goo

1966年の映画音楽 ⑮「唇からナイフ」ジョン・ダンクワース、エディー・パルミエリ & カル・ジェイダー

 

 

 映画「唇からナイフ(Modesty Blaise)」のテーマ曲です。「唇からナイフ」は漫画の映画化で、スパイ映画全盛時代の1966年に公開されました。、監督はジョゼフ・ロ-ジー(Joseph Losey)、主演はモニカ・ヴィッテイー(Monica Vitty))、テレンス・スタンプ(Terence Stamp)、ダーク・ボガード(Dirk Bogarde)とスパイ映画とは思えない本格的な配役です。

 ジョゼフ・ロ-ジーは娯楽映画からほど遠い「召使」(1963年)「できごと」(1967年)「恋」(1970年) などの芸術派の監督なので、他のスパイ」映画とは違うテイストがあり、クールで個性的な面白い映画になっています。

 音楽は英国の作曲家,、ジャズ・サックス奏者のジョン・ダンクワース(John Dankworth)です。ジョン・ダンクワースは「唇からナイフ」以外に、ジョゼフ・ロ-ジーの映画「コンクリート・ジャングル(Criminal)」(1960)「召使(The servant)」(1963年)「できごと(Accident)」(1967年)のサウンド・トラックを作曲しています。

 

 

 

 カル・ジェイダー(Cal Tjader)とエディー・パルミエリ(Eddie Palmieri)aのアルバム「El Sonido Nuevo」(1966年)から唇からナイフ”です。ニューヨーク・ラテン、サルサの第一人者エディー・パルミエリのピアノと、カル・ジェイダーのヴィヴラフォン・ソロが涼し気で気持ちの良いラテン・ジャズです。アレンジはエディー・パルミエリです。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

1964年~66年の映画音楽 ⑭「卑怯者の勲章」より「エミリー」ジョニー・マンデル、トニー・ベネット

 

 ジュリー・アンドリュース(Julie Andrews)、ジエームス・ガーナー(James Garner)主演の映画「卑怯者の勲章(The Americanization of Emily)」から、"エミリー(Emily)です。1964年のアメリカ映画で、1965年のアカデミー賞で撮影賞,美術賞監督にノミネートされ、日本では1965年に公開されました。監督は「ある愛の詞」(1970年)「ラマンチャの男(Man of La mancha)」(1972年)など多くの作品を撮ったアーサー・ヒラー(Arthur Hiller)です。

 ストーリーは1944年の第二次世界大戦を舞台にした、皮肉で辛辣なところのある反戦コメディーです。ジュリー・アンドリュースとジエームス・ガーナー共に,出演した映画のなかで最も好きな映画の一つと語っています。それにしても日本題名の「卑怯者の勲章」は映画の内容と違い過ぎて、映画ファンにとって大きくマイナスだったと思います。

 音楽は1940年代からジャズの演奏家、作曲家、編曲家として活躍し、1958年に「私は死にたくない(I Want to Live)」で大胆にジャズを映画音楽に導入して成功したジョニー・マンデル(Johnny Mandel)です。作詞は”ムーンリバー”や”酒とバラの日々”でオスカーを獲得したジョニー・マーサー(Johnny Mercer)です。You Tubeでは版権の関係からかテーマ曲はUPされていないので、サウンド・トラックより挿入歌の"Vacation of Sessex"をUPします。1分過ぎからテーマ曲の"Emily"を聴くことができます。ジョニー・マンデルの作品中、"いそしぎ(The Sand Piper)"の”The Shadow of Your Smile”と並ぶ名曲です。

 

 

 

 トニー・ベネット(Tony Bennett)のアルバム「THE MOVIE SONG ALBUM」(1966年)から"エミリー(Emily)"です。このアルバムはジョニー・マンデルが音楽監督を務め、マンデル、ニール・ヘフティ'(Neal Hefti)、クィンシー・ジョーンズ(Quincy Jones)がアレンジを担当しています。

 "エミリー(Emily)"はフランク・シナトラ(Frank Sinatra)、バーバラ・ストラザンド(Barbra Streisand)、アンディー・ウィリアムス(Andy Williams)など多くの歌手のレパートリーになっていますが、個人的にトニー・ベネットがベストだと思います。

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

1964年~66年の 映画音楽 ⑬「リオの嵐(OSS117)」ミッシェル・マーニュ

 

 フランス版「007」の「OSS117」シリーズ3作目「リオの嵐(Furia a Baia Pour OSS1,1,7)」(日本未公開の1957年作「OSS117と呼ばれる男」を入れれば4作目)です。1965年製作で、日本では1966年に公開されました。主演はフレデリック・スタフォード(Frederick Stafford)、共演はフランスの美人女優ミレーヌ・ドモンジョ(Mylene Demonoget)、監督は1960年代半ばに「ファントマ」シリーズ3作を撮ったアンドレ。ユヌベル(Andre Hunebelle)です。この作品以前に「OSS117」(1964年日本公開)、「OSS117 バンコバンコ作戦」(1965年日本公開)がスパイ映画ブームのなか上映されています。

 音楽はフランスの名作曲家ミッシェル・マーニュ(Miichel Magne)です。この映画は日本公開時、オリジナルのテーマ曲をオーケストラとエレキ・サウンドに編曲しなおし、日本人の楽団が演奏したものをテーマ曲として使いました。ミッシェル・マーニュのオリジナル・テーマ曲はラテン調にアレンジされています。

 文化放送「ユア・ヒット・パレード」では1966年5月2日に20位で初登場、6月20日,、27日、7月4日に最高位2位、8月22日に14位までランクされました。「八木誠の洋楽ヒットチャート大事典」では1966年16位に選ばれています。

 

 

 

 

 ミッシェル・マーニュが作曲し映画で使われたオリジナルのテーマ曲です。映画の舞台がブラジルのリオなので、ラテン調のアレンジです。

 

 

 

 「リオの嵐」のサウンド・トラックからテーマ曲をラテン・ジャズにアレンジしたものです。映像から1960年代の娯楽映画のゆったりとしたおおらかな楽しさが伝わってきます。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

1964~66年の映画音楽 ⑫「殺しのエージェント(The Liquidator)」

 

 1960年代は映画「007シリーズ」の世界的大ヒットで続々とスパイ映画が登場しました。「殺しのエージェント(The Liquidator)」は、1930年代後半から名カメラマンとして活躍していたジャック・カーディフ(Jack Kardif)が監督、主演はロッド・テイラー(Rod Talor)、共演はトレヴァー・ハワード(Trevor Howard)、ジル・セント・ジョン(Jill St,, John)、音楽は名匠ラロ・シフリン(Lalo Shifrin)です。1965年に製作されましたが版権の問題があって公開が遅れ、日本でも1966年に公開されました。

 テーマ曲は「007/ゴールド・フィンガー」で一躍注目を浴びたシャーリ・ーバッシー(Shirly Basseyが起用され、スパイ映画らしい迫力のある歌を聴かせます。文化放送「ユア・ヒット・パレード」では1966年11月21日に17位で初登場、12月26日に最高位6位、1967年1月16日に15位までランクされました。

 

 

 

 シャーリー・バッシーが歌う"My Liquidator"で、テーマ曲のスローなオーケストラ・ヴァージョンです。1965年にリリースされた、サウンド・トラックLPのB面6曲目に収録されています。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

映画「電撃フリントGOGO作戦」 ジェリー・ゴールドスミス

 

 「007ジェイムス・ボンド・シリーズ」が世界的にヒットしたため、1960年代半ばには各国でスパイ映画が製作されました。「電撃フリントGOGO作戦(Our Man Flint)」(1966年)もそのうちの一つで、ジエイムス・コバーン(James Coburn)主演のスパイ映画です。超人的能力を持った主人公フリントが、世界の気候変動を思いのままにする化学兵器を開発し、世界支配を企む秘密組織と戦うというストーリーです。美女に囲まれたフリントが大活躍する、お気楽で楽しいスパイ映画の傑作です。

 監督はダニエル・マン(Daniel Mann)、フリントの上司に名優リー・J・コッブ(Lee J Cobb)、音楽は「野のユリ」(1963年)「砲艦サンパブロ)(1966年)などで人気作曲家の仲間入りを果たし「オーメン」(1976年)ではオスカーを受賞、40年以上にわたり映画音楽の第一線で活躍しているジェリー・ゴールドスミス(Jerry Goldsmithです。007シリーズのジョン・バリーの作品を除いて、「電撃フリントGOGO作戦」のテーマ曲はスパイ映画のベスト3に入る名曲だと思います。

 

 

 

 「電撃フリントGOGO作戦」のテーマ曲の別ヴァージョンです。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

1964~6年の映画音楽 ⑩ 「007サンダーボール作戦」より ”キスキスバンバン”

 
 
 「007サンダーボール作戦(Thunderball」)」より、最初テーマ曲になる予定だった”キスキスバンバン(MR,Kiss-Kiss Bang Bang)”の、スローテンポのオーケストラ・ヴァージョンです。この曲は編曲され、いくつか映画で使われていますが、個人的にはこのスロー・ヴァージョンが1番好きです。
 
 
 
 
 
 ”キスキスバンバン(MR,Kiss-Kiss Bang Bang)”のジャズ・オーケストラ・ヴァージョンです。
 
 
 
 
 
 
 ジェームス・ボンドに敵の女スパイ、フイオナ(ルルチアーノ・パルッツィー)が近づき、二人はカーニヴァルの野外のダンス場で踊ります。そこに群衆の中からボンドを狙う拳銃が、銃口をボンドに定めますが。。。。。パーカッションが大きく叩かれ、音楽のテンポが速くなるところは銃口が狙っているところで、発射されると音楽はまたもとのテンポに戻ります。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

1964~6年の映画音楽 ⑨ 「007サンダーボール作戦 」 (1 ) テーマ曲 ”Thunderball"

 
 
 
 「007サンダーボール作戦(Thunderball」)は、007シリーズの4作目です。1965年12月に公開され、前作の「ゴールドフィンガー」以上のヒットとなり、世界興行収入は1965年公開の映画で「サウンド・オブ・ミュージック」に次ぐ第2位を記録、日本でも1966年映画興収第1位になり、世界的なスパイ映画ブームを巻き起こしました。
 「007シリーズ」のなかでも面白さでは、2作目の「007危機一髪/ロシアより愛をこめて」に並びますが、秘密兵器の豊富さ、アクションシーンの多さ、ラストの海中での悪の組織「スペクター」との迫力ある戦いなど見所にあふれ、私は「007シリーズ」のなかで最も好きです。
 冒頭の、ジェームス・ボンドと敵側のスパイとの格闘シーンは、カメラ・ワークとカット割りが見事で、シャープな切れ味にあふれています、敵を倒した後に、洋館のバルコニーへ逃げると、背中に背負うと空を飛べるジェットベルトがあり無事脱出。地上へ降りると美女と愛車アストンマーチンが待っていて、後部のボンネットから防弾板と、後方の敵に向かって放水する装置が使われ、画面が放水の水でゆらゆらぼやけてくると、UPしたタイトルシー・シーンになります。、
 1作目からタイトルを担当するモーリス・ビンダー(Maurice Binder)の見事なタイトルと、トムジョーンズの歌う「サンダーボール作戦」テーマ曲が流れ、最初の10分で「007の世界」へ引き込まれてしまいます。
 
 「サンダーボール作戦」のテーマ曲は最初シャーリー・バッシーの歌う”キスキスバンバン(MR,Kiss-Kiss Bang Bang)””の予定でしたが、公開間際にトムジョーンズの歌う”Thunderball"に差し替えられました。「007公開30周年」を記念してリリースされたCDで、未公開だったシャーリー・バッシーの歌う”キスキスバンバン”を初めて聴きましたが、「ゴールドフィンガー」では良かったのに、”キスキスバンバン”では合わず、トムジョーンズの歌う”Thunderball”に変えて成功だったと思いました。
 文化放送「9500万人のリクエスト」では、1965年12月15日に21位で初登場、1966年2月17日に最高位7位、2月24日に14位までランクされました。
 「TBS今週のベスト10」では12月15日に16位で初登場、12月19日、1966年1月9日、16日に1位、2月27日に18位までランクされました。
 「洋楽ヒットチャート大事典(八木誠著)」では、「1966年間ベスト100」で31位に選ばれています.。
 
 
 
 
 
 
 「007サンダーボール作戦」のテーマ曲を、スローテンポにアレンジしたオーケストラ・ヴァージョンです。   (Kann Dorao)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

1964~6年の映画音楽 ⑧ 「黄金の男」

 
 
 
 ランス映画「黄金の男(Echappement Libre)」は、監督ジャンベッケル、主演ジャ・ンポール・ベルモンド、ジーン・セバーグのコミカルなアクション映画です。音楽はジャズ・ピアニストで,映画音楽の作曲もするマーシャルソラール(Martial Solal)です。スキャットの入ったスマートな洒落た音楽です。1960年代の音楽はこんなにセンスが良くて洗練されていたのだと感心してしまいました。
  文化放送の「ユア・ヒット・パレード」では5月10日に14位で初登場、6月14日、21日に最高位2位、7月26日に10位にランクされました.
 「洋楽ヒットチャート大事典(八木誠著)」では、「1965年間ベスト100」で13位に選ばれています.。
 マーシャル・ソラールは1953年の初レコーディング以来、1950年代から2010年代まで60枚にもおよぶジャズ・ピアノのアルバムを録音しています。日本でもピアノ・トリオ好きのモダンジャズ・ファンに根強い人気があります。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

1964~66年の映画音楽 ⑦ 映画「いそしぎ」より ”Shadow of Your Smile"

 
 
 
 ジョニー・マンデル(Johnny Mandel)は、1940年代から活躍するジャズ・映画音楽の作曲家、編曲家です。1958年に映画「I Want to Live(私は死にたくない)」の音楽を担当し、全編ジャズの演奏を使い反響を呼び、グラミー賞にノミネートされました。ヘンリー・マンシーニと同じように、ジャズ・サイドからハリウッドの映画音楽に新しい風を吹き込みました。
 「いそしぎ(The Sandpiper)」はエリザベス・テイラーとリチャード・バードン結婚後の初の共演作で、監督は「パリのアメryカ人」「バンド・ワゴン」などの名作を撮ったヴィンセント・ミネリ。脚本は1950年代の赤狩りでハリウドを追放され、偽名で「ローマの休日」などのシナリオrを書き続けたダルトン・トランボ他数人の共作です。。
 
 いそしぎ(The Sandpiper)」のOSTから、”The Shadow of Your Smile"のコーラスヴァージョンです。
 映画はあまり話題になりませんでしたが、テーマ曲の”The Shadow of Your Smile"は世界中でヒットし、エラ・フィッツジェラルド、トニー・ベネットなど多くの歌手に、またジャズ・ナンバーとしてもオスカー・ピーターソン、ウェス・モンゴメリーなど多くの演奏者に取り上げられました。  
 
 
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

1964~66年の映画音楽 ⑥ 「ある晴れた朝突然に」

 
 
 
 フランス映画「ある晴れた朝突然に(Par un Beau matin d'Ete)」は、ジェームス・ハドリー・チェイスの原作をジャック・ドレーが監督した、ハードボイルド・サスペンス映画です。ジャンポールベルモンド、ジェラルディンチャップリドなどが出演、音楽は「地下室のメロディー」「恋するガリア」「昼顔」などの名匠、ミッシェル・マーニュ(Michel Magne)です。
 文化放送「ユア・ヒット・パレード」では5月24日に14位で初登場、7月5日には1位を記録、9月20日まで15位にランクされました。
 
 
 
 
 
  
 モーリス・ルクレール楽団の演奏で。「ある晴れた朝突然に」です。
 「洋楽ヒットチャート大事典(八木誠著)」では、モーリス・ルクレール楽団の演奏が、「1965年間ベスト100」で10位に選ばれています.。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 前ページ