今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

名古屋に離れて

2011年03月22日 | お仕事
今日・明日と勤務先の会議があるため、昼前に名古屋に向け出発。
東京駅の新幹線ホームには、学齢前の小さな子どもと大きな荷物をもった母子が幾組みもいるが、混雑はない。
名古屋では、もちろんテレビ番組での注目度は東日本と同じだが、
自分自身、距離の遠さを感じる。
自ら放射線量を測る必要もなく、余震もない。
正直、ホッとする部分があり、同時に今までの張りつめていた心にどっと疲れを覚えた。
もし、東日本にいて精神的に参りそうなら、もちろんそれが可能ならだが、現場から遠い地に離れてもいいかもしれない。
たとえ数日間でも。


逆転現象:いわき<北茨城<高萩の怪

2011年03月22日 | 東日本大震災関連
空気中の放射線濃度は、発生源から遠くなるほど薄くなる、というのが大原則。
少なくとも、同一方向では、当然の現象なのだが、
22日正午の時点で、放射線量(nSv/hr) が、いわき1880、北茨城2010、高萩2800 と、
南へ遠くなるほど、多くなっていることに気づいた。
実は、昨日から、北茨城<高萩の状態が発生していた(いつもは高萩は北茨城よりずっと低いので無視して、気づかなかった)。

ちなみに高萩以南は、ぐっと下っている(多くて半分以下)。つまり高萩が分布の最高地点。
まるで高萩に別の発生源があるかのようだ。

考えられるとすれば、発生源からの空気が、鉛直的あるいは水平的にいわきと北茨城を迂回して高萩に集中したとか。
しかも、定常的ではなく(定常的なら地形などの効果)、この一日だけの現象。
高萩の風向が不明なので、推測する方法がない。
いずれにせよ、風の複雑な流体力学現象によって引き起されているはず(合流によって渦を巻いているとか)。

それにしても値そのものも高い(15日ほどではないが)。
高萩は昨日の南相馬市なみの値。
福島第一原発からの飛散量が増えているというのが、一番考えやすいのだが(ただし、南以外の地域は増えていない)。

かように、地点の間の差は、距離だけでは説明できない難しさがある。
すなわち、下の記事の推定式は、精度は低い。

放射性物質のいわき・北茨城・東京ルート

2011年03月22日 | 東日本大震災関連
昨21日以来、いわき・北茨城そして東京の放射線量が高止まりになっている
(いわき:5時 2450nSv/hr  北茨城:2時 1590nSv/hr  東京:5時台平均 133nSv/hr)
浜通りのいわきは中通りの白河より、今までは放射線量が低かったが、昨日から逆転して高くなった。
つまり、原発周辺の空気が、浜通り沿いにのみ南下し、いわき・茨城の太平洋岸を水戸まで南下し、
茨城県南で、鹿島灘からの海風を受けて、南西に向きを変え、千葉には南下せずに、水戸街道ルートで東京に入り込んだ。
一方、白河から那須に至る奥州街道ルートはむしろ減少傾向を維持した。
つまり、放射性物質は白河の関は通らず、勿来(なこそ)の関を通って関東に入り込んだ。
これは東京への直行ルートといえる。

この傾向は、関東南岸に低気圧がある時の、すなわち福島以南が北寄の風となる時のパターンとなろう。
雨天の時は、一般的に大気中の濃度が高くなるものだが、茨城-東京の上昇率は今回のようにそれを上回ることになる。

ちなみに、拡散ルートで一番値が高いのは、原発から福島市方向に北西に向かう領域である(5:00の福島市で6990nSv/hr)。
福島市の方が、いわき市よりも原発から20kmほど遠距離なのだが、以前は10倍、今でも3倍高い。
雨がやんで春の陽気に戻ると、北風がおさまるので、また差(福島>いわき)が開いてくるはず。

このように、方角によって拡散(減少)の程度が大きく異なっている。
ただ、同一方向上では距離が遠いと薄まる効果がはたらくので、
たとえば北茨城はいわきのおよそ2/3の値,東京は北茨城のおよそ1/10(いわきの1/15)の値という傾向もおさえておくとよい。
いわきと原発地点との値のおよその比率がわかれば、(仮に今原子炉真上が500mSv=500 000 000nSvとするなら、およそ40km離れたいわき市ははその0.0005%の値に相等)
今後、原発から強い放射性物質が出た時、やがてくる東京の値も推定できる。

たとえば原発から、人が立ち入れない1000mSv(1Sv)/hrもの強い放射性物質が放出された場合の東京の値を、上の諸条件を使って試算してみてほしい(答えは簡単。ただし原発といわきの比率は仮定の話)。

逆に、たとえばあなたが避難を決意する場合の、原発での放射線量はいかほどかも、数値レベルで具体的に考えてみるといい(居住地によって異なるはず)。
その場合、最も高い値になるよう、原発が風上にある風向を前提とする(本当は風速なども考慮が必要。その理由は20日の記事「逃げるならどの方角がいいか」を参照)。
そのためには、その気象条件の時の実測値を元に、下のような※簡単な拡散モデルを作って計算する。
この試算は個人ではなく自治体レベルでやってほしいことだ(原発周囲の自治体にはあるはずだが、他県ではやっていないだろう)。
※簡単な拡散モデル:居住地付近の推定放射線量=(発生源の放射線量)×(距離による減衰係数)×(風向などの気象条件係数)