人が生きる世の中(サランサヌンセサン)
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ヘバラギ3集 「長い沈黙は壊れ、愛はいつもその場所で」 2集「その日から」フル・アルバムから
韓国のフォークデュオ、『ヘバラギ』のアルバム第3集「長年の沈黙は壊れて、愛はいつもその場所から」(1986年)のフル・アルバムがYoutubeにUPされていました。7集まで聞いてみました。感想はヘバラギはイ・ジュホそのものだということでした。
3集のユ・イクジョンとのデュオアルバムはイ・ジュホのメインボーカルに、繊細なユ・イクジョンのボーカルが加わって織り成すハーモニーが素敵で、特別な作品に仕上がってると思います。「ヘバラギ3集」ではなく、「イ・ジュホ&ユ・イクジョン」集なら良かったのに。
”君”や”私の心の中の宝石箱”など1曲ずつ聞いたときは、ユ・イクジョンはヘバラギにずっといてほしかったと思いましたが、第3集を通して聞くと二人は対等で、ユ・イクジョンは”ヘバラギ”のメンバーではなく、ソロのアーティストとして参加したのだなあと思いました。ユ・イクジョンが独立したのも納得でした。
それにしてもイ・ジュホとユ・イクジョンのデュオは素晴らしい。別々の活動をせずに一緒にライブ活動やアルバム作りをしてほしいと、韓国フォークファンとしては、切に願います。
3集「長い沈黙は壊れて、愛はいつもその場所に」 は特にお勧めの曲
01. 愛はいつもその場所で (0分~)
02. 君 (5分30秒~)
(10分35秒~38秒にテープの早送りのような大きな雑音が入ります)
03 私は君の腕の中に (10分40秒~)
(口笛で始まる、1960~70年代のフランス・イタリア映画のような、しっとりとしたロマンティックな曲です)
04 私達はひとり (15分20秒~)
05. 闇が降った街 (19分54秒~)
06 私の心の中の宝石箱 (24分35秒~)
07. 別れた後に (28分39秒~)
08 都市のバムプンギョンウン (33分16秒~)
09 君の姿 (36分51秒~)
10 一人はは嫌です (41分25秒~)
11. 長い沈黙は壊れて (45分23秒~)
12. オホヤドゥンギドゥンギ (49分52秒~)
05. 闇が降った街 (19分54秒~)
06 私の心の中の宝石箱 (24分35秒~)
07. 別れた後に (28分39秒~)
08 都市のバムプンギョンウン (33分16秒~)
09 君の姿 (36分51秒~)
10 一人はは嫌です (41分25秒~)
11. 長い沈黙は壊れて (45分23秒~)
12. オホヤドゥンギドゥンギ (49分52秒~)
1983年に発売された第2集「その日から」はユ・イクジョンが抜けてイ・グァンジュンとイ・ジュホのヘバラギ。
2集「その日から」
01. もう愛することができます (0分~)
02. 散った花 (4分37秒~)
03. 早く言って (9分11秒~)
04. その日以来 (卒業) (12分40秒~)
05. 忘れられていた懐かしさ (17分39秒~)
06. ・・・さんの家の前に (21分30秒~)
07. すべてが愛です (24分50秒~)
08. 愛の詩 (27分44秒~)
02. 散った花 (4分37秒~)
03. 早く言って (9分11秒~)
04. その日以来 (卒業) (12分40秒~)
05. 忘れられていた懐かしさ (17分39秒~)
06. ・・・さんの家の前に (21分30秒~)
07. すべてが愛です (24分50秒~)
08. 愛の詩 (27分44秒~)
09. 幸せをくれる人 (32分03秒~)
10. 心の奥にそのままに (35分34秒~)
10. 心の奥にそのままに (35分34秒~)
11. 行くことができない国 (39分58秒~)
12. 喜びを持っている今日 (43分23秒~)
13. オホヤドゥンギドゥンギ (45分05秒)~)
12. 喜びを持っている今日 (43分23秒~)
13. オホヤドゥンギドゥンギ (45分05秒)~)
ヒット曲満載プラス1集
1. もう愛することが出来ます 0.00
2. すべてが愛です 4.40 1集収録曲4曲目B面
3. 幸せを与える人 7.40 1集収録曲1曲目A面
4. 愛の詩 11.10 1集収録曲3曲目A面
5. 心の中の宝石箱 15.30
6. 君 19.37
7. 愛はいつもその場所で 24.25
8. 私は君の腕の中に 29.56
9. 行く事が出来ない国 34.42 1集収録曲5曲目A面
10. 悲しみだけではないでしょう 38.10
11. 風になり落ち葉になり 42.28 1集収録曲B面6曲目
12. ********* 46.30
13. さようなら私の愛 50.52 1集収録曲1曲目B面
14. 今は別れても 54.52
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ユン・ヨンソン 「孤児」
ユン・ヨンソンが歌う”孤児”です。この曲はClaude Jeromeのシャンソン”L'orphelin(孤児)”(1969年)が原曲です。オ・セウンが1974年に、ユン・ヨンソンが1975年に翻案し歌いました。
未婚の母の子供や戦争孤児をテーマとした作品で、歌詞が非情すぎるという理由から、韓国では禁止曲に指定されました。
2009年3月のKBSTV「コンサート7080」でユン・ヨンソンは”顔”(オルグル) を歌った後、”孤児”について次のようにお話しました。
「次の歌は洋楽のシャンソンをほとんど直訳で歌った”顔”を収めたアルバムに収録した”孤児”です。この歌はある日新聞で禁止曲だと通告され、胸を痛めました。そしてそれ以降歌うことは許されませんでした。
それでもその時代の禁止曲だけを集めて収録したり販売したり。また、そういった曲を好んで聴く方が多くいらしたようです。その当時を思い出しながら皆様に”孤児”をお届けします」
「孤児」
霧が晴れるように 愛は刹那と
母は私にいつも話した
人生も刹那と この世のすべては
慎ましくと 父も話した
でも母も父までも私の記憶から消えた
姉も話した
友達に気を付けて
でも私には友達もいないから
誕生日プレゼントなんて私は知らない
でも私が大人になり
誕生日の夕方に 私の子供は
私にプレゼントをねだるでしょう
Claude Jerome(クロード・ジェローム)の”L’Orphelin”です。1969年の曲で、シャンソン・フレンチポップスらしい暖かなアレンジです。
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韓国ドラマ「遥か遠い国」 (1996年 KBS)
1980年代の映像と共にイ・チャンフンのナレーションで始まる「遥か遠い国」。
路地の遥か向こうにそびえる”南山タワー”が「遥か遠い豊かな希望の国」の象徴として映し出され、下町の長屋に住むひとびとの、生活観あふれる日々の暮らしが対照的に描かれていきます。
以前「遥か遠い国」は”暗くて悲しいドラマ”と書きましたが、そうではありませんでした。貧しくても人々は大騒ぎしながら、たくましく日々の営みを続け、それなりに”幸せ”に暮らしています。”幸せ”とは人それぞれに違うものです。
「憧れの、手に届かない国」を目指しても、その「遥か遠い国」とは存在しない国であって、結局今いるこの地が”心安らぐ自分が生きてゆく、豊かな国なのではないか”ということなのでしょうか。脚本が哲学的でもあります。
1996年 KBS 48話
監督 キム・ジョンシク チョン・ソンヒョ
脚本 ソン・ヨンモク
主演 イ・チャンフン キム・ミンジョン キム・ヒソン オ・ヒョンギョン キム・ヨンチョル
ドラマで毎回イ・チャンフンのナレーションが効果的に使われています。狭い路地の向こう側で光輝く南山タワーを背景に、イ・チャンフン、キム・ミンジョンがそれぞれの幸せに向かって模索し、生きていきます。
キム・ミンジョンは父親と仲良く暮らすチンピラ高校生です。父親のキム・ヨンチョルは泥棒をして刑務所に入ったことがありますが、愛情深く優しいひとです。逃げる途中で足を怪我してビッコになっています。親子の性格はとっても似ていて、一人の女性を死ぬまで愛し続けます。狭い一間の部屋で暮らす親子の会話が楽しい。
イ・チャンフンは両親を亡くして妹と二人、父の友人だった義理堅いキム・ヨンチョルの世話になりながら、騒々しい町の、長屋の貧しい環境から早く抜け出したいと必死に勉強を続けています。
長屋の近くで食堂を営むソヌ・ウンスクの娘オ・ヒョンギョンは、人一倍正義感が強く”みんなが豊かで幸せになる世の中”を夢見て、放送局で活躍し、貧しい人たちの立ち退き問題に遭遇し、社会活動の道に入ります。
キム・ヒソンは、イ・チャンフンと、キム・ミンジョンから愛される美しいお嬢様ですが、父親が亡くなり、家が没落し、母親が精神を患い、不幸の人生をたどっていきます。美しい美貌で女優にスカウトされ、以前の豊かな暮らしに戻るために努力しますが、暴力団とかかわってしまい、キム・ミンジョンを不幸にしてしまいます。
キム・ヒソンとキム・ミンジョンの恋愛だけを描けば、暗くて悲しいドラマになるのでしょうが、名脇役たちが勢ぞろいし、演出と脚本で笑わせたりほろっとさせたりで、緩急のついた作品になっています。
1990年代の韓国ドラマの特徴である、長屋に住むおじさん・おばさんのどうでもいい会話は、なれるのに時間がかかりますが、ドラマが続いていくと面白くほっとする大事なシーンになります。それぞれの登場人物のキャラクターやセリフがしだいにわかっていって、大切な人たちだとわかります。
「遥か遠い国」の中で、キムミンジョンは歌手のキム・ヒョンシクの大ファンです。1990年11月1日にキムヒョンシクは亡くなりました。キムヒョンシクの死は、キムミンジョンにとって大きなショックでした。部屋には何枚もポスターが貼ってあり、キム・ヒソンと二人で憧れのキム・ヒョンシクのコンサートに行った思い出は、キム・ミンジョンにとってとても大切なものです。キム・ヒョンシクの死とキム・ミンジョンの運命が重なり合うようで、このドラマのラストを暗示しているかのようです。
ドラマの中盤から 財閥のナム・スンフンがオ・ヒョンギョンの父親として登場します。社会活動家のチョン・ホジンが、ナム・スンフンやオ・ヒョンギョン、イ・チャンフンと絡んでくると、ドラマがどんどんふくらんでいって面白くなります。
最後まで愛を貫いて結婚するキム・ヨンチョルと、最後まで愛を貫きながら成就できないキム・ミンジョンの対比が悲しいです。
社会と人間に対する深い洞察にあふれた脚本、緩急つけた演出と名俳優による味わい深い演技、丁寧に撮られた美しい映像と音楽、1990年代は韓国ドラマの黄金時代だったということを再認識した作品です。
採点(10点満点中 8点)
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