今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

我が家に記録的短時間大雨情報

2024年07月31日 | お天気

先日、記録的短時間大雨情報の恐ろしさを記したのは、梅雨末期の秋田・山形の被害に対してだった☞記事

はっきり言って”他人事”だったが、なんとその記録的短時間大雨情報が、本日、我が家のある東京都文京区に発表された(洪水警報も発令され、「警戒レベル4」(避難指示)に該当した)。

外を見ると、滝のような大雨で、隣の北区では時間雨量105mm/hの強雨(気象庁用語では80mm/h以上を「猛烈な雨」※)。
1時間に50mm/hの雨(「非常に激しい雨」)で側溝が溢れるから、道路が冠水しておかしくない。
※:100mm/h以上の雨の呼称がないので、私は「瀑雨」(ばくう)と命名している。

我が私設「本駒込気象台」での最大瞬間降水強度は18時39分に311.mm/hの驚異的値(瞬間値だからすぐ下った)。
そして18時40-50分の10分間で20mmを越えた(時間雨量に換算すると120mm/h)。

我が家の総雨量は18時から20時までの2時間で99.4mmに達した。

そして降水の直前に、気圧は3hPaほど上昇した。
低気圧による雨と違って、背の高い積乱雲による降水の場合、まず露払い的に高さ1万mから下降流がやってくる。
すなわち空からの圧がかかる。

また降水によって気温も26℃まで下って、すごしやすくなった。

前の記事で「災害が必発する」と記した記録的短時間大雨情報発表下だったが、我が家は地形などの効果(台地で近くに河川がない)で被害とは無縁だった。
なお練馬・板橋区では道路が冠水し、車が水に浸った。


2024年の7月29日

2024年07月29日 | メモリアル

この日は、今の新居に越して10年目にして、私の馬齢が1つ重なるので、昨晩は同居家族たちが祝宴を開いてくれた。
そして当日の今日、30℃を割ることなく朝を迎え、昼前にわが「本駒込気象台」で40.3℃を記録(その後、佐野で41.0℃、館林で40.2℃)。
ファン付きの日傘を差しても、熱風が来るだけ。

前期試験が終わって、学生は解放されるが、教員はこれから担当授業すべての成績評価が待っている。
学生時代はこの日を山で迎えたものだが、上の理由でそうはいかない。
第一、よほどの高山でないと、この暑さから逃れられない。
採点が終わったら、論文の執筆が待っている。
とうことで”夏休み”は図書館通いに終始する。
※:最近の公立図書館は閲覧のみとなっているが、国会図書館などはパソコンを持ち込んで作業できる。作業は自宅でもできるが、気分転換(昼食)と歩行運動、自宅の冷房費節約を兼ねて図書館に通う。


冷風扇はエアコンとの併用が前提

2024年07月28日 | 生活

こうも暑い夏、エアコンの補助として冷風扇を買い足している。

エアコンだと、設置場所の都合でどうしても冷気が届かない場所が室内にできてしまって、しかものその場所こそ、自分が居たい場所だったりする。

サーキュレーターや扇風機を併用してもいいが、どうせなら冷気を直接浴びたい。

そこで水の気化熱原理(2.5×10^6J/kg)を使った冷風扇である。
この水の気化熱(を奪う)原理は、人体の発汗機能と同じく、自然界ではもっともエネルギー効率のよい冷却方法だ。

冷風扇は安いもの(中国製)だと2000円台から手に入る。
ただ安い物は卓上用のコンパクトサイズなので、自分の体の一部にしか冷気が来ない。
そこでもっと大きい床置きサイズのものをネットで購入した(10000円ほど)。

大きい冷風扇は水もたっぷり入り、冷気の出口(風口)も大きい。
しかも消費電力は60Wなのでエアコンの1/10。
そして風口面以外の3側面すべてが空気の吸い込み口なので、強い風量が出る。
さっそく水と保冷剤を入れて風量最大でフル稼働してみた。

たしかに冷気が出るが、室内の温度を下げるほどではない。
まさにその名の通り”冷風扇”にすぎない。
試しに、エアコンを切った状態で稼働すると、室温がどんどん上ってしまう。

このように冷気が弱いので、温度計を風口に当てて試行錯誤してみた。
風量を最大にした時の風口の温度は、冷風をオフにした温度とほとんど同じで、冷風効果がない(単なる扇風機)。

これは故障(初期不良)かと思ったが、もしやと思い、風量を最小にしてみた。
すると、風口の気温は1℃以上下がり、ちゃんと冷風になる。

冷風扇の風量を多くすると、室温の空気を多量に吸い込むことになり、風口の温度が限りなく室温に近くなる(すなわち冷風の要素が減る)のだ。
となると確かな冷風を出したいのなら、風量を最小にするしかない。
これが第一のジレンマで、エアコンとは逆の非効率さだ。

ちなみに、冷風扇から出る冷風の温度は、理論的には湿球温度だ。
湿球温度とは、乾湿温度計(中学の教室にあった)のガーゼで湿らせた湿球が気化熱で冷却する温度で、これが冷風扇の理論的冷風温度に相当する。
ということは冷風の温度を下げるには、湿球温度を下げればよい
※:Kestrel社のハンディ気象計なら気温・相対湿度・露点温度のほかに湿球温度・乾湿温度間の差(Delta T)も計測される。
ついでに(私が好きな)露点温度は、気温の理論的下限で、湿球温度よりやや低い。湿球温度が水蒸気の蒸発の結果の温度なら、露点温度は逆に水蒸気が結露する温度。冷風扇は湿球温度より低くはならないが、エアコンは(室外機で空気を取り込んで)露点温度より低い冷気を生産している。だからエアコンの内部は結露してカビが生えるのだ。エアコンの冷風温度はリモコンの温度設定では制御できないので、内部クリーン機能で防ぐしかない。

湿球温度は乾球温度(通常の気温)が理論的上限なので、乾球温度(気温)を下げると自動的に下がる。
ということは、エアコンで室温(乾球温度)を下げることで、湿球温度も下る。

また、相対湿度が低いほど、水分の蒸発(気化)量が増えるので、湿球温度も下る。
そのためにはエアコンの除湿機能で相対湿度を下げる。
冷風扇の単独稼働だと、水蒸気を放出するため室内の相対湿度が上昇して湿球温度が上がり、冷風が弱くなる(すなわち単独稼働は逆効果)。

ということは、冷風扇から充分な冷風を出すには、エアコンの併用が必須ということ。
電気代が1/10の冷風扇はエアコンの代替にはならないのだ。
これが第二のジレンマ

以上、2つのジレンマにより、冷風扇で充分な冷風を出すには、エアコンを稼働して室温と湿度を下げ、さらに風量を最小にするということになる。

なるほど冷風扇は、エアコンの冷気が来ない場所での補助用以上ではない。


追記:部屋のエアコンと併用することで、左右両側に本棚の壁があってエアコンの冷気が届かない自分の机付近の空間に冷気を届けることができた。
エアコンの設定を省エネレベルにできるので、エアコン(がんがん)+サーキュレーターよりも、電力的にも温度的にも効率がいいので満足している。
さらにはUV除菌・マイナスイオンの空気洗浄機能もある。
※:計測マンとして、静電位計を風口にかざすと、機能オフで-200V,オンで-600Vに下るので確かに陰イオンが出ているようだ。オフでの-200Vは冷風機能によるミスト発生によるもので、冷風もオフにすると静電位は0になる。いいかえれば冷風機能だけでも若干の”マイナスイオン”効果はある。


記録的短時間大雨情報の恐ろしさ

2024年07月26日 | 防災・安全

このブログでは過去にも記事にしたように、気象庁から「記録的短時間大雨情報」が発表されたら、その地は大雨災害(河川氾濫、浸水、土砂災害)がほぼ必発することを覚悟すべし。
なので私だったら、まず顔面蒼白になって身震いする(そして防災行動に取り掛かる)。

それほど生死に関わる重要な情報なのだが、そのネーミングの切迫性のなさが災いしてか、深刻に受け止められない感じがする。

事態の危機度では、「大雨警報」と「大雨特別警報」の中間段階で、後者はもう「家を出るな」(避難のタイミングを逸した)という最終段階なので、この情報は、まさに避難すべきタイミングに相当する(「大雨警報」は外にいないで屋内退避)。
※:具体的には、大雨警報が発令されている状況下で、追加情報として発表される。

毎年、梅雨末期は大雨被害が発生し、今年も記録的短時間大雨情報発表下で死者を出した。
気象災害は、地震と違って、精度の高い予測とリアルタイム実況が実現しているのだから、その情報を活用した(適切な)防災行動が可能で、最低限人的被害は防げるものと思っている。
ただ、情報の活用とそれに応じた防災行動については、私が実践しているように個々の家庭に応じた具体的指導を授業(ゼミ)でやるしかない。
高校までの教育では地震・火災を想定した避難訓練だけで、まともな防災教育がされていないようだ。


日傘のマナー

2024年07月24日 | 作法

夏の日傘が男性にも広まりつつあり、「日傘男」の先駆けとしては喜ばしい限りだが、トラブルも発生しており、日傘の正しい差し方について改めて論じたい。

日傘は、太陽光線を遮るためのものだから、常に太陽に向かって差す。
なので、道を曲がるたびに角度を変える。
そして、できるだけ体の日陰部分を多くするため、頭が傘の内側に当たるほど低く差す。
要するに、路面の自分の影をチェックして、自分の身体ができるだけ傘の影から出ないようにすればいい。

ところが、そうやると、通行人とぶつかる可能性が出る。
雨天だと双方とも傘をさしているので、ぶつかるのは傘同士なのだが、日傘の場合は、傘の端の尖った先が、傘を差していない通行人に当たる。
すなわち、日傘を差している側が加害者となる恐れがある。

私は身長があるので、通行人とすれ違う時は、日傘を高く掲げることで、人同士のすれ違いにするが、相対的に身長が低い女性の場合、目深に差していると通行人にぶつかり、傘の先が相手の目に当たる恐れがある(ウチの学生が通学路上でそうなった)。

そもそも日傘はいつも角度を気にして差すべきものなので、ボーッと垂直に差したまま歩くことがないはず。

そういう場合、高く掲げるより、傘を通行人の反対側に傾ける「傘かしげ」という作法(悪名高き”江戸しぐさ”で有名)を勧める。

あと、傘を開く時は、上に向けた状態で差さず、先を下に向けて開いてから上に差すこと。


落選した安野氏の存在

2024年07月24日 | 時事

都知事選後の、落選した石丸氏・蓮舫氏へのバッシングめいたマスコミ取材にうんざりしていたが、今朝テレビ朝日の「モーニングショー」で、5位で落選した安野氏が出演して選挙戦を語っていたのには、いささか驚いた。
マスコミの視線が変化したようだ。

選挙中のマスコミは、4位までの田母神氏までを実質的な候補としていて、安野氏は”その他”扱いでほとんど無視されていた。

もっとも一部には注目株として積極的に応援する人もいて、ダークホース的存在の可能性は示していた。

私自身も応援する気持ちはあったが、確率論的に、安野氏が1位になって都知事になる確率よりは、後半追い上げてきた石丸氏の元で副知事として活躍できる(石丸氏自身、安野氏と意気投合して副知事にしたいと公言)確率の方が高いと判断したので、石丸氏に票を入れた(→都知事選の結果に思う)。

小池対蓮舫という既成の対立構造そのものをまずは拒否したかったのも理由の1つだったが、もう1つ、私の1票は石丸+安野票でもあったのだ。

石丸氏の破壊力と安野氏の構築力の組み合わせに期待したから。

それほどまでに、(既成野党を含めて)政治は制度疲労している。

この若い力の出現は今回の選挙の唯一の収穫とも言える。


本駒込で40.2℃

2024年07月22日 | お天気

本日の14時22分、わが私設「本駒込気象台(東京都文京区)が最高気温40.2℃を記録した。
ちなみに北の丸公園内の涼しい林内にある「アメダス東京」の最高気温は36.6℃(12:26)。
樹木が作る日陰こそ気温に影響しないが、樹木は呼吸で”冷気”を出すので樹林帯は気温が下がる。

さらに本駒込気象台での体感温度指標である熱指数(湿度を考慮)だと53.9℃。
これは屋外に止めた車の車内温度に近くなる(日射を考慮した指数は別物)。
かように湿度が高い日本の夏は、同じ気温の砂漠より体感温度が高くなるのだ。

なので外出は基本禁止レベル。
それでも図書館に通う私は、日傘+アームカバー+ネッククーラーの装備で外出。

ちなみに義妹と小学生の姪は、不運なことに今朝から大阪旅行を予定していた。
始発からストップの東海道新幹線の払い戻しに東京駅で1時間待って、
北陸新幹線経由で大阪に向かうも、敦賀から先の在来線で落雷に遭ったとのこと。
泣きっ面に蜂の鉄道旅行。

明朝名古屋に帰る私は、東海道新幹線が無事運行される事を祈って、土用の二日前倒しとして近所の専門店で鰻重を注文。


「本駒込気象台」復活

2024年07月20日 | お天気

7月11日より更新されなかった私設「本駒込気象台」のネット配信が復活しました。

しばらく帰京できなかったため対応措置が遅れてご迷惑をおかけしました。
原因は、観測データをパソコンに送るコンソールの電池切れでした。

20日17時以前のデータはグラフに出ず、観測時刻も間違っていますが(コンソール起動後の時刻合わせをしなかったため)、本日の最高気温は38.5℃でした。

 


アームカバーの対暑効果

2024年07月20日 | 生活

太陽から放射される”直射日光”という電磁波は、周波数帯ごとに紫外線、可視光、赤外線に分類され、いずれも異なった影響を人体に及ぼす。

紫外線は、周波数が小さいほど”放射線”に近くなって、皮膚下に浸透し、細胞にダメージを与える(最もダメージの強い周波数帯のC波は大気上空のオゾン層で防御されている)
すなわち、皮膚細胞を老化させ、水晶体の白内障を引き起こす。
ただし、殺菌効果とビタミンDの合成効果という貴重なメリットもある(なので完全防御はお勧めしない)。

可視光は、太陽放射の最大部分に相当し、その豊かな放射量が我々に視覚情報を与えてくれるありがたい周波数帯だが、強すぎると眩しさとなって視細胞を疲弊させる。
私はメガネをしているので、それだけで目への紫外線は防御できているが、眩しさを防ぐためサングラスも併用する。

赤外線は、熱放射として加熱効果を与える。
いわば、赤外線ヒーターを浴びているようなもので、冬は日向ぼっこで快適だが、夏はただでさえ暑い気温に加えてヒーター的熱を受けるので、皮膚温は40℃を軽く超える。


これら電磁波の人体照射を一挙に防ぐのがUV対応の日傘である。
すなわち、日傘は紫外線だけなく、空の眩しさと人体上半身への加熱も防いでくれる。
とりわけ、暑い夏を更に暑くさせる加熱(皮膚温の上昇)を抑えてくれるのがありがたい。

ただ、日傘はそれを持っている手も含めて、露出した両腕を日射から防ぐのは成功していない。
というのも、日傘男の先駆けたる私も、夏の終わりになると両腕は日焼けしていたから。


そこで100円ショップにあった夏用のアームカバーを買ってみた(ただし200円)。
それまでは、紫外線を極端に拒否する女性たちの不要なグッズとみなしていたが、上の理由でまずは日焼け防止のために買ってみた。
そして装着してわかったことは、この製品は、紫外線だけでなく、赤外線による加熱も防いでくれることがわかった。
すなわち、直射日光が当たっても腕が熱くならないのだ。
そればかりでなく、冷感素材であるため、装着することによる不要な保温効果がなく、むしろ装着部分の体温を放散してくるので、室内で着けていても、かえってその部分が涼しい。
なるほど、男女のジョガーたちがこれを装着して走っていたわけだ。
もうこれは日傘以上に手放せない。


復活定宿に1泊

2024年07月15日 | 温泉

この3連休の1・2日は大学で業務のため、連休ではなかった。
しかも先週の日曜も業務があったため、2週連続休日出勤が続いた。

3連休3日目の「海の日」だけ休みが取れ、しかも翌日は出校予定がないので、定宿に復活した東濃の中津川温泉のホテルに1泊し、つかぬまのリフレッシュ。

定宿として復活したが、条件が変わった。
ここんとこずっと素泊り利用。
宿の豪勢な夕食は財布的にもカロリー的にも超過量で、ガッツリある朝食も目覚ましで早起きしてまで食べたくはない。
しかも夕食のご飯の扱いが作法的に正しくない(残念ながら多くの旅館・和食料理店がそう)ので、その意味でも食べたくない。朝食は作法的に問題ない。

幸い、休日は隣接するクア施設のレストランで夕食を摂れるのでそこで天ぷらそばなど(財布的にもカロリー的にも)軽く済ませる。

元々朝食はきっちり摂らなくていいので、素泊まりにした方が気楽で安上がり(ビジホ並)。
この宿が気に入っている理由はなので、それを堪能できれば充分。


松山市の土砂災害を思う

2024年07月13日 | 防災・安全

7月12日未明に松山市内で起きた土砂災害(行方不明3名)は、松山城のある城山からの土砂が山麓の民家を直撃したもの。

そこの土砂災害警戒区域マップを見ると、平野の中にある残丘状の城山に沿った麓が急傾斜地崩壊警戒区域(黄色)と同特別警戒区域(赤色)に覆われている(下図)。

なんと城山の南麓には愛媛県庁の敷地がこれら区域内にある。
ということは、愛媛県庁は土砂災害に襲われても不思議でない立地だということ
※:土砂災害の危険箇所に建物がある場合に限り、警戒区域として指定される。洪水・津波被害想定区域内に建物、いや都市があるのも同じ。あらゆる災害から安全が保証された場所は日本にはほとんどない。だからみんなに”防災”が必要なのだ。

さて今回の土砂は、山頂三角点(131.4m)の右側にある2本点線状の道路から、東(右)に伸びる谷(標高数値〜東雲神社という文字の上)を通って麓の「緑町」に達した。
土砂が谷に沿って落下したのだから、土砂災害の中の「土石流」に該当する(他は、崖崩れと地滑り)

そして皮肉にも不幸なことに、発生した土石流は、急傾斜地崩壊警戒区域(黄色)が切れた部分、すなわちそこだけ土砂災害が想定されない隙間の狭い場所に達して、そこにあった民家を破壊した。

おおざっぱには、城山は周囲360°が急傾斜地崩壊警戒区域なのだが、なぜここ(谷の出口)が警戒区域から除外されているのか。
それは谷になってるため傾斜が緩く、急傾斜地の基準である30°に達してないからであろう。
また山地ではないので「土石流」の警戒区域でもなかった。
すなわち、土砂災害が発生するほどの傾斜も土石流が発生するほどの比高もないと判断されていたのだ。

ところが、山頂部の道路すなわちこの谷の源頭部分では亀裂が発生しており、その補修工事に取り掛かっていた(当時ブルーシートが掛かっていた)。
すなわち、土砂災害の前兆としての”地割れ”が発生していたのだ。
地面の内部で崩壊が進行していた折に大雨が見舞い、大量の水分が地層内部の崩壊を促進したのだ。
その場所は、皮肉にも土砂災害の危険性が最も低い傾斜の緩い谷地だった。
谷地は、急傾斜地崩壊の視点だと緩斜面なので危険がないが、土石流の視点だと谷地こそ危険。

かように、災害は人の判断の虚を突く。


日傘の進化形

2024年07月09日 | 生活

”日傘男子”の先駆けとして(かつて新聞取材を受けた)、日傘の進化形に手を伸ばしたい。

それは、アキバの”レアモノショップ・サンコー”にあった。

1つは、傘の内側に折りたたみ式の3枚のファンがついていて、持ち手のスイッチを押すと、ファンが回って下に風を送るもの。
ファンの回転は強弱2段階あり、持ち手からUSB-Cで充電。
ファンの下には布製のネットが付いていて、頭がファンに当たらないようになっている。
傘自体も大きめで骨が8本あって耐久性もある。
もちろん晴雨兼用。

もう1つは、傘の内側からミストが出てくるもので、冷却効果まで期待できる優れもの。
こちらの方がいいかと思ったが、ミストの散布が5分しか続かないとのこと。
もちろん傘の先端部から水を供給する必要もある。

ファンの方は1時間は持つというので、ファン付きの方を安売りだったこともあり、買った。

実際に使用してみると、ファンの風は確かに顔に当たってその分涼しい。
通勤や買い物程度の外出ならずっと充電が持つ(切れても携帯用バッテリは常に持参している)。
もっとも外気温が35℃を超える今だとファンの風も熱風となるが、無風状態よりはましで、どうせ日傘を差すならこちらを持って行く。

上のショップでは、普通の傘に取り付けるファンが新発売されている。
それなら普通の日傘にネッククーラーという組み合わせでもいい。

またミストは持続して出し続ける必要はなく(蒸発したら出ればよい)、間歇的に作動できれば充電も長持ちするはず。

理想形は、傘全体に水分が間歇的に供給され、蒸発の気化熱によって傘の内側全てが冷却されること。
地球上で冷却作用をもたらす最強のメカニズムは、水の蒸発作用だから。

さらなる改良を期待する。


都知事選の結果に思う

2024年07月08日 | 時事

都知事選の結果は、事前予想通りの順位で開票と同時に当確が出た。

まぁ、現職はよほどの失政がない限り再選される。

私は2つ前の記事に示したとおり、期日前投票で現職と野党候補には投票せず、「よりまし」という基準で石丸伸二氏に入れた。
投票時に注意したのは、「石丸伸二」とフルネームで書くこと。
「石丸」という苗字だけだと、別のN党の石丸候補と票を折半させられる。
N党の石丸氏に入った票にはこの種の折半票が結構あったと思われる。
どうせなら、別人の小池候補を出してもよかったのに。

結果は予想通りだが、選挙はそれなりに盛り上がり投票率は上がった。
これは、主に蓮舫・石丸候補のおかげである。
ただ蓮舫候補だけだと、これほどの盛り上がりはなく、石丸候補の頑張りが大きかった。
古臭い”保革対決”よりは、三国志よろしく三つ巴の鼎立の方が盛り上がるものだ。

財政が潤沢な東京都にとっては、福祉や防災、あるいは観光は黙っていても予算がつくので、これらについての実現して当然の公約は新鮮味がない。

この東京に新しい発展の芽を育てる視点、若い働き盛りならではの視点が欲しかった。
同時に東京一極集中の弊害も座視しないで(ただ、発展と人口集中は相関する現象なので、都だけでは解決できない)
※:防災的視点では、さいたま市が都市の発展に適している。日本の大都市(東京、横浜、名古屋、大阪)は地盤が柔らかい沖積平野の海沿いにあるが、さいたま市は台地なので地盤が硬く、東京湾・相模湾の震源地からも遠い(さらに富士山からも)。埼玉県は荒川の洪水が問題だったが、大河川の治水はうまくいっている。日本最大の関東平野の中央部なので、都市部の拡大も可能。

石丸氏に入れた本当の理由は→安野氏の存在


他者を敬する社会へ

2024年07月07日 | 時事

ネットニュースによると、日本大好きというアメリカの歌手ビリー・アイリッシュはその理由を日本人が「人を敬う」からだという。→ソース
若いながら、深い視座だ。
これは儒教の徳である””の精神であり、それを具現化してきたのは小笠原流礼法などの日本の伝統的礼法である。
※:儒教教典『礼記』は、「敬せざるなかれ」で始まる。

いや、それ以前に、聖徳太子の十七条憲法(604年)にある「和を以て貴しとなす」の精神の伝統というべきか。
ちなみに”人を敬う”という態度は、16世紀(日本で武家礼法が完成した時期)のヨーロッパでイタリアから広まった”galateo”(礼儀正しさ)の精神とも合致している。

ところが残念ながら、現代日本には礼に反する勢力も存在する。
小池現都知事の選挙演説場面で、「やめろ」「帰れ」コールで演説を妨害する一部の人たちだ。

この行為は相手を敬する礼の精神に反し、また多様な意見を尊重する民主主義の精神にも反するもので、私はこういう人たちとは空間の共有すら耐え難い。

礼の精神である「敬」とは、その人の存在を認め、尊重すること。
その逆の、その人の存在そのものを否定する感情は”憎悪”である。
憎悪は存在否定の感情であるから、恐ろしくも殺意に繋がる。

候補者としての存在を否定するコールは、候補者への憎悪の表現である。

他者への憎悪に駆動された人たちは、歴史的にも同志の間でも内ゲバや”総括”と称する殺し合いをしてきたし、スターリンやポルポトのような独裁者は自国民の大量殺戮をしてきた。
憎悪に駆動された”正義”(「あいつらは存在悪」という思考)を振りかざす危険性はこのように歴史が証明している。

意見が違った他者とも敬意を持って共存できる社会を守っていきたい。
※:これができるかどうかが、口先でない真の民主主義者か否かの判断基準となる。
これが私の投票行動の原則でもある。


都知事選の不在者投票してきた

2024年07月01日 | 時事

東京と名古屋の二重生活をしながら、なおも東京に住民票を置いている理由の1つは、どうせなら都知事選に投票したいからであった。
なぜなら、都知事選こそ最も投票し甲斐のあるエキサイティングな選挙だったから。

「だった」と過去形なのは、まずは候補の乱立の酷さがエスカレートし、さらに一票を投じたいという候補がいなくなったため。
概ね、政党のバックアップを受けた”有力”候補たちは、国政選挙の代わりでしかないし、その他大勢の泡沫候補たちは、自身の売名のためでしかない(売名としては供託金たった300万でコスパがいいようだ)。

それでも民主主義を守る主権者として、投票行為を遂行することを自らに”義務”と課している。

なので、相対的に”ましな”候補に一票を投ずる。

かつては現都知事に投票したが、その時は自民党候補の対立候補だったから。
今回は本人の立ち位置はそうではない(実績についても不満)。
かといって”何でも反対”の野党候補という理由だけで、支持することはない。
あくまで”都政”に対して、新鮮かつ夢のあるスタンスで臨む人を”まし”と判断した。

指定された不在者投票の会場には、分厚い選挙公報が置いてある(自由に持ち帰れる)。
その場に行ってこれを眺めて決めてもいい。