FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



先週は米国の雇用統計が発表されたが、その中で失業率の増加が改めて示された。で、そのひどさについて、経済学者のマンキューが、そのブログで面白いチャートを引用している(画像)。(これもtwitterで流れてきた情報だが。)
 
このチャートの青いラインは、オバマ政権の経済チームが1月に発表したもので、政府の景気刺激策がなかった場合(青白い線)、実行した場合(青い線)とに分けた失業率の予想チャートである。これだけ効果があるはずだというふれこみだった。ところが、実際の失業率は、茶色の点線で示されたようなぐあいで、ついに8月は9.7パーセントまで達してしまった。これは、刺激策に効果がなかったというより、本来の予想よりもはるかに基礎的数字が悪かったのだと考えられ、いったいこの説明責任をどのように果たすのかというのがマンキューの主張である。たしかにこのチャートを見れば、アメリカの経済は予想より悪かったことがよくわかる。マンキューの引用した元記事も絶対雇用数の減少などを示しておりおもしろい内容で、同趣旨の主張をしている。
 
失業率も遅行指標とは言え、経済回復の程度や、経済の悪化の度合いを示す有力な数値である。ここでも、米国経済の回復ということが幻想にすぎないことがまたひとつ明らかになった。このチャートを見て、失業率は「遅行指標」だから大丈夫と言える人はいるのだろうか?



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さて、8月後半は、為替の軟調相場が株にも伝染して、全体に調整模様に終始した。その上、世の中では、そろそろ次の大ショックが来るというような言説も増えてきた。しかしながら、私もここでいろいろ書いているようにたしかに基本的経済の基盤にはまったく回復の目はないものの、といって、ここですぐに崩れるような兆候もまだ見られない。様々な材料もすでに語り尽くされたものばかりだ。多くの場合、本当のクライシスは予想外のところから発生するものだ。
 
テクニカル的にはこの調整をこなして9月は二段構えでの上昇に移るような感じだ。ドル円で言うと、まず明日の月曜日から数日間、長くて来週初めまでの上昇、そしてそこからの若干の下落、そして下旬から10月の上旬にかけての上昇という形で、二段で上げて行くと見ている。当然、株式市場も回復を見せ、大きく上昇するだろう。
 
株価の長期チャートを見れば、この8月の調整は極めて小さなものであり、疑心暗鬼によって大きなものに見えているだけとも言える。円高についても同様だ。9月から10月のおおきな上昇を逃さないよう慎重にトレードしていきたいと思う。
 
もちろん、その後の大崩落への備えは怠らってはならない。ショートのタイミングも慎重に計算していきたい。


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