人が生きる世の中(サランサヌンセサン)
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私のお気に入りの民衆歌謡③
韓国音楽には民衆歌謡というジャンルがあります。1980年代の民主化運動の流れで各大学の歌声グループが歌った民衆歌謡。コンサートで、集会で、学校で、街で、工場で、歌い継がれた民衆歌謡の数々。
当ブログでは特に民衆歌謡のカテゴリを作らず、韓国音楽のそれぞれのジャンルにちりばめながら、紹介してきました。
「私のお気に入りの民衆歌謡」のカテゴリを作って、散らばっていた民衆歌謡をまとめることにしました。
ブログを始めた2012年5月はイ・ミョンバク政権でした。そしてパク・クネ政権へと。
1980年代吹き荒れた民主化は古臭くなって打消され、民主化以前の社会へ逆戻り。大財閥・大企業中心の政治を行った結果、国民の格差が広がり、大学院を卒業しても、正規の職につけないという世の中になってしまいました。
社会正義を扱ったドラマもなくなり、韓国も日本と同じ道を歩んで行くのかしらと半分あきらめの気持ちで、私の願いも込めながら、皆の関心のない民衆歌謡を取り上げて一人奮い立っていたのでした。
12月のローソク集会からムン・ジェイン大統領が誕生しました。1980年から30数年が経ちました。「国民が皆格差のない社会で暮らしたい」という本当の意味での民主主義を今回の選挙で勝ち取ったのだと思います。
ノチャサ、キム・ミンギなどの民衆歌謡をアップしていて本当に良かったと思っています。報われたようでとってもうれしいです。
”のどの渇きで” キム・グァンソク
”のどの渇きで”を聴くと鳥肌が立つような感動を覚えます。3期目のムン・ジェイン民主派大統領で韓国の民主主義は大きく発展するでしょう。日本は逆に韓国の軍事独裁政権のような「物が自由に言えない」時代に後戻りしています。
”並んであるかなくても” ソン・ビョンヒ
韓国から「あきらめないこと」を学びました。そして若い力がその国を良くしていくんだと。
”タボックネ” ヤン・ピョンジン
ヤン・ピョンジンは不屈のフォークシンガーです。”タボックネ”は民衆歌謡には入っていませんが口伝歌謡ということでアップしました。
”松よ松よ青い松よ” ノチャサ
民衆歌謡の代表として「歌を捜す人々(ノチャサ)」がいます。1989年発売のノチャサ2集が100万枚近くも売り上げたのは時代を反映していたのですね。このアルバムには”人は花より美しい”のアン・チファンの作品が収録されています。この”松よ松よ青い松よ”もそうで、アン・チファンは作詞作曲家としても超一流なのだなあと感じました。
”ふたたび光化門で” ウリナラ
2008年のローソク集会の時に作られた歌。米国の輸入牛肉反対の大規模な集会でした。1986年に20歳の人は民主化の闘いをし、20年後に20歳の人が”ふたたび光化門で”を歌い、10年後、20歳の人は再び民主主義を取り戻す。
日本では共謀罪廃止、安保法案廃止、憲法9条改悪反対の集会に中年ばかり。若い人は何してるの?
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私のお気に入りの民衆歌謡②
進歩陣営(民主派)の風、風、風が吹きました。
キム・デジュン、ノ・ムヒョンに続く進歩陣営のムン・ジェインが大統領に選出されました。2008年から9年間続いた保守政権を民主政権に変えたのは圧倒的に韓国の若い力です。
ムン・ジェインの当選に本当に驚き、そして感動で胸が震えています。公正な世の中、正義が通る世の中、常識が通用する世の中、保守、進歩の垣根を越えた国民のための政治を行っていくそうです。
人が先にある世の中
国民が主人公である世の中
子供達に恥ずかしくない世の中
普通の人の常識が正義になる世の中
自分の選択に責任を負う世の中
真実が偽りに勝つことができる世の中
お金が人より大切でない世の中
(ノ・ムヒョンの言葉)
一部の豊かな人々のための政治ではなく、普通の人々が幸せに暮らすことができる政策で、韓国が良い方向に変わっていく予感で胸がいっぱいです。
民衆歌謡とはプロテストソングで、主に社会運動に関わる歌を総称する表現です。 労動運動,・祖国統一運動,・人権運動,・政治運動など主題別で多様です。
韓国の民衆歌謡は主に 1980年代に数多く作られました。民衆歌謡は当時の世相を反映し、 それぞれの運動の主題を歌いました。近年作られた歌も民衆歌謡の仲間入りをしています。
”あなた(イム)のための行進曲” ソ・ヨンウン
集会で歌われるシンボル的な歌。こぶしを握って歌っている画像もありますが、穏やかな”あなた(イム)のための行進曲”もまたいいかなと。
”切り株” キム・グァンソク
凛としたグァンソクの”切り株”を聴きながら、ムン・ジェイン当確を知って涙が出ました。グァンソクも喜んでいることでしょう。
闇は光に勝つことができない 광화문 소등
人命よりお金が大切という、常識を超えた過大な積載で数百人の犠牲をだしたセウォル号惨事。人々の悲しみや怒りがこれからの韓国を変えていくのでしょう。
”岩の島” キム・ウォンジュン
民衆歌謡でありながら子供たちまで歌える”岩の島”。韓国音楽の広さを感じる温かい歌。
常緑樹 ヤン・ヒウン
2007年ノ・ムヒョン政権の時のKBS「開かれた音楽会」は民衆歌謡の特集が組まれることも多々あって、他にも「南北の窓(北朝鮮との交流」「KBSスペッシャル(歴史、拷問された人々の今)」などが放送されていました。
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私のお気に入り民衆歌謡 ①
韓国の歴史は民衆の抵抗の歴史でもあります。パク・クネ大統領退陣に向けて百万人規模のローソク集会が行われています。
米軍のTHAAD(サード)ミサイルの配備が8月に決まってから、配備地であるソンジュ(慶尚北道星州郡)で抗議行動がおこりました。その行動は、配備地の変更を促し、さらにサードミサイルの配備を韓国から撤退させる運動に広がっていきました。
ソンジュから始まった小さい行動。そして歴史的な大惨事4月に起きたのセウォル号事件。
パク・クネ大統領の親友の政治介入が発端ではありますが、人々の怒りの波は百万人規模のローソクデモの行動ににつながったのかなあと思ったりもします。この一連の人々のデモを考えると、韓国で初めて民主主義政権ができた1990年代後半の熱い灯火は消えてなかったのだなあと感慨深いものがあります。
韓国の人々は歌が好きなので、抗議行動の中でも歌は広がっていきました。抗議のための歌もありますが、自然発生的に歌われた歌もあります。座り込みの中で皆を励ますために歌った人もいました。若い人たちにも歌い継がれている「民衆歌謡」という韓国ならではのジャンル。韓国の宝物ともいえましょう。
朝露 ヤン・ヒウン
明日への希望を感じる歌詞で自然発生的に歌われた”朝露”。KBSワールドが日本で放送されて、音楽番組「開かれた音楽会」「コンサート7080」でよく聞いた歌です。作者キム・ミンギの歌も素朴で素晴らしいです。民衆歌謡の代表的な歌です。
”荒野にて” ”荒野にて”
”荒野にて”作詞作曲はムン・テヒョン/アン・チファンです。”荒野にて”の張りつめたたような凛とした歌声に鳥肌が立つような感動が体に走ります。
ノチャサが”その日が来れば”
ノチャサが歌う”その日が来れば”は特に好きな歌です。作曲家ムン・スンヒョンが発表したチョン・テイルの追慕曲。 チョン・テイルは1960年代清渓川の縫製工場の裁縫師で、劣悪な労動環境の現実を知らせるために、22歳の若さでで労動基準法全書とともに焼身自殺しました。”その日”とは労働者のための社会変革を意味するのでしょうか。
”岩のように” 「コッタジ」
労働運動の現場から生まれたグループ「コッタジ」。”岩のように”はコッタジの代表曲です。21世紀新自由主義の社会で失業、夜間就業、老人の深夜労働、正社員との格差が大きすぎる派遣労働という新しい劣悪な労働環境が生まれています。1960年代とは社会形態は大きく違いますが、働く人の厳しさは同じです。
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