、夏は南風だから北(宮城)に流れやすい。
逆に西(新潟)には流れにくいようだ(間に山がたくさんあるし)。
ただし、地上の分布では、比較的値が高い領域(この3日間同じ)が、第一原発から北西方向にまっすぐ伸びている(図の31,32,33,61,62,63,2)。
これのダイレクトな原因となるはずの”南東風”は存在しない。海風(東風)と地形の相乗効果のためかもしれないが、正確なところは不明。
またシミュレーションでは、濃度の濃い部分が塊状態のままけっこう遠方まで拡がることもわかる(一時的だが)。
これも弱風を前提とした扇型モデルに合わない動きだ。
これは空気の塊が拡散する前に背後の強い風で押し流される現象で、強風がちの時におきる(風には強弱の”息”がある)。
つまり、強風の時は、距離の効果が減ずる。
ということは風速も考慮したほうがよい。
風速は風上の空気が流れてくる速度だから、距離をとりたいなら平均風速以上の速度で逃げる必要がある。
最後に地形。
同じ距離でも測定される放射線量が異なるのは地形の要因が大きい。
たとえば、海沿いでは、昼は強い海風が吹くので、海風が原発からの風上と異なる方向であれば、吹き飛ばしてくれそう。
風上と一致すると却って悪い。
シミュレーションで高濃度部分が関東に深く入った時は、メインの南風で関東に入り、それに鹿島灘からの海風が内陸側に押し込んだ感じがする。
風上の原発との間に高い山があれば障壁となって遮られやすいのは誰でもわかるが、フェーン現象のように、山越えの下降流が起きて、障壁効果がおきないこともある。
地形は風向に影響を与えるが、実際どのような地形がどのように風向に影響するかは、複雑な流体力学的現象で難しい。
あまり参考になることを言えなかったのが残念。
最悪の事態として、15日午前中のように関東に放射性物質が流れ込んだ時の1000倍、すなわち、毎時0.5μSvではなく500μSvクラスの放射性物質が流れてくる場合を考えてみよう。
この値は屋内退避基準にも達しないレベルなのだが、たとえば悪い事態が長期化しそうなのでいっそのこと脱出するとしよう。
くれぐれも、決して事態を悲観してのことではない。むしろ少し余裕ができたがゆえの思考実験のつもり。
どこに逃げるかの判断材料は、その地への空気到達量を規定する、距離と風向と地形である。ついでに風速も考慮する。
それと敵(拡散する放射線物質)がどの方向に拡がるのかを知ることも大事。これをメインに考えてみたい。
まず距離。
距離が2倍になると濃度が1/4に薄くなるから、距離をかせぐのが一番効率がよい。
安全レベルになる地点まで行けばいい。
でも計器がなければ自分で判断できないだろうから、なんら指示の出ていない地域に入ればひと安心。
自力で判断したい人は、ネットで地域のデータを参考に。
次に風向。
私がフランスのシミュレーション動画を評価するのは、拡散パターンの実際がよく分かるから。
理論モデルにあるように、風下に向かって扇型に拡散するのではなく、実際は蛇のうねりのように予測が難しい曲線運動をしている。
これは風向のきまぐれな変化のためだ。
ただ、基本は東の太平洋上に流れている。定常的な偏西風の影響による。
ということは、福島原発から空気中に放散された放射線物質は、基本(大部分)は太平洋に出て行くと考えてよい(これはうれしい)。
西風にのりやすいのは、周囲より温度が高い空気として(線香の煙のように)上昇するので、上空の西風域まで届くから。
ただ、ときたま内陸に拡がる。これは地上の風による。
逆に言えば、人の住む内陸側には長時間は居続けない傾向にある。
それと地形のせいもあるが、北と南には拡がりやすい。
冬は北風だから南(関東)に、夏は南風だから北(宮城)に流れやすい。
逆に西(新潟)には流れにくいようだ(間に山がたくさんあるし)。
ただし、地上の分布では、比較的値が高い領域(この3日間同じ)が、第一原発から北西方向にまっすぐ伸びている(図の31,32,33,61,62,63,2)。
これのダイレクトな原因となるはずの”南東風”は存在しない。海風(東風)と地形の相乗効果のためかもしれないが、正確なところは不明。
またシミュレーションでは、濃度の濃い部分が塊状態のままけっこう遠方まで拡がることもわかる(一時的だが)。
これも弱風を前提とした扇型モデルに合わない動きだ。
これは空気の塊が拡散する前に背後の強い風で押し流される現象で、強風がちの時におきる(風には強弱の”息”がある)。
つまり、強風の時は、距離の効果が減ずる。
ということは風速も考慮したほうがよい。
風速は風上の空気が流れてくる速度だから、距離をとりたいなら平均風速以上の速度で逃げる必要がある。
最後に地形。
同じ距離でも測定される放射線量が異なるのは地形の要因が大きい。
たとえば、海沿いでは、昼は強い海風が吹くので、海風が原発からの風上と異なる方向であれば、吹き飛ばしてくれそう。
風上と一致すると却って悪い。
シミュレーションで高濃度部分が関東に深く入った時は、メインの南風で関東に入り、それに鹿島灘からの海風が内陸側に押し込んだ感じがする。
風上の原発との間に高い山があれば障壁となって遮られやすいのは誰でもわかるが、フェーン現象のように、山越えの下降流が起きて、障壁効果がおきないこともある。
地形は風向に影響を与えるが、実際どのような地形がどのように風向に影響するかは、複雑な流体力学的現象で難しい。
あまり参考になることを言えなかったのが残念。