人が生きる世の中(サランサヌンセサン)
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「大地の子」④
実の親と育ての親、二人の父の間で揺れる一心。出した答えは「私はこの大地の子です」
気持ちの整理がついた一心は西蒙古鋼鉄公司へ転勤します。その地は夢を断たれて左遷された場所でもあるし、何より労働改造所で過ごした辺境の地です。それでもこの地を選んだことは、中国の発展に一心が心から尽くしたいと思っているからでしょう。国を超えて、恩讐を超えて選んだ一心の生き方です。
このドラマは放送当時多くの人に感動を与えました。再放送も何度かありますが、いつ見ても感動が薄れることなく、一心が生きた激動の歴史を改めて考えさせられるのです。
オープニング、劇中、エンディングで流れる音楽が素晴らしく、ドラマティックで胸に迫ってくるものがあります。渡辺俊幸の音楽がドラマに臨場感を与えました。
岡崎栄の脚本も良く、松岡孝治、潘小揚、榎戸崇泰の演出も見ごたえがありました。
原作 山崎豊子の小説は社会派です。骨太な男たちの様々な生き方を描いています。原作にした映画やドラマは見ごたえがあります。「白い巨塔」「華麗なる一族」
「不毛地帯」「沈まぬ太陽」
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「陸一心」役の上川隆也は誠実な人柄でぴったりでした。彼以外は考えられないし、上川さんには申し訳ないのですが、一心は上川、上川は一心なのです。
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「陸徳志」役の朱旭は、中国の俳優で素晴らしい篤志家の演技を見せてくれました。運命に翻弄される息子を、どうしようもなく切なく見守る年老いた父親は、見ているものに一緒に心配させ感情移入させました。中国人にこんな素晴らしい俳優がいたなんてそれだけでも感動です。
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「松本」役の仲代達也、日本の名俳優です。悲哀をかんじさせる父。表情といい見開いた目の演技といい素晴らしい!ドラマ撮影後、仲代さんが「朱旭」さんには俳優として負けましたと言ってましたが、いえいえ私は仲代さんのような俳優がいて、日本人であることを誇りに思いま
す。
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「月梅」役の蔣雯麗、中国の俳優、一心とぴったりで上川さんと結婚して欲しいと思ってしまうほどでした
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「一心の母」田中好子 「祖父」牟田貞三 「妹あつこ」永井真理子
「残留孤児連絡会の人々」渡辺文雄 十勝花子 益田喜頓
「東洋製鉄の人々」西村晃 宇津井健 児玉清 角野卓造
歴史に翻弄された一心ですが、人生に失望することなく、前に向かってゆっくりと歩いて行く。その姿は派手で自信に満ちあふれたものではありませんが、一心の明るい笑顔に、人生には希望があるのだとラストのエンディングを見て感じました。
「大地の子」はNHKの放送70周年記念特別番組で、「良い作品を作ろう」という製作者の熱意が感じられます。1995年に日中合作で超一流の秀作ドラマが作られたことは、今の日中関係を思うと感慨深いものがあります。
鬼籍に入られた俳優の方々も多く、今となってはとても懐かしくて、この作品には感謝したい気持ちでいっぱいです。
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「大地の子」③
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陸一心は北京鉄鋼公司に復帰することができましたが、現場ではなく図書室勤務でした。名誉回復はなかなか出来ず、図書室で日本語の勉強を始めます。
日中国交回復で、日本では本格的に満蒙開拓団の残留孤児探しが始まりました。一心の実の父、松本(仲代達也)は日中国交回復のプロジェクトの一環である製鉄所作りのメンバーになり、東洋製鉄上海事務所の所長として中国に赴任します。そこで自ら、子供探しを始めます。
一心は命の恩人、月梅と結婚します。月梅は巡回診療で、一心の妹あつこらしき人を見つけます。一心と松本は親子と知らずに、お互いの国の代表として対峙します。
一心は病床のあつこに会いに行きます。二人はおぼろげな記憶をたどり、兄、妹として感動の再会をします。病状の重いあつこは入院しますが、治る見込みのない患者として退院させられ、義母は慣習に従って危篤のあつこを土間に寝かせていました。一心は怒ります。36年ぶりにやっと出会えたあつこの死をみとります。
松本は娘あつこの居場所を探し出し、会いにいきますが、あつこはすでに亡くなっていました。そこで二人は初めて親子だと知り、一緒にあつこを弔います。一心も苦労したのですが、あつこはもっと苦労していました。売られた農家でこきつかわれ、寒村の貧農に嫁いで、からだを壊しても働き続けなければならない、残留孤児がこのように苦労したのは、悲惨な戦争があったからです。それにしても悲しい。あつこのシーンは本当につらい。
二人は親子ということを黙ったまま、仕事を続けます。日本への視察旅行中、悩んだ末に一心は松本の家を訪れます。仏壇の母の写真、妹あつこの遺髪とツメをみて泣き続ける一心でした。
松本の家を訪ねたために門限の時間に遅れ、大事な書類を元恋人の夫に盗まれ、又しても、スパイの疑いで職を解かれ、西蒙古の製鉄所に左遷されてしまいます。
そこにはかなり以前から左遷された所長が化石のようにいました。やる気のない工場で、質の悪い鉄を作っているのを見て、一心は仲間の工員たちと良質の鉄作りを始めます。そして良い鉄を作ることに成功します。自分の置かれた場所で落ち込んだり、恨んだりするのではなく、新しい道を見つけて進んで行く。なんて素晴らしい人なのでしょう。なんて強い人なのでしょう。「強い」というのは武器を持って戦うのではなく、困難なことを知恵を使って解決する力が「強い」ということを教えてもらいました。
スパイの疑いが晴れて上海に戻り、炉に火が入ってプロジェクトの最新鋭の製鉄所が完成しました。
松本は一心の育ての親、陸徳志に会いにいきます。二人の父はお互いを思いやります。松本が帰る時、陸徳志は日本語でさようならと挨拶します。松本は思わず涙があふれます。
陸徳志の薦めで、松本と一心は親子水いらずの船旅をします。
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「大地の子」②
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紅衛兵が押しかけ学校や文化施設を壊していきます。暴力で荒れ狂う文化大革命は多くの技術者、医者、教師など知識人たちを粛清し、その家族や子供たちは農村に下放されるなどして何十万人と犠牲者をだし、一億人も被害者がでました。革命という名の権力闘争でした。犠牲者はいつでも民衆です。毛沢東中国では農業、工業政策の失敗によって何千万の人々が餓死します。「大地の子」で毛沢東の行った文化大革命の真実を強烈に知る事ができました。
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北京鉄鋼公司の技術者である陸一心は、ある日突然スパイとして吊るし上げられて牢獄に送られ、拷問を受けて労働改造所(労改)に送られます。多くの囚人と共に辺境のダム建設の奴隷労働に従事します。ダムの増水時には解放軍の兵士とともにダムを守りますが、山崩れでの生き埋めやダムの決壊があり多くの犠牲者がでます。
ダム建設現場から内蒙古にある労働改造所に移されて羊飼いとして従事します。虚しく時は立ちますが、一心なりの知恵で良い牧草地を求めて羊飼いもりっぱに努めます。![イメージ 4](https://stat.ameba.jp/user_images/20191110/10/karennda-1/58/73/j/o0200011314636127281.jpg?caw=800)
![イメージ 4](https://stat.ameba.jp/user_images/20191110/10/karennda-1/58/73/j/o0200011314636127281.jpg?caw=800)
一心はこの地で二人の恩人に出会います。それは労改の羊飼いで日本からきた華僑の「黄書海」と、後に結ばれる「江月梅」です。黄書海には内蒙古の大地を黒板にして日本語を学びます。僅かですが希望が見えるシーンでした。
そして巡回医療で北京からきた医療団の看護婦江月梅との出会いは印象的なシーンでした。月梅たちが乗った医療車が路肩の泥にはまり、動けなくなってしまいます。羊飼いでその場に居合わせた一心は、もともと技術者なので泥の土を削り車を動かします。その行為に月梅はただの羊飼いでないと気づきます。その縁で破傷風になって血清が必要な一心を月梅が助けます。うわごとで父を呼ぶ一心に自らの父を重ね、月梅は匿名で陸徳志に手紙を書いて連絡します。
一心を助けた二人の中国人にドラマでありながら、心打たれてしてしまいました。二人も文化大革命の被害者です。月梅の父は病院の院長でありながら、吊るし上げで自殺していました。自殺者の娘としてレッテルを張られ、医師になる夢をたたれ巡回医療の看護婦として働く月梅。月梅は一心に、父にはない強さを感じていたのでしょう。
黄書海は中国建設のために日本から一家で来ていました。日本の祖父が孫のために使い慣れた色鉛筆を送ったのですが、色鉛筆の長さが違うという事で暗号に違いないと、スパイの容疑で逮捕されます。妻は冷たい牢獄で足腰を痛め、下放された子供たちの「寒くて眠れないので一杯のお湯がほしい」との手紙を読み、妻子のために無実のスパイ容疑を認め、労改に送られたのでした。
内蒙古の労改では一心に不利なことが様々起きてしまいます。懲罰牢に入れられ、羊飼いから汲み取りの仕事に変わりました。砂嵐が激しく吹く日に一心と月梅は再会します。「どんな状況にいても自分を見失わない人」と月梅に愛を告白されるのですが、一心は日本人である自分に関わることが月梅を不幸にすると言い、月梅の愛を受け入れる事が出来ません。とても悲しいシーンでした。
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解放軍の幹部である一心の親友力本の奔走で上訴が届き、一心が労改から解放されることになります。息子を出迎えるために陸徳志はいつ着くとも分からない一心の帰りを北京駅で寝泊まりして待ちます。
5年ぶりに苦労して帰って来た息子との再会は、子供のころ人買いから救った陸徳志と一心、八路軍の関所での父子の感動のシーンとが重なりました。見ていてあふれる涙がとまりませんでした。
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「大地の子」 NHKドラマ
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20191110/10/karennda-1/2d/51/j/o0720048014636127252.jpg?caw=800)
1995年に放送された「大地の子」は中国残留孤児が、戦争、文化大革命、日中国交回復と、歴史の過酷な運命に翻弄されたにもかかわらず、中国の大地で生きて行こうと決心するドラマチックで骨太なドラマです。
このドラマで感動するのは上川隆也扮する「陸一心」の生き方です。どんなに理不尽な出来事にもくじけず、過酷な環境のなかでも自分を見失わないで精いっぱい生きて行こうとする、概して人は困難な状況に陥った時失望し、自暴自棄になったり、死を選んだりします。一心はそれでも生きて、その中で知恵を使い一生懸命に働き、まわりに感動をあたえます。視聴者にも勇気を与えると思います。
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ドラマではこれでもかと悪い中国人がでてきますが、「朱旭」扮する主人公一心の父親「陸徳志」の出現で、ドラマを観ていて救われるような気がします。このような人がいるので、残留孤児を助けて育てた中国の方には感謝の気持ちでいっぱいになります。
陸一心(日本名松本勝男)は想像を絶する敗戦まじかの満州で記憶と言葉を失い、妹とともに残留孤児として売られ、農家で家畜並みの扱いを受けます。袋だたきにあいながらも逃げ出し、人買いに売られ、ペストにかかり、死線をさまよいます。中国人の篤志家で小学校の教師である陸徳志は、自身の防寒コートと交換して人買いから一心を助けます。重体の一心を手厚く看病し、我が子として育てていきます。
中国は日本の関東軍が去った後、毛沢東の八路軍と蒋介石の国府軍の内乱になります。八路軍の攻勢で人々は八路軍側へ行こうと、国府軍と八路軍の関所の間の真空地帯に大勢の人が押しかけて、餓死者もでるほど悲惨な状況になりました。陸徳志一家は命からがら関所にたどりつきますが、八路軍の関所で一心が日本人と分かりそうになり、陸徳志が犠牲的精神で素晴らしい父親の情愛をみせて、難所を無事通り抜けることができます。
![イメージ 3](https://stat.ameba.jp/user_images/20191110/10/karennda-1/8b/04/j/o0250019014636127256.jpg?caw=800)
優秀な一心は大連工業大学に入学します。しかし日本人であるという運命はどこまでも、一心を追い詰めて行きます。大学時代の恋人とも別れます。
文化大革命の嵐が吹き荒れ、北京鉄鋼公司で技師として働く一心は日本人であるがゆえにスパイと決めつけられます、一心の理不尽で過酷で悲惨な運命が又始まります。
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![イメージ 7](https://stat.ameba.jp/user_images/20191110/10/karennda-1/2b/a4/j/o0150015014636127270.jpg?caw=800)
![イメージ 8](https://stat.ameba.jp/user_images/20191110/10/karennda-1/74/1d/j/o0094012714636127273.jpg?caw=800)
![イメージ 9](https://stat.ameba.jp/user_images/20191110/10/karennda-1/5e/d0/j/o0098010714636127276.jpg?caw=800)
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「チャングムの誓い」④ 「食医」
「チャングムの誓い」を41話まで観ました。韓国時代劇を観ていると、強くなければ生きていけないのだとつくづく思います。
チャングムは水刺官時代に師匠のヤン・ミギョンと一緒に、キョン・ミリの悪事をあばこうとして、逆に無実の罪を着せられて謀反の罪でチェジ島に送られ、その道中で母と慕う恩師ヤン・ミギョンを死なせてしまいます。
悲しみは癒えず、島に流されても復讐する気持ちは収まりませんでした。何度も脱走を試みますが、医女になれば宮中へ戻れるかもしれないと島の医女キム・ヨジンに教えを受け、一生懸命勉強します。
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チャングムは医女試験に合格し、厳しい教授パク・ウンスに認められて見習い医女として、宮中に戻ってきます。仇敵キョン・ミリ、ホン・リナはチャングムの出現にとても驚き、何とか宮中追い出しを画策します。
先輩医女の誤診に気づき、王妃の一命を救うのですが、妬みの対象になり、先輩医女はキョン・ミリと通じ合い、チャングムはまたしても宮中で大変なことに見舞われるのです。チャングムの追い出しを謀る先輩医女と医局長官。疫病の村で一人取り残されるチャングムをチ・ジニが助け出します。
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「ホジュン」に、宮廷ドラマの「女人天下」や「チャン・ヒビン」を取り混ぜたような展開になってきました。「女人天下」や「チャン・ヒビン」では後宮の医女たちが女官の取り計らいで、体に悪い漢方薬を盛ることがしばしばありました。薬というのは使い方や人の体質によっては、毒にもなってしまうのです。「王の女」「宮廷女官キム尚宮」でも、体に良いものとして王の病状に合わない食事をだし、王が亡くなってしまいます。
宮中の医女は陰謀の片棒担ぎもして、女官の頼みで流産の漢方薬を処方することもあります。チャングムの親友パク・ウネも体質に合わない滋養食で、危ない目に会いますが、これからどうなるのでしょう。
37話の「食医」は素晴らしいお話でした。皇太后がチャングムの恩師パク・ウンスの治療を拒否します。病気が悪化し,一刻の猶予もないのに、王との政治的なかけひきで治療を拒んでいます。さらに恩師パク・ウンスを罷免するとのこと。
その緊迫した状況でチャングムは皇太后とかけひきをします。チャングムは「私の出した問いに皇太后様が答えられなかったら、治療を受けて下さい。答えることが出来たら私の命をさしあげます。ただし答えられても、皇太后様は治療は受けられるでしょう」と。
「人を当てる問いでございます。
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その方は、古くからの食医でございました。
明国皇帝の食医はその方に由来すると言われています。
またその方は一家のしもべで、あらゆる辛い仕事をしながらも
全員の師匠でもありました。
この方が生きているこの世は山でありましたが、
亡くなるとこの世は水に沈んだという伝説があります。
この方とは誰でしょうか」
答えは”母”でした。皇太后は自分だと悟るのです。そして子である王の気持ちも。 チャングムは王や王妃の前で説明します。![イメージ 5](https://stat.ameba.jp/user_images/20191110/10/karennda-1/e8/a5/p/o0180018014636127497.png?caw=800)
![イメージ 5](https://stat.ameba.jp/user_images/20191110/10/karennda-1/e8/a5/p/o0180018014636127497.png?caw=800)
「その方の主な役目は食医でございますとは、
母親は子供の食べるもの、着るもの、眠る事、体の調子に気をつかいます。
食医とは、王様が召し上がってはならない食べ物とは何か、
逆に何を召し上がるのが王様のお体に良いのか、
昼夜を問わず、王様の健康を考えるのが仕事です。
それゆえ明国の皇帝が置いた食医の由来は母なのです。
ですから皇后様は王様の母君であり、食医でもあられます」
「その方は一家で一番辛いしもべで、実は全員の師匠だと申し上げたのは、
母親というのは、子には寒い思いもひもじい思いもさせず、
自分は辛くとも、子には平穏を与え
子供のためならば、たとえどんなに辛い思いをしても必死に働くからです。
しかし母のこの慈しみがなければ、
子は何一つ自分の身に付けることができないのでございます。
ゆえに、母親は一家の最も辛いしもべであり、
誰よりも素晴らしい師匠だと思うのです」
「生きていればこの世は山ですが、いなくなればこの世は水に沈むというのは」
チャングムの問いかけに皇太后が答えます。
「生きている限り、私は王を守る山であるが、![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20191110/10/karennda-1/a5/c6/j/o0092012614636127498.jpg?caw=800)
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20191110/10/karennda-1/a5/c6/j/o0092012614636127498.jpg?caw=800)
死ねば王の涙で、この世は海になるであろう。
母である私が、どうして王が苦しむことを望むであろうか」
チャングムの問いかけと機転で、皇太后は治療を受けるのでした。この問答に感動しました。
キムヨンヒョン作家の脚本、"母”を表現する詩的な比喩は素晴らしいですね。
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韓国時代劇 朝鮮王朝 「イサン 正祖大王」(2007年~2008年MBC)
張嬉嬪(チャン・ヒビン)の子「景宗王」(第20代王 キョンジョン)が在位4年で逝去した後、チャンヒビンの仇敵チェ氏(後の淑嬪)の子が第21代王「英祖」(ヨンジョ)(1724~1776)として即位します。英祖は朝鮮王朝歴代最も長生きし、在位期間も52年と最も長い王でした。
英祖は母が宮女の下女で卑しい身分であったため、劣等感もあり、賢い王となるよう非常に努力した王でした。政局は小論派(景宗派)と老論派(英祖派)に分かれており、老論派を徴用しましたが常に党派争いはありました。
英祖の子、「荘献世子」は第2王后「貞純」(ジョンスン)と老論派の陰謀により、謀反の罪で父英祖の怒りを買い、廃世子になり1762年に米びつの中で餓死してしまうという痛ましい出来事があります。
この時代のドラマには「大王の道」(1998年MBC)があります。
ドラマ「イサン正祖(チョンジョ)大王」は無念の死を遂げた荘献世子の子イサンが、第22代王になりその治世までを描いたドラマです。
イサンは10歳のときに、祖父の英祖王によって米びつに閉じ込められた餓死寸前の父を助けようと、父の蒔絵を祖父に渡します。しかし祖父は取り合ってくれず、父の最期を迎えることになります。父の死はイサンの生き方にも大きく影響します。
英祖王は孫のイサンを世孫として認めますが、無理難題を押し付けて厳しく接します。その裏にはイサンを王世孫と認めない貞純王后と老論派の画策がまたしてもあり、イサンは一つ一つ無理難題を解決して行きます。今で言う広報にあたる図画署のソンヨンとの愛、固い友情で結ばれたテスの活躍、王族の陰謀、暗殺未遂と王になるまで波乱万丈な半生を送ります。
英祖王の逝去後、イサンは第22代王「正祖王」(チョンジョ)(1776~1800年)となり、晴れて父親の無念を晴らし、地位を回復します。老論派を牽制し、数々の改革、例えば「身分制度が強い朝鮮で優れた庶子を登用する」、「人民の声を直接聞き入れ政策に反映する」など、大幅な政治改革を行いました。
重臣たちの反抗もあり、朝廷内部ではかなり不満も溜まっており、改革の先方を担うホングギョンとの行き違い、盟友を流刑にするしかない正祖、老論派との権力争いで王になっても心穏やかな日がありません。唯一やさしい王妃と側室のソンヨンがイサンの安らぎでした。遷都の計画もあり、予定地水原に着々と建設していきます。
歴代王の中で、民衆の声も聞き、優れた政治経済改革をすすめた王「正祖」でしたが、1800年夏に突然倒れてしまい亡くなってしまいます。その原因は重臣による毒殺とも噂されましたが、近年学者の研究により胃の病気でなくなったとの説が有力になりました。
この時代を背景としたドラマには、図画署と絵師キムホンドとシンユンボクを描いた「風の絵師」(2007年SBS)があります。
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「チャングムの誓い」③ イヨンエ出演ドラマ
![イメージ 7](https://stat.ameba.jp/user_images/20191110/10/karennda-1/46/b6/j/o0092012614636127460.jpg?caw=800)
「チャングムの誓い」ではイ・ヨンエの魅力が十二分に発揮されました。聡明で美しく、清く正しい人。韓国の女優では声が一番きれいでやさしい人です。
「チャングム」を観た後にイヨンエのドラマを10作観たのですが、意外だったのは「チャングム」のイメージと違う役柄が多かったことでした。
家庭の事情や貧乏などで環境に恵まれなかったり、シニカルで世の中を斜めに見てしまうような、一言でいうと屈折した性格の役が多かったことです。
「アスファルトの男」1995年(SBS)のイ・ヨンエは不幸の極めつけでした。派手な化粧で米軍クラブに出入りし、未婚の母になり、韓国にいられずアメリカへ渡ります。苦労と貧乏のなかで働きながら娘を育てます。アメリカ人と結婚するも、酒を飲むと人が変わり、暴力を振るう酒乱の男でした。このドラマは他の話しも暗くて重くて、途中でギブアップしました。![イメージ 6](https://stat.ameba.jp/user_images/20191110/10/karennda-1/c1/b0/j/o0360009014636127462.jpg?caw=800)
![イメージ 6](https://stat.ameba.jp/user_images/20191110/10/karennda-1/c1/b0/j/o0360009014636127462.jpg?caw=800)
「宮廷女官キム尚宮」1995年(KBS)では朝鮮王朝歴史上3大悪女であるキム尚宮を演じました。「チャングムの誓い」のキョン・ミリ以上の悪役で、光海君のために王を毒殺します。
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20191110/10/karennda-1/d5/a8/j/o0403013014636127467.jpg?caw=800)
「絆」1996年(MBC) イ・ヨンエは孤児院育ちで、ミステリアスで暗い影のある役です。ただ話が重くて暗くて古臭くて、途中でギブアップしました。
「私が生きる理由」1997年(MBC) ソン・チャンミンと共演で二人とも汚れ役を演じています。家が貧乏、親が病気なので、性格は地味で真面目でお酒が飲めないのに、家族のために場末のバーでホステスをしています。
「ドクターズ」1997年(MBC) 冷たくて利己的なチャン・ドンゴンを愛していますが、チャン・ドンゴンはイ・ヨンエのことを都合のいいときだけ呼び出して付き合うだ
けの女としてしか思っていません。愛のないチャン・ドンゴンとは別れるべきだとは思っていますが決心がつきません。「チャングムの誓い」とは正反対の、明るさのない屈託のある役を演じています。
![イメージ 2](https://stat.ameba.jp/user_images/20191110/10/karennda-1/c6/c0/j/o0334012014636127471.jpg?caw=800)
「波」1999年(SBS) 両親がいなくて、祖母に弟と育てられた貧乏大学生で、イ・ジェリョンと付き合いますが、学費稼ぎのため、クラブでホステスをします。それがイ・ジェリョンにわかってしまい、罵倒され病気になり、お寺にこもってしまいます。コンプレックスがあって晴れ晴れとしませんが、どうにか誤解も解けて結婚し、大家族の一員として、長男の嫁としても認められ、本来の素直なイ・ヨンエになります。
「インビテーション」1999年(KBS) イ・ヨンエにはイ・チャンフンという恋人がいるのに、結婚に踏み切れません。偶然再開した幼馴染のキム・サンギュンはイ・ヨンエの親友キム・ミンの婚約者でした。キム・サンギュンは婚約者を捨ててイ・ヨンエに迫ります。イ・ヨンエは、キム・サンギュンと親友のキム・ミンとイ・チャンフンの間で、ドロドロの四角関係に悩み苦しみます。
![イメージ 3](https://stat.ameba.jp/user_images/20191110/10/karennda-1/bf/4b/j/o0450015414636127474.jpg?caw=800)
![イメージ 4](https://stat.ameba.jp/user_images/20191110/10/karennda-1/ba/63/j/o0381011014636127477.jpg?caw=800)
「真実のために」1998年(MBC) 「チャングムの誓い」と同じ脚本家キム・ヨンヒョンの作品です。このドラマでやっと「チャングム」に近い、清く明るく前向きなイ・ヨンエを観ることができました。弁護士役のソン・チャンミンと共演です。二人とも正義感が強く、貧しい人や弱い人の力になって、金持ちや権力者と戦います。イ・ヨンエは暖かく思いやりのある人にピッタリなのです。![イメージ 5](https://stat.ameba.jp/user_images/20191110/10/karennda-1/a5/4d/j/o0196012614636127479.jpg?caw=800)
![イメージ 5](https://stat.ameba.jp/user_images/20191110/10/karennda-1/a5/4d/j/o0196012614636127479.jpg?caw=800)
イ・ヨンエには「チャングム」や「真実のために」のような、正しくやさしくくじけない、いつでも前向きな人を演じ続けてほしい。屈折した役や暗い役は他の人でもできますが、「チャングムの誓い」はイ・ヨンエでなければ演じられなかった、と強く思うのです。
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