韓国時代劇ドラマ「ホジュン」③

ＢＳ日テレで放送されているホジュンを見直していますが、本当に面白いドラマです。ドラマは国境や民族を越え、人々を感動させます。地上波で放映し、多くの人に観てほしいですね。

 

 

 

   科挙を主席で合格したホジュンはいよいよ宮中の医局、内務院の医官として庶民の診療所、恵民署（ヘーミンソ　庶民のための診療所）で勤務します。村人たちを治療した田舎の山陰（サヌム）と違い、出世と権力欲にまみれた上官たちは、心医ホジュンと医療の考え方が基本的に違います。ホジュンは患者の前では誰もが平等。権力に媚を売る慣習をやめ、正義と道理を貫く医療を施します。

　

　恵民署の先輩医師キム・マンギョンを演じるメン・サンフン。キム・マンギョンは両班（ヤンバン貴族）出身ですが、権力や富にまみれた内務院を嫌い、出世コースから外れる恵民署で庶民のために働く無鉄砲な医官です。ホジュンが患者の血膿を口で吸い出して治療をするのに感動し、ホジュンの協力者として尽力します。

　メン・サンフンはイ・ビョンフン監督の作品にはかかさず出演し、苦難の主人公を助ける役どころを演じています。緊張するシーンにメン・サンフンが登場すると安心します。「馬医」（MBC 2012）「花よりも美しく」（KBS 2004）「砂時計」（SBS 1995）

　ホジュンと同期のチャン・ハクトはチョン・スンホが演じています。上官にへつらうのが大嫌いな正直者で、タイプはメン・サンフンに似ています。医官としての腕は中級。「愛は歌に乗って」（KBS 2014）「愛よ愛」（KBS 2013「美しい時代」（KBS 2007）「)黄金の林檎」（KBS 2005)「あなたそして私」（MBC 1998）

　

内務院の判官で唯一ホジュンを認めているチョン・ジャク。演じているのはパク・チョングァンです。両班出身。規律違反するホジュンについて内務院での話し合いの祭も、ホジュンをかばいます。「泥棒の娘」（SBS 2000）「大王の道」（MBC 1998）「愛するまで」（KBS 1996） 

　

　内務院最高権力者で王様の主治医ヤン・イエスは貫禄のあるチョン・ギョンファンが演じています。ホジュンの師匠ユ・ウィテと因縁の針対決で負けて禍根を残しています。ユ・ウィテの弟子のホジュンが宮医（王家の診察）として救急診療をし、胃がん患者を完治させたことで、自らの負けを認めます。潔いのかもしれません。「姉さん」（MBC 2006)「白夜」（SBS 1998)「初恋」（KBS 1996)　

 

　ホジュンのライバル、ユ・ドジ（キム・ビョンセ）に取り入るテウン役チョン・ホグンは悪役専門の脇役俳優です。彼が出演する、しないではドラマの面白さが大きく違います。「ホジュン」ではキム・ビョンセの斜め後ろにいつもいて、いろいろと進言しています。悪知恵を働かせるのは天下一品、味のある名脇役です。[鄭道伝(チョン・ドジョン）」（KBS 2014）「憎くてももう一度」（KBS 2009）「めっちゃ大好き」（MBC 2006）「三銃士」(SBS 2002)

　

 

内務院の主簿ソン・ハッキュ役ムン・フェウォンも、こずるい中年のアクの強い脇役俳優です。ただいるだけで嫌な感じが漂い、良い人の役は演じたことがないのではないでしょうか。印象度は強く、「ホジュン」でも部下のホジュンの足を引っ張るのですが、自らも上官に叱られてしまう情けない役どころです。「善徳女王」（MBC 2009）「第5共和国」(MBC 2005)「波｝（SBS 1998)

 

　御医の次に位の高い判官キム・ウンテク役パク・グァンナムも嫌な感じです。ホジュンを目の敵にして恵民署に配置したものの、ムン・フェウォンと一緒に自分たちも恵民署に移動になり、医療行為をせず、机にすわってさぼってばかり。「第5共和国」（MBC 2005)「英雄時代」（MBC 2004)「田園日記」（MBC 1980）

　

恵民署の受付係りの下史を演じたキム・ヨンソンは素晴らしい顔芸の脇役俳優です。一度観たら忘れられない顔の持ち主で、多数のドラマに脇役で出演しています。「ボクヒ（ポッキ）姉さん」（KBS 2011)「快刀ホン・ギルドン」（KBS 2008)「バラ色の人生」（KBS 2005）「危機の男」（MBC 2002)「太陽人イ・ジェマ」（KBS 2002）「守護天使」（SBS 2001）

 

 

 

　

#練習用

チョン・ユナ”愛というものは””君を愛しても””MBC大学歌謡祭メドレー”

 

KBSTV「コンサート7080」からの画像です。また日本で「コンサート7080」を放送してほしい。

　”愛というものは”は1989年「MBC大学歌謡祭」で大賞を受賞した曲です。私は1990年のヒット曲”君を愛しても”のほうが大好きです。 

 

 

 

 

 

 

 

  1990年のヒット曲”君を愛しても”

 

 

 

 

 

Medley of Campus Song Festival, 대학가요제 노래 모음, MBC College Musicians Festival 19931

 

    1993年の「MBC大学歌謡祭」で歌われたメドレーにチョン・ユナの”愛というものは”をイ・ヨンギョンが歌っています。8分19秒からです。かわいい歌だなと印象に残っていました。 

韓国時代劇ドラマ「ホジュン」 ②

 

 

　「ホジュン」は演出、脚本も素晴らしいのですが、配役がそれに輪をかけて見事です。

　ホジュンを演じたチョ・グァンリョルは演技大賞を受賞していますが、演技は「目」であると力説しています。ドラマ「ホジュン」を見直すと、なるほどその通りで「荒くれ者の目」、「学びたい目」、「師匠に詫びを入れて懇願する目」、「患者を哀れむ目」、「意思を貫く目」、「針治療する真剣な目」、「自信に満ちた目」「凄みのある目」など変幻自在な目の演技は超一流です。チョ・グァンリョルだからこそ「ホジュン・シンドローム」が起き、2000年以降のドラマで平均視聴率54％、歴代1位という記録が今でも燦然と輝いているのでしょう。

 

　故郷から追われ、朝鮮南部の智異山の右隣の山陰（サヌム）へやってきたホジュンは3人の恩師に巡り会います。

 

　イ・スンジェが演じたユ・ウィテはホジュンが生涯の師として尊敬する医者です。頑固で厳格で、出世に目がくらむホジュンを破門しますが、唯一ホジュンの「心医としての素質」を認めています。

　”心医”とは患者の痛みを自分の痛みとしてとらえ、慈悲の心で患者につくし、患者に寄り添うことという、医者としての心の持ち方です。しかしあまりにも厳しく、徳のない息子（キム・ビョンセ）に非情すぎて、良い人に見えないユ・ウィテ役がイ・スンジェにピッタリでした。

　

　生涯をハンセン病治療に捧げたサムジョク大師を演じたチョン・ウク。サムジョク大師は深山の三寂寺（サムジョクサ）でハンセン病患者と一緒に暮らしています。

　内務院（ネイウォン宮中の医局）で将来を嘱望される優秀な医者でしたが、ある事件で妻子を失い、自分の持っているすべての医学知識をハンセン病原因解明や治療のために一生を捧げています。特効薬は見つからないものの、自分なりの治療法で病気の進行を防いでいます。

　ホジュンが破門されて行き場を失っているとき、サムジョク大師は三寂寺に誘い、一緒にハンセン病の治療にあたります。患者に接する態度にホジュンの”心医”としての素質を認め、内務院行きを勧めます。宮廷で深く医学を学び、すべての病気の治療解明につくすよう、ホジュンを科挙受験に送り出します。チョン・ウクは立派な会長役などが多く安心して観ていられる俳優で、病人のために誠実につくす和尚がピッタリでした。

 

　山陰（サヌム）のユ医院で薬草取りとして働くホジュンに、基礎的な医学の知識や応用を伝授する山ごもりの医者アン・グァンイクを、ハン・インスが演じています。元内務院の医師でサムジョク大師とは妹婿の間柄で、事件で内務院をやめ、山にこもり、動物の解剖に奔走しています。薬草の基本的な知識もないホジュンの真剣な弟子入りに、本気だと悟ったアンは自分の医学的知識や針、ナイフの使い方をすべて伝授します。

　アンがまとめた医術体系をすべてホジュンに与え、自らは去っていきます。ユ･医院では教えてもらえなかったすべての知識を短期間で習得し、周りを驚かせるホジュン。恩師のお陰で危篤の患者さえ治療してしまうほどの医術を身に付けます。アン・グァンイクの正義感の強い豪放磊落な役どころは、ハン・インスの魅力を大きく引き立たせました。

 

　ホジュンのライバル、ユ・ドジはキム・ビョンセが演じて大正解だったと思います。頭もよくて心根も良い人なのに名声欲が強くて、”心医”になれないユ・ドジ。ホジュンの出現で医療にたいする心構えを比べられ、父ユ・ウィテの意思に反してしまいます。愛する人イェジン（ファン・スジョン）の心もホジュンに奪われて、嫉妬でホジュンを憎みます。医術を何も知らない頃のホジュンから、御医（王の主治医）になったホジュンをずっと見てきたユ・ドジ。ラストは嫉妬のわだかまりも溶けて医書編纂に協力します。

 

　ユ医院には薬草取りや下働きの先輩が4人いて、その中の3人はホジュンにいやがらせをします。薬草取り7年の古株プサンポ（ナ・ソンギュン）、ジャンセ（ムン・ヨンミン）、下っ端ヨンダル（イ・ウンチョル）です。ホジュンは始めての水汲みで先輩に場所を教えてもらえなかったため、治療に使えない水を汲んでユ・ウィテに怒鳴られてしまいます。しかしそのために治療の水が数十種類あることを知ります。3人を追い抜いて医術の実力をつけていくホジュン。それが3人には面白くありません。

　小ずるいプサンポはユ･医院の秘伝書を盗もうとしてくびになり、ホジュンも巻き込んで「男女産み分けの」詐欺を働いて罰せられます。プサンポ役ナ・ソンギュンはイ・ビョンフン作品の常連で「ホジュン」「商道」「チャングム」「イサン「トンイ」に出演しています。

　ひげもじゃのジャンセ役ムン・ヨンミンは働くのが嫌いで、酒と女が大好きな下働きです。「死ぬほど好き」（SBS 2004年）では”怠け者の専務”役で出演.。「愛の群像」「明日が来れば」「英雄時代」「王の女」「大王の道」「チャクベ～相棒」に出演。

　一番下っ端のヨンダル（イ・ウンチョル）は最後までユ医院に残りますが、ユ・ウィテの癌を治すための高価な薬草「山参」を横取り、死ぬほどホジュンに殴られます。イ・ウンチョルは「北の駅から」「星に願いを」「真実」「ローファーム」「ジュリエットの男」「危機の男」「１％の奇跡」のちょっとした脇役で出演しています。

 

　 

4人組ヘバラギ ”1986 3集”

  「ヘバラギ（ひまわり）」は1977年にイ・ジョンソン、イ・ジュホ、ハン・ヨンエ、キム・ヨンミの4人で結成され、”雲、花、石、恋人”が収録された1集アルバムを発売しました。

　1979年イ・ジュホがメンバーから脱退、代わりにイ・グァンジョが参加し、”綿雲””夏”が収録された2集アルバムを発売しました。その後4人組ヘバラギはそれぞれがバラバラに自分の道を行くことになります。

 1983年にヘバラギ の1集に参加していたイ・ジュホが、ユ・イクジョンと共に男性デュエットを結成、「ヘバラギ 」という名を使用してグループ活動を始めました。ユ・イクジョンは1集と3集に参加した後にグループから脱退。

　以来、男性デュエット「ヘバラギ 」は、メインボーカルのイ・ジュホを軸に、イ・グァンジュン、カン・ソンウン、キム・ミョンギなど多くのパートナーを変えながら、イジュホを中心としたデュエットグループとして活躍しています。（You Yubeの記事より）

 

 

A面

　1. 今の別れも 0.00 　2. 素朴な喜び 3.20 　3. 夢の白い馬の川 5.30 　4. 雲、花、石、恋人 8.55 　5. 私の心 11.45 　6. 山の山に 14.25 

 

 

B面

 

7. 私たちの人生  　8. 愛の風3:11 　9. 故郷の春 & 上弦の月6：36＆9:06 　10. 綿雲12:03  　11. 花の迅速の海14:42 

 

 

　イ・ジョンソンとヘバラギ1986 「3 集アルバム」

（メンバー～イ・ジョンソン  キム・ヨンミ　ハン・ヨンエ　イ・グァンジョ）

 

　イ・ジュホとユ・イクジョンの男性デュオ「ヘバラギ」が活動していた1986年に、男女4人組（イ・ジョンソン、ハン・ヨンエ、キム・ヨンミ、イ・グァンジョ）のヘバラギが再結成され、4人組の「ヘバラギ」として3枚目のアルバムを発売しました。

　アルバム全体がポップなコーラスを中心とした”フォーク・ポップ”と呼べるようなサウンドに包まれています。

 

　SIDE A

1. 今の別れも 0.00 

2. 素朴な喜び 3.20 

3. 夢の白い馬の川 5.30 

4. 雲、花、石、恋人 8.55 

5. 私の心 11.45 

6. 山の山に 14.25 

 

SIDE B

7. 私たちの人生 17.42 

8. 愛の風 20.50

9. 故郷の春 & 上弦の月 24.10

10. 綿雲  29.26

11. 花の迅速の海 32.00

 

　1曲目の”今の別れも”はマイナーなメロディですが歌詞は希望を表しています。

 

　　　　「今の別れも」

 

　私たちが今は別れても  一つも痛くないです

  ただ後姿が見えただけ  私たちはまた会うから

  何らの約束はなくても   お互いに待ちましょう

  もしや消息がとだえないか  心は縛られます

  もしかしたら永遠に会う事ができないか

  一度絶望もするが  花草を育てるようにときめいて

  その日を待ちます 

  私たちが今は別れても  すべてのものそのままおさめておいてください

  また私たちが会う日には別れないから

 

  もしかしたら永遠に会う事ができないか

  一度絶望もするが 花草を育てるるようにときめいて

  どうすれば永遠に会えるか

 その日を待ちます

  私たちが今は別れても すべてのものそのままおさめておいてください

  また私たちが会う日には  別れないから

  また私たちが会う日には  別れないから

　

パク・ヘギョン ”深い夜を飛んで””告白”

 

 

 

　”深い夜を飛んで”

 

　イ・ムンセの”深い夜を飛んで”を素敵にアレンジ、オリジナルより良いくらいです。

 ボサノヴァのリズムが爽やかで、ポップス感にあふれています。

　　　

　「深い夜を飛んで」

 

　僕たち会って別れるすべてのことが　もしかしたら　子供の遊びみたいで

　悲しい童話の中で　雲に乗って遠く飛ぶ　小さな妖精たちの悲しい話のように

　だけど僕たち飛ぶこともできなくて泣くけど　愛って美しい夢を見るような

　きれいな君の手を握って夜空を飛んで　お城に行くこともできて

　僕はただ君を愛する心でバカみたいな夢をみて

　行く事ができないあの夢の国で　道に迷って迷っていて

　だけど僕たち飛ぶこともできなくて泣くけど　愛って美しい夢を見るような

　きれいな君の手を握って夜空を飛んで　お城に行くこともできて

 

 

 

 

　1999年第1集収録曲”告白”

  

　パク・ヘギョンは1974年生まれのシンガーソングライターです。1997年グループ「ドド」のボーカルでデビューしました。アルバム2集まで「ドド」のメンバーで活動し、1999年初ソロアルバムをリリースしてソロ・シンガーに転向しました。

　2009年までアルバムを7集発売し、”ワンダフルライフ”やタルジャの春””Magic”他韓国ドラマのOSTも参加しています。2002年には日本でも活動。パク・ヘギョンのふんわりとやさしい春色の声は、CMなど多方面で活躍しています。

 

　「告白」

 

　昔から友達だったあなたを好きになったみたい

　何でもないようにあなたに接するほど　心はいつも震えてた

　＊微笑むあなたを見ながら　二人の仲が気まずくならないか怖くて＊

　何も言えないまま背を向けてただ涙を流した

　言わなくちゃならないのに　あなたの前に立つと何も言えない自分がうらめしい

　＊＊勇気をだそう　後悔しないように　少しずつあなたに近づいて＊＊

　告白しなくちゃ

　初めてあなたに会った日　覚えてはいないけど

　ただの友達だと思ってた　今とは違ってた

　＊～＊　一日中ためらってた　分かれるとただ涙が流れた

　言葉にしたいのに愛してると言えない自分がうらめしい

　＊＊～＊＊告白するわ＊＊～＊＊告白するわ　愛してると

　だけど言えない自分がうらめしい　＊～＊

 

  先日KBSTV「ユ・ヒョルのスケッチブック」に出演したパク・ヘギョンの代表曲”告白”にちなみ、会場から「告白王」が選ばれ、中央の座席にカップルが座っています。

　右のすごくギターの上手な少女はサンドラ・ベで、動画サイトで800万PVを記録した天才少女なのだそうです。

　番組ではユ・ヒョルがすごくフレンドリーで、パク・ヘギョンもつい”好きな人がいる”などと告白をしたり、人柄も歌声と同じように個性的でほんわかした人でした。

　CMソングの女王といわれているパク・ヘギョン。たくさんの曲を歌っていて数えてみると38曲もあるのだそうです。CMで歌ったチンゴムダリの”綿雲” を歌ってくれました。魅力的な不思議な声はリメイクにも向いています。 

　パク・ヘギョンは喉の手術でしばらく休んでいて、リハビリでまた歌えるようになったと話していました。それでもまだ喉の調子は完璧ではなく、リハビリを続けているそうです。

韓国時代劇ドラマ 「ホジュン」 (MBC 1999年 全64話) ①

 

 

毎週月～金曜日午前10時～11時にBS日テレで放送中の「ホジュン」。大きくカットされてはいるものの面白さは損なっていませんので、中盤ですが途中からでも観ごたえがあると思います。まだ観ていない方にはぜひお勧めのドラマです。

　1999年に韓国で放送されて、60％以上の視聴率を取った「ホジュン」。この頃の高視聴率の韓国ドラマは、どれもはずれがありません。山あり谷ありの波乱万丈、1話1話が ”え！これからどうなるの”で終わるので、次の展開が待ち遠しくて見逃せないドラマです。

 

　1500年代の韓国の実在の人物ホジュン。ヒューマニズム溢れる崇高な医者としての人生を描いたドラマで、配役、演出、脚本すべてが揃った作品です。2000年MBC演技大賞ではホジュンを演じたチョン・グァンリョルは大賞を受賞しました。

 

   「ホジュン」　MBC　1999年　64話

 

   演出　イ・ビョンフン

　脚本　チェ・ワンギュ

　出演　チョン・グァンリョル　イ・スンジェ　キム・ビョンセ　チョン・ウク　チョ・ギョンファン　ファン・スジョン　ホン・チュンミン　チョン・ヘソン　パク・ジョンス　キム・ヘスク

 

　　

　1539年に郡の長官の子でありながら、低い身分の妾の子として生まれたホジュン（チョン・グァンリョル）。幼い頃から神童で他の両班（ヤンバン 貴族）の子息たちよりはるかに優秀でしたが、身分の違いによって蔑まれ、密貿易に手を染める荒れた生活を送っていました。そんな中「両班」の娘で反逆者として追われ、病気の父を持つダヒ（ホン・チュンミン　後にホジュンの妻になる）に出会い、ホジュンに変化が現れます。密売騒動で父親に勘当されて、ホジュンは母と二人で朝鮮の南部の慶尚道山陰（サヌム）へ旅立ち、生涯の師となる医者ユ・ウイテ（イ・スンジェ）に師事、門下として働くことになります。

　3話の終わりからユ・ウイテの門下になったホジュンの医術の道がドラマチックに進んでいきます。

　ホジュンの生きた時代は 第11代王「中宗」（チュンジョン/在位1506～1544年）、第12代王「仁宗」（インジョン/在位1544～1545年）、第13代王「明宗」（ミョンジョン/在位1545～1567年）、第14代王「宣祖」（センジョ/在位1567～1608年）、第15代王「光海君」（クァンヘグン在位1608～1623年）まで変遷のあった時代です。

   後半からドラマは内務院（宮廷の病院）に移るので、「宣祖」の後継者争いにも巻き込まれてしまいます。1592年の倭乱（日本では文禄・慶長の役）も、ドラマの中で取り上げられ、王や民衆の避難の様子を詳しく描いています。

　医術に目覚めたホジュンが山陰の医院で水汲み、薬草取りから始め、効能の勉強、山篭りの仙人の医者の教えを受け才能がどんどん開花していく様は気持ちがいい展開です。先輩門下や師の息子（キム・ビョンセ）からのいじめ、立ち直れないような挫折も味わいます。ホジュンの努力にヒューマニズム溢れる人間性を感じ、誰の胸にも届く普遍的な良心が視聴者の共感を呼ぶのだと想います。

　「ホジュン」の胸がすくようなドラマ展開は、まさに名演出家イ・ビョンフン（チャングムの誓い・商道）、名脚本家チェ・ワンギュの職人技といえる名作中の名作です。

 

　採点（10点満点中　9.5点）