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韓国は民主をあきらめない サランサヌンセサン(人が生きる世の中)

 

 

 桜も咲きようやく四月の温かさです。韓国の花チンダルレ(朝鮮つつじ)も咲
き出しました。

 10日に行われた韓国国政選挙で野党が圧倒的に議席を増やしたことに感動して
います。
 以前に韓国をあきらめない(期待する)と書きました。

 なぜなら38年前、民衆の団結と連帯の力で大統領を直接選挙で選ぶ民主化政治
を勝ち取った誇りの歴史があるからです。
 現政権は政治が人々の暮らしのための政策を取らずに、アメリカべったりの軍
事演習。北挑戦との平和的解決の方法はいくらでもあるのに。検察強権政治発令
中。
 
 

1987年に20歳の人は民主化の闘いをし、
 
2008年に20歳の人が”ふたたび光化門で”を歌い、ローソク集会
 
2017年のローソク集会は大統領の弾劾集会、20歳の人は再び民主主義を取り
戻しました。 
2024年には58歳(1987年の20歳)、36歳(2008年の20歳)、27歳(2017年の
20歳)です。

 政治を変える力のある人々がまだ60代以下という韓国です。希望しかありま
せん。

四月が昇る by/ノチャサ集より


あの川は流れているのに、  
どうして終わり
と言えるの
4月の香りはこんなに赤いのに、
ツツジの
香りはこんなに赤いのに、 
の叫びが蛇行する水の上に
立ち上り
昼の叫びが上がり、
 今日はツツジが波
となってやってくる
 川は流れて
どうして終わりと言えるの 前面に浮かび上がる光
 
純粋なモクレンはとてもまばゆいばかりで
 うねる水の上には4月に昼の叫び声が上がり、
今日はモクレンの花が波のように咲き、ツツジが波のように咲きます
 

 

 

 

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それでも韓国に期待する(サランサヌンセサン)

 

  切り株(歌 ノチャサ)

 

千年もの間太く美しい道に

もつれて絡まった我々の人々

ぐっすり眠って目を覚ましたとき

切り株の胸に後悔はありません

空に向かって開いた緑の枝に

きしんだ音と絡まった私たちの血

不幸な果実が赤く熟するならば

あなたがそれを知る前に

青い日はいつの間にか紅い葉に染まる

大地を突き刺した深い根

明日を迎える慌ただしい決断で

提灯火を照らすこの夜ここで

すべての心は愛に溢れている

 

 この歌「切り株」のように大木が切り株になっても、大地を突き刺した深い根は横からひこばえが生えてきます。さらにか弱い枝が太い幹になって時間をかけて大きくなり、花を咲かせるでしょう。

 

 韓国に絶望なんかしていません。大統領が右派になり、ウエルカム米国、ウエルカム原子力潜水艦ケンタッキーでも民主化を闘って勝ち取った人々は時間をかけて世の中を変えることでしょう。

 

 サランサヌンセサン(人が生きる世の中)のために、諦めない人々がいる限り

 

 私は韓国に期待します。

 

 

 

 

 

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ラテンアメリカは燃えている「不屈の民」②コロンビア

 

 6月19日に行われたコロンビアの大統領選挙。左派のグスタボ・ぺトロが勝利したことで心が打ち震えた人々は私を含めて全世界に多く多くいることでしょう。

 暗殺が横行するコロンビアで。

 まさに「不屈の民」

 

 尊敬する藤永茂先生がブログ「私の闇の奥」でコロンビア大統領グスタボ・ぺトロが2022年9月20日に開催された第77回国連総会で演説した書き起こしを載せています。

 素晴らしいお仕事をありがとうございます。藤永先生に感謝してシェアしたいと思います。

 私の闇の奥ブログ 私の闇の奥 (goo.ne.jp)

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グスタボ・ぺトロの演説

私は、地球上で3つの最も美しい国の一つからやってきました。そこには、生命の爆発があります。何千もの多彩な生き物の種が海にも空にも陸にも。私はその地から、 黄色い蝶と魔法の土地からやって来ました。 そこでは、すべての緑の山々や谷に、豊かな水が流れ落ちるだけでなく、血の奔流も流れています。

私は血みどろの美しさを持つ国から来ました。私の国はただ美しいだけではありません。 暴力もあります。どうして、この生き物の多様性を、死と恐怖の踊りで侵食することが出来るのでしょうか?この魔法のような歓喜を恐怖で破壊することの責めを負うべきは誰なのでしょうか?誰が、何が、富と利権の日々お決まりの物事の決め方で生命を溺死させていることの責任を負うべきなのでしょうか。

国家として、民族として、我々を破滅に導くのは誰なのか。私の国が美しいのは、アマゾンのジャングル、チョコのジャングル、河や湖、アンデス山脈、そして大洋があるからです。そのジャングルでは、地球の大気に酸素が放出され、大気中のCO2が吸収されています。CO2を吸収する何百万種もの植物の中の一つの植物は、地球上で最も迫害されている種の一つです。彼等はそれを破壊しようとする。それは一つのアマゾンの植物です。それはコカ植物、インカ帝国の神聖な植物。 まるで十字の岐路に立つかのように。矛盾です。保護されている森林は、同時に、コカ植物を駆逐するために、破壊されているのです。彼等(訳注:北米権力を指す)は毒物やグリホサート(訳注:モンサント製の有毒除草剤)を森林に大量放出し、それが水域を駆け巡る。彼等は、コカの葉を破壊した廉で、所持していた廉でも、コカの生産者たちを逮捕し、投獄するのです。

この米国の「麻薬戦争(War on Drugs)」のために、北米では100万人のラテンアメリカ人が殺害され、200万人の黒人が投獄された。人間を殺す植物を破壊せよと、彼等は北から叫びます。しかし、その植物は、何百万種と現れてくる植物の一つに過ぎません。

世界の力関係を支える大きな風土的支柱の一つであるとしてジャングルに洗礼を授ける科学者の叫びなど放っておけばよろしい。ジャングルとそこの住人たちは、世界の力関係に災害をもたらす疫病だとして責められているが、北の彼等は、お金への中毒という疫病に悩まされている。現状を永続させることに、石油に、コカインより強力な薬物に。

コカの空間と、他に栽培するものがないコカ栽培農民の空間が、悪魔化されている。あなた方の関心は、あなた方のジャングルに毒を投げ込み、我が男性たちを刑務所に入れ、我が女性たちを排斥し追い出すことだけだ。あなた方は子供の教育には興味がなく、農民たちのジャングルを扼殺し、その内臓から石炭や石油を抽出することにしか興味がない。

諸々の毒を吸収するスポンジである森林には用はないのです。彼等は、より多くの毒を大気中に投げ込むことの方を選びます。我々は、社会の空虚さと孤独を許容する彼等に仕え、それは人々を薬物バブルの中で生活させる結果に導きます。我々は、彼等が改革を拒否している諸問題から手を引きます。彼等は、ジャングルに、そこに生きる植物に、人々に戦争を宣言する方がましだとして、森林が燃えるのを放置しながら、偽善的に、彼等自身の社会を襲っている大災害を隠すために、除草剤毒薬で植物を痛め付けています。

彼等は、我々に、もっともっと石炭を、もっともっと石油を、と要求する、他の中毒を、消費への中毒、権力への中毒、金銭への中毒を鎮めるために。人間にとって、どちらがより有害か?コカインか、それとも、石炭か石油か?

石炭と石油は保護されなければならない、そうすれば、それを使って、そっくり全人類を消滅させることができる。これらは、世界権力の所有物、不公正な所有物。世界権力は非合理的なものになってしまった。彼等は、ジャングルの潤沢の中に、所有し、所有し、そして消費するという深く底の知れない痙攣に埋め込まれた、貪欲さ、罪深さ、彼等の社会の悲嘆の罪の起源を見いだしているのです。

銀行口座は天井なしになってしまった。地球上の最強者達の金は、もはや数百年のうちに使い切ることさえできないでしょう。それが生み出す存在の悲哀は、人間が産み出したものです。競争が騒音と麻薬でその悲哀を埋め合わせる。お金への依存中毒、麻薬類への依存中毒。

孤独という病は、ジャングルに除草剤グリホサートを撒くことではでは治らない。ジャングルに罪はないのではないか?犯人は彼等の社会です。無限の消費で教育され、消費と幸福とを取り違える愚かな混乱で、権力のポケットはお金で一杯にすることが出来るのです。麻薬中毒の犯人はジャングルではなく、世界権力の非合理性です。

麻薬戦争は40年続いて来ました。もし我々が軌道修正しなければ、さらに40年は続くでしょう。米国では、ラテンアメリカで生産されたのではない合成麻薬フェンタニルの過剰摂取で280万人の若者が死亡することになるでしょう。何百万人ものアフリカ系アメリカ人が民営刑務所に収監されるのを見ることになるでしょう。

黒人の囚人は、刑務所会社のビジネスになるでしょう。さらに100万人のラテンアメリカ人が殺害され、彼等は、我々の河川と緑の野原を血で満たすでしょう。我々は、民主主義の夢が死ぬ場面に立ち会うことになるでしょう。我々のアメリカでも、アングロサクソンのアメリカでも。民主主義は、それが生まれた場所で死ぬでしょう。偉大なる西ヨーロッパのアテネでも。 真実は隠蔽される。我々は、我々のジャングルと民主主義国家の死を見ることになるでしょう。

麻薬との戦いは失敗しました。気候変動との戦いにも失敗しました。 ソフトドラッグの致命的な消費は増加し、人々はよりハードなものに走りました。私の大陸では大量殺戮が行われ、私の国は、社会的責任を隠すために、何百万人もの人々を刑務所に送り込みました。彼等はジャングルが悪いのだと声を上げ、ジャングルの植物たちは、理不尽にも、彼等のスピーチや政策を埋め尽くしたのです。

私は、ここから、傷を負ったラテンアメリカから、要求します。非合理な麻薬戦争を終わらせよう。麻薬の使用を減らすには、銃で戦争する必要はない。我々の全てが、より良い社会を構築することが必要なのです。もっとお互いに助け合う、もっと愛情に満ちた社会、そこでは、充実して日々を生きることが、麻薬中毒や新しい形の奴隷制から我々を救い出してくれるのです。

麻薬を減らしたい?それなら、あなた方は、自分の利益を減らし、もっと愛を増すことを考えなさい。理に適った権力の行使を考えなさい。あなた方の毒で私の国の美しさに触れないで欲しい。アマゾンのジャングルを救うために、この地球上の人類の生命を救うために、偽善抜きで、我々を助けて欲しい。あなた方は科学者を結集し、 科学者達は、 数学と気候学的モデルを使って、理性的に語りました。 彼等は、人類の種の終わりが近いと語り、 我々の持ち時間はもはや数千年ではなく、数百年でさえないないと語ったのです。

科学は警鐘を鳴らしたが、我々はそれに耳を傾けることをやめた。戦争は、必要な諸々の措置を取らないための言い訳として機能した。今は、その行動が最も必要とされる時、演説がもはや目的を果たさなくなっている時、人類を救うために必要なお金を支払うことが不可欠な時、石炭や石油から一刻も早く離れることが必要な時、です。ところが、ここに来て、彼等は戦争というものを発明した。

一つ、また、一つ、と。彼等はウクライナだけでなく イラクやリビア、シリアにも侵攻した。彼等は石油とガスのために侵略した。彼等は、21世紀になって、お金と石油への依存中毒という最悪の中毒を見出した。戦争は、気候の危機に対して行動しないための言い訳として今まで機能してきている。これらの戦争は、人類という種を終わらせるものに対して、自分たちがどんなに依存しているかを示しているのです。

人々は飢えと渇きに埋没し、渇きを満たす水のある北の方へ何百万人も移動して行きます。すると、彼等を閉じ込め、障壁を作り、機関銃を配備し、銃撃し、まるで彼等が人間でないかのように追い出す。ガス室や強制収容所を政治的に作り出した連中のメンタリティーを、この地球全域で、5倍ほどにも膨らませて再生産しています。

1933年。 理性に対する攻撃の大勝利。(訳注:1933年はヒトラーが政権を掌握した年)北半球に向けて放たれた大移動に対する解決策は、我々の河川を満たす水の回復であり、畑を栄養で満たすことであることが、あなた方には分からないのか。気候災害は、我々を、群がり、あふれ、荒廃をもたらすウィルスで満たしている。しかも、あなた方はその医療を商売と心得て、ワクチンを商品化してしまう。

市場は市場自身が作り出してしまったものから我々を救ってくれる、と彼等は言う。人類のフランケンシュタインは、市場と欲望に無計画に行動させ、脳と理性を放棄し、人間の理性を欲望の祭壇に跪かせることにある。人類という種を救うために、なぜ戦争が必要なのでしょうか。もし、迫り来るものが知的生命の終焉であるならば、NATOや帝国に何の意味があるでしょうか。

気候災害で何億人もの人が死ぬことになるでしょう。よく聞いていただきたい、この危機は地球が生み出したのではなく、資本が生み出したものです。気候災害の原因は資本であり、資本の論理は、我々をうまく丸め込んで、より多く消費し、より多く生産し、その結果、少数の者がより多くの儲けを懐に入れることになるというものです。

彼等は、資本、エネルギー、石炭、石油の蓄積を拡大し、ハリケーンを解き放った。大気中の化学変化は、より深く、より死滅的になりつつある。資本の蓄積の拡大は、ジャングルと美の国で起こっている死の蓄積の拡大だ。

アマゾンのジャングル植物を敵に回すことにしたのだ。それらを栽培する者達をひき捕らえて、投獄する。私は、あなた方に、戦争を止め、アマゾンのジャングルの気候災害を止めることを呼びかける。毒を撒いた後でそれを燃やす焚き火の背後には、人類の失敗がある。このコカインや麻薬への依存中毒の背後には、人類の文明の全面的な失敗があるのです。

石油と石炭への依存中毒症の背後にあるのは、人類の歴史のこの段階における真の中毒症です。非合理な権力、利益、金銭への中毒症。ここに、人類を消滅させる巨大な死の機械装置があります。私は、地球上で最も美しい国の一つであり、そしてまた、最も血にまみれた暴力的な国の一つでもある国の大統領として、あなた方に提案します:麻薬戦争と、そして、すべての戦争を終わらせ、我が人民たちが平和に暮らせるようにしよう。

この目的のために、私は、ラテンアメリカの全ての国に呼び掛ける。我々の身体に拷問を課す非合理を打ち破るために団結するようにラテンアメリカの声を結集しよう。アマゾンの熱帯雨林をまるごと救うために、私は呼びかける:もし、彼等が、森林再生基金を調達する能力がないと言うのなら、生命よりも武器にお金を割り当てる方が簡単だと言うのなら、我々の対外債務を減らして、我々の国家予算への負担を軽減し、我々がこの惑星上の人類と生命を救う任務を遂行できるようにしなさい、と。

戦争はこの世の終末を近づける罠にほかなりません。この大いなる非合理の乱痴気騒ぎの中で、ラテンアメリカは、ウクライナとロシアに和平を呼びかけます。平和であってこそ、我々は、この共通の大地で生命を守ることができる。社会的、経済的、環境的な正義なくして、平和はありえないのです。

地球と平和に付き合っていなければ、国家間の平和もありません。正義がなければ、社会的な平和もありません。ご清聴ありがとうございました。

**********(ペトロ大統領の国連での講演終わり)

 グスタボ・ペトロは、ウクライナでの戦争を”the great orgy of irrationality ”と呼びます。orgyとは刺激的な言葉です。無数のただの人間たちを日々殺し続けているこのorgy は、過去500年間、世界を支配してきた権力システムが生み出したものです。問題は、どちら側につくかではありません。人間が、人間らしく、喜んだり、悲しんだりしながら、笑ったり、泣いたりしながら、普通に暮らせることの出来る社会を、みんなで力を合わせて作ることです。それが、明らかに、グスタボ・ペトロの掲げる目標です。

 このブログの2022年7月26日付の記事『コロンビアの歴史的選挙 夜は必ず明ける』:

https://blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru/e/6762ae8ddbe7a335d5c5f012823d971a

で、Vivir Sabrosoというスペイン語の標語を紹介しました。英語では”Living joyfully”と訳されています。以前に紹介した Vivir Buen という標語とほぼ同じ政治的標語だと思います。

 

 

 

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ラテンアメリカは燃えている「不屈の民」

  

 権力を振りかざす右翼政権に反対し抗議するデモ・集会でラテンアメリカが燃えています。チリのビクトル・ハラ・シンフォニックによる「不屈の民」の演奏と観衆の歌声。このような抗議集会があるのかと、映像を見て 激しい感動に突き動かされています。

 今ラテンアメリカで起きていることを欧米・日本のマスコミは伝えてくれません。日本では民主派という名のもとに行われた香港のデモ・暴動を、香港警察の弾圧と決めつけて連日好意的に報道しています。ラテンアメリカで行われている真の民主的な抗議行動にはふれません。

 チリでは、ごく普通の人々が反新自由主義を訴えた平和的デモ隊に、軍や警察が発砲し市民が死亡、負傷、失明する事態がおきています。

 ボリビアでは軍事クーデターで追放されたモラレス大統領を支持するデモを行っていたコチャバンバで、市民の群衆にボリビアの治安部隊が攻撃し、9人の先住民族の人々が殺されました。

 コロンビアでは反新自由主義の抗議活動の中で、10月29日の5人の先住民活動家の殺害されました。先住民や労働組合員、左派系の国会議員・政治家に対する多くの虐殺を政府は行っています。毎年100人以上の人達が殺されているのです。政府は税制改革や公共サービス料金の値上げに反対するデモ隊を「過激派」扱いして、戒厳令で弾圧しようとしています。

 チリ・ボリビア。コロンビアいずれも政府による、死者まで出る弾圧です。

 チリでは2018年、右派のセバスティアン・ピニェーラが4年ぶりに大統領に返り咲きました。第二次ピニェーラ政権ではより右傾化色を強めたことで、国民の反発を招き、2019年にはピノチェト軍事独裁政権時以来最大となる大規模な100万人の反政府デモが起きています。軍隊や警察は平和的なデモに発砲しデモ隊の目を狙って、200人が失明、2,009人が怪我を負い、少なくとも5.629人が逮捕されて、政府の公式の死亡者リストでは23人が死亡しています。国立人権研究所は拷問、権力の乱用、暴行および軍人による市民の拘束に関する沢山の報告を受けているとのことです。

  

 【1973年チリの軍事クーデター】以下ウイキより

 画像の曲「不屈の民」は、初めてチリの普通選挙で選ばれた民主派のアジェンデ政権下で、1973年6月に作曲され、録音された曲です。(原題 El pueblo unido jamás será vencido 団結した人々は決して負けないだろう エル プェブロ ウニド ハマス セラ ベンシド)

 「不屈の民」録音して3か月後、1973年9月11日にアメリカCIAをバックにしたピノチェト将軍の軍事クーデターによって、アジェンデ政権(1970年11月4日アジェンデ大統領就任)は倒されました。クーデター直後に戒厳令が敷かれ、ビクトル・ハラ(チリの歌手・詩人「平和に生きる権利」https://youtu.be/S6JUAxBoa-8))を初めとする人民連合系の市民が多数サンティアゴ・スタジアムに集められ、ひどい拷問を受け容赦なく虐殺されました。クーデター後一日で確認された遺体は2,700体に上っています。

 ピノチェト政権はアメリカ政府、CIA、政財界、チリ国内の右翼保守層や軍部の支援を受けながら、その後1990年3月までの16年間に亘って軍事政権を率いて強権政治を行い、「独裁者」と呼ばれました。ピノチェト政権下では、多くの左派系の人々が誘拐され行方不明になりました。2004年のチリ政府公式報告書では、1973年9月24日には2000人から1万人の死者と報告されています。また、誘拐・投獄に伴う拷問も広く行われ、新たに建設された強制収容所に送られたりと何らかの形で、人権侵害を受けた人々は10万人とも推定され、政治的、経済的な理由での亡命者は当時のチリ総人口の約10%の100万人に達しました。最も有名なのは死のキャラバンと呼ばれるヘリコプターを使った処刑部隊であり、何人もの囚人や民間人がチリの海・湖・川・アンデスの山頂にヘリコプターから突き落とされました。

 

  以下の文章は安藤慶一著「アメリカのチリクーデター」より抜粋しました。

 著名な音楽家のビクトル・ハラも犠牲者のひとりだった。チリ・スタジアムで処刑された後、彼の妻が遺体を見たときには、両手を打ち砕かれ、顔はずたずたに切り裂かれており、銃弾による傷が44か所も見つかったという。生前に彼が録音していたマスターテープも破棄された。言わば文化的抹殺である。こうすることで、アジェンデが最後の演説で言った「種」を絶やすことができるとピノチェトは考えたのだろう。 

 おびただしい数(約20万と言われている)の国外避難者はこの中に含まれていない。幸運にも死を逃れた者たちも、拷問を逃れる幸運には恵まれなかった。チリ政治投獄拷問委員会の報告によると、少なくとも2万8千名が肉体的および精神的拷問を受けた。これら拷問犠牲者の大多数は、20才から30才までの若い男性だった。主として、社会党員、共産党員、労働組合員の他、非合法化された諸組織のメンバーである。

 犠牲者は男性ばかりではなかった。女性には、精神的にも肉体的にもこたえる特殊な屈辱が与えられた。何年も経過してから、3,000名を超える女性が自身の強姦体験について証言した。性的暴力に伴う屈辱を考慮すると、まだまだ多くの女性が沈黙を守っていると考えらられる。

 ちなみにクーデター勃発当時のチリの総人口は1000万ほどである。(抜粋終わり)

  

 長い恐怖のピノチェト軍事独裁政権が続きました。

 現在のピニェーラ大統領は国民に向けて「もうチリ・クーデターを清算し(忘れて)、新しい未来へ向かって行こう」と声明を出しましたが、犠牲者の家族やいまだに拷問・強姦の傷跡が癒えない人々はその残虐非道な行為を許せるわけがないと思います。

 

 

 

 

 チリのフォルクローレ・グループ、「インティ・イリマニ」の”不屈の民”です。インティ・イリマニは歌を通じて社会変革を目指した「ヌエバ・カンシオン運動」を代表するグループで、1973年の軍事クーデターの際にはヨーロッパ巡業中で逮捕は免れたものの、1988年まで祖国には帰ることができず、イタリアでの亡命生活を余儀なくされました。

  

 掛け合いの エル プェブロ ウニド ハマス セラ ベンシド       

          エル プェブロ ウニド ハマス セラ ベンシド

      エル プェブロ ウニド ハマス セラ ベンシド

を一緒に歌っています。

 

  民主主義とは、国民の福祉、教育、医療、住宅を国が保証すること。不正義に対する抵抗が可能であり、成就の機会があることです。

 

 

 

 

 

 

 

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韓国の民主主義

 

 右も 

 左も

 

 数十万人の集会。  自由に集会できないどころか、自由に物が言えず歌も禁止されていた長い時代を経て、保守も民主も大集会を開いています。

 

 
 
 
 警察車両はトイレを用意しています。世界に類をみない民主主義の国、韓国。(写真は在日韓国人の映画監督ヤン・ヨンヒさんのツイッターから)
 
 「空腹の人には食事を」「学びたい人には教育を」「病気の人には治療を」という当たり前の国民の権利をドラマのセリフに盛り込む韓国。
 
 
 
 
 
 
 2009年に亡くなったノムヒョン前大統領の言葉が掲げられてる集会風景 ”政治が腐ってるからと背を向けないでください。古い政治を新しい政治に作り変える力は国民の皆さんにあります”(ヤン・ヨンヒさんのツイッターから)
 日本では消費税10%に増税されても国民は抗う手を上げずに大人しく従っています。次の衆院選挙で「消費税は5%に」と野党共闘する動きがありますが、はたして日本国民に古い政治、悪い政治を変える意思があるでしょうか。あるとすればこれまで選挙に行かなかった人、政治を変えることをあきらめて投票をしなかった有権者50%の人が動くということでしょう。そうであれば日本は韓国よりもっと進んだ民主的な国に、暮らしやすい豊かな国に変わります。

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チョ・グクと嫌韓

 連日テレビのワイドショーをにぎわせている韓国現法務部長官チョ・グクは家族の不正入学、投資ファンド疑惑で日本中の誰もが知ることになったイケメン閣僚です。ペ・ヨンジュンの次に有名な韓国人といっても過言ではないでしょう。  

 メディアがヘイトを煽っている今、事実を認めない歴史否定主義にあふれかえった嫌韓報道を肯定的、好意的に受け止めている人は大勢いるでしょうが、韓国を悪く言う報道に胸を痛めている日本人もいます。
 

  韓国は1960~80年代の軍事独裁政権への抵抗の歴史があります。言論や文化が弾圧され逮捕、拷問を受けて今でも、拷問の後遺症に苦しむ人々が大勢います。1980年5月光州市では軍によって市全体が封鎖され多くの市民が犠牲になりました。1948年建国以降、反共国家として言論や集会の自由がない国だった韓国。それを変えたのは、弾圧に苦しむ人々の抵抗の嵐でした。嵐は韓国を大きく変えて1987年6月には国民による大統領直接選挙制度を勝ち取りました。言論も、禁止歌も解禁になりました。1997年12月には初めてキム・デジュン民主政権が誕生しました。現在のムンジェイン政権は民主化3期目の政権と言えます。
 

 日本植民地時代は1939年に国民徴用令(強制連行が始まる)が布かれ、1940年に創始改名が実施(朝鮮名から日本名に変える)など戦時下において強制労働や徴用工、慰安婦としてひどい扱いを受けました。
 

 なかったことにするような歴史の書き換えはできないのです。    

 2007年12月から約9年半保守のイ・ミョンバク、パク・クネ政権に移った時代は、民主化以前の韓国に戻ったかのようでした。左翼政党を認めない、反北朝鮮政策でケソン工業団地も閉鎖に至り、鉄道建設も頓挫、南北統一の夢も泡と消えてしまいました。こんにち、自由に集会ができるのは30~40年前に民主化を求めた当時の人々が身を挺して行動した賜物です。
 

 チョ・グクは1965年生まれの民主化運動世代です。左翼グループに属して逮捕経験はありますが、16歳で最年少のソウル大ロースクールに入学、23歳で大学教授につくなど華々しい経歴の持ち主ですので、挫折感を感じることはなかったかもしれません。今でもカメラの前でうつむくこともなく真っすぐ前を向いて歩いています。11時間もの記者会見、14時間の聴聞会で疑惑に答えました。権力を使った疑惑ではないとはっきりと主張しているのでしょう。家族・親族に関わる疑惑のチョ・グクですが、本人には一点の曇りはないとのことで、今回の法務長官就任を「選挙制度改革案、高位公職者非理捜査処方、検察・警察捜査権調整、諸法案」の実現のために引き受けたということです。  清廉潔白であるはずの進歩派の人間が上流階級であったという現実的すぎるチョ・グク問題。「恵まれた階級で生まれ育ち、また恵まれた階級に属していたために、不平等の問題や富の世襲問題について鈍感だった」と語ったチョ・グク法務部長官はいずれ罷免されるでしょうし、任命責任を問われたムン・ジェイン大統領は窮地に陥ることにもなるかもしれません。   

 階級社会・既得権益に対するNO!をつきつけている韓国の若い世代は、誰もが等しくスタートラインに並び、始めていくことを望んでいます。個人が商店を開いたり、独立して起業することが難しくなる新自由主義が進んだ社会です。政権を変えるだけではなく、非正規雇用をなくすなど社会制度そのものを変えなければ、自由、平等、公正な社会を築くことはできないと思います。  チョ・グクの問題は韓国の階級制度を大きく際立たせました。平等、公正な社会に本当の意味で変革する歴史の1ページかもしれません。
 

 韓国のことだけを報じるメディアですが、足元の日本も問題は山積みです。国民の生活など何も考えずに改憲一筋の安倍新政権。
 戦争で数百万の犠牲者を出した日本です。”もう戦争はこりごり”という人々の、平和の思いを汲んだ日本国憲法です。誇りをもって平和憲法を掲げ、東アジアの隣国と向き合えばよいのだと心から思います。
 

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この国で生きるために、人が生きていける世の中へ

2019参議院選
 
 この国で生きるしかない私たち。だけどこの国は壊されている。主権もない。民主主義もない。真実もない。事実も報道しない。汚職にまみれている。税金は上がる一方。生活は苦しい。学生ローンの奨学金。明日の希望も持てない。悪条件の中で老人が働く。非正規、過酷な労働条件。警官の異常な多さ。忖度、自己責任がまかりとおる。
 
 
 この国で生きるしかない私たち。なら私たちが生きていける社会に変えていかなきゃ。
 私は消費税増税に反対です。
  憲法改悪に反対です。
 緊急事態条項に反対です。
 
 自民、公明、維新の改憲勢力が今回の選挙で3分の2の議席を取ると、憲法が改悪されて緊急事態条項という恐ろしい法律が作られてしまいます。  緊急事態条項とはナチスヒットラーが用いました。非常事態に対処するという口実で一時的に政府に強い権限を与える法的な規定です。首相が緊急事態を宣言すれば、内閣が法律と同じ効力を持つ政令を定めます。  もしこれが決められたら、一人の権力者がすべてを決める、個人の自由の全くない全体主義国家になってしまいます。本当に怖いことです。
 
 大げさに聞こえるかもしれませんが明日の参議員選挙は日本の岐路といえます。なのでそれを防ぐためにも私は改憲勢力以外の政党に投票します。
 
   
 
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政治・経済・社会の過去記事はこちら

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母たちが築いてくれた戦後の日本

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母の日にちなんで
  
     
    母たちが築いてくれた戦後の日本。まだ洗濯機や、炊飯器がなかったころの子育ての苦労。1960年代から日本が高度経済成長を成し遂げて今の日本があります。その根底には不戦の誓い、国民主権、国民の福利、国民の安全と生存を謳った憲法があったからだと思います。鈴木善幸政権(1983年)までは、日本人の暮らしと生活を考える国民政党だった自民党も、中曽根政権以降はアメリカ・大企業重視の新自由主義政党になってしまいました。
 
 
 戦後の日本を復興させた高齢者が安心して暮らせない世の中。国民年金は40年払って6~7万円しかもらえません。資産家・公務員・大企業のサラリーマンとそうでない人たちの差がどんどん大きくなっています。中間層の減少によって、消費支出・賃金も減少、将来に希望のもてない非正規雇用もどんどん増えています。
 
 夜遅く車を運転していると、道路工事で旗を振って交通整理をしている人を見かけますが、皆60~70代の人ばかりです。零度にもなる真冬の深夜に、工事現場で老人が働かなければ食べていけないのです。マスコミは歳をとっても働けるのは幸せだと人々を騙しています。日本国民の福利厚生はいったいどこへ?。
 安倍政権になってから、介護の国家負担は軽減され、介護士は低賃金で離職、介護施設も閉鎖されています。貧弱な国の政策のために、30~40代の働き盛りの人たちが親の介護のために仕事を辞めることも起きています。
 介護や福祉とは反対に、軍事費は表面の数字以上に増え、防衛省の借金は5年で1.5倍になっています。10年のローンで兵器を大量に買い、アメリカからの武器輸入が急増しています。つまり国が借金(将来の国民負担)をして兵器を買っているのです。
 消費税は増税、社会保障費の支払いも増加。大企業は法人勢減税、国からの多額の研究費補助、輸出企業の消費税の払い戻しによる還付など税制の特権によって税金が減額されています。1兆円も利益のあるトヨタ自動車の支払う税金の少なさには驚いてしまいます。
 
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金大中追慕曲 シン・ヒョンウォン ”あなたは私たちです”

 
 
 
  金大中の白黒画像は重いのですが、故人の過酷な歴史がうかがえる画像です。金大中事件ウィキよりhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E5%A4%A7%E4%B8%AD%E4%BA%8B%E4%BB%B6
 
 8月18日は故金大中(キム・デジュン)元大統領の6回忌でした。2009年に亡くなった時に、韓国の有名な詩人コウンが金大中に捧げた詩に、女性歌手シン・ヒョンウォンが曲をつけて金大中の追慕曲として公開した歌です。
 金大中元大統領の6周忌追悼式には慶熙大学の教授であるシン・ヒョンウォンとポストモダン音楽学科の学生が歌う”あなたは私たちです”が追悼式場を包み込みました。
 金大中は1998年に韓国・朝鮮で始めて誕生した民主主義大統領です。自由・民主主義と、民族統一の一歩、南北和解へ向けた太陽政策。今年は特に日本植民地からの解放70周年を迎えます。
 今現在、韓国と北朝鮮は一触即発の緊張状況にあって、金大中が架けた南北の架け橋が崩れようとしています。事が起きてしまえば犠牲になるのはいつでも一般市民です。誰が戦争を望むのでしょうか。ソウルが火の海になってもよいのでしょうか。冷静に冷静に時間をかけて話し合いをして、打開策を見つけ出すことが、今一番大切なことだと思います。
 
    
    あなたは私たちです

  
あなたは民主主義です
 闇の日々
 吹きまくる吹雪に耐えて咲き始める意志です
 何度も死の境界線にいて
 何度もその境界線を過ぎて
 また起きあがる 命の勝利です
 ああ あなたは私たちの自由です 私たちです

 あなたは民族統一です
 憎しみの歳月
 互いに向けた銃口を収めて歌う歌です
 その誰も阻むことができないこと
 その誰も願ってやまないもの
 いやおうなしに迫ってくる一つの山河です
 ああ あなたは私たちの平和です 私たちです

 あなたはもう世界です
 人里離れた島の赤ちゃんが
 育って同胞のリーダーに
 同胞の教師です
 あなたの苦難
 あなたの長年の夢地域の津津浦浦流れて
 あなたの名前は世界の名前です
 ああ あなたは私たちの明日です 私たちです

 もう行ってください
 長くて長い敍事詩 置いて行ってください
 
 
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