温泉一辺倒になっていた旅生活を、自分本来のアウトドア中心に戻したい。
そのためにはいろいろ道具を買い直す必要がある。
なにしろ学生時代の装備のままだから。
まずは、山での昼食をコンビニのおにぎりから脱却し、ちゃんと山で温かいものを作りたい。
いわゆるストーブorコンロを使うわけだが、自分が所持しているのは、中学時代に買ったスベア211というスウェーデン製の骨董品(砂漠の民が使っていたらしい)。
この時代遅れの灯油コンロは、灯油を気化させるためのブレヒートなどを要し、作業が面倒だし、火力の割りに音も大げさ。
かといって扱いが簡単なガスは、あのボンベを使うのがどうも風情に欠ける。
風情にこだわった結果、これだ!と思ったのは、ソロ・ストーブという、小枝を使うもの。
つまり、山に無限にある木の小枝を片手でつかむ程度かき集めて、それを燃料として、その二次燃焼(枝が炭化してからの再燃焼)という状態にすることによって、強い火力と、灰しか残らない効率の良さが売り。
乾燥した小枝が入手できないための予備として、中にぴったりはまるアルコールコンロ(アルコールランプみたいなもの)もセットで購入。
さて、GW最初の日曜の今日は、そのストーブの予行演習に充てる。
どこで演習をやろうか迷ったが、このためだけに遠くの野山に行くのは面倒なので、近所の霊園内の公園を選んだ(ホントは禁止だろうけど)。
公園の一番の奥の目立たないベンチに陣取り、足下の小枝を集める(ホント簡単に集る)、それを長さ5cm以内に折って、ストーブ内の粗めの網に載せる。
さらに点火用の枯れ葉を入れて、ライターで点火。
まず枯れ葉が燃え出し、数度枯れ葉を供給していると、小枝の方に火が移った。
せっかくなので、カップ麺を作ろうと、同じソロ製の鍋に水を入れて載せる。
火の勢いが増し、時たまストーブ下部の通気孔から、煙が勢いよく出る。
数分で湯がわき、ベンチに座ってカップ麺を頬ばる。
鎮火した跡を見ると、小枝はすべて白い灰になって、バラバラ落ちる。
あんなにあった小枝が、その体積が激減してすべて白い灰に変じた姿は、どうしても火葬場でのあの光景を思い出す。唯一違うのは、固形部分がまったく残らないこと。
木の灰はそのまま土に還るから、地面に捨てていい。
燃料費もかからず、不要なゴミも出ず、火力が強く、燃料は周囲からいくらでも調達できる。とってもエコだ。これはいい。
山での予行演習のつもりだったが、公園のベンチでやったせいだろう、
こいつを持っていれば、いつホームレスになっても心強いと思ってしまった。