今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

ニューヨークタイムズに出た福島原発の放射線の”値”

2011年03月19日 | 東日本大震災関連
海外に住む姉からの情報で、
ニューヨークタイムズで福島原発周辺の放射線量が地図と深刻な解説つきで載っているという(ニューヨークタイムズアジア太平洋版3/17)。
この情報をもとにCNNの記者たちが90kmの外に避難したらしい。
ただ、記事を読むと、この地図に分布している恐ろしい値(100rem=1Sv)は、モデルに基づく推定値であって、実測値ではない。
日本側が、昨日まで周辺一帯の実測値を公表しなかったためでもあるが、
この推定値が、実測値と誤解されて、世界中に拡がる前にここに紹介しておく。

暫定規準値を上回る放射線量の農産物

2011年03月19日 | 東日本大震災関連
福島と茨城の農畜産物から暫定規準値を上回る量の放射線が検出された。
数値(Bq)をみると、福島は、むべなるかな。茨城は、残念という感じ。
(野菜なら洗えばすむのだが)

もちろん、「安全」基準と「危険」基準との間にはかなりの開きがあり、
安全基準を多少上回っても、ちっとも危険ではないというのが放射線基準の一般則であるのは、
もう皆さん(頭では)ご理解済みだと信じるが(テレビでもきちんと解説されているし)、
なら、気にせず食べよう、という気になれないのは、私とて同じ(選択肢が他にあればなおさら)。

すなわち、こと食べ物に関しては、私自身も、定量的・客観的判断より、感覚・イメージに影響されてしまう。
放射線については、計測値と安全性の関係を客観的に論じることができても、
いざ食べ物となると、たとえばトイレで手を洗わなかった人が作った料理や、
その人の汗や唾液がしたたり落ちた料理は、いくら客観的には「健康を害することはない」と分かっていても、
食べる気をなくす。
つまり「誤解」ではないので、いくら理論的に安全性を強調されても無理。
だからこの問題については、計測値の細かい評価をして踏ん張るのはあきらめる。

ただ、今までの立場を貫いて言えば、
野菜に関しては露地物とハウス物とでは、浴びる放射線量がまったく異なるだろうし、
同じ茨城県でも地域によって、飛散した放射性物質量がだいぶ異なるので、
「県」レベルで判断されるのはどうかと思う。

17日の計測結果のコメントで、栃木の食品は控えたほうがいいかという質問に対して、私がけっこう強く反駁したのは、
一部の地点で値が高かったからといって、県全体が拒否されることへの不合理(しかも自分の計測のせい)を感じたからである。
ただ私の回答がまったく説得力をもたないのはわかっていた。
食べ物の問題だから。

上の問題は、出荷がしっかりコントロールされればなんとかなるだろう。
つまり、基準を上回っていた地域からは、たとえ値が正常でも最初から出荷停止を明言し、
安全な地域(たとえば、福島なら会津・南会津)だけの、「福島」産、「茨城」産にする。
あるいは県名よりも具体的な生産地名も付加した方が互いに都合がいい。

集団的パニックが起きる要因はすでに研究済みである。
その第一は、皆が求める情報がきちんと得られない場合である。

17日の宇都宮線沿線の計測情報の価値

2011年03月19日 | お仕事
もう古いので価値は無い
情報は時間とともに価値を減じていくもの(特に放射線情報の”半減期”は短い)。
忘れて結構。
「リンク集」記事内の栃木県による県内各地の観測情報のサイトをリンクしたので、
今後は、そちらを見てほしい。
ただ、いろいろコメントをいただいたので、記事は記念に残しておく。
黒磯の方にご迷惑をかけないことを祈るのみ。

無責任な海外報道に惑わされないように

2011年03月19日 | 東日本大震災関連
海外では、東京かが一斉に避難しているとか、逆に東京の人が平然としているのは危機判断ができないためとか、
いいがけんな報道がまかり通っているようだ
(私自身、ここ最近は娯楽にしていた”2ちゃん”をまったく見なくなった。正確な情報しか意味がないから)。
福島の原発事故でなんで東京がパニックになる必要があるのか、地理がわからないのだろう。

われわれは、放射線の現状を数値で判断し、事故の今後の可能性を推定し、被害の程度と及ぶ範囲を推定するべき。
まずは、福島・関東各地の計測値をチェックする(下の記事のリンク欄で)。

とにかく10μSv/hr以下なら、いくつか厳しい基準は上回るものの、そこで1年間生活しても健康上問題ない。
そうでない場所が福島県内にあるが、それらはすでに屋内退避以上の措置がなされている。

0.1μSv/hrに達しない南関東は無関係と決め込んでいい。
だって、今の東京の数値は、東海・北陸では日常値以下だもの(現地の人は知らないだろうけど)。
しかも昨日よりもさらに数値がさがっている。
洗濯物や蒲団を干してまったく問題ない
(ていうか、明日のことはわからなとすれば、今干した方がいい)。

だから南関東の人は、愚かな買いだめに走らないこと
(自分で自分たちの生活を苦しめているから愚か)。
本来なら、東北の被災地に供出すべき立場でしょ。

自分は遠くにいて無責任に危機を煽るだけの言説は信用しないこと。
信用するのは、とにかく客観的な測定値。
これを根拠にしない空想による議論は無視してよい。

ただし、これらは”今”の事。
”今後”の動向を注視すべきなのはいうまでもない。
それも、つねに放射線量の変化をもとに判断すべきだ。
だから、数値のモニターを常にチェックすることが大事。

ただ、値がわかっても判断できないという人が多いのもわかる。
ものすごく単純に示すと 1から1000までの幅をもつ単位レベルで

1μSv/hr未満(=nSv/hr):日常域。 私のブログではnSv/hrで数値表現している。
1μSv/hr以上:非日常域(異常域)。 データ的な異常値であって、人に異状を与えるという意味ではない。外出可だが警戒は必要。
1mSv/h以上:危険域。”危険”というのは、傷害が発生する事態に至る危険性があるということ。だからこの段階では短時間作業にとどめる(もちろん防護服着用が望ましい)。
1Sv/hr以上:傷害域。 実質的なダメージをこうむる段階。当然立ち入り禁止。

そもそもSv(シーベルト)というのは、このような健康判断のために作られた(純粋な物理量ではない)。
だから、1とか5とか切りのいい数値を基準に使えるわけ。
1から1000までの幅を1つの段階にまとめているので、少々無理があるが(もっと細かい方が望ましい)、一番簡単な分類基準にしてほしい。

もちろん、放射線量を常時計測している私が、自分の判断で皆さんに以下のメッセージを発することがある(ただし対象は都内に限定)。
準備情報:なんらかの行動準備。特定の物品を準備しておくようにとか
行動情報:洗浄、屋内退避(外出禁止ではない)のすすめなど。さらに屋内退避でいいのか家を出て避難すべきかもデータ(気象条件なども含め)を駆使して考えたい。