人が生きる世の中(サランサヌンセサン)
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太陽の王子 ホルスの冒険
閉幕前日に高畑勲展に行きました。高畑勲展 会場の中、東映動画「太陽の王子 ホルスの大冒険」のブースが大きかったのでこれは観なきゃと思い、ツタヤで借りて観ることにしました。初の高畑勲監督作品の劇場用アニメで1968年7月21日夏休みから公開。51年経ってから作品を観ることになります。
展示に誘われて「太陽の王子 ホルスの大冒険」を観たので先入観+期待感もあり私には楽しめた作品でした。ヒロイン「ヒルダ」は悪魔なのか人間なのかという問いが展示ブースのなかでも目立ち、根強い「ヒルダ」ファンが存在することも助けになりました。寂しそうな表情をした「ヒルダ」とはどんな少女なのか興味津々でした。
ていねいに作られた一つ一つのシーンからあふれ出る躍動感には新鮮な驚きでした。アイヌの人々が鮭の大漁に大喜びして鮭を運ぶコミカルな動きは、とても楽しくて少数民族のお祭りの儀式をみているようでした。いつも寂しそうなヒルダの表情。疎外感を感じ、ふもとから人間の幸せを恨めしく悲しそうに見つめるヒルダの怒り。村を破壊するネズミの大群は臨場感たっぷりで怖かった。
人間と悪魔の闘い、内なる悪魔と良心の闘い、迷いの森という悪魔の巣に陥ってもがく苦しみは現在の中国ドラマの中でもでてきます。この作品がオマージュになっているのかと思うほどです。闘いに勝利して平和なアイヌが戻りハッピーエンドで終わります。
哲学的で政治的なテーマでした。悪魔とは何なのか、人間は悪魔に打ち勝つことができるのか、猜疑心で人々がバラバラになり、信頼を取り戻して再び団結する過程を描きました。50年前の作品なのに、現在にもつながる永遠のテーマだと思います。
一方、児童には分かりにくて馴染めなかった映画かもしれません。地味なアイヌのモチーフに感情移入しづらい面もあったのではと思います。ホルスの生まれた背景、ホルスと太陽の剣とのかかわりがはっきりしなくて、冒険のワクワク感があまり感じられず、「ヒルダ」の人物設定が曖昧で表情が寂しすぎたかもしれない。音楽も地味で、もっと華やかで軽やかな音楽だったなら、楽しめたはずではと思いました。
「太陽の王子 ホルスの大冒険」は公開当時は興行不振で失敗作とも言われた作品とのことです。高畑勲の作品に込めた熱い想いが強過ぎて児童向けとしては難しかったのでしょうか。
人間と悪魔の闘いという単純でいて難解なテーマを持つ「太陽の王子 ホルスの大冒険」をテレビアニメにして連続して放送すれば、失敗作と言われずヒューマンな作品として名を残せたかもと思ったりします。
この映画についてはたくさんの感想・批判、高畑勲の反省が存在しています。
参考になるでしょうか。
https://realsound.jp/movie/2019/08/post-401807.html
https://realsound.jp/movie/2019/08/post-401807_2.html
https://realsound.jp/movie/2019/08/post-401807_3.html
監督:高畑勲
脚本:深沢一夫
声の出演:大方斐紗子(ホルス)、市原悦子(ヒルダ)、平幹二朗(悪魔)、東野英治郎、三島雅夫、永田靖、横森久、横内正、赤沢亜沙子、堀絢子
あらすじ(ウイキより)
悪魔グルンワルドの手から自分の息子を守りたいという一心で、父の手によって他の人間の許から離されて育ったホルスは、ある日岩男モーグに出会い、モーグの肩に刺さっていた太陽の剣を抜き取る。モーグはそれをホルスに与え、それを鍛え直した暁にはそれを持つ者は太陽の王子と呼ばれるようになり、モーグ自身もその許に馳せ参ずるだろうと告げた。意気揚々と走り回るホルスだが、次にホルスを待っていたのは父が危篤であるという知らせだった。ホルスの父は、ホルスを人間の元から離して育てた事は間違いであり、他の人間の所に向かうようにホルスに告げて、息絶える。
父の遺言に従い、他の人間の住む陸地に辿り着いたホルスだが、早々にグルンワルドの手下に捕らえられてしまう。その後グルンワルドとの対面を果たすが、グルンワルドの弟になることを拒んだために崖から突き落とされる。太陽の剣のおかげで九死に一生を得たホルスは、気を失っていたところをガンコ爺さんに助けられ、ガンコ爺さんの鍛冶仕事に関心を持つ。
しかしその村はグルンワルドの手下である大カマスのために魚が獲れず、食料不足に苦しんでいた。大カマスの退治に向かった若者達が為す術も無く帰ってきた様子を見たホルスは、一人大カマスのいる滝壺に向かい、見事大カマスを仕留める。一人で大カマスを仕留めたと言うホルスに村人は驚きを隠せないが、程なくして再び魚がやってくるようになり、ホルスは一躍村の英雄となった。しかしそれは同時に村長とドラーゴの嫉妬心を買う事も意味していた。
死んだとばかり思っていたホルスが、大カマスを退治したという知らせを聞いたグルンワルドは、狼たちを村に遣わすが、一致団結した村人の前は歯が立たず、多くが討たれる。討ち逃した銀色狼を追っていたホルスは、廃墟の村の中でヒルダと出会い、孤独な境遇に親近感を抱いて村に招く。ヒルダはその美しい歌ですぐに村人たちに気に入られた。
しかしヒルダは、過去の記憶が足枷となっているのか、協調的に生きる村人の輪に入る事が出来ない。ヒルダの孤独感はむしろいや増し、それに伴ってヒルダの悪魔としての心が呼び覚まされていく。トトにそそのかされたヒルダは、村人たちにホルスに対する疑念を抱かせ、ホルスを迷いの森へと誘い込む。
迷いの森に堕ちたホルスは、次々に襲ってくる幻想に苦しめられるが、その中でグルンワルドに対抗する手がかりをつかむ。村人全員が力を合わせれば、グルンワルドに対抗する力に成り得ることを知ったのである。ヒルダの心の葛藤も見破ったホルスは、ヒルダの人間の心を呼び覚ますことにも成功する。
ホルスのいなくなった村では、グルンワルドの出現におののいていた。グルンワルドの魔法で村は吹雪に襲われるが、その中でもガンコ爺さんやポトムたちがグルンワルドに対抗しようと必死に策を練っていた。ガンコ爺さんが積み上げた薪に火をくべ、村人を団結させたところにホルスが舞い戻り、団結の象徴であるその火で太陽の剣を鍛え上げる。約束通りモーグも応援に駆けつけ、グルンワルドは退散を余儀なくされる。勢いづいた村人たちはグルンワルドの城まで追い討ちをかけ、モーグによって太陽の光を浴びせられてグルンワルドがひるんだところにホルスが太陽の剣でとどめを刺し、グルンワルドは倒れる。
ヒルダは、雪の中を彷徨うフレップとコロに命の珠を与えたが、息絶える事はなかった。勝利に沸く村にヒルダも現れ、ホルスがヒルダの手を取り、ポトムたちと駆けていくところで大団円となる。
高畑勲展
「日常生活のよろこび(アニメーションの新たな表現領域を開拓)」の展示場では、「パンダコパンダ」から始まり「アルプスの少女ハイジ」「赤毛のアン」「母をたずねて三千里」「ミニシアター」があり、このブースは混んでいました。「ハイジ」「アン」のキャラクター作りに高畑勲がどれほどこだわったかと、新しい発見でした。最初のハイジは三つ編みのしっかりした顔つきで意思が強そう、ヤギたちと一緒になって飛び跳ねるようには思えません。スイスに現地調査に行った時の写真も見ました。絵コンテは楽しかったです。
日本文化への眼差し(過去と現在の対話)の会場では、「セロ弾きのゴーシュ」「じゃりン子チエ」「柳川掘割物語」のブースを出ると「火垂るの墓」の巨大な美しいポスター(セル画?)が輝いていました。「火垂るの墓」と「おもひでぽろぽろ」と「平成狸合戦ぽんぽこ」はそれぞれ独立したブースでした。
スケッチの躍動(新たなアニメーションへの挑戦)の会場では、軽いタッチの絵柄「ホーホケキョとなりの山田くん」の次は和の香りのする「かぐや姫の物語」でした。一番大きいスペースだったようです。繊細でパステルのような、これまでと違うアニメの世界でした。
ドラマや映画制作は脚本家が書いたセリフ・ストーリーを元に、俳優が演じて監督が演技・撮影の指導や映像の調整や製作を行い作品が出来上がります。
絵が動く!漫画が動く!当たり前にアニメを観ていました。手仕事なアニメ制作の過酷な現場を想像することはできても、ストーリー、キャラクター作り、背景、音楽、声優と作品全体がどのように制作されたのか、考えたことはありませんでした。
アルプスの少女ハイジ④エンディング”待っててごらん””おしえて完全版”
エンディングまでかわいい! ”待っててごらん”(大杉久美子)
アルムの山で元気に飛び回っていたハイジは都会のフランクフルトへ行くことになります。そこにはお屋敷に車イスで寂しく過ごすお嬢様クララがいました。明るいハイジと一緒に過ごすうち、クララにとってハイジは無くてはならない大事な存在になっていくのでした。。
自由なハイジにはかごの鳥のような生活は無理がありました。山に帰りたい気持ちとクララへの配慮でハイジはとても苦しんでしまいます。
ハイジは山に帰ることになり、暖かい春にクララが山へ行くことに。再会を待つ二人の友情がとっても素敵です。ついに山へ来たクララの本格的なリハビリが始まり、温かいリハビリ生活が希望につながります。
「アルプスの少女ハイジ」制作に関する詳しいお話が『ひたすら映画を観まくるブログ』さんのブログにありました それを読むと制作の現場がどんなに過酷だったかわかります。だからこそアニメ史上の名作なのだ!と興奮しています。 https://type-r.hatenablog.com/entry/20180518 (記事にいけないのでブログ内で高畑勲を検索すると「高畑勲アルプスの少女ハイジはこうして作られた」の記事に行ける)
「アルプスの少女ハイジ」 1974年 52話 ズイヨー映像
原作 ヨハンナ・スピり
演出 高畑勲
脚本 吉田義昭 大川久男 佐々木守
絵コンテ
シリーズ構成 松本功
場面設定・画面構成 宮崎駿
キャラクターデザイン・作画監督 小田部洋一
音楽 渡辺岳夫
美術監督 井岡雅宏
撮影監督 黒木敬七
ナレーション 沢田敏子
声優 杉山佳寿子(ハイジ) 宮内幸平(アルムオンジ) 小原乃梨子(ペーター) 吉田理保子(クララ) 麻生美代子(ロッテンマイヤー) 肝付兼太(セバスチャン) 川路夏子(クララ祖母) 鈴木泰明(クララ父) 中西妙子(ハイジ叔母) 島美弥子(ペーター祖母) 坪井章子(ペーター母)
「アルプスの少女ハイジ」は物語も起・承・転・結があります。アニメ全体が美しくて、音楽もよくて、声優の演技でキャラクターが生き生きとしています。
ペーターが気に入っていました。声優の小原乃梨子は「ドラえも~ん」の「のび太」だったのですね。ブリジッド・バルドー、シャーリー・マクレーン、ジェーン・フォンダ、アン・マーグレットも演じているのですね。すごいな!
愛、希望に満ち溢れた作品です。素晴らしい。DVDに撮っててよかった。何度でも繰り返し見たいです。
「アルプスの少女ハイジ」③ ”夕方の歌” ”ペーターとわたし” ”アルムの子守歌”
”夕方の歌”(大杉久美子)は寂しいけれどとっても素敵な歌。山で一日楽しくヤギたちの世話をして家路へ戻る、充実した山の生活です。
同じメロディのチェロバージョンが https://youtu.be/0_4MvV4S5_Q ”山へ帰りたい”です。フランクフルトで生活するハイジの切実な叫びを奏でています。
”ぺーターとわたし”(大杉久美子)
年上のペーターと仲良くなって、ヤギ飼いの手伝いをしていろいろなことを教えてもらうハイジでした。お母さんと目の見えないおばあさんと3人で村外れの家で暮らしているペーター。亡くなったお父さんもヤギ飼いで、小屋にはお父さんが作ったソリや仕事で使っていた大小の鈴がありました。ハイジのおじいさんに「大将」と呼ばれているペーターは、勉強が苦手で大工仕事が得意です。 ペーターと一緒にヤギ飼いをして一面のお花畑や、山の高い場所にある美しい湖に連れて行ってもらいました。アルプスの大自然の驚異も目の当たりにします。突然の雨、深い霧、強い風、白い雲の中、白銀の雪、吹雪。3年間暮らしたアルムで巡り来る季節の一つ一つの変化も、ハイジには大きな喜びでした。
”アルムの子守歌”伊集加代子ヴァージョン
Nelly Schwartzの歌で”アルムの子守歌”全曲 https://youtu.be/U7gVMOB2xnw
アルプスの少女ハイジ②ユキとわたし
”ユキとわたし”
「アルプスの少女ハイジ」で1話から出ている子ヤギのユキちゃんはハイジになついています。ユキちゃんの表情がとっても可愛いい。良いお顔に描いてくれた宮崎駿さん小田部洋一さんに感謝します。 明るく天真爛漫なハイジですが、悲しい出来事には強く心を痛めてしまう繊細な面もあります。怖い夢も見るのでした。そんなハイジにおじいさんがアドバイスをします。 ハイジとペーターは薬草を求めて危ない岩場や崖っぷちまで採りに行きました。二人の一生懸命に努力する行為は観ていて感動します。諦めないハイジです。
ユキちゃんのシーン
”ユキとわたしハイジバージョン”
ハイジがユキちゃんの歌を歌います。。。。。。愛しい。。。。。。。。。
アルプスの少女ハイジ
1974年放送の「アルプスの少女ハイジ」を45年経って初めて観ました。歌は知ってて歌えます。お話しの内容も何となく知っていました。でもアニメを観たことはありませんでした。8月にファミリー劇場で「アルプスの少女ハイジ」が一挙放送されたので楽しく観ることができました。オープニングで野を歩くハイジと可愛い表情の子ヤギ、ユキちゃんと小鳥のピッチ。
一言、感動で胸がいっぱいです。ハイジを慈しむ山々の美しい風景。アルムの山にポツンと建つ山小屋、もみの木の巨木、動物たち、高原の花々。
小さな部屋で暮らしてきたハイジがアルプスに来て、両手を広げて自由にからだいっぱいアルムの山や野原を駆け回り、アルムの自然そのものになっていきます。そう、魔法のように。
ハイジは、人、動物を問わず全てに愛を与えていきます。頑なに人を遠ざけていたおじいさん、ヤギ飼いの貧しいペーター少年、そしてフランクフルトで出会い一番の親友になったクララに。感動に満ち溢れた展開は「アルプスの少女ハイジ」を観た視聴者に大きな喜びを与えたことでしょう。
2時間という映画では味わえない52話の丁寧なお話。テレビドラマならではではないでしょうか。アニメに携わったすべての制作者に乾杯です。原作を素晴らしくアレンジした演出の高畑勲、画面構成の宮崎駿、キャラクターデザインの小田部洋一、美術監督の井岡雅宏、音楽の渡辺岳夫、杉山桂寿子(ハイジ)、小原乃梨子(ペーター)、宮内幸平(アルムオンジ)など見事な声優陣。
完成度の最も高い作品です。ストーリー、絵の美しさ、絵の動き、声優の演技力、オープニングからエンディングまで。観終わった後も、ずっと「アルプスの少女ハイジ」の世界に浸っていたい。そんな2019年の夏でした。
採点10点満点中10点
キャンディキャンディ
世界アニメ名作劇場「ロミオの青い空」ロミオとアルフレド
28話から。
アルフレドの汚名を晴らすため、王様の舞踏会へ潜り込むシーン。仲間たちの手助けが頼もしい。
世界アニメ名作劇場「ロミオの青い空」
1995年1月~12月まで放送 33話
アニメ 世界名作劇場「小公女セーラ」
「小公女セーラ」放送終了しましたね。久しぶりの私の中での大ヒット。日曜日が待ち遠しかった。プリンセスセーラの旅立ちを、気持ち良く見送ることができました。下成佐登子の「花のささやき」にのって。