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パイロット ”ジャニュアリー” ”北緯55度,西経3度” PILOT "January" "55 North 3 West"

 
 
 パイロット(Pilot)は1970年代の英国のポップス系ロックバンドで、”Magic(マジック)”、”January(ジャニュアリー”などのヒット曲をリリースしましたが、当時はアイドル系バンドとみられ、音楽性の高さに比べて過少評価されました。
 
 デビュー・アルバムも良いですが、セカンド・アルバムはそれ以上に素晴らしい内容です。 シングルでも大ヒットした"ジャニュアリー"、"コール・ミー・ラウンド(Call Me Round)"のほかにも、"ユアー・マイ・ナンバーワン(Your My Number 1)"、"ドウー・ミー・グッド(Do Me Good)"などの佳曲揃いです。特に好きだったのが、インストナンバー"北緯55度,西経3度(55 NORTH 3WEST)"で、この曲を聴けば、パイロットの音楽性、演奏力の高さがわかります。
 ロックのレコードは時間がたって聞いてみると、がっかりすることもありますが、パイロットの「2nd」は今聴いても色褪せることのないマスター・ピースといえます。
 パイロットはこのセカンド・アルバムのあと、メンバーのウィリアム・ライオール(William Lyall )が抜けて、サード・アルバム「モーリン・ハイツ(Morin Heights )」を発表しますが、同じバンドとは思えない精彩のなさで、ウィリアム・ライオールのソロアルバム「眠りの精」のほうがパイロットの世界に近いサウンドでした。
  
 
 
 
 
 パイロットのセカンド・アルバムから、”55 North 3 West (北緯55度 西経3度)”です。メロディーの良さ、曲の構成の巧みさ、メンバーのソロの上手さ、乗りの良い確かなリズム、初めてFMラジオで聴いてから40年近く経ちますが、今聴いても、その時の感激が蘇ってきます。
 
 
 
 
 
  BBCラジオの1975年のスタジオ・ライブから「55 North 3 West(北緯55度 西経3度)です。ドライブ感にあふれたベース・ドラムに、卓抜なギター・キーボードのソロが駆けめぐる見事なインストゥメンタル・チューンです。音はスタジオ録音よりは落ちますが、パイロットの演奏能力の高さを実感できるライブです。 )
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韓国ドラマ「カイスト」SBS 1999~2000年 全81話①

ありがとう「KNTV」 テレビ
 
 「ガラスの靴」を見た後、キム・ヒョンジュが好きになって、「土地」に出演するというので、KNTVに加入した。2005年だ。その頃のKNTVは1998年頃から2000年頃のドラマを放映していて、”私の韓国ドラマベスト10”に入る、いいドラマをたくさん観せてくれた。とてもラッキーだったと思っている。
 「幸せは我々の胸に」「君に出会ってから」「ずっと会いたい」「順風産婦人科」「ただいま恋愛中」「守護天使」「カイスト」など、私の宝物だ。
 その中でも、ブログを書くために再度見直している「カイスト」は、今夢中になっている「ポッキ姉さん」にも通じる「志の高さ」を感じるドラマで、人生とは何か、何のために生きるのかと考えさせられるドラマだ。毎回見終わった後の爽快感やほろ苦さ。今のドラマが失くしてしまった、しっとりした雰囲気と音楽で、キャンパスの若者たちの友情と情熱と夢が見事に表現されている作品だ。
 
 
 
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  「カイスト」
 
 韓国全土の理工系トップクラスたちが集まる韓国国立科学院。地域では神童と呼ばれてきた全員が揃えば1位からビリまであって、本当の天才もいるし、落ちこぼれもでてくる科学を志す若者たち。指導教官の授業、課題に宿題にテスト、ゼミの研究と厳しいスケジュールを徹夜続きで勉強する。
 コンパして遊んで恋愛するキャンパスの青春物語とは違うが、登場人物たちは同世代と変わらない葛藤と悩みを持っている。ただ科学者の卵として勉学に励み、絶えまなく研究を続ける。指導する教授たちと共に作り上げる、科学を扱った独特なキャンパスドラマ。1話から面白くて全編あきることなく見ることができる。
 
 カイスト SBS 1999年1月~2000年10月 
 全81話 (68話から出演者総入れ替えで別のドラマのようになってしまうので、67話まで観ました)
       (22話からチェリムが外国留学で降板)
       (27話からカン・ソンヨン レギュラー出演)
       (55話からイ・ナヨン レギュラー出演)
 演出 チョ・ビョンテ
 脚本 ソン・ジナ ムン・ヒジョン
 出演者                                             イメージ 10
 アン・ジョンフン(パク・ギフン教授)電算科 人口知能を研究している 本当の天才で行動がコメディで面白い教授だ。「科学とは人類を幸福にするのか」最初の授業でいきなり哲学的なテーマを出し、生徒たちを驚かせる。楽しい教授
 
 イメージ 11イ・フィヒャン(イ・ヒジョン教授)電子科 人口知能を研究している 鬼のように厳しい教授で、生徒には山のように宿題をだす。普段は天然、研究のことしか考えてないから、忘れものが多い。とっても知性的で素敵な女性。悪役しか見たことがなかったので、改めて演技の幅の広さを見直す。大好きな女優の一人です。
 
 イメージ 12イ・ミヌ(ミンジェ)電子科 善良な人間的な人。秀才だが更に努力する。与えられた課題は何日も徹夜してもやりとげる。天才には勝てないと思っているがそれでも努力し続ける。友人たちが苦境に立たされると、自分のことのように解決しようとする。
 
 イメージ 13チェリム(チェヨン)電算科 準天才 屈託なく純粋に科学が好き 頭脳明晰だが天然が入ってて嫌味がひとつもない人 21話で成績優秀なので悩みながらも特待生として留学する 22話以降降板 残念だ
 
 
 イメージ 15キム・ジョンヒョン(ジョンテ)電子科 準天才 あくが強く屈託がある。イミヌが追い越そうとしても追い越せない存在だが、人間的にはミヌより劣っていることを知っている
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 イメージ 14イウンジェ(ジウォン)電算科 チェリムと正反対の屈託のかたまりの秀才。父の事業が倒産して弟の授業料にも困る姉で、科学とは金になるものと割り切っている功利主義の人
 
 
 イメージ 16キム・ボソン(アーノルド) バイクに乗ったキャンパスの守衛さん タフガイ
 
 
 
 
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イメージ 2シン・ウンジョン(ナミ) アンジョンフンの助手
 
 
 
 
イメージ 3チョン・ソンファン(マンス) イフィヒャンの助手 校内一の落ちこぼれ 楽しい人
 
 
 イメージ 4ホ・ヨンラン(オクチュ) 産業デザイン科 ファッショナブルな女の子
 
 
 
 
 イメージ 18チョン・ミン(ジェミョン) 電子科 勉強についていけないがほどほどに勉強はしている 水泳をしている。神童と呼ばれていたのに優秀な人たちの中にはいるとただの人になってしまう
  
 イメージ 17ペク・ジョンハク(ソ教授) 物理の教授 とても俳優とは思えない、本当のカイストの教授のよう。インテリだ
 
 
 
 イメージ 5キム・ギヒョン(キムデヒョン)カイスト部長。貫禄もあって頼もしい
 
 
 
 
 イメージ 6マイケル・パク(マイケル)電算科 米国MITからアンジョンフンを追ってカイストに編入した準天才
 
 
 
 イメージ 7キム・ミギョン(ミスン) キャンパス内にあるカフェ「碩学の家」のママ
 
 
 
 
イメージ 8チソン(テウク) イミヌたちの後輩 サッカーロボットサークルの一人 カイストは彼のデビュー作
 
 
 
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 キム・ジュヒョク(ミョンファン)イフィヒャンの研究員
 
 
 
 
 カン・ソンヨン(ギョンジン)準天才 宇宙工学科? 宇宙が好きで屈託がある
 イ・ナヨン(ヘソン) 天才 
 キム・ジョンミン(ジンス)電算科
 キム・チャヌ 宇宙工学科の研究員
 ヨン・ジョンフン 自動車科
 チュ・ジャヒョン(チャヒョン) 自動車科
 キム・ヘソン(ジニョン)「碩学の家」のウエイトレス
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韓国ドラマ「この世の果てまで」 いい人 リュシウォン

 

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 リュシウォンはドラマによって、”いい人シウォン”、”駄目シウォン”、”素のシウォン”に分かれます。「この世の果て」はいい人シウォンの代表作。駄目シウォンの代表は、「幸せは我々の胸に」で意思の弱い役。素に近いのがあっけからんとした「君に出会ってから」だと思う。私の独断で。
 ”こんなにいい人いない”シウォンの代表作の「この世の果てまで」は1話の始めから、深刻で大変。最終回まで救いがないドラマです。しかしリュシウォンの、キムホジンとイジョンスの悪役二人にも負けない、愛と意思の強さが救いでした。
 
 

イメージ 1救いのない重苦しいこのドラマを最後まで見ることができたのは主人公、リュシウォン(セジュン)の生き方と愛し方に感動するからでしょう。

 韓国ドラマの中ではいろな愛し方があります。愛する人のために、走る、守る、尽くす、犠牲になる、去る、すべてを受け入れる。セジュンは自分を犠牲にして,ソヒ(キムヒソン)を愛し、強い意志で、彼女のすべてを受け入れます。この世にこんないい人が存在するのかと思うほどです。声がソフトで優しそうなリュシウォンを、このドラマで好きになった人は多いでしょう。

 音楽も貢献。最初のタイトルで、チャリーンと鈴の音から始まり、美しいスキャットの曲が流れます。挿入曲も良くてセジュンのテーマなのか、セジュンの場面で流れます。全曲聞けなくて途中で終わるのだけど、この曲が好きになったから、ドラマを最後まで見たのかもしれません。
 ソヒ役のキムヒソンには最後まで感情移入できなかった。美人なのだが冷たい感じで、セジュンの愛で本当の愛、生き方に目覚める感じがしなかった。
 最悪に屈折しているミンヒョク役のキムホジン。素のホジンはさわやかな好青年。金持ちで、暗く、悪い人間にしか見えないミンヒョクを見事に演じました。芸達者だ。このドラマで私のキムホジンに対するイメージが出来上がり、女優キムジホ(ガラスの靴)と結婚したときは、ショックでした。あとでキムジホからホジンの印象を聞いてほっとします。最初にこの陰湿な悪役演技を見ましたが、そのほかのドラマではチンピラっぽいが根は悪くない役が多くて、楽しめます。
 ジェソク役のイジョンスも悪役。顔が善人には見えない。つきあっている女の子ジヨン(キムソナ)にまともになって一年後に会いましょうと言われるが、改心するとは思えないなあ。素のイジョンスはトホホが入っているようで、テレビ番組でもてないと話していた。「イサン」では王を助ける良い部下を演じている。
 ジヨン役のキムソナは善良な人だが、人前でどもるので、引っ込み思案です。ジェソク(イジョンス)を愛の力で厚生させることができるでしょうか。キムソナといえば「私の名前はキムサムスン」。。ピアノが弾けるので、ナフナのMBCコンサートにゲストで登場。「ムシロ」を演奏しデュエットしていました。ほかにも「黄金時代」でも音楽家の役でピアノを弾いました。
 キムホジンの妹ユリ役のカンソンヨンもこのドラマで初めてみた女優。いろいろな役のできる女優。天才の役「カイスト」、はすっぱな水商売の役「私が生きる理由」、古いしきたりの嫁の役「噂の女」、勝気でアクションもこなす役「彼女が最高」など。2006年映画「王の男」では、各映画祭で「人気賞、」「この時代最も美しい女優賞」などに輝きました。
 
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 イメージ 1韓国ドラマでは教会で愛を誓い合うシーンがよくあります。その中でも私のベスト1が「この世の果てまで」の教会のシーンです。
 第14話でキムヒソンが白血病になり、この世をはかなんで自殺しようと入水しますが助けられて家にもどります。リュシウォンは彼女を助けようと必死になって、孤児院記録から身内がいないか調べたり、生きられる方法をみつけようとしています。それなのに彼女は死のうとします。
 彼は彼女を教会へ連れて行きます。二人にとって初めての教会。十字架の前でひざまずいた、リュウシウォン。
「僕がなんて祈ったのかわかる?ソヒ(キムヒソン)が一番つらいときに,ソヒのそばにいさせてくださってありがとうございます。僕が一番つらいときも,ソヒを僕のそばにいさせてください。」
 指輪を見せて「これは父さんからもらった指輪。勇気の指輪だよ。僕の父さん、覚えてる?ガンと闘って3年長く生きたんだよ」
「毎日君を抱いて眠りたい。僕の元気を全部君に吹き込んであげるよ。君さえ勇気をだせば闘えるよ」
 プロポーズ 指輪を彼女の指に。
 キムヒソンがリュシウォンに答える
「私生きるわ。闘うわ。もう逃げたりしないで闘う。」
 二人は抱き合って十字架の前で永遠の愛を誓います。前向きに生きていこうとする二人の姿が本当に美しい。感動して大粒の涙があふれました。
 
 
「この世の果てまで」 MBC 1998年 16話
 
 原作「彼女が目覚める時」 チョチャンイン
 
 監督 キムサヒョン 「秘密」(2000) 「その陽射しが私に」(2002) 「屋根部屋のネコ」(2003) 「私の名前はキムサムスン」(2005)
  
 脚本チョンユギョン 「秘密」(2000) 「I Loveヒョンジュン」(2002) 「君はどの星から来たの?」(2006) 「インスンは美しい」(2007) 「結婚してください」(2010)
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 出演者
 リュシウォン(セジュン) 「フィーリング」(1994) 「青空」(1995) 「愛するまで」(1996) 「幸せはわれわれの胸に」(1997) 「折鶴」「純粋」(1998) 「真実」「秘密」(2000) 「美しき日々」(2001) 「その陽射しが私に」「君に出会ってから」(2002) 「彼女は最高」(2003) 「ウエディング」(2005) 「スタイル」(2009)
 
 キムヒソン(ソヒ) 「風の息子」「風呂場の男たち」(1995) 「ウエディングドレス」(1997) 「遥か遠い国」(1996) 「カラー」「プロポーズ」「ウエディングドレス」(1997) 「ミスターQ」(1998) 「トマト」(1999) 「悲しき恋歌(2005)」 「スマイルアゲイン」(2006)
 
 キムホジン(ミンヒョク) 「ポリス」 「風呂場の男たち」(1995)「私が生きる理由」「春の日は行く」「スター」(1997) 「波」(1999) 「タンポポ」(2000) 「太陽の誘惑」(2002) 「黄色いハンカチ」(2003) 「千秋太后」「二人の妻」(2009)
 
  イジョンス(ジェソク) 「白夜3.98」(1998)「LOVEサラン」 「警察特攻隊」「死ぬほど愛している」(2003) 「漢江ブルース」(2004) 「イサン(2007)」 「みんな一緒にチャチャチャ」(2009)
 
 キムソナ(ジヨン) 「黄金時代」(2000) 「私の名前はキムサムソン」(2005) 「ラブトレジャー」(2007) 「シティーホール(2009)」 「女の香り」(2011)
 
 カンソンヨン(ユリ ミンヒョクの妹)「私が生きる理由」「ドクターズ」(1997) 「男女6人恋物語」(1998) 「Happy Together」(1999) 「カイスト」「トギ」(2000) 「噂の女」(2001) 「彼女は最高」(2003) 「シングルパパは熱愛中」(2008) 「妻が帰ってきた」(2009)
 
 チョンヨンスク(セジュンの母) 「青春の罠」「ウエディング」「笑ってトンヘ」「ドキドキMyLove」「人魚姫」「人生は美しい」「ローズマリー」
 
 ソンジェホ(ジヨンの父) 「「王と妃」「商道」「拝啓ご両親様」「熱血商売人」
 
 キムインテ(チョン会長ミンヒョクの父「バリでの出来事」「オンリーユー」「太祖王建」「アイルランド」「プランダン」
 
 チャグァンス(ミンヒョクの叔父) 「第五共和国」「王と妃」「ロビースト」「チュモン」
 
 キムヒョンジャ(孤児院の先生) 「人生画報」「真実」「クッキ」「君に出会ってから」
「ドクターズ」「明日は愛」「新貴公子」「イヴのすべて」「愛するあなた」
 「パリの恋人」「総合病院」のキムジョンウンがミンヒョクの婚約者で出演。この頃は「星に願いを」など脇役さんが多いです。
 孤児院にいる女の子で。「順風産婦人科」のミダル(キムソンウン)がチョイ役ででていました。
 
ほんとうはおしゃべりなリュシウォン。最近、離婚問題で元気がありません。心配です。早く解決して、元気でおしゃべりなリュシウォンに戻ってほしい。
 
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韓国ドラマ「秋の童話」 美しいひと ソンスンホン

「秋の童話」と「冬のソナタ」は対照的なドラマですがこの二つのドラマには共通性があります。それは永遠的な感情表現ということだと思います。

 「秋の童話」は切なさを通り越して、「かわいそう」で泣く。涙が止まらない、心の奥深くまで染みて、悲しみという感情すべてがでてしまいます。心が覚えているから、あらすじを読むだけで悲しみがこみあげてきて、胸が苦しくなります。ドラマで流れていた音楽を聴いただけで又泣き、それほど強烈です。。

 「冬のソナタ」は何度でも何度でも見ることができます。でも「秋の童話」はかなり時間が経たないと見ることができません。同じ内容のドラマがあったとしても、一過性の悲しい物語で終わるでしょう。そうもこのドラマには永遠性があるのです。ユンソクホの世界で描かれているから美しい情景がさらに悲しみを誘い、人々の心を打つ素晴らしいドラマが生まれたと思います。
 かわいそうという感情ってなんだろうと思います。人である限り誰の心の中にもある感情、喜び、悲しみ、怒り、慈しみ、愛しさなど、個ではなく対照があってこそ生じるものです。この「秋の童話」が、アジアで多くの人々の琴線にふれて涙を誘っていますが違う国の人々が、同じドラマで泣くことに私は感動します。
 「冬のソナタ」でも何度も書きましたが、ユンソクホの世界は美しすぎます。それと同時に主演のソンスンホンが美しい。ソンスンホンには悪を一つも感じません。立っているだけで切ないし、存在が大げさでなく、苦悩していても美しい。彼の相手役にソンヘギョ、ウォンビンを起用したのも成功した理由の一つでしょう。
 
 「秋の童話」と「冬のソナタ」は特別な作品。この二つを超える作品はないし、これからも現れないでしょう。ユンソクホの見事なまでの芸術性。そして主演俳優の美しさには、ためいきが出るほどです。
 
「秋の童話」は見ていて苦しくなるくらい悲しい物語。ユンソクホはあまり「不幸」を描きませんが、このドラマでは「不幸」を美しく描いています。去っていく兄や両親を、トンネルの向こうで涙で見送るウンソ役のムングニョンが悲しくて愛おしい。ウンソが「私は木になりたい」という。「一度根を下ろしたらどこへも行かずにすむし、離れずにすむから」と。 
 赤ちゃんの取り違えで、突然に訪れた不幸は、屈託なく明るくて、線の細いやわらかな少女の運命を大きく変える。そして自らその運命を受け入れるウンソ。ムングニョンがあまりにもかわいらしくて、やわらかで、はかなくて、涙を誘います。
 10年経ったウンソは美しい女性に成長している。10年間、幸せな記憶を胸の奥深くにしまいこんで生きてきて、何か寂しげなウンソ役ソンヘギョ。と同時に辛い環境を生きたきた強さも持ち合わせています。ウンソに訪れる不幸を、ウォンビンが受け入れます。ホテルオーナーの息子で屈折している、悪い男ではない。悪い男だったら無理やりウンソを自分のものにしたでしょう。ウォンビンは存在感の人です。ハンサムで、表情が豊かでクール。そあいて狂おしいほどウンソを愛します。
 涙で家族を見送るトンネルのシーンのまま、時が経ち、大人になったウンソの兄、ジュンソ役ソンスンホンがトンネルの前でたたずんでいます。ウンソを探し続けるジュンソ。”美しいひと”ソンスンホン。追憶シーンが流れます。トンネルを通り抜けて行く自転車に乗った中学生のジュンソとウンソ。二人の映像ががユラユラゆれている。ユンソクホの光と影の芸術です。夕暮れ、水平線の広がる海、緑の田、牧場、高原の緑、色づいた落ち葉、廃校。すべて美しい風景。
 しかしユンソクホであっても、俳優が違えば又別の作品になってしまう。ソンスンホン、ウォンビンがいてこその「秋の童話」で、二人が並ぶと圧巻。私はこの作品に出会えて本当に幸せでした。
 書くために「秋の童話」を見直しています。涙涙。映画なら2時間泣けばすむのに、この作品は数時間も泣きっぱなし。映画「ひまわり」と同じレベルの作品です。
 
「秋の童話」のソンスンホンはどうして美しいのでしょう。ウンソを探し続けていたソンスンホンは「白馬の王子様」なのかな。二人が出会うまで、なんどもすれ違っています。黄色いパラソルの船のすれ違いのシーンはこのドラマのコマーシャルとしても使われるくらい。お互いを知らずに電話でお話するシーンも切なくて素敵です。
 二人が出会った後は、最後の日まで純粋にウンソを愛しぬく。ソンスンホンは目が澄んでいて清潔で誠実、俗っぽさがなく、絵筆を持って、キャンパスに向かう姿は美しい。しつこいけれど、ソンスンホンは悪をひとつも感じさせない魂を持つひと。立っているだけで愛を感じるし、そして、切なくて美しい。
 シットコムコメディ「男女6人恋物語」でも誠実な青年で、軽くコメディを演じて、イウイジョンを優しく愛する。「あなたそして私」では影はあるがナイーブな美しい青年を演じる。「ローファーム」では正義感の強い弁護士。「ハッピートゥギャザー」では愛と出世に悩む検事。ソンスンホンには良心の人の役がとっても似合う。
 ウォンビンといえば「コッチ」だ。他にユンソクホの「プロポーズ」「クアンキ」など
 ソンヘギョは「順風産婦人科」や「フルハウス」のコメディもできるし、「ホテリアー」「守護天使」「オールイン」などではいい演技を見せてくれた。うまい女優です。
 見直してびっくりしたのは、ソンスンホンの先輩がイハンウィで、ホテルの女上司がキムナウンだったこと。
 
 採点(8点)
 
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