今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

英気を養う温泉旅:追記

2024年04月08日 | 温泉

職場の大学で新学期が始まり、土曜は恒例の新入生の遠足を引率。

このように週末まで仕事があったので、日曜から火曜まで2泊の温泉旅
(火曜は午後からずっと会議)。

水曜から本格的に前期授業が始まるので、その英気を養うため。

私が温泉旅をするのは、今回のように仕事に臨むための英気を養う場合と、
仕事を終えて慰労のリフレッシュの場合、
それに論文執筆など仕事に集中するお篭りの場合がある。

結局、理由をつけていつでも行っていることになるが、
言い換えれば、温泉旅にもいろいろな役割・効果があるということだ。

一番の効果は、転地効果も含めた気分転換効果だろう。



以下、翌日追記分
2泊の温泉旅なので、もう少し詳しく記そう(2泊目の風呂上りの宿で打っている)。

選んだ宿は、3日目の帰宅日の午後から会議なので、近場の東濃にした。
東濃でお気に入りの宿といえば、まずは定宿だった中津川のホテル花更紗。
ここを1泊目にした。
ここは泉質(炭酸水素塩)も個性があるが、大浴場が贅沢にも総ヒノキなのが気に入っている(ただし男女入れ替えで他の大浴場はタイル)。
だがここは夕食が私には贅沢すぎるので、あえて素泊まりにし、夕食は隣接の日帰り施設のレストランで天ぷらそば(天ぷらをビールのつまみ)で済ませた。
素泊まりなので、朝食の時刻も寝ていられ、のんびり朝風呂に入って、コーヒーを飲んで、チェックアウト。
素泊まりなら下手なビジネスホテルより安い(もちろん4桁)。
これからは、このパターンでいいと思った。


朝食を抜いたので(私にはよくあること)早めの昼食として、中津川駅前の「五十番」という店で、”中津川のソウルフード”とされるこの店特製の「焼きそば」(”白太焼きそば”というべき)を食べる(500円)。
私以外の男性客は皆「大盛り」(+200円で倍増!)を頼むので、「普通」を注文した私にも大盛りが誤って供された(もちろん交換)。
もともと焼きそば好きだから、食べる分には大盛りでもいいのだが、今晩は、ビュッフェバイキングの夕食が待っている(なので本当は、普通の焼きそばでも多すぎるくらい)。

さて、花更紗を10時にチェックアウトして、次の宿のチェックインは15時、すなわち5時間は宿の外で過ごさねばならない(焼きそばも食べた)。
しかもあいにく月曜なので、付近の博物館・図書館は休館日。
だが、花更紗の宿泊者は、チェックアウト日も隣接のクア施設(10時から)が使える。
といっても平日は、バーデゾーンやブールは使えず、風呂とコミックスが並んでいるリラックススペースのみだが、それらだけでも時間は潰せる。
そこでソファに寄りかかって漫画とタブレットの『大菩薩峠』を読んで、午後2時過ぎに次の宿に向かった。


東濃で次のお気に入りの宿である、安宿チェーンの恵那峡国際ホテルは、「高張性」という抜群の温泉の濃さが貴重(皆さんが入っている温泉はたいてい「低張性」)。
それに安宿チェーンのビュッフェバイキングなので、高級感こそないが、量的にも栄養的にも自分でコントロールできるのがいい。

それと、今回初めて「和室」を予約したのだが(今まではツイン)、和室はかなり広く、畳部屋以外にソファとテーブルのゆったりした空間があり、これは”お篭り”(連泊)に使える(連泊すると2泊分が1000円安くなるらしい)。

今まで、客室の狭さがこの宿の欠点がだったのだが、最安の「エコノミーツイン」でなければ、あの濃い温泉と以前よりは内容が向上したビュッフェバイキングで満足できる。
その代わり宿代が5桁に達して”安宿”ではなくなる(宿代そのものは素泊まりの花更紗の方が安い)。

ということで、温泉が目的の今回、総ヒノキの風呂と高張性の湯を堪能した。
しかも間の時間つぶしとして、この順番でよかった。


温泉の安全性確認

2023年02月26日 | 温泉

福岡の老舗温泉旅館が、温泉の湯の交換と塩素殺菌を怠っていた、いわゆる安全偽装が発覚した。
温泉好きにとってはショックだ。
その一番の問題は、塩素殺菌を怠ることで、浴槽にレジオネラ菌が増えて(この宿の湯はその状態)、入浴客がそれに口腔経由で感染すると死亡する危険がある点。
もちろんレジオネラ菌が繁殖しにくい”源泉かけ流し”なら、塩素殺菌も不要かもしれないが、菌が繁殖しやすい温度なので浴槽は掃除する必要はある。

そもそも”源泉かけ流し”は湧出量が豊富な温泉宿でないと不可能で、現在の温泉ブームから見て、源泉掛け流し(温泉の垂れ流し)は温泉資源の有効利用とはいえない。
そして循環湯(再利用)にするなら、塩素殺菌は必須(飲用可の指定がない温泉は、殺菌されていないため飲泉しない方がよい)。

この手の偽装は、温泉を利用する客にはバレないので、客にとっては自衛手段がない。

利用客ができるとことは、まずは脱衣場に掲示してある温泉分析表から、循環式かどうかを確認すること(宿で情報公開している)。
明確に記述がない場合、源泉の湧出量を確認し、それが少ないなら(60ℓ/分あれば源泉掛け流し可能。ただし源泉の湧出量=その浴槽のかけ流し量とは限らない)、循環式であると理解する。
加水・加温していても循環していないなら「源泉かけ流し」に該当する。

そして循環式の場合、保健所の定期的な検査結果(レジオネラ菌の量など)が掲示してあるか確認する(検査の年月も確認)。
これが掲示されていない所は、温泉の管理に不安がある。

私自身は、自分でさらにデータを取る(菌の検査はできない)。
まず塩素濃度の試験紙を湯に浸けて、循環湯として充分な濃度であるか確認する(日帰り温泉などは、温泉を味わうには塩素が濃すぎる場合がある)。

さらに、湯のサンプルを取って酸化還元電位を専用の測器で測る。
これは湯の”鮮度”をみるため。
源泉かけ流しの湯は鮮度が高いので、この電位が低く(還元側)なる(ただし泉質による。強酸泉だと最初から電位が高い)。
この場合は塩素濃度は低くても、心配はいらない。
循環湯なら、電位が(酸化側に)高くなり、湯が老化していることを示し、使い回しされた結果といえる。
その場合は塩素濃度がそれなりに高くないと、雑菌繁殖の危険がある。

今までは、自分のデータ収集のためにこれらを計測して、このブログにも任意に公表していたが、今後は、より厳しい態度で計測していく。


慰労の元定宿

2023年01月15日 | 温泉

先週で大学の後期授業も終わり、またラストの土曜に大仕事に駆り出されたので、今日から慰労の温泉旅に出る。
宿は東濃・中津川にある元定宿。
すなわち以前は気に入って定宿にしていたが、経営が代わってから特に食事に関して容認できない変更があったため、定宿の枠から外した宿。

言い換えれば、温泉自体は気に入っていたこともあり、例えば素泊りにして夕食を併設のスパ施設で食べることにすればいい(朝食は無しで平気)。
ただしスパ施設のレストランの夕食は休日のみ。
日曜の一泊でもいいのだが、宿が売りの桧風呂は平凡な岩風呂と男女で日替わりなので、2泊しないと外れの「岩風呂」だけになる恐れがある。
なので2泊し、初日は素泊り、二日目はしたかないので食事付きにした。
幸い、全国旅行支援と重なるので、宿代が食事付きでも安くなるし、素泊り時の外食はクーポンで済む(二日目の夕食時の酒代もクーポンで済んだ)。

一年ぶりに訪れた宿のスタッフは新しくなっており、私を常連だったと知らずに、初めての客に対しての宿の説明をする。
私自身、常連風を吹かすつもりはないので(定宿枠から外したし)、初めての客のような顔をして説明を聞いた。

客室はレイアウトがリニューアルされ、前よりもくつろげる。
炭酸水素塩の湯は相変わらずヌメリがあり、ここに戻ってきたことを実感(湧出量が減っているのが気になるが)。
しばし仕事を忘れて、温泉三昧を楽しむ。


昼神温泉に行く

2022年05月30日 | 温泉

茶臼山高原ですがすがしい朝を迎え、昼までカエル館にいて、昼過ぎから本日の宿のある昼神温泉を目指して愛車(フィアット)を発進。

経由地の平谷には、最短路の矢筈峠越えの狭い道を選ぶ(対向車には出会わず)。
平谷から国道153号(三州街道)を進む。
途中、矢作川源流の碑(Googleマップに掲載)に立ち寄る(道路には案内なし)。
源流といっても巨大な堰堤の手前の豊かな流れで、茶臼山の矢作川水源のような趣きはない。
ただし碑文を読むと、碑を建てた愛知県民の母なる矢作川を敬愛する気持ちが読み取れる。

治部坂高原を越えて道は長い下りとなり、道が左に大きく膨らむところで左折して、狭い一本道を進んで智里という開けた山村に出る。
ここは古代の”東山道”が通っていた所で、遺跡の碑がある。

近くの立派な民家の脇に「富士石」という岩があり(写真)、軒先の説明板によれば、この家の先祖が江戸時代に富士からもってきた砂が成長してこのような大岩になったという。

その奥に(こうべ)権現(大平神社)というのがあり、以下の伝説がある(神社内配布の説明書より)。
この地を通りがかった山伏を地元の熊谷氏が殺して埋め、爾後、熱病にかかった一人が、「私は殺されて埋められた武田の家臣で、私の遺骨を神として祀れるとよい」と告げた。
そして埋っていた頭蓋骨をご神体として祀った事から頭権現と言われるようになったという(大平神社となったのは明治以降の神仏分離による)。

近くの阿智には、武田信玄の遺骸を埋葬したと伝えられる寺もある(訪問済み)。

上の伝説もあってか、頭権現(私は明治の「神仏分離」以前の宗教形態に準拠する)は異様な雰囲気を感じたが(写真)、バケタンで探知すると、水色の「守護霊の出現を期待できる」という上から2番目の良い結果。

境内には、弘法大師を祀った堂(神社側は関与なしという)もある。

ちなみにこの智里からは行く手に高々と聖岳(ひじりだけ:3013m)の鋭峰が望める。
聖岳という名は静岡側の聖(ひじり)沢からとった名で(異説あり)、山深い南アルプス南部の山はそこから流れる沢の名をとったものが多いが(昔の人は魚獲りのため沢には入ったが、山頂には興味なし)、ここ古代の東山道から正面に見える山に、まともな山名がなかったのも解せない(結果的に、聖岳というすばらしい山名になったからいいが)。

ここからまもなく昼神温泉に達し、伊那華という宿に到着。

この宿は平日の一人客がリーズナブルに泊まれる(休暇村より安い)。
宿からは南アルプス深南部の池口岳(2392m)の双耳峰が見える(写真中央)。

昼神温泉は、中央高速道の工事中に発見された温泉で、歴史は浅いものの南信では唯一となる”温泉郷”を形成している。

ただし泉質はアルカリ単純泉。
伊那華の浴槽で温泉の濃さの指標である全溶存物質量(TDS)を測定すると、内湯で166ppmとやたら低い(白湯レベル)。
そのかわりpHは9.25と立派なアルカリ性で、確かにぬるっとする。
一方露天の方は、TDSは305あるが(分析表の源泉の数値に近い)、pHは7.99と中性。

もともと単純泉だから、療養泉的な成分は期待できないので、せめてpHがアルカリ性を示す内湯の方がましか。

かように、昼神温泉は泉質的個性がないのが残念。

宿伊那華の食事は、バイキング。
しかも今どき貴重なズワイガニも食べ放題に入っている。
温泉宿のバイキングで、種類はあっても貧相でワクワク感がないのは安宿チェーン。
種類・質ともに楽しみなのはグリーンプラザ。
ここ伊那華は、その中間だな。
種類は少ないが、ズワイガニのほかに、エビフライもある。
名古屋人の端くれとして、エビフライを前にすると冷静ではいられなくなる。
地酒の「聖岳」も美味しかった。


塩化物泉はうつに効く?

2022年05月16日 | 温泉

温泉旅の真っ最中なので温泉の功能について。

昨晩のグリーンプラザ浜名湖はカルシウム・ナトリウム・塩化物泉で、よくあるアルカリ単純泉と異なり、ちゃんとした”療養泉”なのだが、湯谷温泉からの運び湯であるためか、温泉分析書(脱衣場に貼ってある)に併記してある禁忌症・適応症の欄は一般的適応症は記載があるものの、泉質別適応症には記載がなかった。

今晩泊まる湯谷温泉の湯の風HAZUは、こちらこそ地場のカルシウム・ナトリウム・塩化物泉で、分析書には泉質別適応症も載っている。

「温泉ソムリエ」でもある私が個人的にこだわっている泉質は、放射能(ラドン)泉・硫黄泉・強アルカリ泉くらいで、言っては悪いが”塩化物泉”は療養泉であっても泉質的には平凡なため、”温泉であること”以上の意味を感じない。

そのカルシウム・ナトリウム・塩化物泉の泉質別適応症には「うつ状態」が載っている。

このように適応症に精神症状を謳う温泉は実際あるのだが、個人的には疑問を持っている。

まず功能の機序が納得できない。
カルシウム・ナトリウム・塩素イオン溶液に表皮を浸しただけで、どうやってそれらのイオンが脳細胞に影響するのか(確かにカルシウムとナトリウムイオンは神経細胞の興奮に作用するが、外皮→脳のルートが不明)。
あるいは、これらのイオンが経皮的にセロトニン分泌に作用するのか(セロトニン分泌を促すにはリズム運動がいいというが)

正直言って、温泉の実質的功能の主要は湯そのものの温熱(血行促進)効果で、成分による薬理効果は、入浴の場合は、皮膚表面とそこに近い毛細血管に限定されると思う。
実際に列挙されている功能は、血行促進、筋肉の疲労回復、皮膚の治療/美容効果が主である。
飲泉すれば、内臓に効くだろう(皮膚以外の薬理効果は、入浴より飲泉の方が効率的。ただし細菌などの検査がない温泉は勝手に飲泉しないこと)。
温泉成分で身体内部にどんどん浸透するのはラドンなどの放射線くらいしかない。

温泉に精神的効果があるなら、それは泉質(含有物質)によるというより、浴室のたたずまい、宿での生活、転地効果などの環境心理的影響ではないか。

ストレッサーから離れて、生活リズム(睡眠と食事)を再構成し、入浴というリラックス行動を繰り返すことは意味があると思う。

私自身が定期的に温泉旅を繰り返しているのも、仕事・日常を離れた風光明媚な別空間に身を置いて、副交感神経を刺激する温浴行動を繰り返して、ストレス解消するためだ。

追記:そういえば、私が実感した温泉の功能は、帯状疱疹
ただし皮膚がただれていないこと。
出来物ができる前の痛みだしのタイミングにいい(これは温熱効果なので、本当は温湿布で事足りる)。


慰労の日光湯元温泉

2022年03月22日 | 温泉

年度末慰労の温泉旅第三弾は、日光湯元温泉(栃木限)。

先の地震で東京電力管内が電力不足の中、関東に思わぬ寒気が入り、栃木県は雪。
その雪を縫って、私は東武特急”けごん”に乗って、一路日光に向かう。
東京は雨だったが、埼玉の春日部から雪になり、標高500mの日光は完全な雪景色。
本日に宿を予約したのだから仕方ない。
東武バスで終点の日光湯元温泉に向かう。

実はこの時期ならではの湯元温泉旅なのである。
日光駅から、いろは坂、中禅寺湖、戦場ケ原を経て、日光最奥の湯元温泉までの東武バスのフリーパスチケット(往復使える)は、冬期(3月末まで)は、宿泊者に限り半額なのだ(3000円→1500円)。
冬期の平日でもバスの便は30分ごとにあるので、途中の日光山内、華厳の滝、明智平など自由に途中下車できる。
それを見越しての今回の旅だったが、あいにくの降雪。
なので寄り道せずに湯元温泉に直行した。

宿は休暇村で、湯ノ湖の湖畔にある。
客室から、オットマン付きのイスに坐って、雪の湖畔を眺めながら持参したノートパソコンで記事を打っている。
雪は夕方に止んで青空が出てきた。
外に出てみたら今回の降雪量15cmほどが積雪に加わっていた(写真)。

宿の温泉は、源泉が近くにあり、掛け流し(源泉が70℃以上の高温のため加水はしている)。
泉質は硫化水素泉なので、硫黄のにおいがして、湯は薄緑から薄青に変色する。
浴槽には薄黄色の湯の華が隙間なく密着している。
かように”THE・温泉”という雰囲気たっぷりの湯に浸かりながら、雪の舞い散る中、露天で雪見風呂と洒落こむ。
雪の中の露天だと”頭寒足熱”が維持されるので長く入れる。
日光地域には温泉はいくつか有るが、泉質から本物といえるのは湯元温泉。

それにしても”硫化水素”って天然の毒ガスで、噴気地帯では死者が出るし、集団自殺に使われるほど致死性がある。
浴室にはそれが薄い状態で漂っている(通気性をよくするため、浴室入り口はドアが開放されている)。
館内にも薄く硫黄臭が漂い、室内の金属も腐食している。
かように希釈された毒ガスの溶液に、わざわざ遠方からやってきてお金を出して有難がって浸るのは、放射能泉と同じく、ホルミシス効果があるからなんだろう。
宿にいる間は、あがり湯はかけず、硫黄の香りがする硫化水素成分をゆっくり肌に浸透させる。

大学の用事(準備)もほとんど済ませたので、今晩は仕事を忘れて、湯と食事を堪能したい。


箱根の温泉に泊る

2022年02月25日 | 温泉

ロシアのウクライナ侵攻で世界中が色めき立っているさ中、私は予定通り、2月ながら”年度末の慰労”第一弾として、箱根の温泉宿に泊る。

慰労なので、この時ばかりは仕事はもちろん世間の喧騒を忘れて、湯に浸かって心身をリラックスし、酒を飲みながら宿の料理を堪能することだけを目的とする。

かような趣旨の旅なので、アプローチから特急ロマンスカーの席を取り、ビール片手につまみのシウマイ(崎陽軒)を食べる。
ロマンスカーは窓が広く展望向きだが、いかんせん小田急線は民家の裏側を通ってばかりで、展望に値するのは秦野からの表丹沢と松田からの富士がごく短い間見れるだけ(向かって右側の席から)。

ロマンスカー終点の箱根湯本で改札を出て、土産物屋で木工芸を物色。
人形を開けると中に次の人形というパターンが繰り返す入れ子構造になっている箱根細工の七福神人形を探している。
以前これを2つ持っていたのだが、幼い甥のおもちゃになって以来、紛失してしまった。
この入れ子構造の箱根細工は、世界的に有名なロシアのマトリョーシカのヒントになったもの。
通りの土産店には一向に見当たらず、高級そうな箱根細工の専門店「箱根八里」に入ったら、この人形の作家についての展示がしてあり、この作家がすでに亡くなって、以後は作る人がいない、ということを知った。
すなわち、マトリョーシカの起源となる由緒ある箱根の木工芸品の伝統が途絶えてしまったのだ。
残念至極!
というわけで、一応ロシアと無関係ではなかった。

気を取り直して、箱根登山鉄道に乗って、2つ目の大平台(おおひらだい)で降りる。
この付近は早川の深い谷で、山奥の風情がある。
大平台の集落を歩くとあちこちの側溝から湯気が出ている。
そう、ここは大平台温泉の温泉街。
今宵の宿「対岳荘」もそこにある。
この宿は勤務先関係の共済組合の経営で、今回は会員料金どころか、永続勤務記念でもらったサービス券10000円分使える。

宿の建物は古いが、ロビーからの谷奥の眺めがいい(写真)。
箱根は標高こそ低いが複雑なカルデラ地形のため風景が多彩で、標高の低いこのあたりの方が山深い景色になっている。
この谷の先には仙石原の平原と芦ノ湖があり、さらに大涌谷の噴気帯に富士の展望が広がる。
そして至る所に温泉が湧いていて、その密度は日本一。
ただ温泉ソムリエとしては密度の割に泉質に多彩さがないのが残念(湯本なんかはアルカリ単純泉だし)。
ちなみにここ大平台温泉は、ナトリウム塩化物・硫酸塩泉(すなわちアルカリ単純泉と違ってれっきとした療養泉で高血圧やうつ症状にも効くらしい)。
泉温が64℃と熱すぎるので、加水せざるをえないが、湯量が豊富でいちおう源泉掛け流し。
谷の上にあるので浴室からの眺めもいい。

箱根は麓に小田原漁港があるので、海の幸が出ても違和感なく、山海の珍味を堪能できる。
特に朝食に出るアジの開きは、まさに地元産。

翌日は、風祭で途中下車して鈴廣かまぼこの里で、たまねぎ揚げと地酒を土産に買い、小田原から小田急の快速急行でのんびり帰った。


恵那峡の安宿チェーンに泊る

2021年03月30日 | 温泉

昨日、年度末の在学生ガインダス担当と複数の学生面談のため、新幹線で名古屋に戻った(4月10日まで有効の「青春18きっぷ」はすでに5回分すべて使い切った)
3月末の残り2日間は用事がないので、年度末の最終慰労、というより新年度を迎える英気を養うために、年に1度は利用する恵那峡(岐阜県恵那市)の温泉宿に泊る。

この宿は「湯快リゾート」という安宿チェーン※なのだが、
※1年中1泊1万円未満(4桁)で泊れる温泉宿チェーン(関東では大江戸温泉、伊藤園など)で、食事はたいてバイキング。
温泉の濃さが尋常でないほど濃く(同じ恵那峡でも他の宿はこの限りでない)、これは自慢できるレベルであることを温泉ソムリエにして計測マンの私が保証する。
すなわちじっくり濃い温泉※に浸かりたい時にここを選ぶ。
※:「濃い温泉」とは、泉質を構成している成分濃度が高い=浸透圧が高いということで、温泉成分が皮膚を通過してどんどん吸収されるということ。だから濃い分だけ効き目も高い。ここは「高張性」という日本でも有数(通常の濃度計では針が飛ぶ)レベルの濃さ。われわれが入るたいていの温泉は「低張性」で、一度入ったくらいでは皮膚の表面に成分が触れる程度。ちなみに温泉成分表で源泉の濃さはわかるが、私は実際の浴槽の湯の濃さを計測して評価している。

ただ安宿チェーンの例にもれず、廃業宿を買い取ったため、古い客室に難ありだったのだが、一部を改築して和洋室などの「ランクアップルーム」を新設し、その追加料金は2000円なのだが、メール会員だと半額の1000円ですむので、メール会員の私はランクアップルームが空いている時に限り予約する事にしている。

幸いランクアップルームが取れたので、晴天ながら黄砂で風景が黄色く霞む中、愛車を駆(か)って、満開の桜が点在する東濃路を抜けて恵那峡に達した。
思いのほか宿が混んでいないのは、春休みといっても平日のため、というより、宿が泊まり客の数を制限しているためだろう。
さらにバイキングの食事はもちろん、大浴場の利用も館内のエレベータも人数制限下においている。

このように店側も客側も、主体的に”三密”を避ける行動を取っていれば、行政の禁止令に依存する必要はないのだ※。
※:でも厚労省内部にもそれが守れない人がいたとは…。孔子様が、人々を、礼(マナー)によって自己制御できる「士」と、それが無理そうなので法(ルール)できっちり管理するしかない「庶」に分けざるを得なかったのは致し方ないようだ。

客室の広い窓から、満開の桜が木曽川の川辺に広がる恵那峡の公園(人影はない)を眺めながら、持参したノートパソコンで作業(仕事以外の情報処理を含む)をする。
夜になると川辺の桜並木がライトアップされ、客室から夜桜を眺めることができる(写真)。

さて、夕食はいつものバイキング。
他のバイキング宿と同じく、ビュッフェの料理を取る時は、各人マスクにビニール手袋をする。

毎度のことながら、この宿では”訳あり家族”に目がいく。
私の目の前のテーブルには、小学校低学年の男の子とその母親の30代女性が並んで座り、その向いにその女性の母親とみられる50代女性が座って、3人でバイキングを楽しんでいる。すなわち”父親・夫”の影がない。

安宿チェーンは、生活の余裕に乏しい”訳あり家族”にもこうして安価に家族の思い出を提供するという立派な社会的役割を果たしている(これよりランク上のリッチな宿だと、客はリア充の家族・カップルばかり)。
バイキングなので、好き嫌いが多い子も自分の好きなもばかり食べれて満足だろう(一応デザートも数種類あり)。
もっとも、訳ありというなら、その3人の隣りのテーブルに、たった一人でバイキングの皿を幾枚も重ねている※男客の方が”訳あり”度が高そうといえなくもない。
※:かようにバイキング(夕食と朝食)では腹いっぱい食べたが、糖質(炭水化物とスイーツ)はできるだけ避けるので、帰宅後体重計に乗ったらむしろ0.5kg減っていた。


湯河原温泉に泊る

2021年03月19日 | 温泉

東京の緊急事態宣言が解除される直前で、土日連休の前日ながら、部屋に空きがあったのを幸いと、湯河原温泉に宿をとった。
そう3月恒例の、年度末の慰労の温泉宿。

湯河原温泉は、東京からだと熱海の1駅手前なので、名のある”温泉地帯”の中では東京から一番近い所といえる(厳密にいうと小田原の奥の箱根湯本の方が東京に近いが、泉質で評価すると、あちらは単純泉(≒高温の白湯)で、こちらは成分が豊富な療養泉:泉質はナトリウム・カルシウム塩化物硫酸塩泉なので、温泉としてはこちらが上)。

ただし谷沿いに並ぶ温泉街のほかには、観光名所といえるものはなく(作ってはいるが)、宿の周囲に訪問先がないのが欠点(背後の箱根とセットならOK)。

私がその湯河原の宿としているのは、いかにも文人に愛されそうな風情漂う木造の高級旅館(伊藤屋、藤田屋)と、ゴージャスな”エクシブ湯河原離宮”のホテルに挟まれた、平凡な造りの”私学共済”の宿。

そういうロケーション・造りの宿なので、一般観光客で混み合うこともなく、そして共済組合員として割引価格で利用できるのでありがたい。

なにしろ宿の温泉は自家源泉で、塩素消毒なしの掛け流し(湯河原はこれが多いのがいい)。
ただし私の浴槽の計測でTDS(全溶存物質)は400-600ppmなので、温泉成分が濃くはない(源泉が熱すぎるため加水しているせいでもある)。

観光地でない純粋な療養地と割り切って、ひたすら湯に浸かり、料理に舌鼓を打って、つかぬまの慰労にいそしみたい。、


湯河原温泉で気分転換

2020年03月15日 | 温泉

今のご時世、外出する気になれない。
外出しても、人が集まる施設(特に公共)の多くは当分閉鎖なので、行き先が限られる。
それに、大抵の仕事(授業と会議以外)と連絡は、自宅のパソコンですませられる。
でも、幾日もしかも終日家の中にいては、心身ともになんか煮詰ってくる。

そこで、実質春休みになった今、気分転換に湯河原温泉(神奈川県)に行く事にした。

もともとは、名古屋発で浜名湖の宿を予約していたのだが、土曜の卒業式がなくなり、そしてその宿の売りであるビュッフェ・バイキングは今の時期はなんとなく避けたいのでキャンセルした。
その代わりに東京発で、職場の共済で多少安く泊れる湯河原の温泉宿にした。

東京発なら、箱根や伊豆でもいいのだが、これらの地に点在する温泉は、結構有名な割りには泉質的には貧しい所があり、”温泉ソムリエ”の私としては、選択肢が限られる(私の格言、「名湯必ずしも良泉にあらず」)。

箱根(山)と伊豆(海)の間にある湯河原温泉(谷)は、川沿いに新旧の温泉宿が統一感なく並んで(一部を除いて)風情はなく、また観光資源にも乏しいが(なので掲載写真無し)、温泉自体はナトリウム・カルシウム-塩化物硫酸塩泉という内容と濃さと泉温で”療養泉”レベルに達している。
すなわち、温泉としての功能を期待して湯に浸かるに値する。

東京から JRで乗換えなしで行ける点もいい(1つ先の熱海もだけど)。

たった一泊だが、仕事もウイルスも忘れて、源泉掛け流しの湯に4回つかり、山海の料理を賞味したい。


久々の温泉旅

2019年07月07日 | 温泉

以前は”毎月の温泉旅”をノルマにしていたのだが、週末を別の用事に充てることが増えたため、今年は1・6月はどこにも行かず、まともな温泉は2月の岐阜・中津川温泉(定宿)と4月の新湯の山温泉、そして今日から再び定宿の中津川温泉。

7月は前期授業の大詰めで、月末は試験期間、そして今日は大学院入試。
日曜出勤の慰労と、月末へ向けての英気を養うということで、久々の温泉旅。

客室で授業レポートのチェックと書類作成をこなしながら、日に4度温泉に入り、宿の食事を堪能し、昼は気分転換に付近の山里を巡る。
連泊して慰労とお篭りの集中作業とリフレッシュにいそしみ、最終日は朝湯を浴びて昼過ぎの会議に直行する。

新しい土地に行くのも新鮮でいいが、気に入った定宿に泊るのも、愛する地に帰ってきたようでホッとする。

さて、今から寝る前のひとっ風呂。


師走の恵那峡温泉に泊る

2018年12月16日 | 温泉

本来なら、名古屋宅の大掃除をすべき煤払い時節の日曜。
卒論指導の大詰めの週を迎えるにあたり、月曜の午後から仕上げの指導にかかりきりになるため、英気を養おうと、恵那峡の温泉宿(恵那峡国際ホテル)に泊ることにした。

この宿は今秋の台風襲来時にキャンセルしたので、未遂行のままゆえ頭の片隅にくすぶっている心的緊張(これを心理学で「ゼイガルニク効果」という)を解除する意味もある。

この宿は安宿チェーン「湯快リゾート 」が経営しており、宿代が安く、バイキング料理で、何より温泉が”高張性”なのがお気に入り。
唯一の欠点は、古くて狭い客室(ツイン)で、それがために利用を躊躇していたが、新しくて広い和洋室の部屋ができ、メール会員だとそれが1000円の増額で使えるので、最近はもっぱらその和洋室を利用している。

車検を終えたばかりの愛車で東濃高原を快走して2時間。
白くなった中央アルプスを遠望する恵那峡に到着。

ここの和洋室の唯一の欠点は、10畳の和室に座椅子がないことなので、アウトドア用の折畳み座椅子を持参。 
それ以外は、ベッドも室内テレビも大きく、窓から恵那峡が正面に望めていうことなし。
もちろん温泉も自慢してよいほど質が高いので、連泊してもいいのだが、
バイキングが宿代相応で、ワクワク感がないので、一泊専用にしている。

ワクワク感がないのは、私との相性のせいでもある。
ここ恵那市は、地元の食材として「恵那鶏」を推しているのだが、私は鶏肉がダメ。
なので、バイキングのうちこれが使われている数品が最初から選択肢外となる。

恵那鶏無しでも、地元各務原のキムチ鍋を堪能できた。
食い意地が増すバイキングでは糖質も摂らないようにしている(カロリーオーバーの回避のため)。
鍋は肉と野菜が豊富で、糖質なしでも満腹になれるのがいい。 

ここのバイキングには1500円追加で飲み放題にもできるのだが、いつも夕食後もひと仕事するので、ビール中瓶1本に抑えている。

といっても今回は”お篭り”ではなく、リラックス・リフレッシュが目的。
頑張るのは明日からでよい。
書き上げるべき書類の下書きができればそれでよしとする。 


忙中閑の湯の山温泉

2018年04月08日 | 温泉

新年度(4月)に入った先週は、月曜の新入生オリエンテーションから始まり、火曜は入学式、水曜は公認心理師のガイダンス(私が担当)、木曜からさっそく前期授業が始まり、金曜も授業、そして昨日の土曜は新入生の遠足(明治村)と、新年度第一週から、休みなしの連続。

新入生がかように忙しいということは、その世話をする教員も同等かそれ以上に忙しいということ。
新入生のような緊張感こそないが、緊張している新入生に気を回す立場なので、はやり疲れる。 

さて、やっと来た休みの日曜。
土曜が出勤だったため帰京向きでないことから、日曜は名古屋から近い湯の山温泉(三重県四日市の奥)に一泊の宿をとった。

湯の山温泉は、鈴鹿山脈の核心部である御在所岳と鎌ヶ岳に抱かれた麓にあるので、もちろん登山の食指が動いたのだが(月曜は仕事がないので時間はたっぷりある)、ここは慰労に徹しようと、入浴と食事以外の用事は作らないことにした(登山は曲がりなりにも大自然の中にたった一人で入りこむ営為なので、身体的に疲れるだけでなく固有の緊張感を要する)。

車だと高速(名古屋第二環状・東名阪自動車道)を使えば名古屋宅から1時間ほどで着いてしまう(かといって東濃のように下の道が楽しいわけでもないので高速1択)。
山脈の麓で(街中と違って)転地効果もある温泉がかような近場にあるのは嬉しい。

さらに私が毎年泊っている宿「ウェルネス鈴鹿路」は、ビジホ(ビジネスホテル)にちょいたし程度の料金でちゃんとした夕食・朝食がつくので、財布的にも嬉しい。 

この宿の温泉は厳密には”新”湯の山温泉で、泉種でいえば、いちばん面白くない「アルカリ単純泉」なのだが、私が好きなラドンが出ているし、さらにはなんとストロンチウムまで検出されている(初代ゴジラの足跡から検出されたという放射性同位体ストロンチウム90ではないのでご安心を)。
つまり含有物質がそれなりに個性がある。
ところで、ラドン浴をするには、内風呂の湯口のそばに居るべし(露天風呂はラドンガスが四散するので無意味)。 

一人客用のシングルルームは、ビジホのそれより広く、横長の机と長いソファもある。
ちなみに、トイレが洗浄器付きであることは私の宿選択の第一基準であるから、本ブログでは自明なこととしてあえて言及しない。

最近のサービス傾向に洩れず、無線LANが使える(パスワードなしであることに注意)。
惜しむらくは、ヒゲそりが有料(100円)な点。 
まぁ余分なコストを減らして宿代を安く維持する結果と解釈しよう(食事サービスには満足している)。

今日の東海地方は気温が1桁台なので、エアコンの”暖房”を入れた(木曜は大学で冷房を入れたのに)。

とにかく今晩は”慰労”に徹するので、持参したパソコンは暇つぶしのネット閲覧と就寝前のビデオ鑑賞用とし、授業準備などの仕事には使わないことにする。


湯河原温泉に一泊

2018年03月18日 | 温泉

私の春休み第二弾は、湯河原温泉(神奈川)!

勤務先関係の共済組合からもらった1万円分の優待券(一生に一度だけもらえる)を使いきろうと、共済の宿の1つで実家から近い湯河原温泉に1泊する。
もともと宿代が1万ちょいなので、ほとんどただ同然となる。 

小さい頃の家族旅行の主な先は熱海だったため、湯河原は1つ前の通過点でしかなかった。
その実、湯河原は万葉集にも歌われている古い温泉で、熱海よりは俗化しておらず、三方の山が迫った谷にあり、木造建築のいい宿も並んでいて山の中の温泉街の風情である(写真)。

海より山の風情が好きなら湯河原はお勧めだが、本当に山の中がいいなら箱根がある、というのが辛い立場。
ようするにロケーション的に中途半端で、温泉以外に観光資源はなく(作ろうと努力はしている)、 少なくとも連泊する気にはなれない。

もっとも、せっかく温泉なのだから、観光資源やロケーションに頼らず、泉質で勝負できれば問題ない(草津のように)。

湯河原温泉の泉質は、ナトリウム・カルシウム塩化物・硫酸塩泉。
どこにでもあるアルカリ単純泉でないだけましであるが、さほど個性的とはいえない(しいていえば硫酸が多めかな)。 
そういうわけで、今でも素通りしがち。 

以前、週一で通っていた企業の職場仲間と幕山(626m)登山を兼ねて別の宿に泊ったのが最初なので、今回は2回目。
今回の宿は、宿の前に源泉がある。
浴室は4階なので、そこまで管で昇らせているわけだ。
建物自体は年季が入ってしかも小ぶりで、さらに隣が「エクシブ湯河原離宮」(写真右上の建物)なので、差がついてしまうが、その分混雑せず、広くない浴室も混まずに使える。

源泉は65℃と高温だが、浴槽では41℃に下げられているので温度的には快適。
ただ、ということは、加水されているわけだから、温泉は希釈されている(掲示されている成分表は源泉の値だからね)。
そこで浴槽で湯の電気伝導率を測ると1878μS(1.88mS)なので、温泉としての濃さは相当程度維持されていると評価。
 塩素殺菌も循環もしていないので、いわゆる「源泉掛け流し」に該当する。
これが可能なのは湧出量が豊富だからであり、また自治体によっては塩素殺菌が義務づけられている地域もあるので、泉質はともかく、”温泉”のレベルとして価値がある。

夕食は食堂で、いわゆる温泉宿での料理が次々出される。
食堂だと客が一堂に集まるので客層がわかる。
時期柄・曜日柄もあろうが、大半は70代以上の夫婦。
子どもがいる家族連れは1組。若い女性も1組半。
この宿は一般客も受け付けているが、一般客にとってあえてこの宿を選ぶ理由が見当たらないので、いずれも同業者とその家族だろう(若い人が少ない理由もこれ)。 

温泉街ではあるが雰囲気は山中なので、外に出る気もせず(前の宿の時はもっと下流だったので、浴衣姿で外に出て射的をやった)、 ネットにつながる1階のラウンジのソファーに身を沈めて、こうして記事を打っている。

とにかく今日はつかぬまの”春休み”を味わうので、仕事や研究業務は一切しないで、温泉宿での一日を堪能したい。


恵那峡国際ホテルを見直す2

2017年10月01日 | 温泉

公認心理師にまつわる仕事の”山越え”をした慰労にと、距離的にも料金的にも気楽に行ける温泉宿「恵那峡国際ホテル」(岐阜県恵那市)に1泊した(人気のある宿なので当日ふらりと訪れるわけにはいかず、山越え前に週末に無事ヤマ越えすると見越して予約していた)。

この宿は「湯快リゾート」という東海北陸地方中心に展開する安宿チェーンが買い取った古いホテルなので、料金を抑えるために客室の居住性は「寝るだけの部屋か」と諦めさせるレベルだが、逆に他所にないアドバンテージとして、すこぶる濃い温泉と混まずに使える無料マッサージ機が気に入っていた。
この宿、実は第一印象は良くなかったが、まずは上のアドバンテージで評価を上げたことがある→2014年の記事「恵那峡国際ホテルを見直す」。

客室の居住性を同じ恵那峡の宿に求めるなら、断然「かんぽの宿」で、こちらはかんぽ系列(一般的にあまりレベルは高くない)では群を抜いて部屋(和洋室)が良い。
なのでこちらは、論文執筆など”お籠り”で作業(その場合は連泊)するのに向いている。
ただ逆に温泉が残念なくらい薄く、私のような”温泉ソムリエ”兼”計測マン”には、一見豪華な大浴場で誤魔化されない不満が残る(少なくとも慰労には使わない)。
というように、恵那峡に建ち並ぶこの二つの宿を目的に応じて使い分けていた。 

今回、温泉での慰労を目的としたので、一人客だと割り増し料金を取られる”かんぽ”の最安値プランに比べて4000円ほど安価なこちらの宿にしたのだが、あの客室だとどうしても気分が下がるので、試しに部屋のランクアップを申し込んだ(2000円追加)。

さて、チェックインの1時間も前に到着してしまったが、ここは部屋の掃除が終わってさえいれば入室でき、今回その恩恵にあずかった。

ランクアップ対象の部屋は、以前はゲームコーナーだった空間で、そこを複数の客室に改造したのだ。
つまり古いホテルの中での新しい部屋。 

部屋は予想以上にハイレベルで、ツインのベッドルームが占める洋室と恵那峡を流れる木曽川が目の前に広がる和室(10畳)の2部屋続き(つまりいつもの部屋の2倍以上の広さ)。
ベッドも立派だし、和室のテレビも大画面。
この宿で、客室から恵那峡が窓いっぱいに広がる風景を見たのは始めて。
ここなら和室でパソコン入力や読書に専念できるし、窓からの風景も”かんぽ”ほど広くはないが、気分転換には充分。
すなわち、この部屋なら”お籠り”に使える(それでも「かんぽ」よりまだ2000円安い)。

温泉はこちらの方がいいし、マッサージ機も使い放題。
それにチェックアウトは12時と遅い。

食事は、安宿チェーンレベルのバイキングなので、グリーンプラザのようなわくわくする内容ではなく、しかも連泊すると同じ内容になってしまうが、これは低価格に免じてやろう。
慰労祝いに松茸の土瓶蒸し&天ぷらを追加注文しても1280円なので、まだこちらの方が安い。

 wi-fiが客室で使えるようになったのもうれしい。
つまり、安宿チェーンながら、客の要望をしっかり受け止め、改善を怠らず、サービスが年々向上しているのは立派。
一方、人間の手ではどうにもならない温泉の質は自慢できるほどいいだけに、私の中でのランクも上昇の一途をたどっている(二度も評価が上がった宿はここだけ)。 

ちなみに夕食後、唾液アミラーゼ(ストレス状態の生理指標)を測ったら、83kIU/Lに下がっていた。
ヤマ越え前に比べて半分近く下がった。 
チェックインしてから、二度入浴してマッサージ機を1時間使った結果だ。
充分な慰労効果といえる。