今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

ラドン濃度測定開始:更新

2011年03月18日 | 東日本大震災関連
二日前に名古屋宅からもってきた空気中のラドン濃度測定器の値が出始めた。
東海・東南海地震に備えるつもりで名古屋宅に置いておいたのに…まさか東京で使うことになるとは。

して、その値は、
3月18日16:00 21 Bq/m3(立方メートル)
単位の Bq(ベクレル)は(単位空間当りの)1秒間の原子崩壊数を示す物理量であって(詳しく知りたい人はググって)、
Sv(シーベルト)のような人体の健康被害用に計算された数値(有害紫外線指標のUVindexも同じ)とは別種。

持参直前の名古屋宅では50Bqだったので、21という値は、名古屋の半分以下。
(Bqはいつも単位空間あたりの数値なので今後は「/m3(立方メートル)」は省略する)。
実は東京に持ってきたのは2回目で、前回の3月はよりは2倍の値になっている。
これはガイガーカウンターでの傾向と一致。
というのもラドン測定器は、他の放射線もノイズとしてひろってしまうから。
つまり、意に反して、放射線量の測定器にもなってしまう。
ただし数値は、一週間分の平均値(移動平均)で更新間隔も1時間なので、ガイガーほど変化に敏感でない。
その代わり雑多なノイズを除去した正しいトレンドがわかる。

ラドンは地中から出るガスまたは地下水に溶けた状態での放射線物質(翼竜型の怪獣”ラドン”はその具象化)。
年間変動し、気圧や気温、部屋の密閉状態でも変動する(室内>屋外)。
そのほかに、地震に先立つ断層の部分破壊が始まると、ラドンガスが地中から多量に出て、数値を桁外れにあげるという。
それが地震予知につながるという主張がある。
ただし、実際の観察数が少ないので実証はされていない(該当例として兵庫県南部地震がある)。

つまり、このラドン測定器は、空気中の放射線量の測定が目的ではなく、”地震予知”の目的で作動させているわけ。
ただし測定場所は震源の近くでないとだめ。

東京に関して言えば、震源が遠い茨城沖などの(今回のような)プレート境界型の地震には向かず、
東京湾北部を震源とする東京直下型地震なら使えそう。
せっかくなので、この測定値も必要があれば、公表する。

ちなみに、ガイガーカウンターによる放射線量は、
16:30 室内 60-130nSv/hr。   200nSv/hrに達していた昨日よりかなり下った。良い傾向だ。
22:00 室内 70-140nSv/hr 18Bq

放射線:私への質問の前に知ってほしいこと

2011年03月18日 | 東日本大震災関連
私のブログに放射線に対する質問が相次いで来る。
東京宅や栃木など自分が測ったものについては責任をもって回答するが、
一般論については、ご自身でまずは情報をゲットしてほしい。

今後のコメントについては、この方針でいく(感想・励まし・情報提供は歓迎)。
それから、コメントはハンドルネームでいいから名乗ってほしい。
私も氏名を明かして記事を書いているのだから、それが礼儀でしょ(フェイスブック文化はその点で好ましい)。

また、私の態度、とりわけnSv/hrレベルの値に対してやけに楽観的なのが腑に落ちない人もいよう。

皆さんに読んでほしいものを過去の私自身のブログ記事の中から、探すと、
まずはおすすめの本『放射線と健康』を紹介した記事。せっかくの機会だから、連休中はこの本を読んで欲しい。ラドンのことも書いてあるよ。

それから、私がなぜガイガーカウンターを持っているのか。その理由はここ

あと、放射線に対する基本的考え方について。
もちろん、深刻な放射線被曝については差がないのだが、
身体に支障のない低線量域については3種の考え方あることも知ってほしい。
これは大事なポイントだからここで紹介する。

一番メジャーで、おそらく皆さんも準拠しているのは、
浴びる放射線は0であるほどよいという単純な「直線モデル」
直線モデルは、放射線防御の指針であり、マスコミにもやっと登場したさまざまな基準値はこのモデルによっている。
ただ、このモデルの欠点は、低線量域では科学的根拠がないこと。
すなわち、本当は安全なのに、ちょっと値が増えただけで危機をあおってしまう要素がある。

実際のデータに近いのは、一定水準以下の線量は影響がないという「しきい値モデル」と
一定水準以下の線量はかえって耐性を増進して健康に良いという「ホルミシスモデル」。

実際の動物実験や高濃度地域に居住する住民の健康調査によれば、
ホルミシスモデルの方が説得力があるようだ。

これらも先に紹介した本に、中立的な立場で紹介されている。
私がどの立場であるかは、私のブログの長年の読者ならご存知のはず。

黒磯で計測値が高かった理由を考える

2011年03月18日 | 東日本大震災関連
昨日の宇都宮沿線の放射線計測で黒磯が異常に高い値を示した理由を考えたい。
※18日夜の白河で2.5μSv/hrという結果が出た。黒磯の 9.5μSv/hrという昨日の計測値は、自分で測りながら、ますます納得できない。

結論から言うと、理由はわからない。

まず私が計測した場所は、黒磯駅の出入り口前のロータリーの左側(駅出入り口からみて)、木のベンチが数個ある所。
そこで数回、毎回リセットして測定した(機械による誤差をなくした)。
そのいずれも 9μSv/hrから10μSv/hrの範囲。
あちこち移動して測ってはいないので、私が立った場所だけが何かの理由で高い可能性はある。
ただ、駅の電車内でも1μSv/hr以上あったので、もともとそれなりに高いのは確か(この値は、那須塩原の値とくらべて不思議ではない)。

地点の放射線量を規定する要因として、放射線源からの距離以外には、風向と地形と地盤が考えられる。

風向は、黒磯にはアメダスの観測点があるので、気象庁の記録でわかる。
私が現地で雲の流れを実測しても、北西風だった。
当時の福島県内の風向から、原発の空気が一旦会津地方をまわって、北西から黒磯に入る、というパターンにはなっていない。
夜間には福島南部は時計回りの風の循環傾向があるようで、太平洋側の空気が白河など南端部にめぐってくる場合があるが、
日中にはそのような流れはない。

地形としては、東に八溝山北麓に戸中峠が開いていて、黒磯と棚倉などの東白河郡との空気のやりとりが可能。
ただそこから更に放射線源の原発までは幾重もの山を超える。つまり地形的にストレートに両者はつながっていない。

地盤としては、東海地方以西のように花崗岩質だと、地中から放射線が定常的に出ている(自然放射線なのでたいした値ではない)。
人形峠ならいざしらず、ウラン鉱石が駅前の地中にあるはずもない。黒磯駅付近にラジウムやラドンによる放射能泉があることもきかない。

※白河の鈴木さんの情報で、福島県の石川には放射能泉(母畑温泉)と鉱山跡があるという。石川の空気が入り込む可能性は地形的にはあるが、そもそも石川がすごい高濃度でない限り無理。空気よりは土壌・鉱石の運搬の方がわかる。

それ以外として、無理に考えると、
たとえば、放射線を多量に浴びた何かおおきな物体が、駅前にしばらく停留していて、
その直後に私が計測したとか。
私が駅舎から出る時、計測地点近くには、西那須野行きの路線バスが停まっていた。
福島県内への路線でもなく、那須塩原より値が低そうな西那須野と往復するバスなら、そのせいとはいえない。

かくして、私には理由が分からない次第。

風評被害を出さないためにも、信頼できる筋の再測定をお願いしたい。

外壁・網戸にも付着:安全アドバイス

2011年03月18日 | 東日本大震災関連
放射性物質は、家屋の外壁や網戸にも付着している。
今朝、窓を開けて外気を計測しようと、ガイガーカウンターを網戸にほぼ接触させたら(密着は計測に好ましくない)、
一気に100nSv/hr上昇し、別の場所に移したら元の値に戻った。
100nSv/hr上昇というのは、東京では倍増レベル。
晴天続きのため、地上ほどではないが、網戸に今までの放射性物質が付着していたためだ。

屋内退避地域の人は、外壁や網戸などには素手で触れない、触れたら手を丁寧に洗うように。
それよりやや外側の人(たとえば白河や黒磯まで)の人は、
ドアノブ・新聞受けなど手を触れそうな場所を今のうちに水をかけて流しておくとよい。

さらに外側の南関東などでは、過敏になる必要はないが、あえて素手でベタベタさわるのはおすすめしない。
洗浄しておくにこしたことはない。

同様に、植木の土も素手でさわらないように(使い捨てのビニール手袋をつける)。

※以上は、安全への予防的アドバイスであって、危険の警告ではない。
すなわち、外壁などに触れると被曝するということではない。
さらに畑の作物が汚染されていることを意味するのではない。
何度も言うが、安全のラインと、危険・傷害のラインとの間には大きな開きがある。
「健康のため、朝食を毎日しっかり摂りましょうという」というアドバイスは、
朝食を一回摂り忘れると、ただちに疾病を引き起すことを意味しないのと同じ。

たとえば、たかだが100nSv/hrごとき上昇しても実はまったく問題ない。
ただ、放射性物質が付着している事実を伝えたかった。

私のブログでも”アドバイス”と”警告”を明確に区別することにする。
みなさんもアドバイスによって不安や恐怖を感じないでほしい。

不確実な未来に翻弄されずに、今を確実に対処しよう

2011年03月18日 | 東日本大震災関連
予期不安と危機回避とは別物。
予期不安は自分の心の中で危機を増大させ、勝手にパニックに陥り、不適応行動に走ってますます自分を窮地に追いやる。不確実な未来(の想像)に翻弄されている。
今の買いだめ、買い占め行動がそれ。
理性のかけらもない、我執に支配されている。結局自分がバカを見るだけでなく、他人、特に被災者の生死にも悪影響を及ぼす。

危機回避とは、冷静に現状を分析し、それを元に最適行動を導き出すこと。
不安や恐怖が行動原理になっていない。
ただし危機を生き抜きぬいてみせる貪欲さ、タフさが源。

自分が今何をすべきかは、予期不安(原発事故の破滅的結末)ではなく、現状(実際の放射線量の評価)に準拠しよう。
今日、3月18日がヤマになりそうだ。